猫の膀胱炎についてご存知ですか?異変を知って早く対応できるように、本記事では、猫の膀胱炎について以下の点を中心にご紹介します!
- 猫の膀胱炎について
- 猫の膀胱炎の原因と症状
- 猫の膀胱炎の治療と予防方法について
猫の膀胱炎について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
目次 非表示
猫の膀胱炎について
- 猫の膀胱炎とはどんな病気ですか?
- 「膀胱」は体内で尿を蓄える役割を果たしています。しかし、さまざまな要因により、この膀胱が炎症を起こすことがあります。これを膀胱炎と呼びます。膀胱炎になると、血尿や頻尿、排尿の際の痛み、トイレ以外の場所での排尿などの症状が現れます。
膀胱炎は再発しやすい病気で、放置してしまうと尿道閉塞という生命に関わる状態に陥る可能性があります。そのため、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。
- 猫の膀胱炎は自然に治りますか?
- 猫の膀胱炎は、自然治癒することもありますが、治癒するまでに猫は不快感や苦痛を感じる場合があります。そのため、早期の治療が大切です。
膀胱炎は治癒までには時間がかかることが多いため、治療を継続することと、生活環境の改善に努めることが推奨されます。
- 猫に膀胱炎の疑いがある場合どうすればいいですか?
- 症状や状態を把握し、獣医師に伝えることが重要です。尿の異常があっても正常に排尿ができていれば、すぐに深刻な状態になることは少ないとされています。しかし、オスの猫で尿が全く出ない場合は、緊急事態の可能性があるので、すぐに病院へ行きましょう。
対処としては、前述した通り、動物病院に連れて行くことをおすすめします。その際、獣医師に対して症状を正確に伝えるために準備をしておきましょう。
具体的な準備としては、「どのような症状が」「いつから見られるようになったのか」などをメモに記録することなどです。
また、「普段どのような食事をしているか」「トイレは何個設置しているか」「1日に何回ぐらい尿をしているか」「他に飼っている猫や犬がいるか」など、猫の日常生活についても伝えると良いでしょう。心配事や獣医師に尋ねたいことも一緒にメモしておくと、忘れることなく伝えられます。
猫の膀胱炎の原因と症状
- 猫が膀胱炎になる原因を教えてください。
- 猫の膀胱炎は、細菌感染や結石の影響、または特定できない原因による猫下部尿路疾患という状態があります。
細菌感染:ブドウ球菌や大腸菌などの細菌が原因で炎症を引き起こすことがあります。これは犬に比べて猫では少ないとされています。
膀胱結石・尿道結石:食事の内容や遺伝的な体質など、さまざまな要素により結石や結晶が形成され、これが膀胱の粘膜を傷つけて炎症を引き起こします。また、その中でもストルバイトという結石がよく見られます。結晶状の結石が尿道に詰まると「尿道閉塞(尿道結石)」という状態になり、尿道閉塞は特にオスの猫で多く見られます。尿道閉塞になると手術を含む緊急の対応が必要で、3日以上排尿がない場合(無尿)は、重篤な腎不全を引き起こし、命に関わる可能性があります。
原因不明の猫下部尿路疾患:膀胱炎の症状が見られるものの、検査を行っても原因が特定できない場合は、「特発性膀胱炎」と呼ばれます。この状態では抑うつ剤が効果を示す可能性があり、ストレスが一因とも考えられていますが、詳細はまだ明らかになっていません。「特発性膀胱炎」は若い猫に多く見られるとされています。
- 猫の膀胱炎の初期症状を教えてください。
- 膀胱炎の警告サインに気付くことは重要です。外見からはわかりにくいため、日常生活の中で異変を見つけることが大切です。特にトイレの様子や排泄物の観察は必須です。以下に、膀胱炎の可能性を示す状態・症状をいくつか挙げてみます。
頻尿と少量の尿:トイレに頻繁に行きたがる、または一度の排尿量が少ない場合は注意が必要です。排尿時に痛みを感じて鳴くこともあります。普段はトイレで排尿するのに、トイレ以外で排尿することもあります。また、尿が滴り落ちる(尿失禁)こともあります。
半日以上尿が出ない:トイレに行くのに尿が出ない、または排尿の姿勢をとるのに尿が出ない場合は、警戒が必要です。特に尿道が細いオスの猫では、尿道が結晶状の結石や炎症による分泌物で詰まり、尿が出ない状態になります。半日以上排尿ができない場合は、すぐに獣医師に連絡する必要があります。
陰部を舐める、または気にする:陰部を頻繁に舐める、または常に気にしている場合は、痛みや不快感がある可能性があります。落ち着きがなくなることもあります。
尿の色や臭いが異常:尿の臭いが普段より強い、または尿の色が白っぽく濁っている、ピンク色や血が混ざっている場合は、何か異常があると考えられます。トイレにティッシュを敷いておくと、尿の状態がよくわかります。また、猫の尿結石は細かい結晶状が多く、排尿後の尿がキラキラと光って見える場合があります。
- 猫の膀胱炎が重篤化した場合どのようなリスクがありますか?
