動物病院では難病を診療してもらえる?診療してくれる医療機関・治療法なども解説

動物病院では難病を診療してもらえる?診療してくれる医療機関・治療法なども解説

がんや認知症など、人間によく見られる病気に対する治療は動物にも行われています。そして動物のなかにも、人間と同じまたは動物に特有の難病の例がしばしば報告され世界的規模で治療や研究が行われています。

難病を患った動物たちはどのような機関で診療を受けられるのでしょうか。また、動物の難病の治療はどのように行われるのでしょう。

この記事では動物の難病治療について、詳しく解説していきます。

動物病院では難病を診療してもらえる?

エリザベスカラーをつけた犬

動物に関する医療も年々発達を見せ、人間に対する治療法と同じような診療を行うケースも少なくありません。

難病にかかった動物たちを診療する動物病院は、大学病院や高度医療機関など複数存在しています。

そこでは人間に対するものと同様な診療が行われ、難病にかかった動物たちを救う努力がされています。動物に対する診療も日々研究が進み進歩しているため、難しい病気にかかった動物たちも、完治に至る可能性はますます高まっていくでしょう。

難病を診療できる医療機関の種類

動物病院で猫を診察する獣医師

具体的にどのような医療機関で難病の動物たちの診療を行うのでしょうか。それには大きく分けて以下の3つの種類があります。

かかりつけの病院

動物を飼うときには、ホームドクターとしてのかかりつけの病院を持つことが大切です。ホームドクターでは動物の病気の治療を行いますが、その他にも、しつけや食事についてなど動物の飼育に関する疑問や悩みにも対応します。

動物の診療や飼育に関するアドバイスをすることで、飼い主の暮らしをより豊かにする手伝いもかかりつけ動物病院の役割です。

かかりつけの病院では病気の早期発見が可能です。ホームドクターはより高度で総合的な診療を行う獣医師と連携を取り、多くの難病の動物たちの治療を行っています。

専門病院

近年では治療方法や医療機器が進歩し、人間と同じような検査や治療を施せるようになってきました。

外科療法・放射線療法・免疫療法など専門的・総合的な診療が受けられる専門病院が存在し、難病の動物たちの治療にあたっています。

大学附属病院

農学部を持っている大学などでは附属の動物病院を運営しています。大学附属の病院では高度な知識・設備による治療が行われ、難病を持つ動物の診療を行うことも少なくありません。

動物の疾病について、大学附属病院では常に研究が行われています。海外の研究や症例にも精通した医師たちが、病気を抱える動物を治療するために、より専門的な立場から動物の病気にアプローチしています。

動物病院で難病といわれる病名

洋服を着るトイプードル

動物にも認知症やがんが見られるように、動物の疾患にも難病といわれるものがあります。例として次のような病気が存在します。

猫伝染性腹膜炎

猫伝染性腹膜炎は致死率の高い感染性の病気です。 猫コロナウイルスに感染することにより引き起こされますが、猫コロナウイルスに感染したからといって猫伝染性腹膜炎を発症するとは限りません。

猫伝染性腹膜炎に感染した猫の多くは無症候または軽い消化器症状をみせるキャリアとなります。

病態に関してはまだ不明な点が多い病気で有効な治療法・治療薬・ワクチンはいまだ存在しません。しかし近年では抗ウイルス薬が有効であるとの報告もあり、治療成績は向上しています。

変性性脊髄症

変性性脊髄症とは犬に起こる脊髄の病気で、痛みを伴うことなくゆっくりと進行するのが特徴です。後ろ足の麻痺から始まり、前足・首へと徐々に神経が衰えて最後には呼吸をする筋肉が弱くなり死に至ります。

SOD1遺伝子の変異が病気の発症に関係していることは知られていますが、現時点でこの病気を治す治療法は見つかっていません。多くの犬種で発生していますが、近年はペンブローク・ウェルシュ・コーギーでの発生頻度が高いとされています。

典型的なケースで症状が現れるのは10歳過ぎ頃からです。 病気は脊髄の真ん中あたりから始まり、症状は後ろ足から出現します。病気の進行に伴い病変が脊髄の前に広がると前足にも同様な症状が現れ、首の脊髄に広がると呼吸に影響してきます。

通常病気は3年ほどをかけてゆっくりと進行しますが個体差があり、4年を越えて生存可能な場合もあるでしょう。

初期症状は後ろ足をすって歩く・歩行時に腰が安定せず左右にふらふらしながら歩くなどです。後ろ足を交差させながら歩いたり後ろ足を2本揃えてうさぎ跳びのように歩く場合もあります。病気が進行すると、声のかすれ・尿や便の失禁・呼吸障害が現れます。

上記のような症状が見られたら、動物病院で精密検査を受けることが大切です。診断としてはSOD1遺伝子の検査などを行います。

エリテマトーデス

メガネと聴診器を着けた犬

全身性エリテマトーデスは免疫系が自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患の1つです。人間では主に妊娠可能年齢の女性が罹患し、日本では6万人から10万人の患者さんがいると推定されています。

