ペットしつけ教室で受けられる初歩的なトレーニング内容は?基本のしつけが大切な理由も解説

ペットしつけ教室で受けられる初歩的なトレーニング内容は?基本のしつけが大切な理由も解説

ペットのしつけ教室では、犬と飼い主さんが基本的なトレーニングを一緒に学ぶことができます。初歩的なしつけは、犬との信頼関係を築くうえでも欠かせないものです。

しかし、しつけ教室の具体的なトレーニング内容については、知らない方もいるのではないでしょうか。この記事では、ペットのしつけ教室で受けることができる初歩的なトレーニング内容や基本的なしつけが大切な理由を解説します。

しつけ教室の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

基本のしつけが大切な理由

基本のしつけが大切な理由

基本的なしつけが大切な理由としては、以下があげられます。

  • 犬が人間社会で快適に暮らすためのルールが知れる
  • 犬と飼い主さんが幸せにストレスなく暮らせるようになる
  • 危険な行動を取らせないことで事故やケガを防ぐ

散歩中、急に玄関から飛び出してしまうと、車や人と接触して事故につながる危険性があります。しかし、「待て」や「おいで」といった基本的なしつけが身についていれば、こうした事故を未然に防ぐことが可能です。

愛犬がかわいいあまり、つい甘やかしてしまう飼い主さんも少なくありません。しかし、それが原因で主従関係が逆転すると、問題行動が増える恐れがあります。飼い主に噛みついたり吠えたりするだけでなく、ほかの犬や人に危害を加えるリスクも生じます。

そのため、初歩的なしつけは家のなかだけでなく、外でも必要不可欠です。しつけは社会への適応力を養うという意味でも重要な役割を果たすものです。

ペットしつけ教室とは

ペットしつけ教室とは

ペットのしつけ教室は、犬のしつけだけではなく、飼い主さんもマナーやルールを学ぶところです。

  • 無駄吠えを止めることができない
  • 散歩で飼い主と並んで歩けない
  • 突然走り出してしまうのを止められない

このようなことができていないと、周囲に迷惑をかける行為に対しどうすればよいかを学べる場所がしつけ教室です。

しつけ教室の種類には、子犬の社会化期に特化したパピークラスや、問題行動のある犬を対象としたプログラムなどもあります。

出張教室やマンツーマン指導、グループレッスンなどもあり、飼い主さんの生活スタイルや、犬の性格に合ったしつけ教室を選ぶことも可能です。

しつけを教えてくれるのは、ドッグトレーナーやインストラクター、訓練士と呼ばれるプロの講師が担当します。講師資格には複数の種類があり、家庭犬から警察犬までさまざまです。しつけ教室を選ぶ際は、教室の方針や講師の種類などを事前に確認しましょう。

ペットのしつけ教室に通うメリット

ペットのしつけ教室に通うメリット

犬をペットのしつけ教室に通わせるメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。ここではしつけ教室のメリットについて解説していきます。

正しい接し方やしつけ方を学べる

しつけ教室では、犬の行動や心理などを勉強しているプロの訓練士やトレーナーから、初歩的なしつけのコツや飼い主さんの心得などを学ぶことができます。

自己流のしつけでは、犬に合っているしつけなのか判断するのが難しいものです。ペットの性格を理解するには、トレーナーといった専門家の意見が参考になります。

しつけ教室に通わせることで、犬も飼い主さん自身も正しいしつけを学んで、早い段階で効果や成長が実感できるメリットがあります。

ペットの社会化に役立つ

ペットのしつけ教室は、社会化の初歩的なトレーニングとして大切です。

生後3ヵ月までを社会化期と呼ばれていますが、この時期に適切なしつけを行うことで、犬の適応力やストレス耐性を高めることができます。

社会化を目的とした初歩的なトレーニングは以下のとおりです。

  • 人とのふれあいに慣れさせる
  • さまざまな人や犬・物・音に触れる
  • 馴染みのない場所や気候を経験させる
  • 路面や草などさまざまな地面を歩かせる
  • おすわりなど簡単なしつけを始める

社会化トレーニングでは、犬の反応を細かく観察するのが大切です。トレーニングで緊張や恐怖感の方が強い場合、結果的によくないしつけになる可能性があります。過度なストレスは社会化トレーニングでは逆効果になってしまう場合があるので注意しましょう。

