【猫の結膜炎】原因や症状、治療法について解説!

猫 結膜炎

猫も人間と同様にさまざまな目の病気が発生する可能性があり、その中でも結膜炎は発生頻度の高い目の病気の1つとなっています。
本記事では猫の結膜炎について以下の点を中心にご紹介します。

  • 猫の結膜炎とは
  • 猫の結膜炎の原因
  • 猫の結膜炎の治療

猫の結膜炎について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

猫の結膜炎の症状

んちを持参し、動物病院で糞便検査
猫の結膜炎とはどのような病気ですか?
結膜炎は、猫の眼の病気で、まぶたの裏側にある結膜が炎症を起こすものです。片方の眼だけでなく、両方の眼に影響を及ぼす場合があります。
主な原因は、猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)や猫カリシウイルス感染症などのウイルス感染症です。
また、アレルギーや異物が眼に入る際にも結膜炎が発生します。治療方法としては、まず眼をきれいに洗い、抗生剤や消炎剤等の目薬による治療を行います。
また、原因によっては内服や注射等の治療も併用されます。感染症が原因の場合、他の猫に感染する可能性もあるため、複数の猫を飼っている場合は隔離が必要とされる疾患です。
猫の結膜炎にはどのような症状がありますか?
猫の結膜炎の主な症状としては、結膜が充血し、白目が赤くなる点が挙げられます。
また、結膜が腫れたり、めやにや涙が増えたりすることもあります。猫が目を頻繁にかく行動を示すこともあり、さらには、目を少しつむり気味にすることも結膜炎の症状の一つとされています。この症状は、結膜炎が進行すると重症化する可能性があるため、早期発見と早期治療が重要となります。異常が見られた場合は、早めに動物病院に連れて行きましょう。

猫の結膜炎の原因

猫は腎臓の病気になりやすい?慢性腎臓病や腎不全の症状・治療法・予防法を解説
猫が結膜炎になる原因は何ですか?
少し前述しましたが、猫の結膜炎は、さまざまな原因で発生します。ウイルスなどによる感染が一般的で、特に猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、猫クラミジア感染症が主な原因となります。感染症は、免疫力が低下している猫などに感染しやすく、重症化しやすいです。また、細菌感染や寄生虫感染(例えば東洋眼虫症)も結膜炎の原因となります。
物理的な要因、例を挙げると、まつ毛やまぶたの異常、薬剤(シャンプーなど)が目に入ること、アレルギー反応、免疫異常が引き起こす(好酸球性角結膜炎などの)免疫介在性、涙の膜の異常、異物が目に入ることなども結膜炎を引き起こす可能性があります。原因を理解し、適切な予防策を講じることで、猫の結膜炎のリスクを減らせる可能性が高まります。
結膜炎になりやすいのはどんな猫ですか?
結膜炎は、すべての猫に発症する可能性がありますが、特に感染性の結膜炎は子猫で多く見られます。生まれて間もない子猫や免疫力が低い猫、特定の猫種などが特に影響を受けやすいです。
例えば、ペルシャ猫やスコティッシュ、エキゾチックは、品種的な要素として「眼瞼内反症」(まぶたが内側に入り込んでしまう病気)の発症率が高いとされています。「眼瞼内反症」でまぶたや周りの毛が目に触れて、悪化すると結膜炎を引き起こす可能性があるといわれています。

猫の結膜炎の治療

猫も咳をするの?
猫の結膜炎は自然に治りますか?
猫の結膜炎が自然に治るかどうかは、その症状の程度や原因によります。軽度の結膜炎であれば、まれに自然治癒することもあります。しかし、飼い主さんは、ほとんどの場合、症状の程度や原因を特定することは難しいでしょう。し、自己流で治療を試みると、症状が悪化する可能性もあります。したがって、猫の結膜炎の疑いがある場合や、目の周りに異常を感じた場合は、必ず専門の獣医師に診てもらいましょう。
猫の結膜炎はどのように治療されますか?
猫の結膜炎の治療は、症状の程度や原因により異なります。軽度の結膜炎であれば、抗生物質の点眼薬が使用されます。抗ウイルス薬の内服や抗ウイルスが期待できるサプリメントも使用される場合があります。また、結膜と眼球が癒着してしまった重度の結膜炎の場合は、外科的に癒着を剥がす手術が必要となることもあります。
治療費については、具体的な金額は病院や地域、症状の重さにより異なりますが、一例として、2週間の治療期間で3回の通院が必要な場合、合計治療費用は約11,000円となります。1回の通院ごとの治療費は、診察料、細胞診、内用薬、点眼薬を含めて1,000~6,000円程度とされています。ただし、これらの費用はあくまで一例であるため、具体的な費用については動物病院に直接相談することをおすすめします。
猫が結膜炎にならないよう、できることはありますか?
猫が結膜炎にならないように、以下のことを実践して予防しましょう。

1. ワクチン接種: 猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、猫クラミジアなど、結膜炎の原因となる感染症は、ワクチン接種が有効とされています。ただし、ワクチンは100%の予防を保証するものではなく、どのワクチンを接種するかは猫の生活環境や健康状態によりますので、動物病院で相談しましょう。

2. ストレスの軽減: ストレスは免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくなるため、猫のストレスを軽減し、快適な生活環境を整えましょう。

3. 室内飼育: 外に出ると感染症や外傷のリスクが高まるため、猫は室内で飼いましょう。

4. 適切な室温と湿度の維持: 目の表面は涙の膜によって保護されていますが、乾燥すると保護機能が低下します。一年中快適な温度と湿度を保つようにしましょう。

これらの予防策を講じることで、猫の結膜炎のリスクを軽減できる可能性があります。
猫の結膜炎は人間に移りますか?
猫の結膜炎が人間に感染する可能性は低いとされています。しかし、繰り返しになりますが、猫同士では感染しやすいため、感染症が疑われる場合は、一時的に隔離するなどの対策が必要です。また、例外もあり、結膜炎の原因がクラミジア感染症の場合は、人間に感染する可能性があるとされています。そのため、猫の目薬を使用した後や、猫の目を拭いた後は、手洗いを徹底するなどの注意が必要です。

編集部まとめ

猫 皮膚病

ここまで猫の結膜炎についてお伝えしてきました。猫の結膜炎の要点をまとめると以下の通りです。

  • 猫の結膜炎とは、まぶたの裏側にある結膜が炎症を起こすもので、片方の眼だけでなく、両方の眼に影響を及ぼす可能性があり、主な症状としては、結膜が充血し、白目が赤くなることや、めやにや涙が増える場合もある
  • 猫の結膜炎の原因は、猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、猫クラミジア感染症などのウイルスが主とされており、細菌感染、まつ毛やまぶたの異常、薬剤が目に入ること、アレルギー反応などの物理的な要因が原因となる場合もある
  • 猫の結膜炎の治療は、症状の程度や原因により異なり、軽度の結膜炎であれば、抗生物質の点眼薬が使用され、重度の結膜炎の場合は、外科的な手術が必要となることもある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献