数々の臓器にさまざまな重度の臓器障害を引き起こしますが、発症メカニズムの全容は明らかになっていません。環境因子と遺伝因子の双方が関係していると考えられています。

全身性エリテマトーデスは犬にも発症がみられます。症例としては多発性関節炎・発熱・腎疾患・皮膚や関節の炎症や障害・貧血・白血球および血小板の減少など多種多様です。

全身性エリテマトーデスの診断には病理組織検査や抗核抗体検査が有用とされます。

動脈管開存症

哺乳動物は通常、心臓から肺に血液を送り、そこで酸素を取り込んで呼吸していますが、胎児期には違います。胎児は胎盤を介して母体から酸素を受け取り、その血液を肺を通さずに心臓から全身に循環させているのです。

その血管を動脈管といい、胎児期には必要なものですが、生後は不要のため自然に閉鎖するのが通常です。

この閉鎖が不完全な状態を動脈管開存症といい、全身に流れるべき血液の一部が大動脈から肺動脈に流れるため、肺や心臓に負担がかかります。重度の場合は咳や呼吸困難のほかに食欲低下・動きたがらないなどの症状がみられ、成長が妨げられて大きくなれない事例もみられます。

人間にも起こる症状ですが、犬の動脈管開存症は日本における小動物の先天性心疾患としては珍しくない病気です。

薬物による内科的治療のほかに、カテーテルを用いた治療も行われます。

難病時に検討される治療法

手術室

動物のがんなどの難病に対する治療に関しては、人間に対する治療法と類似した方法が取られます。大きくわけて以下の3つの治療法です。

対処療法

一般的に対処療法と呼ばれている治療は、医学的には対症療法と呼びます。対症療法とは自然に治癒するのを待つまでの間、とりあえず症状を軽くするという治療です。

単に症状を軽減するために動物の身体や細胞に作用する薬を使用し、病気の動物の機能不全を補ったり過剰反応を抑えたりする治療が対症療法です。

対症療法に対し病原体を直接殺そうとする治療を原因療法といいます。

外科療法

外科療法とは主に手術療法を指します。

身体のさまざまな部位に発生した腫瘍(がん)の切除・尿管などの結石の摘出・胆嚢の摘出・会陰ヘルニアの整復・門脈体循環シャントの整復など、手術は多種多様で、先天性の病気から後天性の病気までに適応されます。

会陰ヘルニアとは会陰部(肛門の周囲)にある筋肉の隙間から臓器やお腹の脂肪が飛び出る病気のことです。

門脈体循環シャントとは門脈と呼ばれる血管と体循環をつなぐ異常な血管が存在することで、門脈中の血液が肝臓を通らず解毒されないまま全身を巡ってしまう病気です。

外科療法を効果的に行うためには、安全な麻酔法・適切な鎮痛法・正確な診断・手術方法に対する的確な知識や情報が欠かせません。

放射線療法

獣医と猫

手術が困難な疾患や、術前・術後の併用療法として、放射線治療も実施されます。

外科手術には不向きな場所(脳・鼻腔・心臓)にできた腫瘍や大きすぎて取り切れない腫瘍・手術だけでは取り残しがでてしまうタイプの腫瘍に対して行われるケースがしばしばです。根治目的以外にも、緩和目的や鎮痛目的で使用されることもあります。

動物に放射線治療を行う場合は鎮静もしくは麻酔を行います。

放射線の照射そのものでは苦痛はほとんどありません。放射線治療は1回の治療で終了せず、複数回の治療が必要です。

放射線治療では低侵襲で腫瘍を治療できますが副作用の可能性があり、副作用の種類やリスクの高さは照射の部位と線量によって異なります。

副作用には照射後数週間から数ヶ月で発生する急性障害と、数ヶ月から数年後に発生する晩発障害があります。

障害をなるべく軽度にするため、照射プランは慎重に立てられなければなりません。

免疫細胞療法

免疫療法は従来の手術・抗がん剤・放射線治療とは違った第四のがん治療法として近年研究が進展しているものです。免疫細胞療法は患者さんからリンパ球を採取した後活性化して身体に戻し、腫瘍組織を破壊させようとするもので、副作用の少ないがん治療法の1つとして期待されています。

またがんに対して強力な攻撃能力を持った免疫細胞を人工的に作り患者さんに投与するCAR−T細胞療法は、特に白血病などの血液がんに効果が認められており、世界中で承認されています。

固形がんには効果が小さいというCAR−T細胞療法の欠点を克服したPRIME CAR−T細胞療法の開発も進行中です。PRIME CAR−T細胞はがん細胞を攻撃できるだけでなく、患者さん自身が持つ免疫機能を活性化して一緒にがんを攻撃する働きを持ち、固形がんにも効果が期待されています。

