ペットのしつけ教室に通うデメリットはある?メリットや通う際の注意点などを解説!

ペットのしつけ教室に通うデメリットはある?メリットや通う際の注意点などを解説!

犬のしつけは難しく、なかなかうまくいかないときに、ペットのしつけ教室に通わせてみたいと思うのではないでしょうか。しかし、しつけ教室について詳しく知らない方にとって、ペットのしつけ教室に預けて安心できるのか不安な点もありますよね。今回は、犬のしつけ教室へ通わせるデメリットはあるのか、またメリットや通う際の注意点などについて解説していきます。これからペットのしつけ教室を選ぶ方も、ぜひ参考にしてください。

ペットのしつけ教室に通うデメリット

ペットのしつけ教室に通うデメリット

ペットのしつけ教室へ通わせるには、デメリットも出てきます。まずは、しつけ教室でどのようなデメリットがあるのか解説していきましょう。

効果が感じられない可能性

ペットのしつけ教室へ通っているのに、効果が感じられない場合があります。それは、ペットのしつけ教室のトレーニングが犬に合っていない可能性が考えられます。子犬から覚えることを成犬にトレーニングしていないか、叱られている内容を犬がしっかり理解できているかなど、飼い主さんも確認してみましょう。

まずは、飼い主さんがどのようなトレーニングを望んでいるのか、しつけ教室のトレーニングメニューに希望のトレーニングが組み込まれているかなどを再度確認することが大切です。

教室と家でのしつけの違いによる混乱

ペットしつけ教室のトレーニングでよくあるデメリットが、トレーナーと飼い主さんのしつけの違いです。トレーニングしてくれているのはトレーナーさんですが、家に帰ると飼い主さんが違うことで叱ったり、褒めたりすることで犬もどっちのいうことを聞くべきか混乱するのです。

よくないケースでは、トレーナーのいうことしか聞かなくなることもあります。特に預かりのしつけ教室でトレーニングをした犬は、飼い主さんとの信頼関係よりもトレーナーとの信頼関係を築いてしまいます。そのため、トレーナーが見ている前ではいうことを聞いていても、帰宅すると同じことができない可能性も出てくるでしょう。

トレーナーが教えたことは、飼い主さんも同じ行動で振る舞う練習をする必要があるので、飼い主さんのトレーニングに対する理解と努力も必要です。

ペットへのストレス

犬のしつけで、これが正解というものはありません。そのため、ドッグトレーナーの方針や性格もさまざまな方がいます。犬のことを一切叱らないトレーナーもいれば、スパルタで厳しいタイプもいるでしょう。

犬のしつけでは、信頼関係が一番とされるためスパルタが一概に悪いわけではありませんが、一部では虐待ととらえるようなトレーニングを組んでいるドッグトレーナーも存在します。

犬がトレーナーを信頼していないのに、しつけ教室へ通わされるのは犬にとって大きなストレスになってしまいます。トレーナーだけではありません。しつけ教室へ行くと苦手な犬や他の人間が苦手など、臆病な一面があるかもしれません。

犬がストレスを感じるようなしつけ教室に通わせ続けることは、犬や飼い主さんにとってもデメリットとなります。可能であれば、どのようなトレーニングを行うのか見学をすることもよいでしょう。

ペットのしつけ教室に通うメリット

ペットのしつけ教室に通うデメリット

デメリットを踏まえたうえで、ペットのしつけ教室のメリットについて紹介します。通いや預け・出張タイプなどさまざまですが、飼い主さんが行うしつけでは得られないポイントなどもあるので解説していきましょう。

正しいしつけを身につけられる

初めて犬を飼う人でしつけに不安を持っている人でも、ペットのしつけ教室へ通うことで、正しいしつけや飼い主さんの心得を学ぶことができます。

基本的なしつけから、散歩でのマナーや他の犬との接し方なども身に付きます。成犬になってからでは矯正が難しいといわれる、吠え癖や嚙み癖なども早めに予防することも可能です。

