ラブラドールは賢い犬種とされるため、しつけ教室に通わせるべきか悩む飼い主さんもいるでしょう。
また、しつけ教室ではどのようにしつけが行われているのか疑問を持っている方に、しつけ方法だけでなく教室を選ぶ際のポイントや料金相場とあわせて解説します。
ラブラドールはどのような性格や特徴を持ちあわせているのかを踏まえて紹介します。
ラブラドールの性格と飼いやすさ
ラブラドールの性格は以下のとおりです。
- フレンドリー
- 人間に従順
- 学習能力が高い
- 遊ぶことが好き
ラブラドールはなつきやすい性格で、人間と一緒に遊ぶことが大好きです。人間だけでなく、ほかの犬とも仲よくすることができるのも特徴の一つでしょう。
また、飼い主の指示に従おうとする姿勢があり、人間に従順な性格といえます。
初めて犬を飼う方におすすめの犬種といわれるのも従順さや落ち着きが理由です。ラブラドールは麻薬犬や盲導犬として活躍していることが少なくないため、犬のなかでも賢い犬種といえるでしょう。
人間が教えたことをすばやく吸収し、訓練した内容を記憶し実際の行動に移すことができます。
ラブラドールは身体を動かすことが大好きで、フリスビーを追いかけたり、プールで泳いだりすることを好みます。室内で飼育される際は動き回れる広いスペースが必要になるでしょう。
ラブラドールを飼う前に気を付けたいこと
ラブラドールを飼ううえで気をつけなければいけないことは以下のとおりです。
- 毎日の運動が必要
- 抜け毛が多いので被毛ケアが大切
- 適切な健康管理と病気予防が重要
犬種によって一日にこなすべき運動量に違いがあります。運動量が多すぎでも少なすぎても犬の健康によくない可能性があるので気をつけましょう。
毛の量は皮膚病や熱中症、外耳炎と関連がありますので、抜け毛ケアを行うことが大切です。犬の大きさや毛の量、耳の形などによって、かかりやすい病気や予防法は異なります。
毎日の運動が必要
ラブラドールは大型犬で運動好きな性格をしています。元来ラブラドールは、水辺で魚や鳥を狩猟していた犬種で、鳥猟犬と呼ばれていました。そのため、走り回ったり泳いだりすることが大好きです。
目安となる運動量は、1日約1時間の散歩です。雨の日は、家のなかでボールを投げて取りに行く遊びや犬の遊ぶ用の縄を引っ張る遊びをするとよいでしょう。
運動量が少ないとストレスがたまり、ゴミ箱をひっくり返したり物を壊したりなど問題行動が起こる可能性があります。
抜け毛が多いので被毛ケアが大切
ラブラドールは抜け毛が多い犬種で定期的にブラシをかける必要があります。初めて犬を飼う方でもラブラドールにブラシをかけることはそれほど難しくありません。理由は、ラブラドールの毛が短く絡まりづらいことが挙げられます。
犬によって異なりますが、換毛期といわれる毛が抜けやすい時期は、毎日ブラシをかけると衛生的によいでしょう。
ブラシをかけることを怠るとハウスダストやノミ、散歩中の汚れがたまり、皮膚炎やほかの皮膚病にかかる可能性があります。
適切な健康管理と病気予防が重要
ラブラドールは大型犬で運動量が多いため、食事量も多くなる傾向があります。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると肥満の原因になります。食べ物のあげすぎには十分に注意しましょう。
ラブラドールは耳が垂れているため、汚れが耳のなかに溜まりやすく、外耳炎を発症しやすいようです。そのため、飼い主さんが耳のなかの汚れを確認し、掃除してあげることが大切です。しかし耳のなかを傷つけてしまう可能性もありますので、獣医さんに定期的に確認してもらうとよいでしょう。
ブラシをかけることだけでなく、1ヶ月に1度はシャワーで汚れを取ってあげることが大切です。毛にノミや糞がついていると、匂いや衛生的によくありません。
ラブラドールをしつけ教室に通わせるメリット
しつけ教室に通わせるメリットは以下のとおりです。
- 早い段階で子犬の社会化トレーニングができる
- 噛み癖や吠え癖の改善に効果がある
- 飼い主との信頼関係を築きやすくなる
- 一緒に競技に参加するなどの楽しみができる
- 飼い主自身のしつけスキルや知識が向上する
ラブラドールをしつけ教室に通わせることで、家庭で普段行っているしつけに加えて、プロによるしつけがあわさることで相乗効果が期待できるでしょう。
犬の問題行動やしつけ不足で悩んでいる飼い主さんにとって、犬の行動が改善するというメリットだけでなく、しつけの知識を身につけることもできる利点もあります。