また消化器疾患である炎症性腸疾患に対しても、健康なドナーから採取した脂肪細胞から間葉系幹細胞を分離・培養し患者さんに投与する免疫細胞療法が行われています。間葉系幹細胞は抗炎症作用や免疫調節作用に機能を発揮する幹細胞です。

動物病院で難病を診療してもらう場合の注意点

ペット保険

動物病院で難病診療をしてもらう際には、考えておきたいことや注意点などが存在します。以下のような事態が発生することをあらかじめ認識しておきましょう。

病気が消失する保証はない

適切な治療を行ったとしても、病気が根治するという保証はありません。がんなどでは手術後の再発や転移の発見などが起こることも少なくなく、根治できる可能性が低いケースもみられます。

残念ながら根治の可能性が低い場合には治療のゴールを疼痛の解消とし、緩和ケアを施すこともあります。

闘病中の動物たちの苦痛を少しでも和らげるとともに、飼い主さまの不安や疑問に対するカウンセリングや一時的に介護を代替するデイサービスを用意している病院もありますので、希望される場合はそういった病院を探しておくとよいでしょう。

継続的な治療を求められる

診察を受ける猫

手術等で一度に治療が終了する治療ばかりとは限りません。特に難病の場合は息の長い継続的な治療が必要となるケースも少なくありません。

治療や通院が長引けば、患者さんである動物たちには身体的負担やストレスもかかります。飼い主さまにとっても通院の手間や時間、治療費や薬代の負担などが長期にわたってかかることもあるでしょう。

コストがかかりやすい

難病の治療にはコストがかかりがちです。さらに治療が長期にわたれば、その時間的金銭的コストは小さなものではありません。

日本においては人間は全員が保険に加入していますが、動物にはそれにあたる制度はないため治療費は実費となり、高額に至るケースも少なくありません。

それをカバーするために民間ではペットの入院・治療などに対するペット保険が各種販売されています。ペット保険に加入する場合は、補償対象をよく確認しておくことが必要です。

かかりつけの動物病院を決めておくメリット

動物病院で獣医師に診察を受ける猫と女性

かかりつけの動物病院を決めておくことは、日常の健康管理や病気の早期診断などを受けることができ、動物の健康維持にとても有効です。

同じ病院に継続して通っていれば個体に対するデータも蓄積されますから、万一の病気の際の治療にも役立ちますし、病気の早期発見が可能です。

また動物病院では病気の治療だけでなく、飼い主さまの不安や疑問などの相談を受け付けたり、ペットフードに関するアドバイスをすることもあります。

かかりつけ動物病院は、より高次の医療を施す医療機関と連携を取っています。難病に侵された場合でも、早期の的確な医療が受けられるでしょう。

高次の医療機関の場合は、かかりつけ動物病院の紹介状を必要とするケースもあります。

まとめ

4匹の犬

動物の難病治療は、人間の難病治療と類似したものとなってきています。外科治療・放射線治療・免疫細胞治療とその治療法の進歩にもめざましいものがあり、難病にかかった動物たちへのさらなるケアが期待できるようになりました。

難病治療には病気に向き合う労力だけでなく時間的・金銭的・心理的負担が伴います。万一に備えてあらかじめ準備をしておくことが、ストレスの軽減につながるでしょう。

かかりつけの動物病院を持っておくことは難病治療に大変有効です。日頃からかかりつけの医師と連携を取り、動物の健康と快適を守れるようにしておきましょう。

参考文献

動物病院では難病を診療してもらえる?診療してくれる医療機関・治療法なども解説

動物病院では難病を診療してもらえる?診療してくれる医療機関・治療法なども解説

がんや認知症など、人間によく見られる病気に対する治療は動物にも行われています。そして動物のなかにも、人間と同じまたは動物に特有の難病の例がしばしば報告され世界的規模で治療や研究が行われています。

難病を患った動物たちはどのような機関で診療を受けられるのでしょうか。また、動物の難病の治療はどのように行われるのでしょう。

この記事では動物の難病治療について、詳しく解説していきます。

動物病院では難病を診療してもらえる?

エリザベスカラーをつけた犬

動物に関する医療も年々発達を見せ、人間に対する治療法と同じような診療を行うケースも少なくありません。

難病にかかった動物たちを診療する動物病院は、大学病院や高度医療機関など複数存在しています。

そこでは人間に対するものと同様な診療が行われ、難病にかかった動物たちを救う努力がされています。動物に対する診療も日々研究が進み進歩しているため、難しい病気にかかった動物たちも、完治に至る可能性はますます高まっていくでしょう。

難病を診療できる医療機関の種類

動物病院で猫を診察する獣医師

具体的にどのような医療機関で難病の動物たちの診療を行うのでしょうか。それには大きく分けて以下の3つの種類があります。

かかりつけの病院

動物を飼うときには、ホームドクターとしてのかかりつけの病院を持つことが大切です。ホームドクターでは動物の病気の治療を行いますが、その他にも、しつけや食事についてなど動物の飼育に関する疑問や悩みにも対応します。

