しつけ教室で他犬に吠えるのを改善できる?犬が吠える理由も解説!

しつけ教室で他犬に吠えるのを改善できる?犬が吠える理由も解説!

愛犬がほかの犬に吠えてしまうと、散歩やドッグランでの時間がストレスになってしまうこともありますよね。

本記事ではしつけ教室で他犬に吠えるのを改善できるのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 犬が吠える理由
  • 散歩中の犬が他犬に吠える理由
  • 犬のしつけ教室とは

しつけ教室で他犬に吠えるのを改善できるのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

犬が吠える理由

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犬が吠えるのは、意思表示の手段のひとつです。人間が言葉やジェスチャーで伝えるように、犬は吠えることで感情や欲求を表現しています。もともと狩猟や警戒の役割を担ってきた犬は、オオカミよりも吠える能力が強化されており、特に外敵を知らせたり、縄張りを守ったりするために吠える習性があります。

主な吠えの理由には警戒、不安、要求などさまざまな種類があり、飼い主がそのパターンを見極めながら、適切に対処することが理想的です。

そのため、「吠えないように」とむやみに叱るのではなく、まずは犬が何を伝えようとしているのかを理解することが大切です。ただし、過剰な吠えは近隣トラブルの原因にもなるため、適切なしつけが必要になります。

犬が他犬に吠える理由

犬が他犬に吠える理由は以下のとおりです。

威嚇・警戒している

犬がほかの犬に対して吠えるのは、威嚇や警戒の表れであり、「これ以上近づかないでほしい」という意思表示の一つです。特に、縄張りを守ろうとする本能や、大切な飼い主を守ろうとする気持ちが働くことで、吠えや威嚇の行動が強く出ることがあります。

このとき、犬は不安や恐怖だけでなく、怒りの感情も抱いているため、状況によっては唸り声をあげたり、噛みつく行動に発展する可能性もあります。そのため、威嚇行動が見られたら、適切に対処することが重要です。

興奮している

犬がほかの犬に吠える理由として「興奮」も考えられます。これは、うれしさや期待感によって気持ちが高ぶり、制御できなくなってしまう状態です。例えば、散歩中に初めての犬と出会ったときや遊びたくて近づきたいときなどに、興奮がピークに達して吠えてしまいます。

このような「興奮吠え」を抑えるためには、飼い主が冷静に対応することが大切です。興奮しそうなタイミングで「伏せ」や「待て」などのコマンドを出し、犬の気持ちを落ち着かせましょう。

また、飼い主が大きな声で叱ると、犬は応援されていると勘違いし、さらに興奮してしまうため注意が必要です。

縄張り意識

犬は本能的にテリトリーを守ろうとするため、散歩コースや家の周囲を縄張りと認識し、見知らぬ犬が近づくと警戒して吠えることがあります。特に、去勢していないオス犬や日本犬、ミニチュア・シュナウザーなどの犬種は縄張り意識が強い傾向があります。

このような行動を落ち着かせるには、犬の注意をそらすことが重要です。吠えそうなタイミングで「座れ」や「伏せ」のコマンドを出し、おやつを使って集中させるのもおすすめです。

もしコマンドに従えない場合は、歩いてきた道に戻ったり、横道に逸れるなどして、犬の視線を切り替えるのも効果が期待できます。

また、吠えたときにすぐに抱き上げると、「吠えると飼い主にかまってもらえる」と誤学習する原因になるため、飼い主が冷静に対応し、犬が落ち着く環境を作ることが大切です。

ストレス

犬がほかの犬に吠える理由として「ストレス」もあります。環境の変化や運動不足、飼い主の生活リズムの変化など、犬は些細なことにも敏感に反応し、ストレスを感じると吠えてしまうことがあります。特に引っ越しや家族の増減など、大きな変化があった場合は、犬の不安が高まりやすくなります。

そのため、ストレス吠えを抑えるには、まず原因を取り除くことが大切です。まずは、過度なしつけは逆効果になることもあるため、犬が安心できる環境を整え、十分な運動や遊びを取り入れてあげましょう。

散歩の時間を適切に確保し、室内でもおもちゃや知育トイを活用して遊ぶことで、エネルギーを発散させられます。

ストレスが軽減されれば、自然と吠える頻度も減っていくでしょう。

不安

犬は環境の変化や見知らぬものに対して不安を感じると、吠えることで守ろうとします。特に、飼い主が外出しようとすると察知して吠えたり、少しでも離れると落ち着かなくなる状態を「不安吠え」と呼びます。

この状態が悪化すると、留守番中に吠え続けたり、家具を噛んだりといった問題行動につながることもあります。重度になると「分離不安症」の可能性があるため、適切な対応が必要です。

軽度の不安吠えは、しつけによって改善できることがあります。例えば、短時間だけ別の部屋に移動し、犬が静かにしていたら褒めることで「飼い主がいなくても大丈夫」と学ばせる方法がおすすめです。少しずつ時間を延ばしていくことで、留守番中も落ち着いて過ごせるようになります。

