動物病院で去勢・避妊手術を受けるメリット・デメリット|手術のタイミングや費用も解説

動物病院で去勢・避妊手術を受けるメリット・デメリット|手術のタイミングや費用も解説

犬や猫は、去勢手術や避妊手術を受けたほうがよいのでしょうか?
また、手術を受ける場合はいつ受けてもよいのでしょうか?

去勢手術や避妊手術にはメリット・デメリットや、手術を受けるのに適している時期があります。
今回の記事では、去勢手術や避妊手術に適した時期と、手術をするメリット・デメリットを中心に解説します。
術後のケアや費用相場についても解説するので、ペットを飼う予定の方やペットの去勢・避妊手術を検討している方もぜひ参考にしてください。

去勢・避妊手術を行うべきタイミングは?

去勢・避妊手術を行うべきタイミングは?

去勢手術や避妊手術には、それぞれ適したタイミングがあります。まずは、犬の場合と猫の場合に分けて解説します。

去勢手術を行うタイミング

犬と猫では成長の速度に多少の差がありますが、それぞれどれくらいの月齢で去勢手術を受けるのが適しているのでしょうか。

犬の場合

犬の去勢手術は、生後6ヶ月〜1歳の間に行うとよいといわれています。1歳を超えても手術は可能ですが、性成熟に伴い目立ち始めるトラブルや問題行動を減らすという意味では、早めに手術を受けた方がよいでしょう。

猫の場合

猫の場合、去勢手術は生後6ヶ月〜10ヶ月頃に行うケースが多くみられます。猫のオスの性成熟は生後9ヶ月頃とされていますが、それよりも前の6ヶ月頃には精巣の発達が始まっているといわれています。
そのため、性成熟に伴うトラブルや生殖器官に関連する病気を予防することが目的であれば、早めに手術を検討しましょう。

避妊手術を行うタイミング

次に、避妊手術について犬の場合と猫の場合でそれぞれ受けることが望ましい時期について解説します。

犬の場合

犬の避妊手術は、初回発情を迎える生後6ヶ月〜9ヶ月頃に行うのが一般的です。メスの場合も早期の避妊手術により生殖器や乳腺の病気になるリスクが低減するため、妊娠の予定がなければ早期の手術を推奨されます。
しかし、飼い主に「家族を持たせてあげたい」といった考えがある場合には、出産を経験してから避妊手術を検討するケースもあります。こうした場合は、出産後に授乳期を終えた頃から手術が可能になります。

猫の場合

猫も、初回の発情前に避妊手術を行うことが推奨されています。猫の性成熟はオスよりもメスの方が早い傾向がありますが、通常は生後6ヶ月頃が避妊手術に適した時期となります。

去勢・避妊手術のメリットとデメリット

去勢・避妊手術のメリットとデメリット

去勢・避妊手術には、ペットの健康や生活の質において複数のメリットがありますが、リスクも伴います。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを詳しく説明します。

去勢手術

去勢手術には、生殖に直接関係すること以外にもいくつかのメリットとデメリットがあります。それぞれ、どのようなものがあるのかみていきましょう。

メリット

去勢手術を施すことで、性成熟に伴って目立ち始めるマーキングや脱走・ケンカの回数が減り、ケガや感染症のリスクの減少が期待できます。また、攻撃的行動や興奮が軽減され、飼育しやすい性格に近づく可能性もあります。
さらに、早期に去勢手術を受けることで精巣腫瘍・前立腺疾患・会陰ヘルニア・肛門周囲腺腫といった生殖器に関する病気のリスクが大きく低減されます。

デメリット

去勢手術は、全身麻酔下で行う手術です。そのため、麻酔や手術に伴うリスクがあります。
また、去勢後はホルモンバランスが変わるため、肥満になりやすい体質になる可能性があります。体重管理のためには食事の調整や適切な運動が必要で、飼い主の負担が増える可能性があります。特に、手術を受ける犬や猫が高齢の場合には、さらに体重管理も難しく手術による身体の負担も大きいため慎重な検討が必要です。

避妊手術

避妊手術を受けることで、望まない妊娠以外にもいくつかの健康上のリスクを下げることが期待できます。一方でデメリットもあるため、そちらも解説します。

メリット

避妊手術を行う主な目的は、予定外の妊娠を避けることです。しかし、ほかにも乳腺腫瘍や子宮蓄膿症・子宮がんといった病気のリスクを減らせます。
また猫の場合は、大きな鳴き声をあげたり脱走したりといった発情期特有の行動が減るため、飼う人のストレスが軽減するほか、安全管理もしやすくなるでしょう。