問題行動の予防や改善に役立つ

しつけ教室では、子犬から成犬までプログラムが組まれていますが、特に問題行動を改善させたいと悩んでいる飼い主さんも少なくありません。

問題行動が現れ始めた初期の段階、生後3ヵ月以内の社会化期では、予防や改善がしやすい時期とされています。

問題行動を起こしてからでは、トレーニングにかかる時間も根気も必要となってしまいます。問題行動を起こす前から、しつけ教室の利用を行うことで、効率的に問題行動の予防や改善ができるでしょう。

ペットしつけ教室で受けられる初歩的なトレーニング

ペットしつけ教室で受けられる初歩的なトレーニング

ペットのしつけ教室で受けられる、初歩的なトレーニングについて紹介します。

基本指示のおすわりや待て

犬のしつけでも初めに教えるのが、「おすわり」や「まて」です。

ごはんやおやつを待つしつけだけではなく、車道への飛び出しやほかの人や犬がいても興奮しないようにするトレーニングでもあります。

「おすわり」と「まて」は次のような手順で教えるのが一般的です。

  1. 犬におすわり・まてを指示する
  2. 指示を待てたら(2~5秒程度)ほめてごほうびを与える
  3. 徐々に時間を延ばして待っていられる時間を長くする

トイレトレーニングの基本ステップ

犬を迎えたら初めに覚えてもらいたいのが、トイレのしつけです。

トイレトレーニングの基本ステップは子犬と成犬では異なるため、それぞれのケースで紹介します。

◎子犬のトイレトレーニング

子犬は排泄間隔が短いので、排泄のタイミングを観察してトレーニングのスケジュールをたてていきます。時間になったらトイレに連れて行き、排泄するまで待ちます。

寝起きや運動後、ご飯を食べた後は排泄しやすく、その時間になると床のにおいを嗅いでそわそわするような仕草をみせます。トイレできちんと排泄ができたら、しっかり褒めてたくさん遊んであげることで、子犬がここでトイレをするとよいことがあるとしつけます。

◎成犬のトイレトレーニング

成犬ではすでに、トイレの習慣が身に付いてしまっていることがあります。そのため、子犬よりもしつけに根気が必要ですが、教えていればきちんと覚えてくれます。

  • トイレをサークルで囲って犬が落ち着ける場所を作る
  • 飼い主さんや場所に慣れるまで待つ
  • 排泄するタイミングを観察する
  • トイレをする時間になったら連れていくのを繰り返す

成犬は子犬に比べ1日2回程度の排泄が一般的です。これまで外で排泄していた成犬は、においや足の裏の刺激を合図にもよおすこともあります。庭やベランダなど外と同じにおいのする場所にトイレをもうけ、排泄を促すトレーニングがされています。

無駄吠えを減らすための対策

ペットのしつけ教室で教えるトレーニングには、無駄吠えを減らすためのしつけ方法もあります。近所迷惑になる場合もあるので、初歩的なトレーニングとして覚えるようにしましょう。

無駄吠えのしつけには次のような方法が用いられます。

  • ひとりでいられる練習をする
  • ハウスのトレーニングをする
  • 散歩の回数や時間を増やして運動不足の解消をする
  • 飼い主さんがチャイムの音に冷静な反応をする
  • 犬を観察し吠えるタイミングを把握する
  • 犬が吠えたら落ち着ける環境に移動させる

無駄吠えは、留守番中にすることもあるので、近所迷惑にならないように防音カーテンなどの対策を飼い主さんが取ることも初歩的な取り組みです。できるだけ気付いた早い段階からしつけるようにしましょう。

リードの使い方と散歩トレーニング

リードの使い方や正しい散歩の仕方も初歩的なトレーニングに含まれます。

散歩に連れて行くことは、毎日の運動不足を解消するだけでなく、絆を深めるためにも大切な行為です。リードは犬のコミュニケーション手段であり、使い方を誤るとお互いの関係に支障をきたすこともあります。まずは、犬にリードをつけてもらうことに慣れさせるトレーニングから始まります。

