犬のしつけ教室の選び方|失敗しないためのポイントや費用相場も解説

犬のしつけ教室の選び方|失敗しないためのポイントや費用相場も解説

愛犬との生活をより快適にするために、しつけ教室の利用を検討する飼い主さんは多くいます。どのようなしつけ教室を選べばよいのか迷う方も少なくありません。

この記事では、犬のしつけ教室の種類やトレーニング内容、選び方のポイントなどについて詳しく解説します。愛犬との関係を深め、問題行動を改善するためのヒントを見つけてもらえたら幸いです。

犬のしつけ教室の種類

レースを着る犬

犬のしつけ教室にはさまざまな形態があり、それぞれに特徴や利点が見られます。飼い主さんのライフスタイルや愛犬の性格、改善したい問題点にあわせて選ぶことが肝心です。

しつけ教室は大きく分けて通い式や出張型、預かり型やオンラインの4種類に分類できます。それぞれの特徴を理解して、自分と愛犬にあった形態を見つけましょう。以下では各タイプのしつけ教室について詳しく説明しています。

通い式のしつけ教室

通い式のしつけ教室は、飼い主さんが愛犬と一緒に施設に通う形式になります。一般的に少人数制のグループレッスンや個別レッスンがあり、ほかの犬や飼い主さんと交流しながら学べる環境が魅力です。

実際のトレーニング場面を見ることで飼い主さん自身も技術を習得できる点が大きなメリットとなります。ほかの飼い主さんの悩みを共有できる点も心強いでしょう。

出張型のしつけ教室

出張型のしつけ教室は、トレーナーが自宅に訪問してくれるサービスになります。愛犬が普段生活している環境でトレーニングできるため、実生活に即した指導が受けられます。
愛犬がほかの犬を苦手とする場合や、仕事で忙しい飼い主さんにも適している教室です。自宅での行動に対して具体的なアドバイスがもらえる点も見逃せません。環境変化によるストレスが少ないのも利点です。

預かり型のしつけ教室

後ろ足で立つ犬

預かり型のしつけ教室は、愛犬を一定期間施設に預けてプロのトレーナーがしつけを行うサービスになります。

数日から数週間と期間はさまざまで、集中的なトレーニングが可能です。飼い主さんが多忙な場合や、深刻な問題行動がある場合に効果的でしょう。

トレーニング後には飼い主さんへの引き継ぎ指導もあり、利用しやすい点が特徴です。短期間で大きな変化を期待できます。

オンラインのしつけ教室

オンラインのしつけ教室は、ビデオ通話などを活用して遠隔でトレーニング指導を受けるサービスです。近くにしつけ教室がない地域の方や、新型コロナウイルスの影響で外出を控えたい方に注目されています。

時間や場所を選ばずに受講できる利便性がある一方、実技指導には限界があることも理解しておく必要があります。移動時間が不要なため気軽に始められるでしょう。

犬のしつけ教室のトレーニング内容

犬をなでる女性

犬のしつけ教室では、飼い主さんと愛犬が快適に暮らすための多様なトレーニングが提供されています。

基本的なコマンドの習得から社会化トレーニング、問題行動の改善まで幅広い内容が含まれるでしょう。多くの教室では愛犬の成長段階や性格にあわせたカリキュラムが組まれており、飼い主さん自身も一緒に学ぶことが重視されています。

どのようなトレーニングが行われるのか、主な内容を見ていきましょう。

基本的なコマンドとマナー

基本的なコマンドとは、おすわりやふせ、まてなどの基礎的な指示に従う訓練を指します。これらのコマンドは愛犬の安全性の確保や日常生活での管理に欠かせないものです。また、トイレのしつけや無駄吠え防止など基本的な生活マナーも学びます。

コマンドの教え方はポジティブな強化法が主流で、褒めて伸ばす方法を取り入れる教室が増えています。日常生活で実践しやすい内容が中心です。

社会化トレーニング

社会化トレーニングは愛犬がさまざまな環境や刺激に適応できるようにする訓練です。ほかの犬や人との適切な関わり方を学ぶほか、日常生活で遭遇する音や物に対する恐怖心を和らげます。

子犬の時期に適切な社会化を行うことで、成犬になってからの問題行動を予防できるのが魅力的です。教室によっては、犬同士の交流会や外出トレーニングなども実施していることもあります。幅広い経験が重要なポイントになります。

問題行動の改善

改善

問題行動の改善は多くの飼い主さんが悩む課題となっています。無駄吠えや噛み癖、引っ張り癖などさまざまな問題に対して、原因分析と具体的な対処法を学びます。

単に行動を抑制するのではなく、なぜその行動が起きるのかを理解し、適切な代替行動を教える方法が効果的です。

問題行動には飼い主さんの関わり方も大きく影響するため、一緒に改善方法を学ぶ場となります。根本原因への対処が重要です。

お散歩マナーの習得

お散歩マナーの習得は、外出時の快適さを保つために欠かせない要素です。リードを引っ張らずに歩く方法や、ほかの犬や人とすれ違う際のマナー、危険物を拾わない訓練などが含まれます。