- 膀胱炎の初期段階を見逃すと、病状が重篤化し、生命に危険を及ぼす可能性があります。
腎機能障害:腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿として体外に排出します。この機能が低下すると、血液中に老廃物が蓄積します。これが腎機能障害で、徐々に進行し、一度損傷した腎臓の組織は回復しないことが多いとされます。腎機能障害が進行すると、生命を脅かす可能性があります。
尿毒症:腎機能障害が進行し、尿が排出できなくなると、体内に毒素が蓄積します。これを尿毒症と呼び、猫は元気を失い、食欲がなくなり、嘔吐する場合もあります。この状態は非常に危険で、すぐに動物病院に連れて行く必要があります。
猫の膀胱炎の治療と予防法
- 原因が細菌感染の場合、どのような治療を行いますか?
- 膀胱炎と一口に言っても、その原因により治療法は異なります。
細菌感染が原因の場合
尿中に細菌が検出され、細菌感染が膀胱炎の原因と考えられる場合、抗生物質を使用します。薬の形態は、飲み薬が選ばれることが多いとされます。しかし、飲み薬が猫にストレスを与える場合は、注射による治療も選択肢となります。
結石が原因の場合
結石の種類によっては、食事内容を変更することで尿の成分が変化し、結石が溶けることもあります。また、膀胱から直接結石を取り除く手術も行われる可能性があります。尿の状態、年齢、全体的な健康状態を考慮して、フードを選択することが重要です。
また、ドライフードだけでなく、ウェットフードを提供することで、水分摂取量を増やし、尿の量を増加させることが可能です。これにより、膀胱炎の予防に寄与します。
- 環境が原因の場合、病院ではどのように対処しますか?
- 猫の生活環境を詳しく調査し、飼い主さんと一緒に改善策を考えていきます。トイレの数や位置、食事の場所の確認、猫が落ち着く場所の提供などが確認項目となります。また、猫が十分に水分を摂取できているかも確認します。膀胱炎の場合、十分な水分摂取が非常に重要です。
- 猫の膀胱炎の再発を予防する方法はありますか?
- 膀胱炎の予防には、水分摂取の増加、適切な体重の維持、ストレスの軽減が重要です。特発性膀胱炎の猫では、約半数が1年以内に再発するとの報告があるので、膀胱炎の再発を防ぐための予防策を実施しましょう。
<水分摂取を増やす方法>
水皿の数を増やす
食事と水は別々に置く(食事の匂いが水に移るのを嫌がる猫がいます)
ウェットフードを利用する
猫が好む温度やお皿を見つける(猫の髭がお皿に当たらない大きさで、陶器が好ましいとされています)
流水式の給水器を利用する
<適切な体重を維持する方法>
猫の体型を把握する
食事の管理と定期的な体重測定を行う
猫じゃらしやキャットタワーを使った運動を促す
<ストレスを軽減する方法>
トイレを清潔に保つ
猫の数+1以上のトイレを設置する
隠れる場所を作る
食事やトイレは静かな場所に設置し、離れて置く
編集部まとめ
ここまで猫の膀胱炎についてお伝えしてきました。
猫の膀胱炎の要点をまとめると以下の通りです。
- 猫の膀胱炎は、さまざまな原因により膀胱に支障が生じ排尿に問題が生じる事であり、自然治癒する場合もあるが、治るまで猫は辛い思いをしてるため、早期に病院へ行くことが大切
- 猫の膀胱炎の原因は生活環境や尿路結石、細菌感染などが挙げられる。症状としては尿の回数が少なかったり、尿に結石が混ざってピンクっぽい尿などが出る
- 猫の膀胱炎の治療は原因により異なるが、薬で治したり、生活環境を整えたりと、それぞれに合った方法で治療を進める
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。