動物の診療や飼育に関するアドバイスをすることで、飼い主の暮らしをより豊かにする手伝いもかかりつけ動物病院の役割です。

かかりつけの病院では病気の早期発見が可能です。ホームドクターはより高度で総合的な診療を行う獣医師と連携を取り、多くの難病の動物たちの治療を行っています。

専門病院

近年では治療方法や医療機器が進歩し、人間と同じような検査や治療を施せるようになってきました。

外科療法・放射線療法・免疫療法など専門的・総合的な診療が受けられる専門病院が存在し、難病の動物たちの治療にあたっています。

大学附属病院

農学部を持っている大学などでは附属の動物病院を運営しています。大学附属の病院では高度な知識・設備による治療が行われ、難病を持つ動物の診療を行うことも少なくありません。

動物の疾病について、大学附属病院では常に研究が行われています。海外の研究や症例にも精通した医師たちが、病気を抱える動物を治療するために、より専門的な立場から動物の病気にアプローチしています。

動物病院で難病といわれる病名

洋服を着るトイプードル

動物にも認知症やがんが見られるように、動物の疾患にも難病といわれるものがあります。例として次のような病気が存在します。

猫伝染性腹膜炎

猫伝染性腹膜炎は致死率の高い感染性の病気です。 猫コロナウイルスに感染することにより引き起こされますが、猫コロナウイルスに感染したからといって猫伝染性腹膜炎を発症するとは限りません。

猫伝染性腹膜炎に感染した猫の多くは無症候または軽い消化器症状をみせるキャリアとなります。

病態に関してはまだ不明な点が多い病気で有効な治療法・治療薬・ワクチンはいまだ存在しません。しかし近年では抗ウイルス薬が有効であるとの報告もあり、治療成績は向上しています。

変性性脊髄症

変性性脊髄症とは犬に起こる脊髄の病気で、痛みを伴うことなくゆっくりと進行するのが特徴です。後ろ足の麻痺から始まり、前足・首へと徐々に神経が衰えて最後には呼吸をする筋肉が弱くなり死に至ります。

SOD1遺伝子の変異が病気の発症に関係していることは知られていますが、現時点でこの病気を治す治療法は見つかっていません。多くの犬種で発生していますが、近年はペンブローク・ウェルシュ・コーギーでの発生頻度が高いとされています。

典型的なケースで症状が現れるのは10歳過ぎ頃からです。 病気は脊髄の真ん中あたりから始まり、症状は後ろ足から出現します。病気の進行に伴い病変が脊髄の前に広がると前足にも同様な症状が現れ、首の脊髄に広がると呼吸に影響してきます。

通常病気は3年ほどをかけてゆっくりと進行しますが個体差があり、4年を越えて生存可能な場合もあるでしょう。

初期症状は後ろ足をすって歩く・歩行時に腰が安定せず左右にふらふらしながら歩くなどです。後ろ足を交差させながら歩いたり後ろ足を2本揃えてうさぎ跳びのように歩く場合もあります。病気が進行すると、声のかすれ・尿や便の失禁・呼吸障害が現れます。

上記のような症状が見られたら、動物病院で精密検査を受けることが大切です。診断としてはSOD1遺伝子の検査などを行います。

エリテマトーデス

メガネと聴診器を着けた犬

全身性エリテマトーデスは免疫系が自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患の1つです。人間では主に妊娠可能年齢の女性が罹患し、日本では6万人から10万人の患者さんがいると推定されています。

数々の臓器にさまざまな重度の臓器障害を引き起こしますが、発症メカニズムの全容は明らかになっていません。環境因子と遺伝因子の双方が関係していると考えられています。

全身性エリテマトーデスは犬にも発症がみられます。症例としては多発性関節炎・発熱・腎疾患・皮膚や関節の炎症や障害・貧血・白血球および血小板の減少など多種多様です。

全身性エリテマトーデスの診断には病理組織検査や抗核抗体検査が有用とされます。

動脈管開存症

哺乳動物は通常、心臓から肺に血液を送り、そこで酸素を取り込んで呼吸していますが、胎児期には違います。胎児は胎盤を介して母体から酸素を受け取り、その血液を肺を通さずに心臓から全身に循環させているのです。

その血管を動脈管といい、胎児期には必要なものですが、生後は不要のため自然に閉鎖するのが通常です。

この閉鎖が不完全な状態を動脈管開存症といい、全身に流れるべき血液の一部が大動脈から肺動脈に流れるため、肺や心臓に負担がかかります。重度の場合は咳や呼吸困難のほかに食欲低下・動きたがらないなどの症状がみられ、成長が妨げられて大きくなれない事例もみられます。

