猫の目の上がはげる原因は?注意すべき症状・考えられる病気・治療について解説

猫の目の上がはげる原因は?注意すべき症状・考えられる病気・治療について解説

愛猫の目の上の毛が薄くなっていると、その原因が自然現象なのか、それとも病気やストレスによるものなのか対処法がわからず不安を感じるでしょう。

猫の目の上がはげているのを発見した場合は、脱毛が自然な現象なのか、それとも病気やストレスが原因なのかを見極めることが大切です。

この記事では、目の上がはげる主な原因や考えられる病気・治療法・予防策について詳しく解説します。

猫の健康を守り、安心して暮らせる環境を整えるために、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

猫の目の上がはげる原因

眠る猫4

猫の目の上がはげるのはなぜですか?
猫の目の上がはげる原因には、次のような要因が考えられます。
  • かきむしり
  • 過剰なグルーミング
  • 病気

夏毛や冬毛になる自然な換毛期による脱毛や、個体差ではげているように見える脱毛は問題ありません。ただし、そうではない場合は異常脱毛の可能性があります。例えば、目の周囲を頻繁にかきむしる行動や、過剰なグルーミングが原因の脱毛です。この行動は、かゆみや違和感を伴う皮膚病・寄生虫感染・アレルギー反応などが影響している場合があります。さらに脱毛が進行すると、目の上の皮膚が赤く腫れたり、かさぶたができたりする症状が現れることもあります。これらは異常の兆候であり、早めの対応が必要です。脱毛が一時的なものか、病気によるものかを判断するためには、猫の行動や症状を普段から観察することが大切です。目の上を頻繁に触る、皮膚に赤みがあるなどの場合には、早急に動物病院で診察を受けるようにしましょう。

ストレスが原因で目の上がはげることはありますか?
猫がストレスを感じると、過剰なグルーミングを行って脱毛し、目の上がはげることがあります。引っ越しなどの環境変化や家族構成の変化、新しいペットの導入などは猫のストレスの要因の一つです。また、飼い主とのコミュニケーション不足や遊び時間の減少も、ストレスにつながる可能性があります。ストレスは猫の免疫力を低下させ、皮膚の健康にも悪影響を与えるため、早めにストレスを解消するようにしましょう。こうした場合、猫が安心できる空間を用意し、適度な遊びやスキンシップを増やすことで脱毛が改善するケースもあります。ただし、ストレスが原因であるかの判断は難しいため、症状が改善しない場合や脱毛以外の異常が見られる場合には早めに動物病院で診察を受けましょう。

猫の目の上がはげているときに注意すべき症状と考えられる病気

寝起きの三毛の子猫

猫の目の上がはげている場合の受診目安を教えてください。
猫の目の上がはげているように見えた場合、気をつけた方がよいのは次のケースです。
  • 目の上の皮膚に赤みや腫れがある
  • かさぶた・傷・膿(うみ)が見られる
  • 目の周りの脱毛が進行してほかの部位にも広がっている
  • 頻繁にかきむしったりグルーミングをしている

これらが見られる場合、皮膚病・寄生虫感染・アレルギー反応などの疾患が隠れている可能性があります。また、免疫力の低下やストレスが症状を悪化させる場合もあります。軽度の脱毛であっても、明らかに普段と異なる様子が見られる場合には、早めに動物病院に相談しましょう。異常の早期発見は、治療の効果を高め、猫の健康を守ります。

かゆみがなくても病気の可能性はありますか?
猫の目の上がはげている場合、かゆみがなくても病気の可能性があります。皮膚病や寄生虫感染では多くの場合かゆみを伴いますが、すべての疾患で見られるわけではありません。例えば、ホルモンバランスの異常や栄養不足が原因となる脱毛は、かゆみが現れないことがあります。また、免疫関連の病気や一部のアレルギー反応も、かゆみを伴わないことがあります。かゆみがないからといって安心せず、脱毛の範囲や皮膚の状態、猫の行動の変化に注目しましょう。脱毛部分の皮膚に異常がある場合や、猫が普段と違う行動を取っている場合は、何らかの異常が隠れている可能性があります。こうした症状が続く場合は、早めに動物病院で診察を受け、原因を明らかにしておきましょう。
猫の目の上がはげているときに考えられる皮膚病を教えてください。
猫の目の上がはげている場合、考えられる皮膚病には次のようなものがあります。
  • 猫カビ
  • 細菌感染
  • 寄生虫によるもの
  • アレルギー性皮膚炎

一般的な皮膚病の原因の一つが、猫カビといわれる真菌による感染症です。カビや酵母などの真菌が皮膚に侵入して引き起こす病気で、ほかの猫や人にも感染するため注意が必要です。また、細菌による感染症やノミやダニなどの寄生虫による皮膚病も脱毛の原因になります。これらは早期に適切な治療を行わないと、症状が悪化する可能性があります。さらに、アレルギー性皮膚炎にも注意が必要です。これらの皮膚病は症状が似ている場合もあるため、脱毛部分の皮膚の状態を観察し、異常を感じたら速やかに動物病院を受診して正確な診断を受けましょう。健康診断を定期的に受けると、予防や早期発見が可能になります。