犬とお出かけしたい飼い主さんは、人混みでも大人しくできるようなしつけを学ぶこともできます。今ではカフェやレストランだけではなく、一緒に泊まれるホテルや遊園地など、犬と楽しめる場所が広がっています。ただし、利用にはしつけができていることを条件にしているところがほとんどです。また、災害時に避難所で過ごすうえでも必要最低限のマナーとなります。

問題行動の改善・予防ができる

ペットのしつけ教室へ通うと、普段から気になっていたが飼い主さんだけでは直せない問題行動を予防・改善することができます。

問題行動例は以下のとおりです。

  • 家具や壁紙を噛む
  • 散歩中の拾い食い
  • 病院へ行くときにスムーズにいかない
  • 散歩中リードを引っ張る
  • 吠え癖
  • 噛み癖

問題行動をそのままにしておくと、現状よりも悪化してしまいます。拾い食いがある犬は、たばこの吸い殻やごみ、石などを飲み込んでしまい開腹手術を行う場合もあります。噛み癖も放っておくと、病院やトリミングの際も苦戦するだけではなく、人に迷惑をかけるようになります。

人が好きでやっていることでも、犬自身がケガをしたり他人やほかの犬に迷惑をかけるようになってしまってからでは、しつけ教室でも矯正が難しい場合もあります。このような問題行動を早く矯正することができるのもしつけ教室のメリットです。

飼い主さんがペットとの接し方を学べる

飼い主さんのなかでも、しつけがうまくいかないことを犬のせいにしてしまっている場合があります。しかし、生まれつきダメな犬はいません。問題行動を起こす犬にも理由があるはずです。飼い主さんの接し方が変われば、犬も自然に変わります。

自己流でしつけをされる飼い主さんは、犬を擬人化して理解しようとしています。犬には犬の心理学や行動学などを通して、理解しやすいように飼い主さんが接してあげることが大切です。そういった根本的な接し方、犬の気持ちなどを正しい方法に基づいて、ペットのしつけ教室では学ぶことができます。

どのような問題行動を起こす犬でも、飼い主さんが変われば犬も変わるのです。犬との距離ができる前に、しつけ教室でしっかり基礎を学ぶことで接し方も変わってきます。犬にとって飼い主さんは環境の一部です。

ほかの犬との社会勉強ができる

ペットのしつけ教室へ通うメリットとして、ほかの犬との社会勉強の場になることが挙げられます。グループトレーニングは、飼い主さんが教室に通って、トレーナーと一緒に学ぶスタイルですが、主に生後3ヵ月以下の子犬が通うしつけ教室で行われています。

犬は生後3か月頃までは社会化期といわれ、さまざまなルールや自己形成をする時期といわれています。この期間はしつけのしやすい時期で、この時期にはほかの犬や人と合わせて行くことが大切です。

時期的にも、ほかの犬と一緒にいたり、飼い主さん同士もほかの犬を見学する絶好の機会になります。ほかの犬がいても大人しくするトレーニングにもなるので、散歩中にほかの犬に吠えるような問題行為を未然に防ぐ効果もあります。

ペットのしつけ教室を利用するタイミング

ペットのしつけ教室を利用するタイミング

ペットのしつけ教室を利用したいと思っても、適切なタイミングがあるのではないかと不安になってしまいますよね。では、ペットのしつけ教室を利用するのによいタイミングを紹介しましょう。

子犬を迎えたとき

犬の産まれてからの1年は、人間の18年に相当するといわれるほど成長が目まぐるしい時期です。そのため、1歳までに経験することが、子犬の将来に影響する大切な期間となります。特に社会化期といわれる、生後3週間〜3ヵ月までの期間は好奇心旺盛で学習力が高い時期です。

社会化期を過ぎると、警戒心や恐怖心・個性が強くなり、飼い主さんにとって困ってしまうような問題行動が発生することもあります。

そのため、ペットのしつけ教室へ通わせるのであれば、学習能力が発揮される社会化期に通い始めることがタイミングとしても適しているでしょう。人間同様に子犬のときの方が柔軟にしつけを行いやすいので、新しい環境にも馴染む傾向にあります。