デメリット

避妊手術も全身麻酔が必要であるため、手術や麻酔によるリスクが伴います。また、去勢手術にもいえることですが、問題なく手術を終えても感染症や傷口の炎症が発生することもあります。その他、オスと同じくホルモンバランスの崩れにより肥満になりやすくなるでしょう。
手術にはデメリットもあるため、ペットの年齢や健康状態も考慮し、獣医師と相談して判断することが大切です。

去勢・避妊手術の費用の目安

去勢・避妊手術の費用の目安

ここまで去勢手術や避妊手術に適した時期と、手術のメリット・デメリットについて解説してきました。では、手術を受ける場合の費用はどれくらいかかるのでしょうか。
今回は手術そのものの費用について解説します。実際に手術を受ける場合には事前の検査や術後のエリザベスカラー・薬の処方など、別料金がかかることがあります。

去勢手術の費用の目安

去勢手術は、皮膚を切開して精巣を取り除く手術です。費用は医療機関により異なりますが、犬と猫の場合の手術費用は下記が目安となります。

犬の場合

犬の去勢手術を行う場合、医療機関により料金には差がありますが費用の相場はおおよそ下記のとおりです。

  • 小型犬:30,000円(税込)前後
  • 中型犬:30,000円(税込)前後
  • 大型犬:40,000円(税込)前後

オプションとして以下のような費用が発生することもあります。

  • ・睾丸が皮下にある場合(皮下陰睾)は、追加で20,000〜40,000円程度。
  • ・睾丸が腹腔内にある場合(腹腔内陰睾あるいは潜在精巣)は、追加で30,000〜50,000円程度。
  • ・高齢や持病があり特別な麻酔が必要な場合は、追加で5,000〜10,000円程度。


このように、犬の場合は手術費用が犬種(身体の大きさ)により変わってくる可能性があります。また、手術を受ける犬の健康状態や年齢なども費用を左右することがあるでしょう。

猫の場合

費用の幅としては、16,000円~30,000円の場合が多いですが、実際の料金はかかりつけの動物病院に確認しましょう。
自治体によっては猫の去勢手術を行う際に助成金がでるケースもあります。去勢することが決まったら、住んでいる地域で助成金や補助金が支給されるか確認しましょう。

避妊手術の費用の目安

避妊手術は、卵巣のみを取り除く場合と子宮も取り除く場合があります。いずれの場合も、皮膚のすぐ近くにある精巣を取り除く去勢手術と比べると、費用はやや高額になることが多いでしょう。

犬の場合

犬の避妊手術を行う場合、医療機関により料金には差がありますが費用の相場はおおよそ下記のとおりです。

  • 小型犬:40,000円~60,000円(税込)前後
  • 中型犬:40,000円~60,000円(税込)前後
  • 大型犬:60,000円〜80,000円(税込)前後

避妊手術の場合も、多くの動物病院では去勢手術と同じく犬種(犬の大きさ)により費用は変わります。
避妊手術前は、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、点滴、麻酔などを、手術後は抗生剤、エリザベスカラー、手術服、入院、抜糸などの処置が行われます。
動物病院は自由診療なので、各動物病院によって処置の費用が異なるため、避妊手術が総額でいくらかかるのかを、事前に動物病院へ問い合わせておくと安心です。

猫の場合

猫の避妊手術の費用は、日本獣医師会の調査によると、およそ70%の動物病院が15,000円から30,000円の範囲で行っています。調査は手術のみの費用となるため、別途、麻酔料や入院料、術後の投薬代やカラー代などがかかる場合もあります。また基本的に病院によって手術方法は決まっております。
(地域により助成金が出る場合があります)

去勢・避妊手術後の過ごし方のポイント

去勢・避妊手術後の過ごし方のポイント

手術後はペットが快適に過ごし、早期に回復できるよう、いくつかの配慮が必要です。ここからは、術後の過ごし方についてのポイントを紹介します。

まず、手術直後のペットは麻酔の影響で体調が不安定なことが多いため、なるべく静かな環境で安静に過ごすようにしましょう。普段よりも興奮しやすくなっている可能性があるため、ほかの動物や子どもとの接触は控え、ゆっくり休める場所を確保するとよいでしょう。

傷口を舐めたり、掻いたりしないように注意することも大切です。獣医師が処方するエリザベスカラーを指示どおりに装着し、傷口が清潔に保たれるようにしてください。また、術後しばらくはシャワーやお風呂は避け、必要に応じて蒸しタオルで優しく拭く程度にしましょう。