正しい歩行訓練により愛犬の運動不足解消にもつながり、飼い主さんにとっても負担の少ない散歩時間が実現可能です。地域社会との良好な関係を築くためにも必須のスキルとなります。適切な道具選びも学べるでしょう。

飼い主への指導と実践練習

トリミングされる犬

飼い主への指導と実践練習は、トレーニング効果を持続させるために欠かせない部分です。プロのトレーナーが教える技術を飼い主さん自身が習得し、日常生活で実践できるようにサポートしてくれます。

正しいご褒美の与え方やタイミング、一貫性のある接し方など、飼い主さんの技術向上に重点を置いています。家庭での継続練習があってこそ、愛犬の行動は定着していくでしょう。理論と実践の両方から学べる点も魅力です。

犬のしつけ教室の選び方

選び方のブロック

愛犬にあったしつけ教室を選ぶことは、トレーニングの成果に直結します。さまざまな教室があるなかで、どのような基準で選べばよいのでしょうか。

トレーナーの方針や経験、指導内容など、複数の視点から比較検討することが重要です。また愛犬の性格や課題にあわせた選択も重要な要素となります。ここでは犬のしつけ教室を選ぶ際のポイントについて詳しく解説していきます。

トレーナーの方針で選ぶ

トレーナーの方針は教室選びの重要な基準となります。現在の犬のしつけでは、ポジティブ強化法という褒めて伸ばす方法が主流となっています。

体罰や恐怖を与える古い手法を用いる教室は避けた方が無難でしょう。

体験レッスンなどを通じてトレーナーの犬への接し方を観察したり、どのような価値観や方針でトレーニングを行っているかを確認したりすることをおすすめします。犬へのリスペクトが感じられる教室が理想的です。

トレーナーの経験と資格で選ぶ

犬と走る女性

トレーナーの経験と資格も、重要な判断材料となります。日本では犬のトレーナーに国家資格はありませんが、民間の認定資格や海外の資格を持つトレーナーもいます。

資格の有無に加え、過去の経験も確認しましょう。どのような犬種や問題行動に対応してきたか、成功事例などを尋ねてみるのもよい方法です。

トレーナー自身の継続的な学習姿勢も質の高い指導につながります。専門性が感じられるかも大切なポイントです。

飼い主への指導の有無で選ぶ

飼い主への指導の有無は長期的な効果に関わる部分です。トレーナーだけが愛犬を訓練するのではなく、飼い主さん自身がトレーニング方法を学び実践できる教室が理想的といえます。

家庭での継続練習が可能になるよう、わかりやすい説明や実技指導、質問対応などが充実しているかを確認しましょう。レッスン後のフォローアップ体制があるとさらに心強いです。飼い主さんの上達度にあわせた指導が受けられるかも重要です。

トレーニング内容で選ぶ

トレーニング内容は愛犬の課題にあわせて選ぶことが大切です。基本的なコマンド習得を目指すのか、特定の問題行動改善が目的なのか、目標を明確にしましょう。

また教室のカリキュラムが段階的に設計されているか、個々の犬の性格や進度にあわせた対応が可能かも重要な視点となります。

標準化されたプログラムだけでなく、個別のニーズに対応できる柔軟性があると理想的でしょう。目標達成までの道筋が明確か確認することも大切です。

犬のしつけ教室選びで失敗しないためのポイント

ポイントの人形

しつけ教室選びで失敗しないためには、いくつかの重要なポイントがあります。せっかく時間やお金をかけてしつけ教室に通うなら、効果的なトレーニングを受けるためにも、準備が大切です。

愛犬の特性を理解し、目標を明確にしたうえで教室を選ぶことが成功への近道になるでしょう。また事前の見学や費用確認など、契約前に確認しておくべきこともあります。

ここでは失敗しないための具体的なポイントを紹介していきます。

しつけで改善したい点を明確にする

しつけで改善したい点を明確にすることが第一歩といえるでしょう。吠え癖を直したい、ほかの犬に攻撃的になるなどの具体的な課題があれば、それに強みを持つ教室を選びましょう。

漠然と、よい子にしたいという目標だけでは効果的なトレーニングプランが立てにくくなります。愛犬の行動で困っていることや心配な点をリストアップして、教室選びの参考資料として活用しましょう。優先順位を決めておくと相談もスムーズに進みます。