人間にも起こる症状ですが、犬の動脈管開存症は日本における小動物の先天性心疾患としては珍しくない病気です。

薬物による内科的治療のほかに、カテーテルを用いた治療も行われます。

難病時に検討される治療法

手術室

動物のがんなどの難病に対する治療に関しては、人間に対する治療法と類似した方法が取られます。大きくわけて以下の3つの治療法です。

対処療法

一般的に対処療法と呼ばれている治療は、医学的には対症療法と呼びます。対症療法とは自然に治癒するのを待つまでの間、とりあえず症状を軽くするという治療です。

単に症状を軽減するために動物の身体や細胞に作用する薬を使用し、病気の動物の機能不全を補ったり過剰反応を抑えたりする治療が対症療法です。

対症療法に対し病原体を直接殺そうとする治療を原因療法といいます。

外科療法

外科療法とは主に手術療法を指します。

身体のさまざまな部位に発生した腫瘍(がん)の切除・尿管などの結石の摘出・胆嚢の摘出・会陰ヘルニアの整復・門脈体循環シャントの整復など、手術は多種多様で、先天性の病気から後天性の病気までに適応されます。

会陰ヘルニアとは会陰部(肛門の周囲)にある筋肉の隙間から臓器やお腹の脂肪が飛び出る病気のことです。

門脈体循環シャントとは門脈と呼ばれる血管と体循環をつなぐ異常な血管が存在することで、門脈中の血液が肝臓を通らず解毒されないまま全身を巡ってしまう病気です。

外科療法を効果的に行うためには、安全な麻酔法・適切な鎮痛法・正確な診断・手術方法に対する的確な知識や情報が欠かせません。

放射線療法

獣医と猫

手術が困難な疾患や、術前・術後の併用療法として、放射線治療も実施されます。

外科手術には不向きな場所(脳・鼻腔・心臓)にできた腫瘍や大きすぎて取り切れない腫瘍・手術だけでは取り残しがでてしまうタイプの腫瘍に対して行われるケースがしばしばです。根治目的以外にも、緩和目的や鎮痛目的で使用されることもあります。

動物に放射線治療を行う場合は鎮静もしくは麻酔を行います。

放射線の照射そのものでは苦痛はほとんどありません。放射線治療は1回の治療で終了せず、複数回の治療が必要です。

放射線治療では低侵襲で腫瘍を治療できますが副作用の可能性があり、副作用の種類やリスクの高さは照射の部位と線量によって異なります。

副作用には照射後数週間から数ヶ月で発生する急性障害と、数ヶ月から数年後に発生する晩発障害があります。

障害をなるべく軽度にするため、照射プランは慎重に立てられなければなりません。

免疫細胞療法

免疫療法は従来の手術・抗がん剤・放射線治療とは違った第四のがん治療法として近年研究が進展しているものです。免疫細胞療法は患者さんからリンパ球を採取した後活性化して身体に戻し、腫瘍組織を破壊させようとするもので、副作用の少ないがん治療法の1つとして期待されています。

またがんに対して強力な攻撃能力を持った免疫細胞を人工的に作り患者さんに投与するCAR−T細胞療法は、特に白血病などの血液がんに効果が認められており、世界中で承認されています。

固形がんには効果が小さいというCAR−T細胞療法の欠点を克服したPRIME CAR−T細胞療法の開発も進行中です。PRIME CAR−T細胞はがん細胞を攻撃できるだけでなく、患者さん自身が持つ免疫機能を活性化して一緒にがんを攻撃する働きを持ち、固形がんにも効果が期待されています。

また消化器疾患である炎症性腸疾患に対しても、健康なドナーから採取した脂肪細胞から間葉系幹細胞を分離・培養し患者さんに投与する免疫細胞療法が行われています。間葉系幹細胞は抗炎症作用や免疫調節作用に機能を発揮する幹細胞です。

動物病院で難病を診療してもらう場合の注意点

ペット保険

動物病院で難病診療をしてもらう際には、考えておきたいことや注意点などが存在します。以下のような事態が発生することをあらかじめ認識しておきましょう。

病気が消失する保証はない

適切な治療を行ったとしても、病気が根治するという保証はありません。がんなどでは手術後の再発や転移の発見などが起こることも少なくなく、根治できる可能性が低いケースもみられます。

残念ながら根治の可能性が低い場合には治療のゴールを疼痛の解消とし、緩和ケアを施すこともあります。

闘病中の動物たちの苦痛を少しでも和らげるとともに、飼い主さまの不安や疑問に対するカウンセリングや一時的に介護を代替するデイサービスを用意している病院もありますので、希望される場合はそういった病院を探しておくとよいでしょう。

継続的な治療を求められる

診察を受ける猫

手術等で一度に治療が終了する治療ばかりとは限りません。特に難病の場合は息の長い継続的な治療が必要となるケースも少なくありません。

治療や通院が長引けば、患者さんである動物たちには身体的負担やストレスもかかります。飼い主さまにとっても通院の手間や時間、治療費や薬代の負担などが長期にわたってかかることもあるでしょう。

コストがかかりやすい

難病の治療にはコストがかかりがちです。さらに治療が長期にわたれば、その時間的金銭的コストは小さなものではありません。

日本においては人間は全員が保険に加入していますが、動物にはそれにあたる制度はないため治療費は実費となり、高額に至るケースも少なくありません。

それをカバーするために民間ではペットの入院・治療などに対するペット保険が各種販売されています。ペット保険に加入する場合は、補償対象をよく確認しておくことが必要です。