皮膚病にかかりやすい猫の種類や特徴を教えてください。
皮膚病にかかりやすい猫の種類や特徴は、次のとおりです。
  • 免疫力が弱い子猫や高齢猫
  • アレルギー体質を持つ猫(アビシニアン・デボンレックス・ペルシャなど)
  • スフィンクスなどの無毛種
  • 短頭種(エキゾチックショートヘアなど)

アビシニアン・デボンレックス・ペルシャなどアレルギー体質を持つ猫は、アトピー性皮膚炎になりやすいとされています。スフィンクスなどの無毛種は、皮膚の乾燥や刺激を受けやすいため注意が必要です。また、エキゾチックショートヘアのような短頭種は、顔のシワに汚れが溜まりやすく皮膚病にかかりやすいでしょう。皮膚病の予防は清潔な生活環境を整えることが大切です。日頃から猫の様子を観察し、皮膚の異常を早期に発見できるようにしましょう。

猫の目の上がはげている場合に皮膚病以外で考えられる病気はありますか?
猫の目の上がはげている場合、皮膚病以外にも考えられる病気があります。次のような病気です。
  • ホルモン異常
  • 糖尿病
  • 慢性疾患による免疫力低下

例えば、甲状腺機能亢進症や副腎皮質機能亢進症は、猫で見られるホルモン関連の疾患です。これらの病気は皮膚の健康に影響を与え、脱毛を引き起こすことがあります。また、糖尿病や慢性疾患に伴う免疫力低下も、脱毛の一因です。ストレスや栄養不足も無視できません。ストレスによる影響は脱毛だけでなく、全身の健康にも悪影響を与える可能性があります。また、適切な栄養を摂取していない猫や、慢性腎疾患のような内臓疾患も皮膚や被毛の状態が悪化する可能性があります。これらが疑われる場合は、早期発見が重要です。脱毛以外の症状(食欲不振・元気がない・体重減少など)が見られる場合は、早急に動物病院での診察が必要です。

猫の目の上のはげの治療と予防

リビングの猫

猫の目の上のはげは治りますか?
猫の目の上のはげは、大抵の場合、適切な治療を行えば改善が期待できます。皮膚病や寄生虫が原因であれば、薬を使用することで症状が緩和します。また、ストレスが原因であれば、猫がリラックスできる環境を整えてあげると自然に回復するでしょう。ただし、放置すると症状が進行し、治療に長期間を要する場合もあります。目の上のはげを治すには、早期発見と適切な対処が大切です。軽度の脱毛であっても、猫の行動や体調に異常が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。特に、脱毛が広がったり皮膚に赤みや腫れがあったりする場合は、注意が必要です。
猫の目の上がはげているときに飼い主ができる対処法はありますか?
愛猫の目の上がはげていたら、まず原因の特定を目指しましょう。皮膚が赤く腫れている場合や、猫が頻繁にかきむしる場合は、早急に動物病院を受診する必要があります。皮膚の状態のほか、どれくらい脱毛しているかもチェックしましょう。ストレスが原因であれば、猫がリラックスできる環境を整え、十分なスキンシップをとることが有効です。自己判断で薬やクリームを使用するのは避け、獣医師の指示に従いましょう。正しいケアは猫の健康回復を早めます。
猫の目の上のはげを予防する方法を教えてください。
猫の目の上のはげを予防するためには、日常的なケアと健康管理が重要です。まずは、猫がストレスを感じにくい環境を整えましょう。猫は環境の変化に敏感なため、遊びやスキンシップで安心感を与えると効果的です。また、運動不足もストレスの原因となるため、適切な運動量を確保できる遊び場やおもちゃを用意しましょう。住環境を清潔に保ち、寄生虫や皮膚病のリスクを軽減することも大切です。猫の免疫力を維持して皮膚や被毛の健康を保つために、食事の栄養バランスを考えましょう。日常的にブラッシングを行ったり定期的に動物病院で健康診断を受けたりして、目の周りや皮膚の状態を観察する習慣がついていると、早期に異常を発見できます。

編集部まとめ

猫の顔

猫の目の上がはげる原因には、皮膚病・ストレス・内臓疾患が考えられます。

早期の対応が症状改善の鍵となるため、飼い主さんは日頃から猫の体調や行動を観察し、異常があれば速やかに動物病院を受診しましょう。

清潔な住環境や栄養バランスの取れた食事が、脱毛の予防に効果的です。猫がストレスを感じない環境を整え、適度なスキンシップや運動が健康維持に役立ちます。

定期的な健康診断も、病気の早期発見に欠かせません。原因を理解し、適切な治療や予防策を実践して、猫の健康を守り生活の質を高めていきましょう。

参考文献