子犬を家族に迎えたら、できるだけ早い段階でしつけを始めたいと考える方もいるのではないでしょうか。そんなときに役立つのが「パピークラス」や「子犬のしつけ教室」です。
本記事では子犬のしつけ教室であるパピークラスはいつから始められるのかについて以下の点を中心にご紹介します。
- パピークラスのトレーニング内容
- パピークラスの利用がおすすめのケース
- パピークラスを利用するときの注意点
子犬のしつけ教室であるパピークラスはいつから始められるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
パピークラスはいつから始められる?

子犬のしつけは、できるだけ早く始めることが大切ですが、パピークラスに参加するタイミングには注意が必要です。生後2〜3ヶ月頃までは、まだ脳の発達が不十分で、指示をしっかり理解するのは難しい時期です。この時期は、母犬や兄弟犬との関わりのなかで、犬同士の接し方や社会性を学ぶ大切な時間でもあります。
飼い主によるしつけの本格的なスタートは、生後2〜3ヶ月を過ぎた頃が目安です。特に、混合ワクチンの接種が済んだ生後3〜12週の「社会化期」は、しつけやトレーニングを始めるのに理想の時期といわれています。この時期にパピークラスへ参加することで、さまざまな経験を通して社会性が身につきやすく、成長にもよい影響を与えます。
ただし、子犬の性格や体調はそれぞれ異なるため、すべての子犬に同じタイミングが合うとは限りません。なかには環境の変化に敏感だったり、ほかの犬との接触に不安を感じる子もいます。そのため、無理に参加させるのではなく、まずは教室へ相談し、様子を見ながら段階的に進めることが大切です。
なお、海外では生後8週齢頃からしつけ教室に通うのが主流ですが、日本ではペットショップを経由して子犬が家庭に迎えられるケースが多く、感染症への配慮も必要です。
したがって、ワクチン接種の時期や健康状態を考慮しながら、愛犬にとって無理のないタイミングで参加しましょう。
パピークラスのトレーニング内容