飼い主さんがうまくしつけられないとき

犬のしつけがうまくいかないと、頭を抱える飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。犬にとって危ないことや、飼い主さんの負担を犬がうまく理解できていない可能性があります。

飼い主さんがだめだよといっても、犬にとってそれが褒められていると勘違いしてしまうパターンはよくあります。飼い主さんのなかで、こういった意思の疎通ができないことを悩んでいるなら、ペットのしつけ教室へ通わせてみるタイミングなのかもしれません。

犬を迎え入れると、ついかわいく思い甘やかしてしまう飼い主さんも珍しくはないです。ただ、ダメなこととよいことをしっかり犬に理解して貰うためにも、飼い主さんも勉強することがあります。うまくしつけができないのであれば、一緒に通えるしつけ教室もおすすめです。

吠え癖や噛み癖など問題行動があるとき

犬を家族に迎えた際、適切なしつけを行わないと噛み癖や吠え癖などの問題行動につながってしまいます。遠吠えでのご近所さんへの迷惑や、散歩の際にほかの犬への吠え癖・噛み癖があると、問題行動というより迷惑行為となってしまいます。

問題行動を起こす犬の場合、飼い主さんとの間でさまざまなコミュニケーションの行き違いがあることがほとんどです。犬目線でのわかりやすいしつけを行うことで、問題行動は改善できます。

また、家に迎え入れて間もない子犬ならば、問題行動を未然に防ぐことができるので、問題行動を起こして間がなければ、早めにしつけ教室に相談してみましょう。飼い主さんとの理解力をあげてとてもいい愛犬になってくれるはずです。

主従関係が逆転しているとき

犬は、野生でも群れで生きる動物です。ご主人様が誰かということを理解して飼われているのが一般的ですが、なかには主従関係が逆転していることがあります。

主従関係が逆転しているかは次のような行動から確認できます。

  • 飼い主さんが呼んでも反応しない
  • 飼い主さんより先にドアから出る
  • 散歩のときに飼い主さんより前を歩く
  • 叱るとうなる
  • 欲しがるとおやつを与えてしまう
  • 無駄吠えをする
  • クワえた物を返さない
  • じゃれているときに飼い主さんの服や手足を甘噛みする

など、主従関係が逆転すると、犬が飼い主さんよりもうえの立場だと誤解している可能性があります。無駄吠えや噛みつきなどの攻撃的な行動も、主従関係の逆転が原因になるので注意しましょう。

また、しつけの際に感情のまま叱ったり、体罰を与えている可能性があります。犬の恐怖心を煽って、さらに問題行動がエスカレートしてしまう場合もあるのでやめましょう。

そういった問題の原因がわからない場合、ペットのしつけ教室へ相談することがおすすめです。いうことを聞かない、噛む・歯向かう癖が出てきたらできるだけ早くしつけ教室へ相談しましょう。

しつけ教室に通う前に確認すべきこと

しつけ教室に通う前に確認すべきこと

しつけ教室に通う前に、飼い主さんや愛犬がそのペットのしつけ教室に合っているのか、一般的なしつけ教室がどのようなところかを確認する必要があります。ここでは、しつけ教室に通う前に確認すべきことを紹介しましょう。

しつけ教室の方針を確かめておく

しつけ教室では、問題行動を直すだけではなく、ほかの犬や人と仲良くする社会性を育てる・競技ができるようになるなどさまざまな方針があります。

教室に参加する前に、飼い主さんは犬のしつけの方針を決めておきましょう。まだはっきりしていないのであれば、ざっくりとした目標でもよいので、ヒアリングなどで伝えるとトレーナーもわかりやすいです。

しつけ教室にはマンツーマン指導から、複数のグループ指導もあります。問題行動を直すのが目的なのか、社会性を身につけるのが目的なのかで指導の形は変わるでしょう。臆病な犬には出張タイプのしつけ教室もあるので、自分の犬に合ったしつけ方針を持っている教室を探すことがおすすめです。

