猫が食欲旺盛になる理由とは?考えられる病気や動物病院を受診する目安を解説

猫が食欲旺盛になる理由とは?考えられる病気や動物病院を受診する目安を解説

猫は、食べなくなったかと思えば食欲旺盛になっていきなりたくさんのごはんを欲してくる場合があります。猫の食べムラがあるのは良くある話であり、ちょっとたくさん食べるようになったからといって心配する必要はありません。ところが、病気が原因でも食欲旺盛になる場合があるため、状態については少し気に留めておく必要があります。本記事では猫の食欲旺盛について、その原因や隠れている病気、どのくらいであれば受診すべきなのかについて解説するので、猫の様子がいつもと違うと感じる場合は参考にしてください。

猫が食欲旺盛になったときに考えられること

猫が食欲旺盛になったときに考えられること
どのような状況で猫は食欲旺盛になりますか?
猫が食欲旺盛になるタイミングは、一つとは限りません。暇を持て余したり、去勢・不妊手術をした後であったり、妊娠していたりするときです。また、糖尿病や甲状腺にまつわる病気にかかっている場合も食欲が増す傾向にあるといわれています。また、猫は本来1回の食事でたくさんの量を食べるよりも、こまめに1日のなかで複数回食事をしたい動物です。つまり、少し食べてはその場を離れ、また食べてはやめてといった行動は正常な範囲内ともいえるでしょう。また、ちょっとしたストレスを抱えて飼い主さんに甘えたい、前に食べたらたくさんかまってもらえたといった経験があるがゆえに、たくさん食べる猫もいます。
成長時期や季節による影響はありますか?
あります。子猫は食欲旺盛で、基本的に食べ過ぎになりがちです。たくさん食べたがるのであれば1回あたりの食事量を減らし、複数回に分けて与える回数を多くしてあげましょう。また、猫はよく食べる時期とあまり食べない時期が周期的にやってくる動物です。春から夏にかけての暑さが感じられる時期には食欲が減退し、秋から冬にかけては食欲旺盛になるといった流れがあるようです。つまり、猫はちゃんとごはんを与えているにも関わらず、何回もごはんを欲しがるケースがあります。すべてが異常のサインとは限りません。成長期や季節による影響、環境の変化といったさまざまな要因を考慮しましょう。
運動量が猫の食欲旺盛さに影響するのか教えてください
猫は、運動量と食欲に一定の関連性を見せる動物です。たくさん身体を動かす猫はそれだけお腹が減るので、より多くのご飯を欲します。また筋肉量と基礎代謝が運動によって上がるため、お腹が空きやすくご飯をねだる猫もいるでしょう。猫の運動量は猫の食欲の旺盛さに磨きをかけます。

食欲旺盛になった猫に考えられる病気

猫が突然食欲旺盛になった場合、どのような病気が考えられますか?
急な食欲旺盛が見られる場合は、代謝系の異常を訴える病気として糖尿病や甲状腺機能亢進症などが疑われることがあります。
猫はホルモン異常で食欲旺盛になることがありますか?
はい、ホルモンの異常は食欲旺盛を引き起こすことがあります。特に、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)と呼ばれる甲状腺ホルモンが過剰になると食欲が旺盛になりやすいです。この病気は、食欲があってたくさん食べているのに、どんどん体重が落ちていってしまう場合もあれば、落ち着きがなくなったり攻撃的になってしまったりといった症状がみられることがあります。高齢猫が食欲旺盛だなと感じた場合は、こうした病気が背景にある可能性があるため注意が必要です。
食欲旺盛な状態が異常かどうか判断する目安を教えてください
猫の食欲旺盛の状態について、異常があるかどうかを見極めるには体重が増えない、何かほかの症状を呈しているかどうかを判断基準としましょう。猫は周期的に食欲が旺盛になったり減退する動物です。夏はあまり食べなかったのに冬になったらたくさん食べるといった現象はよくある話なので、食欲旺盛になったからといって絶対に病気であるとはいい切れません。ただし、猫が食欲旺盛になった原因を調べていくうちに、潜んでいた病気の存在に気付くようなケースはあります。つまり、猫が食欲旺盛になったなと思うのであれば、基本は心配いらないものの、病気が隠れている可能性もあるため行動記録や食事量をメモするなどして異変がないかどうかのチェックを行いましょう。

食欲旺盛な猫が気になったときのチェックと受診の目安

食欲旺盛な猫が気になったときのチェックと受診の目安
食欲旺盛な状態が続く場合は、動物病院に連れて行くべきですか?
猫の食欲が普段と明らかに異なる、過度に食欲旺盛な状態が続いていて戻る様子がなければ、一度動物病院を受診するのをおすすめします。特に高齢の猫の場合、。また身体の機能が低下してくるため、代謝にまつわる疾患や内分泌系の異常が出てくることがあります。また、お水をたくさん飲むようになったり、尿の量が増えたり、その他の症状が併発したりしている場合は、別の疾患の兆候である可能性も否定できません。いずれにせよ、食欲旺盛な状態が続き、理由について心あたりがない場合は、病院を早めに受診して、治療を開始するなどして病気の進行を防ぎましょう。
食欲旺盛でも痩せていく場合は、注意が必要ですか?
猫が、食べているのにみるみるうちに痩せていくのは、何らかの病気が隠れている可能性が高いです。特に、体重が減っている段階の場合には深刻な状態ととらえてください。体重減少が見られる場合、消化器疾患や腫瘍などの影響で食べ物から栄養を吸収できない場合や代謝が亢進している可能性があります。消化器疾患や腫瘍などでは多食傾向はあまり見られませんが、甲状腺機能亢進症などの場合には、極端にたくさん食べるのに代謝されてしまい、痩せてしまうことがあります。
その他に併発しやすい症状があれば教えてください
猫が食欲旺盛になっている際に併発しやすい症状・病気は次のとおりです。多飲多尿に下痢や嘔吐、落ち着きのなさも症状の一つになります。毛艶がなくなり、一気に老け込んで見えてしまうのも食欲旺盛によって併発しやすいでしょう。心拍数の上昇や高血圧も見られ、これらの症状については、長期間放置すると心不全や腎機能障害へと進行してしまう恐れがあります。また、糖尿病では水をよく飲むようになり、おしっこの量が増えることが特徴です。こうした複数の症状が同時に見られる場合は、速やかに動物病院での診察を受けてください。その際、食欲が旺盛になっていると獣医師に伝えるとよいでしょう。

編集部まとめ

猫が突然、食欲旺盛になってたくさん食べるようになるのは何もおかしな話ではありません。むしろ、食べるときもあれば食べないときもあるなど、食欲に波があるのは猫の基本的な性質であると考えていいでしょう。子猫なら何回も食事をねだって来るのはよくある話です。ただし問題となるのは、食欲旺盛の裏に病気が隠れている場合です。食欲が増す以外に症状が出ている場合は、そうした病気が隠れているサインの可能性があるため注意してください。

参考文献