愛猫がご飯を食べないのはなぜ?原因と対処法について解説

愛猫がご飯を食べないのはなぜ?原因と対処法について解説

愛猫が最近ご飯を食べなくて心配…。そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、猫がご飯を食べないときに考えられる原因について以下の点を中心にご紹介します。

  • 猫の食欲不振
  • 猫がご飯を食べない原因
  • 猫がご飯を食べないときの対処法

猫がご飯を食べない原因や対処法について理解するためにもご参考いただけたら幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

猫の食欲不振について

猫はどのくらいの期間ご飯を食べていないと食欲不振といえますか?
猫がご飯を食べない日があっても、元気であれば大きな問題ではありません。しかし、食べる量が減り、いつも食べているご飯を食べない状態が約2〜3日続く場合は、食欲不振とされます。

また、元気がなく、まったく食べない、もしくはほとんど食べない状態が1日続く(生後半年以下の子猫では12時間程度)場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

幼猫では、年齢によって食べない時間が異なります。
・1〜2ヵ月齢の幼猫:8時間以内
・2〜3ヵ月齢:12時間以内
・3〜4ヵ月齢:16時間以内

1歳以上の成猫では、24時間以内であれば異常にはあたりません。

食欲不振の基準は、普段の食事量が一定していることが前提です。
食事量がばらつき始めたら、食欲不振の始まりと考えられます。
猫は年齢でご飯を食べる量が変わりますか?
猫の食事量は年齢によって変わります。なかでも老猫になると、活動量が減少するため、食べる量も少なくなる傾向があります。
さらに、食器が床に置かれていて食べにくい場合や、寝床から食事場所までが遠い場合も、食欲低下の原因となります。また、嗅覚が衰えることで、フードの匂いを感じにくくなり、食事への興味が減少することもあります。

高齢になると、猫は「高齢性認知機能不全症候群」と呼ばれる認知症になることがあります。この症状が現れると、夜中に起きて鳴き叫んだり、昼間に寝てばかりいたりと、今までと異なる行動が見られ、このような行動の変化に伴い、食欲も低下する場合があります。そのため、認知症の可能性を考えることも重要です。

これらの点を踏まえて、高齢猫は食事環境や食事内容を工夫し、食欲を維持するためのサポートが必要です。
猫の食事量と運動量は関係していますか?
運動不足が続くと、猫の食欲が低下することがあります。適度な運動は、食欲増進やストレス解消につながります。

猫は上下運動を好むため、キャットタワーや段のあるケージなどの家具を設置することで、日常的に運動を促す環境を整えることが重要です。飼い主が猫と一緒に遊ぶことも重要で、運動不足の解消だけでなく、コミュニケーションを取る良い機会にもなります。
毎日数分でも、猫じゃらしや自動で動くおもちゃを使って遊ぶ時間を設けることをおすすめします。

また、猫は一度に大量に食べるのではなく、何回かに分けて少量ずつ食べることを好む動物です。そのため、飼い主さんが仕事や外出で不在の間や睡眠中には、自動給餌器を利用して小分けにして食事を与える方法がおすすめです。

さらに、極端な寒さや暑さも食欲に影響します。なかでも夏場は暑さから食欲が落ちやすく、フードの劣化も早まりますので、部屋の温度調節にも注意が必要です。
適度な温度を保つことで、猫が快適に過ごせ、食欲の維持につながります。

これらの対策を取り入れることで、猫の運動量を増やし、食欲を維持することが大切です。

猫がご飯を食べない原因について

猫がご飯を食べないときに考えられる病気はありますか?
猫がご飯を食べない原因にはさまざまな病気が考えられます。

まず、子猫の場合、ウイルス感染症や寄生虫感染、異物誤飲などが原因として挙げられます。
成猫の場合は、胃腸炎、感染症、心臓病、腎臓病などが考えられます。
老猫では、口内炎や慢性腎臓病などが原因で食欲が落ちることがあります。

また、病気が原因の場合、口内の痛みや内臓の不快感が食欲不振に直結することが多いようです。
猫がご飯を食べない病気以外の原因を教えてください
猫は敏感な動物であるため、ストレスが食欲不振の要因となることがあります。
引っ越しや新しいペットの導入、家族の変化など、環境の変化は猫にとってストレスとなります。
また、多頭飼いの場合、ほかの猫や犬による威圧感や食事の見張りもストレスの原因になります。