また、飼い主が出かける際に不安そうな態度を見せると、犬はそれを敏感に察知し、さらに不安が増してしまうため、普段どおり落ち着いて出かけることが、不安吠えを防ぐポイントです。

要求がある

飼い主に向かって激しく吠えるのは、何かを求めているサインかもしれません。例えば、

  • 「ご飯ちょうだい!」
  • 「早く散歩に行きたい!」
  • 「もっと遊んでよ!」

このような「要求吠え」は、飼い主の日頃の対応によって習慣化してしまうことがあります。犬が吠えたときに「うるさいから」とすぐに要求を叶える様な対応を続けると、犬は「吠えれば思いどおりになる」と学習し、さらに要求吠えがエスカレートしてしまうのです。

これは、子どもがスーパーでおもちゃをねだり、泣けば買ってもらえると学んでしまうのと同じです。犬が何かを求めて吠えたときに、ご飯をあげたり散歩に連れて行ったりするのは、要求吠えを助長する原因になってしまいます。

要求吠えをなくすためには「吠えても望みが叶わない」と根気よく教えることが大切です。

散歩中の犬が他犬に吠える理由

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散歩中の犬が他犬に吠える理由はなぜでしょうか?以下で詳しく解説します。

飼い主を守りたい

愛犬が頻繁に吠える理由のひとつに「飼い主を守ろうとする本能」があります。犬は本来、群れで暮らす生き物であり、信頼する仲間(飼い主)を守る意識が強く働くことがあります。しかし、飼い主との関係性が適切に築けていない場合、犬が「リーダーにならなければ」と勘違いし、過剰に警戒しながら吠えることがあります。

無駄吠えを防ぐためには、まず飼い主が主導権を持ち、犬に「頼れる存在」と認識させることが大切です。犬がリーダーの役割を担おうとすると、外の刺激に敏感になりすぎてしまい、ほかの犬に対して吠える行動が増えることがあります。

信頼関係を築くことで、犬は自然と飼い主の指示に従いやすくなり、周囲への警戒心も和らぐでしょう。

怖がって威嚇している

向こうから近づいてくる犬に対して威嚇するように吠えるのは「怖いからこれ以上近づいてほしくない」という気持ちの表れです。警戒心の強い犬は、知らない犬に対して過敏に反応し、吠えることで距離を取ろうとします。愛犬が身構えている場合、多くは相手の犬に対する恐怖が原因となっています。

このようなときは、無理に叱るのではなく、愛犬に「相手の犬は危険ではない」と認識させることが大切です。まずは、犬が吠えずにいられる適切な距離を確保し、その範囲内で徐々に慣れさせていきましょう。飼い主自身が落ち着いて冷静に対応することで、犬も安心しやすくなります。相手の犬を意識しすぎず、自然な態度ですれ違うようにすることがポイントです。

また、慣れさせようとして無理に相手の犬へ近づけようとすると、かえってストレスがかかり、恐怖心を強めてしまうことがあるため、無理に接触させるのではなく、愛犬のペースに合わせて徐々に慣れさせていくことを心がけましょう。

一緒に遊びたくて興奮している

「遊びたい!近づきたい!」と興奮して吠える犬は、相手の犬に向かって呼びかけると同時に、「近づかせて!」と飼い主に要求していることが多いようです。

このような場合「相手の犬に対するアピール」と「飼い主への要求吠え」の両方の要素が含まれていることがあります。また、興奮している犬はリードを強く引っ張ることがあり、これがさらなる興奮を引き起こし、結果として吠えがエスカレートする悪循環に陥ることがあります。

興奮状態が高まると、飼い主の指示が届きにくくなり、制止しようとしても犬が聞き入れなくなることもあります。そのため、過剰に興奮してしまう前に落ち着かせることが重要です。適切なタイミングで制止し、冷静な状態を保てるように導いてあげましょう。

他犬に吠えないようにするには?

犬 鼻 乾燥

他犬に吠えないようにするにはどうすればよいのでしょうか。以下で詳しく解説します。

慣れさせる

環境や状況に慣れさせることも、しつけの重要な一環です。「不安や寂しさ」「警戒心や縄張り意識」「音などへの反応」といった理由で吠える場合は、環境に適応させることで改善が期待できます。

例えば、飼い主がいない状況に不安を感じて吠えてしまう場合は、その環境でも安心できるように慣らしていくことが必要です。犬の性格によっては時間がかかることもありますが、焦らず少しずつ取り組みましょう。具体的には、「短時間だけ離れる→鳴く前に戻る」を繰り返すことで、「飼い主は戻ってくる」と学習させ、安心感を持たせられます。

回避する

犬は「吠える」という行動と、その後に起こる出来事を関連づけて学習することがあります。例えば、「ほかの犬に出会う → 吠えることで相手が離れる → 吠えれば追い払える」と認識すると、今後も同じ状況で吠え続けるようになってしまいます。