パピークラスでは、どのようなトレーニングが行われているのでしょうか?具体的なトレーニング内容を見ていきましょう。
信頼関係や上下関係
パピークラスでは、子犬が基本的なコマンドを覚えるだけでなく、飼い主さんとの信頼関係や上下関係を築くことが大きな目的となります。例えば、「おすわり」「まて」「ふせ」などの基本指示を繰り返し行うことで、飼い主さんの言葉に耳を傾ける習慣が自然と身につきます。
こうしたトレーニングは、単なる言葉の理解ではなく、飼い主さんの指示に従うことで安心できるという信頼の積み重ねでもあります。甘やかしすぎてしまうと指示が通らず、問題行動につながることもあるため、メリハリのある接し方が重要です。
また、トレーニングを通じて飼い主さん自身も犬の行動の意味や気持ちを読み取る力が養われ、よりよい関係性を築けるようになります。
社会性
子犬にとって「社会化期」と呼ばれる生後3〜12週は、さまざまな刺激を受けやすい重要な時期です。この期間にさまざまな人間や犬、音や環境に慣れることで、将来の性格や行動に大きな影響を与えるといわれています。
パピークラスでは、ほかの子犬や飼い主さんとの交流を通じて、社会性を自然に身につけられます。同年代の犬と遊ぶなかで加減を学び、ふれあいで人間に慣れることにもつながります。また、日常生活で出会うさまざまな音や物にも少しずつ慣れていくよう工夫されています。
社会性が育つことで、将来的に無駄吠えや極端な怖がり、攻撃的な行動といった問題が起こりにくくなり、落ち着いた成犬へと成長しやすくなります。パピークラスは、子犬にとって大切な社会性を身につける絶好の機会といえるでしょう。
トイレのトレーニング
パピークラスでは、初めて犬を飼う方が悩みがちなトイレトレーニングについても丁寧にサポートしてもらえます。子犬が床のにおいを嗅ぎながらそわそわするなどの“排泄のサイン”に気付いたとき、先生がすぐに声をかけてくれるため、タイミングよくトイレサークルへ誘導できます。
排泄が成功した際はすぐに褒めてご褒美をあげることで、「ここでしていいんだ」と正しい習慣が身につきやすくなります。また、クラス開始直後にはすでに排泄のタイミングが近づいていることもあるため、最初にトイレサークルに誘導して様子を見ることもポイントです。
トイレの成功体験を重ねることで、子犬も自信をつけ、失敗が減っていきます。排泄のタイミングを見極める力が飼い主さんにも自然と身につくため、家庭でのトレーニングにも役立つでしょう。
動物病院に慣れさせる
パピークラスの多くは動物病院内で開催されており、自然と病院の雰囲気に慣れさせられます。特に生後4ヶ月頃までの「社会化期」は、警戒心がまだ弱く、新しい環境にも順応しやすいため、病院慣れのトレーニングには理想の時期です。
パピークラスでは、診察台に乗せた後におやつを与えたり、獣医師や看護師に優しく触れてもらうことで、「病院=こわい場所」ではなく「楽しいことがある場所」としてポジティブな印象を持たせる工夫がされています。
このような経験を積むことで、将来の診察や予防接種、治療時にも犬が過度に緊張したりストレスを感じたりしにくくなります。子犬のうちから病院やスタッフ、診察台に慣れておくことは、健康管理をスムーズに行ううえでもとても大切です。
正しいしつけの方法
パピークラスでは、子犬へのしつけと同時に、飼い主さんへの正しいしつけ方法の指導も行われます。実践を通して学ぶ形式のため、ほかの家族のしつけの様子を見ながら、客観的に見直せます。
クラスでは、「叱る」よりも「褒める」ことを重視したトレーニングを行い、望ましい行動を引き出す方法や、間違った対応がどのような影響を与えるかといった基本的な知識も学びます。
実際の内容には、「おすわり」や「まて」などの基本指示のほか、リードをつけての歩行練習や落ち着く練習、抱っこへの慣れなど、日常生活に欠かせないしつけが含まれています。
こうしたトレーニングを通じて、飼い主さんと犬の信頼関係を築き、家庭でも無理なく続けられるしつけ方法を身につけられます。
子犬との遊び方
パピークラスでは、子犬との正しい遊び方を学ぶことも大切なトレーニングの一つです。
特に子犬期に多いとされる「甘噛み」は、遊びのなかで対処しないと、後々トラブルの原因になることもあります。クラスでは、噛まれても痛みを感じにくいおもちゃの選び方や、甘噛みをやめさせる工夫、引っ張りっこ遊びのルールなどを実践的に学べます。
例えば、甘噛みをしたら「アッ」と声を出して遊びを中断することで、「噛むと楽しい時間が終わる」と子犬に理解させる方法などが行われます。また、留守番中に退屈しないよう、知育玩具や噛んで遊べるおもちゃの活用法も教えてくれます。
遊びを通して子犬のストレスを発散させると同時に、噛んでよいもの・いけないものをしっかり区別できるように育てることが、問題行動の予防につながります。
しつけ教室は飼い主同士も交流できる?

しつけ教室やパピークラスは、子犬の学びの場であると同時に、飼い主同士が交流できる貴重な機会でもあります。同じ時期に子犬を迎えた飼い主同士が集まるため、トイレトレーニングの苦労や甘噛みの悩みなど、共通の話題で自然と会話が生まれやすくなります。
レッスンの合間には、近所の散歩コースやドッグカフェの情報、トリミングサロンなど、日常で役立つ情報交換が行われることもあります。先生に相談しにくいようなことも、気軽に話せる仲間ができるのは大きな安心感につながります。
グループレッスンならではのこのつながりは、飼い主さん自身の励みにもなり、愛犬との生活をより楽しく豊かなものにしてくれます。気が合えば、レッスン後に一緒にお出かけするような関係へと発展することもあるでしょう。
パピークラスの利用がおすすめのケース

ここまで、パピークラスについて解説しました。
ここでは、パピークラスの利用がおすすめされるケースを解説します。
初めて犬を飼う場合
初めて犬を飼う方には、パピークラスへの参加がおすすめです。子犬の扱い方やしつけの基本を、プロのトレーナーから直接学べる貴重な機会となります。また、同じように初めて犬を迎えた飼い主同士で悩みや疑問を共有できる点も魅力です。
パピークラスは動物病院内で開催されているため、健康や育て方の相談もしやすく、今後の信頼できる相談先としてもおすすめです。子犬との生活をスムーズにスタートさせるための第一歩として、ぜひ活用してみましょう。
初めての犬種を飼う場合
「犬を飼った経験があるから大丈夫」と思っていても、新しい犬種を迎えると、これまでとは異なる性格や習性に戸惑うことも少なくありません。犬種ごとに運動量や学習傾向、しつけのポイントは異なります。
パピークラスでは、そうした犬種特有の特性を理解したうえで、しつけ方法や接し方をプロのトレーナーがアドバイスしてくれます。過去に犬を飼っていた方でも、新しい犬種を迎えた際にはパピークラスで学び直すことをおすすめします。
久しぶりに犬を飼う場合
久しぶりに犬を迎える場合も、パピークラスの受講がおすすめです。犬のしつけや健康管理に関する知識は日々進化しており、昔の常識が現在では通用しないケースもあります。
「以前こうだったから大丈夫」と思っていても、新しい方法を知ることで、よりスムーズに子犬との生活がスタートできます。トレーナーからのアドバイスだけでなく、ほかの飼い主との情報交換もできるため、快適に育てるためのよい機会になるでしょう。
パピークラスを利用するときの注意点