  • リードを付けていない状態で室内練習をする
  • 徐々にリードに慣れさせる
  • 適切なリードを選ぶ

これらのステップで行われます。

はじめは家の中を歩き回り、犬が後をついてくるようにトレーニングします。ついてこられたらご褒美をあげましょう。

徐々にリードをつける機会を増やして、引き続き室内で練習を続けます。首輪やハーネス、リードを嫌がるかもしれませんが、根気よく遊びながら慣らしていきます。

噛み癖・飛びつき癖の対処法

しつけ教室の初歩的なトレーニングでは、噛み癖や飛びつき癖の対処法を学べます。

子犬の噛み癖は、生後2〜5ヵ月頃から始まります。歯が生え代わることでむずかゆくなることも原因のひとつです。成犬の場合でも飼い主の関心を引くためや、遊びのなかで興奮して噛むこともあります。

噛み癖の対処法として以下のようなしつけがあります。

  • 噛まれたら言葉で冷静に叱る
  • 噛む欲求を満たすためにガムやおもちゃを与える
  • 噛むおもちゃで遊びエネルギーを発散させる

飛びつき癖には、構ってほしいという要求と、真逆の恐怖心の2つの原因があります。子犬と成犬の場合では、異なった対処法が行われます。

飛びつき癖の対処法として以下のようなしつけがされています。

  • 飛びついた瞬間におすわりで落ち着かせる
  • 飛びついてきたら前足をギュッと握る

噛み癖や飛びつき癖の対処法では、噛まれた瞬間に大きな声や興奮した声で叱ることは逆効果になります。犬が遊んでもらえていると勘違いする可能性があります。

ペットしつけ教室に通う前に自宅でできる準備

ペットしつけ教室に通う前に自宅でできる準備

ペットのしつけ教室に通う前に、飼い主さんはどのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、しつけ教室に通う前に自宅でできる準備を紹介します。

ペットの性格や行動を把握しておく

飼い主さんは、しつけ教室のトレーナーに犬の特徴や性格などを聞かれた際に、具体的に説明ができるように把握しておきましょう。

はじめてのしつけ教室では、犬の性格や行動を理解していることで、トレーニングもスムーズに進みやすいです。トレーナーに質問をしたいこともより具体的になるので、トレーニングがうまくいかない理由も明確になりやすいでしょう。

基本習慣を作るためのトレーニングを始める

ペットのしつけ教室に通う前に、基本習慣で必要なトレーニングを先にはじめておくことも大切です。基本習慣とは、飼い主さんとの規則正しい習慣でもあります。

  • 飼い主の指示を第一にすることを覚える
  • 信頼関係を強くする
  • 飼い主のいうことを素直に聞き入れるようにする
  • 犬の基本的な扱い方をスムーズにする
  • 初歩的な犬との主従関係を築く

基本習慣が身に付いていれば、トレーニングを進めやすくなります。特に子犬は、基本習慣を身に付けやすいので、しっかりと主従関係を守れる環境を設けましょう。

必要な道具や環境を整える

自宅に犬を迎えるときには、環境を整えることも大切です。特にトイレの環境は必要なので、基本的なものを揃えておきましょう。

自宅で必要なトイレ用品には、以下があります。

  • トイレトレー
  • トイレシート
  • 消臭スプレー

トイレトレーは犬よりも大きいものを選びましょう。小さいとトイレの失敗が増える原因になるので、子犬の場合でも大きなトイレトレーにするとよいでしょう。

その他にも、以下のようなものを準備しておくとよいでしょう。

  • 散歩で利用するリードや首輪
  • くつろぎやすい寝床
  • コミュニケーションのおもちゃ
  • 健康を考えたフード
  • 犬に合わせた食器・水入れ
  • ペットの移動に用いるクレート

これらのなかに、しつけ教室のトレーニングを行うなかで変更した方がよいものも出てきますが、普段から使用するものですので準備しておきましょう。

まとめ

ペットのしつけ教室では、基本から問題行動の改善までさまざまなしつけを行ってくれますが、初歩的なしつけを覚えられるかはとても大切です。応用のしつけや問題行動の改善を行うためには、初歩的なトレーニングが完了することが条件にある場合もあります。

ペットのしつけ教室を選ぶ際に、初めにどのようなトレーニングがあるのか、年齢や性格、行動パターンなどを知っておくとよいでしょう。

これからしつけ教室をお考えの方や、今のしつけ教室からの変更などを検討している方も、本記事を教室選びの参考にしてみてください。