早い段階で子犬の社会化トレーニングができる
人間やほかの犬、新しい環境に順応する訓練を子犬の時期から始めることで、成犬になって初めて会う人や犬にもフレンドリーに接することができるようになります。
社会化トレーニングができていないと、人間やほかの犬に対する恐怖から噛み癖や吠え癖がついてしまう可能性がありますので、子犬の時期から少しずつ訓練を始めることが大切です。
トレーニングの開始時期は生後約3ヶ月が経過してから始めるとよいでしょう。理由は、始める時期が早すぎてしまうと、犬にとってストレスになる可能性があるからです。犬をお迎えして、新しい環境に慣れたタイミングで始めるのが理想です。
噛み癖や吠え癖の改善に効果がある
しつけ教室ではその犬が噛んだり吠えたりする理由や状況を分析し、問題行動を改善していきます。
犬が触られることに恐怖を感じると、問題行動が発生しやすいようです。そのため、おやつや丁寧なコミュニケーションを用いて、犬の不安を取り除くことで問題行動を解決していきます。
誤ったしつけをすると、犬がストレスを感じてしまい、噛み癖や吠え癖が悪化してしまう可能性があります。
犬を叩いたり、怒鳴ったりなどのしつけ方法は犬にストレスや恐怖を与えるだけで逆効果になりますのでプロに任せるのもよい選択肢です。
飼い主との信頼関係を築きやすくなる
飼い主さんもしつけ教室に参加することで、正しいしつけ方法を犬と一緒に学ぶことができます。教室によってはゲーム要素を取り入れた訓練もあるため、飼い主さんと犬が楽しく一緒に参加することができるでしょう。
正しいしつけ方法を行うと、犬は飼い主さんに身体を預けたり、指示をしっかり聞いたりすることができるようになるでしょう。
一緒に競技に参加するなどの楽しみができる
犬が飼い主さんの指示に従うようになると、競技会に参加することができます。競技会にはアジリティやフリスビーキャッチ、ドッグダンスなどがあります。
アジリティは飼い主さんも犬と一緒に走り、障害物を超えるように指示を出す必要があるので犬と飼い主さんの信頼関係が試されるでしょう。
初心者さん向けだと、オビディエンスという種目があります。オビディエンスでは、飼い主さんが待てやおすわりなど指示を出した際に、犬が従うかどうかが審査されます。
飼い主自身のしつけスキルや知識が向上する
しつけ教室では飼い主さんが講師からしつけに関するアドバイスをもらうことができます。しつけは自宅でも継続して正しい方法で行う必要があるので、しつけ教室でもらった助言を自宅で実践することが可能です。
犬によって性格が異なるので、その犬にあったコミュニケーションの取り方やしつけ方法で行うことが大切です。実際に講師から、その犬に適したしつけ方法を学べるでしょう。
またほかに同居している方がいる場合はその方にも正しいしつけ方法や知識を共有し、人によってしつけ方法に差が生まれないようにしましょう。しつけ方法が一貫していれば、犬が吸収するスピードも速くなる可能性があります。
ラブラドールがしつけ教室で学べること
しつけ教室で学べることは以下のとおりです。
- 基本的なマナーやコマンド
- 社会化トレーニング
- 飼い主の信頼の築き方
- 問題行動の改善
- 散歩のマナー
犬と飼い主さんが健やかに幸せに過ごすために子犬の時期からしつけを開始し、必要があればしつけ教室でプロの指導を受けることが大切です。
しつけは1回で完了するものではなく、長期的な視野で行うものです。犬が正しい行動をとれた際は褒めたりおやつを与えたりを根気強く繰り返すことで正しい行動が身につきます。
基本的なマナーやコマンド
所定の場所でトイレをすることは大切なマナーの一つです。間違った場所で排泄をしたときは犬を怒らずに、手早く片づけてしまうとよいでしょう。大切なことは排泄がうまくできたときに犬におやつをあげたり、褒めたりすることです。
コマンドとは犬に与える指示を意味します。犬と過ごすなかで使用頻度の高いコマンドの待てやお手、おすわりから学習し始めるとよいでしょう。
教え始めは飼い主さんの指示と求められている行動がリンクせずにうまくいかないかもしれません。そんなときでも決してイライラや怒りを表に出さないように気をつけましょう。
犬は飼い主さんのネガティブな言葉や態度を聞いたり見たりすると、ストレスを感じてしまい信頼関係を築けなかったり、問題行動が発生したりするかもしれません。
社会化トレーニング