最後にパピークラスを利用するときの注意点を解説します。
トレーナーや開催者を確認する
パピークラスを選ぶ際には、誰が指導を行うのか、開催者の理念や教育スタイルを事前にしっかり確認しておくことが大切です。クラスのホームページやパンフレットをチェックし、トレーナーの経歴や資格、これまでの活動内容などを確認しましょう。犬に対する接し方やしつけに関する方針が自身の考えと合っているかどうかも重要なポイントです。
また、クラスによっては見学や説明会を実施していることもあります。そういった機会を活用し、トレーナーがどのように犬に接しているか、声かけや態度が優しく信頼できるものかを観察してみましょう。
飼い主と愛犬の双方に対して丁寧な対応ができるか、個々のライフスタイルや犬の性格に合わせたアドバイスができるかどうかも、よいトレーナーを見極める上でのポイントです。
最終的には「その場所に行くことが犬にとって楽しいかどうか」も含め、総合的に判断するようにしましょう。
料金設定を確認する
参加費用は、開催地域や運営する団体によって幅がありますが、1回あたり2,000円〜5,000円程度が目安となります。負担に感じる金額かもしれないので、あらかじめ予算を設定して教室を選ぶのがおすすめです。
また、ステップアップクラスや個別のトレーニングなど追加のプログラムがある場合には、事前に料金体系が明確に提示されている教室を選ぶのがポイントです。
子犬の体調や行動を見守る
パピークラスに参加する際は、愛犬の様子をこまめに観察することが大切です。子犬は新しい環境に対してとても繊細で、刺激が強すぎたり、ストレスがかかりすぎたりすると、落ち着かなくなったり問題行動を起こしてしまうことがあります。
もし愛犬が過度に興奮していたり、不安そうな様子を見せているようであれば、その教室が今の愛犬に合っていない可能性も考えられます。そんなときは、トレーナーや動物病院の先生に相談して、無理のない方法を一緒に考えてみましょう。
トレーニングの一貫性を保つ
パピークラスで身につけたことを、普段の生活のなかで実践することが大切です。
飼い主が一貫した対応を心がけ、継続的にトレーニングを行うことで、子犬のしつけがより効果的に定着し、健やかな成長につながります。
ワクチン接種を済ませる
パピークラスは複数の子犬が集まる場所のため、感染症予防として事前にワクチン接種を完了させておくことが大切です。
ほとんどのクラスでは、ワクチンの接種が参加の必須条件となっており、開催側によっては2回目の接種でOKな場合と、3回目まで完了している必要がある場合があります。事前に参加条件をしっかり確認し、それに沿って準備を整えましょう。
無理なく通える場所にあるか確認する
パピークラスに継続して通うことを考えると、通いやすい場所にあるかどうかは重要なポイントです。社会化期と呼ばれる子犬の成長において大切な時期はあっという間に過ぎてしまうため、この貴重な期間をしっかり活かすには、移動の負担が少ない教室を選ぶことが大切です。
また、その施設が将来的にかかりつけの動物病院になる可能性もあるため、長くお付き合いできる場所かどうかも視野に入れて選びましょう。
まとめ

ここまで子犬のしつけ教室であるパピークラスはいつから始められるのかについてお伝えしてきました。子犬のしつけ教室であるパピークラスはいつから始められるのかについての要点をまとめると以下のとおりです。
- パピークラスのトレーニングでは、しつけの基礎の習得を通じて、犬との接し方や正しい対応の仕方を自然と身につけられる
- パピークラスの利用がおすすめのケースには、初めて犬を飼う方や久々に犬を飼う方が挙げられる
- パピークラスを利用するときの注意点には、誰が指導を行うのかであったり、開催者の理念や教育スタイルについて知ったりすることが挙げられる
パピークラスは、子犬の心と体の成長をサポートする大切な第一歩です。しつけや社会性の基礎を学びながら、飼い主さんとの信頼関係を深める貴重な時間となります。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。