動物病院でのトリミングについて|特徴やメリット、サロンとの違い、費用相場も解説

動物病院でのトリミングについて|特徴やメリット、サロンとの違い、費用相場も解説

ペットのトリミングは見た目のきれいさの維持だけでなく、健康と快適さを維持するためにも必要不可欠です。

そのようなトリミングですが、一般的には専用のサロンで行うイメージがある方がほとんどではないでしょうか。

一部ですが、動物病院でもペットのトリミングを行っています。特に高齢のペットや持病があるペットは、動物病院でのトリミングを受けるケースがほとんどです。

今回の記事では、動物病院で受けられるトリミングの特徴やメリット、費用相場について詳しく紹介していきます。

サロンと動物病院、どちらでトリミングを行うか迷っている方の参考になれば幸いです。

動物病院でのトリミングについて

ヘアカット中の白い犬

トリミングをしている動物病院はありますか?
一般的に、ペットのトリミングはトリミングサロンで行っているイメージが強いですが、動物病院でもトリミングを行っているところはあります。
日本獣医師会が行った2021年の調査によると、全国の動物病院の約3割がトリミングを実施していました。
また、獣医師検索サイトに掲載されている11,678箇所の動物病院のうち、2,860箇所でトリミングを行っています。
これから受診予定の動物病院がトリミングに対応しているか調べてみるとよいでしょう。
動物病院でのトリミングの流れを教えてください。
動物病院では一般的に以下のような流れでトリミングが行われます。
  • 獣医師によるメディカルチェック(体重測定や触診など)
  • 爪切り
  • 肛門腺しぼり
  • シャンプー
  • ブロー
  • カット
  • 耳掃除
  • 目ヤニケア

病院によって施術の順番は多少前後する可能性があります。
さらに、歯磨きや肉球ケアを同時に行ってくれる病院もあるため、希望する方は事前に確認しておきましょう。

動物病院でトリミングをしてもらう場合の注意点を教えてください。
動物病院でトリミングを行う際は、以下のような注意点がある場合がほとんどです。
  • 1年以内にワクチン接種が完了しているか
  • ダニやノミの予防を行っているか

病気の基本的な対策や予防ができていない場合は、病院にトリミングを断られる場合があります。
理由としては、ほかのペットや人間が病気に感染してしまう可能性があるためです。
必要なワクチン接種を終えてからトリミングの予約をしましょう。また、以下のような条件がある場合もあります。

  • トリミング中に病気の症状を発見した場合薬の処方料金も必要
  • カットデザインの指定はできない

トリミング中に何かしらの病気が発見された時は、薬の処方料金が必要になります。
想定していたよりもお金がかかってしまう場合もあるため、日頃からペットの体調の変化を把握しておくとよいでしょう。
また、通常の診察と並行してトリミングを行っている病院も多いため、カットデザインの指定までは行えないこともあります。
カットデザインをこだわりたいと考えている方は、行こうとしている動物病院併設のサロンがカットデザインの指定が可能かどうか、事前にホームページや電話で確認しておくのがおすすめです。