もし愛犬が散歩中にほかの犬に吠えやすい場合は、できるだけ吠える機会を減らす工夫が必要です。散歩の時間帯を変えたり、ルートを調整することで、犬と遭遇する確率を下げることができます。また、見通しのよい広い道や公園を選び、飼い主が先に周囲の状況を把握できるようにするとよいでしょう。

愛犬がほかの犬の存在を意識する前に距離を取ることで、「吠える必要がない」と学習させることが大切です。

おもちゃやオヤツで気を逸らす

散歩中に動くものを見つけて吠えてしまう犬には、事前に気を逸らす工夫が有効とされています。まずは、飼い主が先に周囲の動くもの(自転車やジョギングする人など)を察知し、愛犬が反応する前に適切な距離をとりましょう。

その間に、お気に入りのおもちゃやおやつを使って注意をそらし、飼い主の方へ意識を向けさせることが大切です。

例えば、動くものが近づいてきたタイミングでおやつを見せたり、愛犬の好きなおもちゃを使って遊びながら過ぎるのを待つと、吠えることなくスムーズに対応できることがあります。この方法を繰り返すことで、「動くものが現れても、吠えずに飼い主を見ればよいことがある」と学習します。

犬のしつけ教室とは

犬のしつけ教室は、犬にしつけを行うだけでなく、飼い主が正しいしつけ方法を学べる場でもあります。例えば、無駄吠えをやめさせたい、散歩中に飼い主のペースに合わせて歩かせたいのに急に走り出してしまう、といった問題行動への対処方法を学べます。

犬のしつけ教室に行くべきタイミング

犬のしつけ教室に行くべきタイミングを以下で詳しく解説します。

生後3~16週間までの社会化期

犬のしつけには期限はありませんが、生後3〜16週間の「社会化期」は、さまざまな刺激に慣れさせる重要な時期です。この時期に十分な経験を積まないと、見知らぬものや環境に対して警戒心や恐怖心を持ちやすくなり、吠えや噛みつきといった問題行動につながることがあります。

吠え癖や噛み癖がなおらない

吠え癖や噛み癖は、近隣の方やほかの飼い犬に影響を与えてしまう可能性のある行動です。もし家庭でのしつけだけでは改善が難しい場合は、サポートを受けることを検討するよいタイミングかもしれません。

主従関係が逆転している

人と犬がともに暮らす上で、適切な主従関係を築くことは重要です。どれ程愛らしい愛犬であっても、飼い主の立場が低いと認識されるのは望ましくありません。

例えば、以下のような行動が見られる場合、犬が上位だと勘違いしている可能性があります。

  • 呼んでも無視する、指示に従わない
  • 触られることを嫌がる
  • お腹を見せようとしない
  • 飼い主の腹や背中に乗ろうとする
  • 吠えたり唸ったりして食べ物を要求する

これらの行動が見受けられる場合は、主従関係のバランスが崩れている可能性があるため、適切なしつけを行い関係を見直すことが大切です。

危険な行動をする

散歩中に突然道路へ飛び出そうとしたり、走行中の車に向かって行こうとすることはありませんか?また、ほかの犬に対して攻撃的な態度を繰り返す場合も注意が必要です。

これらの行動は、思わぬ事故につながる危険性があり、犬自身がリスクを理解できていない可能性があります。リードを強く引っ張る癖がある場合も、同様の傾向が見られることがあるため、日頃の散歩の様子をしっかり観察し、適切な対応を心がけましょう。

犬にやってはいけないしつけ

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しつけの際に避けるべき行動のひとつが、大声で叱ることです。大きな声で叱ると、吠えをやめさせるどころか、逆に興奮を助長してしまい、吠えがひどくなることもあります。

どうしてもその場で吠えを止めさせたい場合は、犬が嫌がる音を出して注意を逸らす方法がおすすめです。ただし、この方法に頼りすぎると犬にストレスを与えてしまう場合があるため、過度な使用は避けるようにしましょう。

まとめ

ここまでしつけ教室で他犬に吠えるのを改善できるのかについてお伝えしてきました。しつけ教室で他犬に吠えるのを改善できるのかについての要点をまとめると以下のとおりです。

  • 犬の「吠える」行為は重要なコミュニケーション手段であるため、吠える理由を理解することが大切
  • 犬が散歩中に他犬に吠えるのは、飼い主を守ろうとする本能、恐怖による威嚇、遊びたくて興奮しているなどの理由が考えられる
  • 犬のしつけ教室に通わせることで、無駄吠えや引っ張り癖などの問題行動への対処方法を習得し、愛犬とのよりよい関係を築ける

犬が吠える理由を理解し、それに合った対応を学ぶことで、愛犬とのコミュニケーションが深まり、より穏やかで快適な生活を送れるでしょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献