かかりつけの動物病院を決めておくメリット

動物病院で獣医師に診察を受ける猫と女性

かかりつけの動物病院を決めておくことは、日常の健康管理や病気の早期診断などを受けることができ、動物の健康維持にとても有効です。

同じ病院に継続して通っていれば個体に対するデータも蓄積されますから、万一の病気の際の治療にも役立ちますし、病気の早期発見が可能です。

また動物病院では病気の治療だけでなく、飼い主さまの不安や疑問などの相談を受け付けたり、ペットフードに関するアドバイスをすることもあります。

かかりつけ動物病院は、より高次の医療を施す医療機関と連携を取っています。難病に侵された場合でも、早期の的確な医療が受けられるでしょう。

高次の医療機関の場合は、かかりつけ動物病院の紹介状を必要とするケースもあります。

まとめ

4匹の犬

動物の難病治療は、人間の難病治療と類似したものとなってきています。外科治療・放射線治療・免疫細胞治療とその治療法の進歩にもめざましいものがあり、難病にかかった動物たちへのさらなるケアが期待できるようになりました。

難病治療には病気に向き合う労力だけでなく時間的・金銭的・心理的負担が伴います。万一に備えてあらかじめ準備をしておくことが、ストレスの軽減につながるでしょう。

かかりつけの動物病院を持っておくことは難病治療に大変有効です。日頃からかかりつけの医師と連携を取り、動物の健康と快適を守れるようにしておきましょう。

参考文献

動物病院では難病を診療してもらえる?診療してくれる医療機関・治療法なども解説

動物病院では難病を診療してもらえる?診療してくれる医療機関・治療法なども解説

がんや認知症など、人間によく見られる病気に対する治療は動物にも行われています。そして動物のなかにも、人間と同じまたは動物に特有の難病の例がしばしば報告され世界的規模で治療や研究が行われています。

難病を患った動物たちはどのような機関で診療を受けられるのでしょうか。また、動物の難病の治療はどのように行われるのでしょう。

この記事では動物の難病治療について、詳しく解説していきます。

動物病院では難病を診療してもらえる?

エリザベスカラーをつけた犬

動物に関する医療も年々発達を見せ、人間に対する治療法と同じような診療を行うケースも少なくありません。

難病にかかった動物たちを診療する動物病院は、大学病院や高度医療機関など複数存在しています。

そこでは人間に対するものと同様な診療が行われ、難病にかかった動物たちを救う努力がされています。動物に対する診療も日々研究が進み進歩しているため、難しい病気にかかった動物たちも、完治に至る可能性はますます高まっていくでしょう。

難病を診療できる医療機関の種類

動物病院で猫を診察する獣医師

具体的にどのような医療機関で難病の動物たちの診療を行うのでしょうか。それには大きく分けて以下の3つの種類があります。

かかりつけの病院

動物を飼うときには、ホームドクターとしてのかかりつけの病院を持つことが大切です。ホームドクターでは動物の病気の治療を行いますが、その他にも、しつけや食事についてなど動物の飼育に関する疑問や悩みにも対応します。

動物の診療や飼育に関するアドバイスをすることで、飼い主の暮らしをより豊かにする手伝いもかかりつけ動物病院の役割です。

かかりつけの病院では病気の早期発見が可能です。ホームドクターはより高度で総合的な診療を行う獣医師と連携を取り、多くの難病の動物たちの治療を行っています。

専門病院

近年では治療方法や医療機器が進歩し、人間と同じような検査や治療を施せるようになってきました。

外科療法・放射線療法・免疫療法など専門的・総合的な診療が受けられる専門病院が存在し、難病の動物たちの治療にあたっています。

大学附属病院

農学部を持っている大学などでは附属の動物病院を運営しています。大学附属の病院では高度な知識・設備による治療が行われ、難病を持つ動物の診療を行うことも少なくありません。

動物の疾病について、大学附属病院では常に研究が行われています。海外の研究や症例にも精通した医師たちが、病気を抱える動物を治療するために、より専門的な立場から動物の病気にアプローチしています。

動物病院で難病といわれる病名

洋服を着るトイプードル

動物にも認知症やがんが見られるように、動物の疾患にも難病といわれるものがあります。例として次のような病気が存在します。

猫伝染性腹膜炎

猫伝染性腹膜炎は致死率の高い感染性の病気です。 猫コロナウイルスに感染することにより引き起こされますが、猫コロナウイルスに感染したからといって猫伝染性腹膜炎を発症するとは限りません。

猫伝染性腹膜炎に感染した猫の多くは無症候または軽い消化器症状をみせるキャリアとなります。

病態に関してはまだ不明な点が多い病気で有効な治療法・治療薬・ワクチンはいまだ存在しません。しかし近年では抗ウイルス薬が有効であるとの報告もあり、治療成績は向上しています。