動物病院のトリミングの特徴

バリカンでトリミングされる犬

動物病院でのトリミングのメリットについて教えてください。
動物病院併設のサロンであれば、トリミングと並行してペットの体調チェックが行えます。
犬の保険金支払い対象となった704,442頭のうち、24.7%が皮膚病によるものでした。
動物病院でトリミングを行うことで、皮膚疾患などの異常を早期に発見できるのがメリットでしょう。
また、施術の最中に体調が急に変化した場合にも、動物病院であれば獣医師がすぐに対応可能です。
ただし、トリミングの代金とは別に診察料が発生する可能性もあります。手持ちのお金では足らなくなることがあるため、トリミングの際はいつもより多めにお金を準備しておきましょう。
健康診断や予防接種と一緒にトリミングもしてもらえますか?
予防接種と同時にトリミングを行うことは避けましょう。
予防接種後は体調不良を起こすことがあり、しばらくの間安静に過ごす必要があります。
トリミングは体毛のカットだけでなくシャンプーや耳掃除・爪切りなども行い体力を消耗するため、予防接種を行ってから1週間程度は様子を見るのをおすすめします。病院によっても予防接種から間隔を空ける日数は異なるため、トリミング先の病院にいる獣医師の指示に従いましょう。
万が一ペットの体調が回復していない場合はキャンセル必須のため、動物病院に連絡を行ってください。
また、健康診断はトリミングと同時に行える場合があります。希望する場合は、事前に動物病院への問い合わせが必須です。
高齢や疾患がある場合は動物病院でトリミングしてもらった方がよいでしょうか?
高齢なペットや疾患を抱えるペットにこそ、動物病院併設のサロンでのトリミングが適しているといえます。
トリミングサロンの場合、高齢や疾患が理由でトリミングを断られてしまう場合があります。
理由として、サロンまでの移動やトリミングが負担となり、トリミングの最中に持病が悪化する可能性があるためです。
しかし動物病院併設のトリミングサロンであれば、急な体調の変化があった場合もすぐに獣医師による診察ができます。
ペットの年齢や持病を理由にトリミングサロンでのトリミングを断られてしまった方は、一度動物病院へ問い合わせるとよいでしょう。
通院が困難な場合は往診でトリミングもしてもらえますか?
往診の場合は毛のカットの対応は行っておらず、シャンプーや爪切りなどの基本的なメンテナンスのみ行っている場合がほとんどです。
ただし、ペットの年齢や飼い主の生活スタイルなど、さまざまな要因で通院が困難な場合もあります。
どうしてもカットもお願いしたい場合は、動物病院の往診と併せて、別途出張のトリミングサービスを利用してみましょう。
トリミングを往診で行いたい場合は、依頼時に施術が可能かどうか、料金はどのくらいになるのか確認をしておく必要があります。
動物病院でのトリミングの費用相場はどのくらいでしょうか?
トリミング費用はトリミングの施術内容、ペットの種類や体毛の質によっても変わってきます。
また、毛のもつれや毛玉量によっては基本料金とは別に追加料金が発生する可能性があります。
ペットには日頃からブラシをかけ、きれいな毛の状態を維持しておくことが大切です。
費用は中・小型犬であればシャンプーとカットで5,000〜10,000円、大型犬であればシャンプーとカットで10,000〜16,000円が目安となるでしょう。
ただし、カットに特別な技術が必要なプードル系統はさらに費用がかかる傾向にあります。
猫の場合は毛の長さによって料金が変動する場合がほとんどで、短毛であれば6,000〜10,000円、長毛であれば8,000〜10,000円程度が相場となります。

動物病院とサロンのトリミングの違い

獣医さんと飼い主

動物病院とサロンでのトリミングの違いはありますか?
動物病院とサロンでのトリミングは、何を目的とするかが異なります。
動物病院の場合、治療や病気の予防を第一としたトリミングとなっています。
皮膚疾患の治療のためにトリミングが必要な場合や、高齢のためにペットサロンでは対応が難しい場合など、ペットの健康状態が不安定でもトリミングが可能です。
できるだけペットの身体に負担がかからないよう、短時間で仕上げられる点も動物病院でのトリミングの特徴となっています。
一方、サロンでのトリミングは、お手入れや見た目のきれいさを第一としたトリミングが行われます。
仕上げの際にリボンやスカーフなどの装飾を着けることもサロンによっては可能です。より見た目にこだわりたい方や、飼い主の希望に合わせたスタイルにカットしたい場合におすすめです。
動物病院とサロンのトリミングで費用の目安は異なりますか?
動物病院併設のトリミングサロンとその他のサロンでは、費用の目安は異なってきます。
施術代金のみで考えると、動物病院併設のトリミングサロンの方が料金が安い場合がほとんどです。
ただし、あくまでもシャンプーとカットの基本的な施術代金のみの場合のため、診察代金や病気がトリミングの最中に見つかった場合は処置代金や薬の処方代金が必要となります。
このような費用が追加されると、サロンよりも値段が高額になる可能性があります。地域や動物病院によっても値段は変動するため、事前にトリミングプランの値段の確認が必要です。

編集部まとめ

トリミングする女性

トリミングは、動物病院でも受けることができます。トリマーによるシャンプーや毛のカットだけでなく、獣医師による健康診断や体調チェックを同時に受けられる点がメリットです。

サロンでは断られやすい高齢のペットへのトリミングや、持病を抱えているペットへのトリミングも動物病院では行える場合があります。サロンでのトリミングよりも短時間で施術が完了するため、ペットの身体への負担が軽減できるでしょう。

サロンの身体のケアやお手入れメインのトリミングとは異なり、動物病院でのトリミングはペットの病気の予防や治療を目的としたものになっています。

皮膚疾患の治療のためのトリミングや、高齢のペットへのトリミングなども動物病院であれば可能です。

診察代金や病気が見つかった場合は費用がかさむ場合もありますが、見た目のきれいさだけでなくペットの健康も維持したい方は、動物病院併設のトリミングサロンでのトリミングをおすすめします。

参考文献