費用・期間を確かめておく

一般的なペットのしつけ教室では、1回のレッスンの相場は3,000〜5,000円程度です。これが少なくとも10回は続くと想定しておいてください。また、子犬のしつけか問題行動の改善かによって、期間やトレーニング内容も変わります。

通学なのか出張なのか、犬を預けるコースになるのかで料金の加算もあるので、余裕を持って予算は組みましょう。預かりでのしつけ教室では、当然食事代などもかかるので、一律ということではありません。

具体的な料金について、申し込む前にしつけ教室の方と直接確認しておきましょう。万が一途中でキャンセルが発生したら、返金してもらえるのかなど、はじめに聞いておきたいことは事前に確認しておくと安心です。

ペットのしつけ教室を利用する際の飼い主さんの注意点

ペットのしつけ教室を利用する際の飼い主さんの注意点

ペットのしつけ教室は、飼い主さんの教育方針や、家での接し方を学ぶうえでも勉強しなくてはならないことがあります。では、ペットのしつけ教室を利用する際の飼い主さんの注意点をみていきましょう。

根気よく続ける

犬のしつけには根気が必要です。人も同じですが、何度も何度も繰り返して教えてあげる必要があります。

飼い主さんのなかには、愛犬がおすわりできるとおっしゃる方がいます。しかし、おすわりができるといっても、とても奥が深いのです。環境が変わったり、誘導されるものが増えれば、普段あたり前のようにできていたおすわりもできなくなることがあります。これは、おすわりができているとはいえません。

なぜ、ドッグトレーナーが毎日トレーニングしている犬はしつけを学ぶのか、理由はテクニックではなく、地道に毎日練習しているからです。一度学習したことの能力を高めるためには、やはり毎日の反復練習が必要となり、根気強く努力を続けるしかありません。

しつけを学ぶ姿勢を持つ

飼い主さん自身が、犬の行動と気持ちを観察や理解する姿勢がない限り、犬との関係性に変化を起こすことはできません。飼い主さんもトレーニングを受けることで、何かを学ぶ姿勢を持つ必要があります。

学ぶ姿勢があれば、トレーナーに質問してみるのもよいでしょう。トレーニングを理解して、できなかったことを報告することで、犬のしつけによい影響をもたらせます。順調にしつけが進むように、飼い主さんも学ぶ姿勢をしっかりもちましょう。

飼い主さんの学びの姿勢は、犬との関係性の基盤をつくるものです。飼い主さんが学ぶ姿勢をもっていなければ、犬と向き合うことができません。

自分の思いどおりに犬を飼うことなどできないと理解して、根気強く向き合い、学ぶという姿勢があれば、難しいしつけでも飼い主さんと一緒に乗り越えてくれるでしょう。

自宅でもしつけを実践する

ペットのしつけ教室から帰ってきた際、するべきことのなかに復習があります。まてやお座りなどの簡単なものなどから、散歩中の問題行動へのアプローチなど、しつけ教室で学んだことを自宅でも実践することが大切です。

ペットのしつけ教室で、しっかり学んでいるのだからできて当然という意識を持つのはやめましょう。犬と長い時間過ごすのは、トレーナーではなく飼い主さんであるという意識を持つことが大切です。

上述のとおり、ペットとトレーナーの問題ではなく、飼い主さんの根気やしつけを学ぼうとする積極的な姿勢があって、犬のしつけの成長を感じることができます。必ず、しつけ教室で学んだしつけは自宅でも実践するようにしましょう。

まとめ

今回はペットのしつけ教室へ通うデメリットと、メリットのほかに通わせる際の注意点などを解説してきました。しつけ教室といっても、種類や期間・犬の性格などによって通わせる教室もさまざまあります。ただし、ペットのしつけ教室へ通わせるだけではなく、飼い主さんの協力や根気も必要であることがわかっていただけたはずです。今からペットのしつけ教室へ通わせることをお考えの方も、問題行動で悩んでいらっしゃる場合も、まずは気軽に気になっているしつけ教室へ問い合わせてみるのもよいでしょう。愛犬との時間がより充実したものになることを願っています。

参考文献