犬は本来生まれてから兄弟犬と遊ぶことをとおして、社会性を身につけます。しつけ教室ではほかの犬としつけトレーニングを一緒に行ったり、パピーパーティと呼ばれる子犬同士が一緒に遊ぶプログラムがあったりします。
パピーパーティでは、さまざまな性格の犬と触れ合うことで、コミュニケーションを取る方法や遊び方を学ぶことができるでしょう。
またしつけ教室では生活音や環境音を流すことで、音が出ても吠えたり興奮したりしないように訓練することも可能です。
飼い主の信頼の築き方
信頼の築き方は以下のとおりです。
- 優しく話しかける
- ゆっくり近づく
- 犬の身体を触る
威圧感を与えないように落ち着いた声量で話したり、犬と目線をあわせてスキンシップを取ったりするとよいでしょう。
また、犬が身体を触られることに慣れるために、犬の身体を優しく触ってみることも大切です。抱っこだけでなく、飼い主さんが犬の健康状態をチェックするために犬の耳や皮膚をチェックする機会もあるので、子犬の時期から触られることに慣れてもらいましょう。
犬に急に近づくと、恐怖から吠えたり噛みついたりといった問題行動が発生しやすいでしょう。人間も同じですが、急に話しかけられると驚いてしまいます。
問題行動の改善
噛み癖や吠え癖などの問題行動が改善する可能性があります。犬によって問題が発生する原因は異なりますので、その犬にあったアプローチが必要です。
インターフォンの音に反応して吠えてしまう犬の場合、音が鳴ったら犬におやつを与えることで、インターフォンとおやつという関連性を犬に学習させることで無駄吠えを抑制します。
歯の生え変わる時期で口腔内にむずがゆさがあり甘噛みをしてしまう場合、噛むようのおもちゃを与えることで噛んでもよいものといけないものを覚えさせることができるでしょう。
散歩のマナー
飼い主さんは散歩をする際のマナーやコツを学ぶことができます。飼い主さんの指示にしたがって犬が散歩していることが大切です。
例えば、散歩途中で犬がトイレをして飼い主さんが処理をしているときに、おすわりで待っていたり飼い主さんがもつリードを引っ張りすぎなかったりという行動が必要です。
リードの持ち方ですが、ラブラドールは大型犬ですので両手でしっかり持つとよいでしょう。
またリードを長く持ちすぎてしまうと、犬に走り出す余裕を与えてしまい、それが引っ張り癖につながります。
飼い主さんの管理下で散歩しなければいけないと学習してもらうために、リードは適切な長さで持つようにしましょう。
ラブラドールを通わせるしつけ教室の選び方
ラブラドールしつけ教室の選び方は以下のとおりです。
- 大型犬に適したカリキュラムがある
- 大型犬のトレーニング経験のあるトレーナーがいる
大型犬が引っ張ったり飛びついたりすると、人間やほかの犬が怪我をしてしまう可能性があります。
そのような事態を避けるために大型犬のしつけに関する知識や経験があるしつけ教室を選ぶことが大切です。
大型犬に適したカリキュラムがある
カリキュラムに、引っ張り癖や飛びつき癖を改善する方法やストレスを発散させる方法など、大型犬と人間がストレスなく過ごすためのプログラムが組み込まれているかどうかを確認するとよいでしょう。
大型犬のトレーニング経験のあるトレーナーがいる
大型犬に関する知識があり、しつけ経験が豊富な講師のいるしつけ教室を選ぶとよいでしょう。
また、講師が飼い主さんにしつけに関するアドバイスやフィードバックを与えてくれると自宅でのしつけにつながりますので、見学に行った際はほかの飼い主さんとコミュニケーションを取っているかどうかを確認してみましょう。
ラブラドールをしつけ教室に通わせる場合の費用相場
大型犬は小型犬と比べて、しつけ料金は高くなる傾向があります。小型犬の場合、1ヶ月あたり約44,000円(税込)ですが、大型犬は1ヶ月あたり約60,500円(税込)と金額に開きがあります。
オンラインでしつけを行う場合は費用を抑えることができるので検討してみるとよいでしょう。
まとめ
ラブラドールは頭のよいフレンドリーな犬種ですが、しつけを怠ってしまうと吠え癖や引っ張り癖がつく可能性があります。
子犬の時期からしつけ教室に通わせることで、社会性を身につけ問題行動を抑制することができるでしょう。
しつけ教室では飼い主さんがしつけに関する知識やスキルを学ぶことができるため、自宅でのしつけに活かすことができるのも大きなメリットです。
犬と飼い主さんだけでなく、ご近所の方やほかの犬と仲よく過ごすためにしつけ教室に通うことを検討してみるとよいでしょう。
参考文献