施設を事前に見学する

施設を事前に見学することで、実際の雰囲気や指導方法を確認できます。多くの教室では見学や体験レッスンを受け付けているので積極的に活用しましょう。

見学時には施設の清潔さや安全性、トレーナーと犬たちの関係性などを観察するとよいでしょう。またほかの飼い主さんの様子や満足度も参考になる筈です。質問にも丁寧に答えてくれる教室は信頼性が高いといえます。複数の教室を比較検討するのも効果的でしょう。

料金体系を確認する

料金体系を確認することも重要なポイントです。入会金や月謝、教材費など隠れたコストがないか事前に確認しましょう。

また何回のレッスンで何が身につくのか、追加料金が発生するケースはないかなども確認が必要です。単に安いだけで選ぶのではなく、内容と価格のバランスを考慮することが大切です。

長期契約を迫る教室は慎重に検討した方が無難でしょう。支払い方法や返金ポリシーも確認しておくとよいでしょう。

犬のしつけ教室を利用するタイミング

散歩するトイプードル

犬のしつけ教室を利用するタイミングはさまざまな場合があります。子犬期から利用するケースもあれば、成犬になってから問題行動が出た際に利用する方もいるでしょう。

どのようなタイミングでしつけ教室を検討すべきか、状況別に解説します。早期からの適切なしつけは将来の問題を予防しますが、成犬になってからでも決して遅すぎることはありません。

愛犬との関係に悩みを感じたら、専門家の助けを借りることを検討してみてはいかがでしょうか。

犬との信頼関係に不安を感じるとき

犬との信頼関係に不安を感じるときは、しつけ教室の利用を検討すべきタイミングです。愛犬が指示に従わない、コミュニケーションがうまく取れないと感じる場合は専門家のサポートが役立ちます。

信頼関係の構築はすべてのトレーニングの基礎となるもので、プロのトレーナーは犬の行動を読み解き、適切な関わり方をアドバイスしてくれるはずです。早めの対応で関係改善につながります。誤った関わり方が定着する前の介入が効果的でしょう。

吠え癖や噛み癖が直らないとき

吠え癖や噛み癖が直らないときも専門家の介入が効果的といえるでしょう。これらの問題行動は放置すると悪化することが多く、近隣トラブルや事故にもつながりかねません。

家庭での対処法を試してみても改善しない場合は、プロのトレーナーに相談してみましょう。行動の原因を正確に分析し、効果的な改善策を提案してくれます。

特に噛み癖は早急な対応が求められる重要な問題となります。適切な対処で改善できる可能性が高くなるでしょう。

頻繁に危険行動をするようになったとき

頻繁に危険行動をするようになったときは迷わずしつけ教室を利用すべきでしょう。道路に飛び出すや危険物を食べる、攻撃的な行動を示すなどの行動は愛犬自身や周囲の安全性を脅かします。

このような場合は素人判断で対処するよりも、専門知識を持ったトレーナーに相談することが肝心です。緊急性の高い問題では個別トレーニングや集中的なプログラムが効果的な場合もあるでしょう。愛犬と周囲の安全性を守るために早急な対応が必要です。

犬のしつけ教室の費用相場

費用のノート

犬のしつけ教室の費用は形態やプログラム内容によって大きく異なります。グループレッスンは1回3,000〜5,000円(税込)、個人レッスンは5,000〜10,000円(税込)程度が相場です。

月謝制では月に10,000〜20,000円(税込)が目安といわれています。出張トレーニングは1回3,600円(税込)、預かりトレーニングは1ヶ月で50,000円(税込)前後からが一般的です。

オンラインレッスンは1回3,000円(税込)前後からと手頃な価格設定です。体験レッスンは1,000〜3,000円(税込)程度で提供されていることがあります。地域差もあり、都市部ではやや高めの傾向です。

犬種や年齢、問題行動の種類によって料金が変動する場合もあります。料金だけでなく内容や実例、相性なども含めて総合的に選ぶことが大切です。無料カウンセリングや見学を活用して詳細を確認しましょう。

まとめ

犬の散歩をする女性

犬のしつけ教室は愛犬との暮らしをより快適にする強い味方です。通い式や出張型、預かり型やオンラインなどさまざまな形態があります。

基本的なコマンドの習得から問題行動の改善、社会化トレーニングまで幅広い内容が提供されています。愛犬の性格や課題にあわせた選択が重要です。

選ぶ際はトレーナーの方針や経験、飼い主への指導体制、トレーニング内容を確認しましょう。失敗しないためには改善したい点を明確にし、事前見学や料金確認も欠かせません。

犬との信頼関係に不安を感じたり、問題行動が見られたりした場合は専門家のサポートを検討しましょう。

適切なしつけと訓練は飼い主さんと愛犬の双方にとって大きな価値があり、正しい知識と技術で絆を深めていくための大切な一歩となります。

参考文献