変性性脊髄症

変性性脊髄症とは犬に起こる脊髄の病気で、痛みを伴うことなくゆっくりと進行するのが特徴です。後ろ足の麻痺から始まり、前足・首へと徐々に神経が衰えて最後には呼吸をする筋肉が弱くなり死に至ります。

SOD1遺伝子の変異が病気の発症に関係していることは知られていますが、現時点でこの病気を治す治療法は見つかっていません。多くの犬種で発生していますが、近年はペンブローク・ウェルシュ・コーギーでの発生頻度が高いとされています。

典型的なケースで症状が現れるのは10歳過ぎ頃からです。 病気は脊髄の真ん中あたりから始まり、症状は後ろ足から出現します。病気の進行に伴い病変が脊髄の前に広がると前足にも同様な症状が現れ、首の脊髄に広がると呼吸に影響してきます。

通常病気は3年ほどをかけてゆっくりと進行しますが個体差があり、4年を越えて生存可能な場合もあるでしょう。

初期症状は後ろ足をすって歩く・歩行時に腰が安定せず左右にふらふらしながら歩くなどです。後ろ足を交差させながら歩いたり後ろ足を2本揃えてうさぎ跳びのように歩く場合もあります。病気が進行すると、声のかすれ・尿や便の失禁・呼吸障害が現れます。

上記のような症状が見られたら、動物病院で精密検査を受けることが大切です。診断としてはSOD1遺伝子の検査などを行います。

エリテマトーデス

メガネと聴診器を着けた犬

全身性エリテマトーデスは免疫系が自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患の1つです。人間では主に妊娠可能年齢の女性が罹患し、日本では6万人から10万人の患者さんがいると推定されています。

数々の臓器にさまざまな重度の臓器障害を引き起こしますが、発症メカニズムの全容は明らかになっていません。環境因子と遺伝因子の双方が関係していると考えられています。

全身性エリテマトーデスは犬にも発症がみられます。症例としては多発性関節炎・発熱・腎疾患・皮膚や関節の炎症や障害・貧血・白血球および血小板の減少など多種多様です。

全身性エリテマトーデスの診断には病理組織検査や抗核抗体検査が有用とされます。

動脈管開存症

哺乳動物は通常、心臓から肺に血液を送り、そこで酸素を取り込んで呼吸していますが、胎児期には違います。胎児は胎盤を介して母体から酸素を受け取り、その血液を肺を通さずに心臓から全身に循環させているのです。

その血管を動脈管といい、胎児期には必要なものですが、生後は不要のため自然に閉鎖するのが通常です。

この閉鎖が不完全な状態を動脈管開存症といい、全身に流れるべき血液の一部が大動脈から肺動脈に流れるため、肺や心臓に負担がかかります。重度の場合は咳や呼吸困難のほかに食欲低下・動きたがらないなどの症状がみられ、成長が妨げられて大きくなれない事例もみられます。

人間にも起こる症状ですが、犬の動脈管開存症は日本における小動物の先天性心疾患としては珍しくない病気です。

薬物による内科的治療のほかに、カテーテルを用いた治療も行われます。

難病時に検討される治療法

手術室

動物のがんなどの難病に対する治療に関しては、人間に対する治療法と類似した方法が取られます。大きくわけて以下の3つの治療法です。

対処療法

一般的に対処療法と呼ばれている治療は、医学的には対症療法と呼びます。対症療法とは自然に治癒するのを待つまでの間、とりあえず症状を軽くするという治療です。

単に症状を軽減するために動物の身体や細胞に作用する薬を使用し、病気の動物の機能不全を補ったり過剰反応を抑えたりする治療が対症療法です。

対症療法に対し病原体を直接殺そうとする治療を原因療法といいます。

外科療法

外科療法とは主に手術療法を指します。

身体のさまざまな部位に発生した腫瘍(がん)の切除・尿管などの結石の摘出・胆嚢の摘出・会陰ヘルニアの整復・門脈体循環シャントの整復など、手術は多種多様で、先天性の病気から後天性の病気までに適応されます。

会陰ヘルニアとは会陰部(肛門の周囲)にある筋肉の隙間から臓器やお腹の脂肪が飛び出る病気のことです。

門脈体循環シャントとは門脈と呼ばれる血管と体循環をつなぐ異常な血管が存在することで、門脈中の血液が肝臓を通らず解毒されないまま全身を巡ってしまう病気です。

外科療法を効果的に行うためには、安全な麻酔法・適切な鎮痛法・正確な診断・手術方法に対する的確な知識や情報が欠かせません。

放射線療法

獣医と猫

手術が困難な疾患や、術前・術後の併用療法として、放射線治療も実施されます。

外科手術には不向きな場所(脳・鼻腔・心臓)にできた腫瘍や大きすぎて取り切れない腫瘍・手術だけでは取り残しがでてしまうタイプの腫瘍に対して行われるケースがしばしばです。根治目的以外にも、緩和目的や鎮痛目的で使用されることもあります。

