かかりつけ動物病院は複数あった方がいい?かけもちのメリットや受診時の注意点を解説

かかりつけ動物病院は複数あった方がいい?かけもちのメリットや受診時の注意点を解説

日常的な診療のみならず、ワクチン接種や去勢・避妊手術、ペットの健康にまつわるさまざまな相談にも対応してくれるかかりつけ動物病院は、飼い主にとって頼れる存在です。そう考えると、かかりつけ動物病院は複数あった方がよい気もしますが、実際のところ、動物病院をかけもちしても問題はないのでしょうか。今回はかかりつけの考え方を押さえたうえで、かけもちのメリットや注意点を説明します。複数の動物病院を頼りたいと検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

かかりつけ動物病院の考え方と複数持つメリット

かかりつけ動物病院の考え方と複数持つメリット

かかりつけ動物病院というと、ここに通うと決めたら一つに絞るべきとの印象を何となく抱いている飼い主の方も多いかもしれません。はじめに、かかりつけの考え方を掘り下げつつ、かけもちのメリットについても理解を深めましょう。

かかりつけ動物病院は一つに絞る必要がありますか?
結論からお伝えすれば、かかりつけ動物病院は一つに絞ることが前提ではありません。日常的な健康管理や軽い不調の相談については通いやすい身近な動物病院のサポートを仰ぎ、状況に応じて特定の分野に強い専門施設を別途頼るといったように、第二のかかりつけを持つことは可能です。通常のかかりつけ動物病院では対応が難しいときの代替先として、大学病院などを紹介され、そちらへ通院することになるケースもあります。役割ごとに、複数のかかりつけ動物病院を使い分けるイメージです。
複数の動物病院をかかりつけにすることとセカンドオピニオンの違いを教えてください
複数の動物病院に関わるという点で、第二、第三のかかりつけ動物病院を持つこととセカンドオピニオンを混同してしまいがちですが、これらは別のものです。セカンドオピニオンは現在の診断や治療方針について、別の獣医師に説明や意見を求めるものであり、治療を目的としていません。あくまでも、飼い主の判断を助ける役割のみを担います。一方で第二、第三のかかりつけ動物病院は、実際に通院する可能性がある別の相談先として機能します。夜間や休日に診療してもらう動物病院も、第二、第三のかかりつけ動物病院といえるでしょう。
動物病院をかけもちするメリットを教えてください
複数の動物病院を役割ごとにかけもちすると、それぞれの強みを生かした診療を受けることが可能となります。適宜動物病院を使い分けることにより、診療内容への納得感が高まるというのもメリットです。

ほかの動物病院を受診するときの手順

かかりつけ動物病院を複数持つとよいとはいえ、いきなりほかの動物病院を受診しても問題はないのでしょうか。ここでは、動物病院をかけもちするときの手順について、具体的に解説を加えます。

動物病院をかけもちすることはあらかじめ獣医師に伝えた方がよいですか?
いつも通っているかかりつけ動物病院の診療時間外にペットの容体が急変したといった場合には、事前に報告することなく、速やかに夜間動物病院などを受診してください。一方で、通常のかかりつけ動物病院の役割を補うために別の動物病院とのかけもちを希望する場合には、情報の行き違いが起こるのを避ける意味でも、その旨をあらかじめ獣医師に伝えた方がよいでしょう。
ほかの動物病院を受診するときに準備すべきものを教えてください
状況に応じて紹介状や、レントゲン画像や血液検査などの検査データを準備してください。より特別だったり高度な動物病院をかかりつけにする場合、紹介状がないと受け付けてもらえない場合もあります。また、これまでの経過がわかると、再度検査を受ける必要がなくなり、費用が安く済むことはもちろん、ペットの負担も軽減されます。
それぞれの動物病院に共有すべき診療情報を教えてください
一つ目に共有すべき情報は、既往歴です。何歳の頃から症状が現れているのか、いつ治療を開始したのか、どのタイミングで何の検査を受けたのかといった点を明確にして、それぞれの動物病院に伝えられるよう準備を整えてください。重要な情報はメモにまとめることで、いい忘れや間違いが起こるのを防ぎましょう。診断が出ているのであれば、病名を正確に伝えることもポイントといえます。二つ目に共有すべき情報は、服薬歴です。薬品名と薬用量(mg)はしっかりと確認しておきましょう。錠剤のシートや薬袋に詳細が記載してあるケースも多いため、これらを持参するのも一案です。加えて、どの薬をいつから飲んでいるのかというのも、欠かせない情報となります。

かかりつけ動物病院を複数持つ際の注意点

かかりつけ動物病院を複数持つ際の注意点

終わりに、かかりつけ動物病院を複数持つ際の注意点をまとめます。正しい知識を押さえたうえで、うまく動物病院を併用することにより、ペットの健やかな毎日を後押ししてあげましょう。

かかりつけ動物病院を複数持つことのデメリットを教えてください
かかりつけ動物病院を複数持つこと自体は問題になりませんが、既往歴や服薬歴、これまでの経過といった情報がうまく共有されなければ、それぞれの動物病院で何度も同じ説明を繰り返すことになったり、診療がスムーズに進まなかったりという事態が起こりえます。飼い主が紹介状や検査データを管理するだけでなく、現状を正しく把握しておかないと、情報の分断が起こりやすいというのは、かかりつけ動物病院を複数持つことのデメリットといえるでしょう。また、動物病院ごとの役割を明確にしておかないと、どの動物病院に相談すべきかという判断が難しくなり、混乱が生じます。複数の動物病院と関わるとき程、なぜこの動物病院を受診するのかという目的をはっきりさせておくことが大切です。
かかりつけ動物病院の併用は獣医師との関係に影響しますか?
かかりつけ動物病院を併用すると、何となく後ろめたい感じがして、獣医師との関係が悪化してしまうのではないかと不安になる飼い主の方は少なくないようです。しかしながら、現在はセカンドオピニオンの考え方なども浸透しており、複数の動物病院にかかるからといって、不満を抱く獣医師はいないでしょう。それでも獣医師の心情が気にかかる場合には、なぜかかりつけ動物病院を複数持つのかという理由を伝えてください。繰り返しになりますが、役割によって動物病院を使い分けることについては、何の問題もありません。
かかりつけ動物病院の数は多いほどよいですか?
かかりつけ動物病院を複数持つとさまざまなメリットがあるものの、たくさんの獣医師のサポートを受けた方がよさそうだからといった曖昧な理由で、数々の動物病院をわたり歩くようなことは避けるべきです。特段目的もなく動物病院をかけもちすると、治療の開始が遅れたり、方針がうまく定まらなかったりする恐れがあります。かかりつけ動物病院の数は多ければ多い程よいというわけでは決してありません。必要に応じて、適切な数のかかりつけ動物病院を持ってください。たくさんのかかりつけがないと心配という場合には、現状通っている動物病院の獣医師に気がかりな点をきちんと共有することで、不安の解消に努めましょう。

編集部まとめ

かかりつけ動物病院は一つに絞るべきと考えている飼い主の方も多く見られますが、それぞれの役割に応じて動物病院を使い分けることに、何の問題もありません。うまく動物病院をかけもちすると、それぞれの強みを生かした診療を受けることができるでしょう。ただし、情報共有がスムーズにいかなければ、かえって診療に支障が出てしまいます。複数のかかりつけ動物病院を持つ際には、獣医師らと適切なコミュニケーションを図ることが大切です。

【参考文献】