犬を飼っていると、定期的な爪切りが必要です。しかし、爪を切ろうとすると怖がって暴れてしまうなど、うまくいかないことが少なくありません。飼い主自身が犬の爪切りに苦手意識を持っているケースも見受けられます。そのようなときには犬の扱いに慣れた獣医師を頼りたくなりますが、爪切りだけを目的に動物病院へ行っても問題はないのでしょうか。動物病院で犬の爪を切るメリットやデメリット、気になる料金相場なども含めて、解説を加えます。
犬の爪切りだけで動物病院を受診してもよい?
動物病院で犬の爪を切ってもらいたいと希望しているものの、体調不良でもないのに獣医師を頼って問題はないのか、不安に感じている方もいるでしょう。まずは、動物病院での爪切りについて、あらかじめ押さえておきたい基本情報をまとめます。
- 動物病院で犬の爪切りだけしてもらうことはできますか?
- 結論からお伝えすると、犬の爪切りだけを目的に動物病院へ行っても問題はありません。爪切りや耳掃除といった日常的なケアはトリミングサロンで受けるべきものと考えがちですが、動物病院に任せるケースも決して少なくないため、利用を検討してみましょう。
- 犬の爪切りの際に健康チェックも受けられますか?
- 犬の爪切りをしてもらう際に、簡単な健康チェックを受けることも可能です。気になる症状などが見られるときにその場で相談できるのも、動物病院へ行くメリットといえます。
- 自宅で爪を切る場合との違いを教えてください
- 自宅で慣れない爪切りに奮闘しても、犬が暴れて時間を要してしまい、飼い主とペットの双方に負担がかかるケースは少なくありません。どの程度爪を切るのが適切かわからず、うっかり切りすぎてしまい、出血させることも考えられます。一方で動物病院へ行けば、獣医師や看護師が犬をしっかりと保定した状態で、素早く爪を切ってくれます。誤って爪を切りすぎてしまう恐れもありません。万が一出血してしまうような事態になっても、その場で止血治療を受けることが可能です。自宅で爪を切る場合と比べると、飼い主の不安も軽減されるでしょう。
- トリミングサロンの爪切りとは何が違いますか?
- トリミングサロンの場合、飼い主の目の前で爪を切るケースは少ないといえます。一方、動物病院では爪切りの様子をすぐ横で見学できるため、爪切りのコツを教えてもらうことや、疑問点があれば質問を投げかけることも可能です。飼い主が正しい爪切りの方法を理解して、愛犬も動物病院で爪切りに慣れれば、いずれ自宅でのケアが可能になる場合もあるでしょう。初めのうちはとりあえずプロを頼ってみるというのも、選択肢の一つです。
動物病院で爪切りをするメリットと注意点

ここでは、動物病院で犬の爪を切るメリットについて、より詳しく解説を加えます。同時に、動物病院で爪を切る際の注意点もまとめるので、利用を検討するときの参考にしてください。
- 動物病院で爪切りをするメリットはなんですか?
- 犬が暴れて出血してしまうといった不測の事態が起きても、すぐに止血処理などの適切な対応を講じてもらえる点は、動物病院で爪を切る大きなメリットといえるでしょう。動物病院は清潔な状態に保たれているため、衛生面の不安が軽減されるのもポイントです。加えて獣医師が爪を切る際に、愛犬の隠れた異常が発見されることも考えられます。万が一問題があった場合にもその場での処置が可能なため、大切なペットの健康管理に有効です。
- 動物病院での爪切りをしてもらう場合の注意点を教えてください
- 動物病院へ行く曜日や時間帯によっては、長い待ち時間が発生する可能性があります。特に予防接種が集中する春は混雑が予想されるため、注意が必要です。サッと爪切りだけしてもらうつもりが長く順番待ちするような事態になると、飼い主だけでなくペットも強いストレスを感じます。爪切りが目的の場合も事前に予約を入れて、効率的に時間を使えるよう心がけましょう。
- 動物病院での爪切りが適しているのはどのようなときですか?
- 自宅で爪を切って失敗した経験がある場合や、爪の切りすぎによる出血が心配な場合には、専門的な知識を持ったスタッフがいる動物病院にサポートを仰ぎましょう。
動物病院の爪切り方法と費用相場
さまざまなメリットがある動物病院での爪切りですが、当然ながら自宅とは違って費用がかかります。終わりに爪切りの流れや費用相場をチェックして、不安なく動物病院へ足を運ぶための準備を整えましょう。
- 犬の爪切りはどのような流れで行いますか?
- まずは、動物病院に予約を入れてください。爪を切るだけなのですぐに終わると侮っていると、長時間待つ可能性があります。当日は受付を済ませて、待合室で順番を待ちましょう。動物病院によっては、先に体重測定や問診を行うケースも見受けられます。順番になったら、案内にしたがって診察室やトリミングルームへ入り、爪を切ってもらってください。終わりに爪切りの料金を支払って完了です。このとき、次はいつ頃に爪を切るべきか確認しておくのもよいでしょう。
- 動物病院での爪切り当日に必要な持ち物を教えてください
- スムーズな受付のために、診察券を持参しましょう。また、爪切りは基本的に保険の対象とはなりませんが、ペット保険に加入している場合は保険証を持参しておくのがおすすめです。服用中の薬や直近の検査結果などが役立つ可能性もあります。初診の場合はワクチン証明書の提示を求められることも考えられるので、留意してください。予期せぬ事故や脱走を防ぐために、首輪やリードも必要です。併せて、爪切りの費用を忘れずに用意しておきましょう。
- 犬の爪切りの料金相場を教えてください
- 爪切りの料金は動物病院によって異なりますが、500円から1,000円程度が相場です。なかには病気の診察や健康診断の際に、サービスで爪を切ってくれる動物病院もあります。いずれにしても料金について気になる点があれば、その場で慌てなくても済むように、あらかじめ確認を取っておきましょう。なお、すべての動物病院がクレジットカードや電子マネーに対応しているわけではないため、現金を用意しておくのがおすすめです。
- 爪切り費用に診察料が追加されるケースを教えてください
- 単に爪を切るだけの費用であれば、それ程高額ではないようにも感じられますが、爪の状態が悪く治療が必要になると、追加で診察料が発生します。爪切りの際に足の指や皮膚の異常が見つかる可能性も否定できません。ちなみに犬の足でよく見られる病気としては、趾間炎という指の間の皮膚炎などが挙げられます。足裏の毛が伸びすぎて滑りやすくなっていたり、肉球が乾燥してひび割れていたりといった状況も起こります。こうした足のトラブルは痛みや怪我につながりかねませんが、爪切りの際に早期発見できれば、結果として治療費を抑えることが可能です。爪切りの際にはある程度費用に余裕を持って、必要な処置が受けられるように準備しておくとよいでしょう。また、診察料(初診料、再診料)のなかに、爪切りとか肛門腺絞りや耳掃除の料金が含まれている病院もあります。
編集部まとめ
動物病院へ行く時間や費用が気になり、自力で爪切りを済ませたいと考える方もいるでしょう。しかし、実際のところはプロの手を借りればすぐに爪切りが終わり、費用もそれ程高額ではないため、飼い主の負担は少なくなります。定期的に獣医師と顔を合わせることによって、ペットの健康管理がしやすくなるのもメリットです。爪切りだけが目的でも問題はないため、気兼ねなく利用を検討してみてください。