さらに、食事環境も食欲に影響を与えます。
食事の場所がトイレに近かったり、周囲が騒がしかったりすると、猫は食事を嫌がることがあります。
ほかにも食器が汚れている、深すぎる、ヒゲが当たるなども食事を避ける原因となります。首輪の鈴が食器に当たる音が気になる猫もいるので注意しましょう。

発情期も食欲不振の一因です。
発情期になると、雄猫も雌猫も食事に興味を示さなくなることがあります。
雌猫がやたらと甘えたり独特の声で鳴いたり、雄猫がマーキングを始めたりするのは、発情のサインです。
猫の発情は日照時間に影響されるため、室内飼いの猫は頻繁に発情することもあります。

季節や気温の変化も食欲に影響します。なかでも夏の暑い時期は食欲が低下しがちです。
また、ワクチン接種や健康診断などで病院に行った後も、ストレスで一時的に食欲が落ちることがあります。
猫は食べ物の好き嫌いなどでご飯を食べないことがありますか?
猫は偏食傾向が強く、食べ物の好き嫌いがあります。
特に体に異常がなくても、現在与えられているご飯に飽きた場合や、新しいものを好む性質から、食べなくなることがあります。
猫は本能的に香りや食感に敏感で、年齢を重ねるとさらにえり好みが激しくなります。

また、離乳期に食べた食事を好む傾向があり、以前好きだったフードを与えると改善することもあります。
一方、同じ食事が続くと飽きる猫も多く、これは新しいものを好む習性によるものです。

ほかにも、食事に関連する嫌な体験が原因でフードを避けることもあります。
例えば、食べた直後に吐いたり、苦い薬が混ざっていたりすると、そのフードを食べなくなることがあります。
猫の食事には、好みや習性を考慮してバリエーションを持たせることが大切です。

猫がご飯を食べないときの対処法について

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元気はあるけれどご飯を食べない場合はどうしたらいいですか?
猫が元気でもご飯を食べない場合、以下の方法を試してみましょう。
まず、遊びの時間を作ることが大切です。おもちゃを使って1回5分程度の遊びを1日に何度か行うことで、食欲を刺激できます。
運動は食欲不振の解消だけでなく、ストレスの軽減にもつながります。

さらに、おやつの与え過ぎには注意が必要です。おやつが多すぎると、ご飯を食べられなくなることがあります。
おやつはコミュニケーションの一環として与え、1日の摂取カロリーの約20%以内に抑えましょう。
猫の食欲がないときのご飯の与え方のポイントを教えてください
食欲を促すためにまずは、ご飯を電子レンジで少し温めるなど食事の温度を工夫しましょう。また、栄養価の高い総合栄養食を与えることも大切です。

ドライフードは水分含有量が少なく、同じ重量あたりのエネルギー量が高いため、ウェットフードより効率的に栄養を摂取できます。
ウェットフードで満腹になりやすい猫には、ドライフードの比率を増やしてみると良いでしょう。
猫がご飯を食べないときに病院を受診する目安を教えてください
猫がご飯を食べないとき、次のような状況では早めに病院を受診することが重要です。

・病気の症状と食欲不振が24時間以上続く
・ほかの症状がなくても全く食べず水も飲まない状態が36時間以上続く
・またほかの症状がなく食欲が落ちて72時間経っても改善しない

これらの状況があてはまる場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。

編集部まとめ

猫

ここまで、猫がご飯を食べないことについてお伝えしてきました。
猫がご飯を食べない原因や対処法について要点をまとめると以下のとおりです。

  • 食べる量が減り、いつも食べているご飯を食べない状態が約2〜3日続く場合は、食欲不振とされる
  • 病気が原因の場合、口内の痛みや内臓の不快感が食欲不振に直結することが多いとされている
  • 猫がご飯を食べない場合ご飯の匂いや温度を工夫することがおすすめ

猫がご飯を食べずに不安に思う飼い主さんも多くいらっしゃると思います。
この情報が、そんな飼い主さんの不安を少しでも解消できれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

参考文献