動物に放射線治療を行う場合は鎮静もしくは麻酔を行います。

放射線の照射そのものでは苦痛はほとんどありません。放射線治療は1回の治療で終了せず、複数回の治療が必要です。

放射線治療では低侵襲で腫瘍を治療できますが副作用の可能性があり、副作用の種類やリスクの高さは照射の部位と線量によって異なります。

副作用には照射後数週間から数ヶ月で発生する急性障害と、数ヶ月から数年後に発生する晩発障害があります。

障害をなるべく軽度にするため、照射プランは慎重に立てられなければなりません。

免疫細胞療法

免疫療法は従来の手術・抗がん剤・放射線治療とは違った第四のがん治療法として近年研究が進展しているものです。免疫細胞療法は患者さんからリンパ球を採取した後活性化して身体に戻し、腫瘍組織を破壊させようとするもので、副作用の少ないがん治療法の1つとして期待されています。

またがんに対して強力な攻撃能力を持った免疫細胞を人工的に作り患者さんに投与するCAR−T細胞療法は、特に白血病などの血液がんに効果が認められており、世界中で承認されています。

固形がんには効果が小さいというCAR−T細胞療法の欠点を克服したPRIME CAR−T細胞療法の開発も進行中です。PRIME CAR−T細胞はがん細胞を攻撃できるだけでなく、患者さん自身が持つ免疫機能を活性化して一緒にがんを攻撃する働きを持ち、固形がんにも効果が期待されています。

また消化器疾患である炎症性腸疾患に対しても、健康なドナーから採取した脂肪細胞から間葉系幹細胞を分離・培養し患者さんに投与する免疫細胞療法が行われています。間葉系幹細胞は抗炎症作用や免疫調節作用に機能を発揮する幹細胞です。

動物病院で難病を診療してもらう場合の注意点

ペット保険

動物病院で難病診療をしてもらう際には、考えておきたいことや注意点などが存在します。以下のような事態が発生することをあらかじめ認識しておきましょう。

病気が消失する保証はない

適切な治療を行ったとしても、病気が根治するという保証はありません。がんなどでは手術後の再発や転移の発見などが起こることも少なくなく、根治できる可能性が低いケースもみられます。

残念ながら根治の可能性が低い場合には治療のゴールを疼痛の解消とし、緩和ケアを施すこともあります。

闘病中の動物たちの苦痛を少しでも和らげるとともに、飼い主さまの不安や疑問に対するカウンセリングや一時的に介護を代替するデイサービスを用意している病院もありますので、希望される場合はそういった病院を探しておくとよいでしょう。

継続的な治療を求められる

診察を受ける猫

手術等で一度に治療が終了する治療ばかりとは限りません。特に難病の場合は息の長い継続的な治療が必要となるケースも少なくありません。

治療や通院が長引けば、患者さんである動物たちには身体的負担やストレスもかかります。飼い主さまにとっても通院の手間や時間、治療費や薬代の負担などが長期にわたってかかることもあるでしょう。

コストがかかりやすい

難病の治療にはコストがかかりがちです。さらに治療が長期にわたれば、その時間的金銭的コストは小さなものではありません。

日本においては人間は全員が保険に加入していますが、動物にはそれにあたる制度はないため治療費は実費となり、高額に至るケースも少なくありません。

それをカバーするために民間ではペットの入院・治療などに対するペット保険が各種販売されています。ペット保険に加入する場合は、補償対象をよく確認しておくことが必要です。

かかりつけの動物病院を決めておくメリット

動物病院で獣医師に診察を受ける猫と女性

かかりつけの動物病院を決めておくことは、日常の健康管理や病気の早期診断などを受けることができ、動物の健康維持にとても有効です。

同じ病院に継続して通っていれば個体に対するデータも蓄積されますから、万一の病気の際の治療にも役立ちますし、病気の早期発見が可能です。

また動物病院では病気の治療だけでなく、飼い主さまの不安や疑問などの相談を受け付けたり、ペットフードに関するアドバイスをすることもあります。

かかりつけ動物病院は、より高次の医療を施す医療機関と連携を取っています。難病に侵された場合でも、早期の的確な医療が受けられるでしょう。

高次の医療機関の場合は、かかりつけ動物病院の紹介状を必要とするケースもあります。

まとめ

4匹の犬

動物の難病治療は、人間の難病治療と類似したものとなってきています。外科治療・放射線治療・免疫細胞治療とその治療法の進歩にもめざましいものがあり、難病にかかった動物たちへのさらなるケアが期待できるようになりました。

難病治療には病気に向き合う労力だけでなく時間的・金銭的・心理的負担が伴います。万一に備えてあらかじめ準備をしておくことが、ストレスの軽減につながるでしょう。

かかりつけの動物病院を持っておくことは難病治療に大変有効です。日頃からかかりつけの医師と連携を取り、動物の健康と快適を守れるようにしておきましょう。

参考文献

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