さらに、手術後は麻酔の影響や緊張で消化機能が低下することがあります。そのため、食事は少量ずつ与え、水分補給もこまめに行いましょう。食欲が戻らない場合や吐き戻しが続く場合は、早めに治療を行った獣医師に相談することが大切です。
一方、手術後は体重が増えやすくなる傾向があります。そのため、過剰な運動に気を付けながら、ゆっくりとした散歩から徐々に活動量を増やすとよいでしょう。運動量と食事のバランスを保つことで、健康な体重を維持しやすくなります。

愛犬・愛猫の体調管理は瀬田アニマルクリニックにご相談を

瀬田アニマルクリニック

動物も人間と同じく急に体調を崩したり、薬だけでは病気が治らず手術が必要になったりすることもあります。
目立った症状がないうちから定期的な健康診断を受けることで、病気の早期発見・早期治療が可能となり、重症化を防ぐことができます。また、予防接種によって感染症を予防することで、ペットの健康を維持し、つらい症状が現れるリスクを減らすことができるでしょう。

こうした愛犬・愛猫の体調管理について相談できる動物病院として、滋賀県大津市にある瀬田アニマルクリニックを紹介します。

瀬田アニマルクリニックでは、水曜日を除く平日は19時半まで、土・日・祝日も午前中に診察を行っています。そのため、飼い主が日中や平日に時間が取れない場合でも受診しやすいでしょう。また、手術や急な症状への対応、健康診断など幅広い診療内容に対応しています。

去勢・避妊手術だけでなくさまざまな手術が可能

瀬田アニマルクリニック 手術室

動物病院を選ぶ際、充実した治療設備と幅広い手術に対応できる病院を重視する方は多いのではないでしょうか。

瀬田アニマルクリニックでは、去勢手術や避妊手術のほか下記のような病気に対する手術を行っています。

  • 皮膚腫瘍
  • 膀胱結石
  • 内臓腫瘍
  • 誤飲による腸閉塞

また、手術だけでなく歯周病予防を目的とした全身麻酔下での歯石取りにも対応しています。

嘔吐や下痢など突然の症状にも迅速に対応

瀬田アニマルクリニックでは、水曜を除く平日は19時半まで診療を行っており、予約は不要です。
そのため、嘔吐や下痢など急な症状でも予約せずに診てもらうことができます。

診察では、飼い主だからこそわかる症状や自宅での様子をしっかりと問診した後で、視診・触診・聴診など基本的な診察と必要に応じた検査などをしながら原因と治療方法を探していくそうです。
嘔吐や下痢はよくある症状ですが、自己判断で済ませずに、適切な診断を受けることで原因を特定し、安心して適切な治療を受けることができます。

健康診断と予防で症状がない異変も見落とさない!

動物には、体調の変化や悪化を隠そうとする本能があります。体調が悪いことを言葉で伝えることもできないため、飼い主が異変に気付くタイミングでは、症状が重くなっている可能性もあるでしょう。
だからこそ、ペットの変化に気付いたときや具体的な症状がある場合だけでなく、動物病院で定期的に健康診断を受けることが大切です。

また、犬や猫にとって危険な病気のなかには、予防接種により感染を避けられるものもあります。愛犬や愛猫を守るためには、罹患してから治療するよりも適切な月齢で予防接種を受けることをおすすめします。

瀬田アニマルクリニックでは各種予防接種のほか、耳掃除やペットフードの購入などのために通院した際に、健康診断も一緒に受けることを推奨しています。
受診を嫌がるペットも少なくありませんが、健康なときでも気軽に相談できる動物病院ならば「定期的にお出かけする場所」という感覚になり、受診のハードルを下げ、ペットのストレス軽減にも繋がるでしょう。

これから動物を飼おうと考えている方や、どのような動物病院がよいかと迷っている方は、手術から予防まで幅広い診察に対応できる瀬田アニマルクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数

アクセス

JR東海道線 瀬田駅南口より徒歩15分

診療時間
9:00~12:00
16:30~19:30

【費用(税込)】
初診料:1,100円
診察料:880円
再診料:550円
犬5種混合ワクチン:7,150円
犬7種混合ワクチン:8,250円
猫3種混合ワクチン:4,400円
猫5種混合ワクチン:7,700円
マイクロチップ挿入処置:5,500円

手術の治療期間、治療回数
【治療期間】1週間
     ・術前検査で来院、手術日程の相談・予約
     ・手術日の朝に来院→手術→その日の午後に退院
     ・手術から約1週間後に再診、抜糸
【治療回数】3回

お問い合わせはこちらから

参考文献