猫も胃炎になるの?症状や治療法を詳しく解説していきます!

猫 胃炎

猫も胃炎になるのか知っていますか?本記事では猫の胃炎の症状や治療法を下記内容を中心に解説していきます。

  • 猫の急性胃炎の原因
  • 猫の急性胃炎の主な症状
  • 猫の急性胃炎の治療

猫の胃炎の症状や治療法について理解するためにも参考にしてください。

ぜひ最後までお読みください。

猫の急性胃炎とは

犬猫の急性胃炎とは、胃の粘膜に突如として炎症が生じた状態を指します。慢性胃炎では症状が1週間以上続くのに対し、急性胃炎では通常1週間以内に収まります。

急性胃炎の主な症状は以下の通りです。

  • 突然の反復性嘔吐
  • 脱水症状
  • 吐しゃ物の中に血

急性胃炎の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。

  • 誤飲誤食:食べてはいけないものを食べてしまうことが最大の要因です。
  • 寄生虫:大小さまざまな寄生虫が胃炎を引き起こすことがあります。

これらの情報は一般的なものであり、個々の犬猫の状況により異なる場合がありますので、具体的な治療計画については獣医師にご相談ください。

猫の急性胃炎の原因

まずは猫の急性胃炎の原因についてみていきましょう。

感染症

感染症は、ウイルスや細菌の感染が胃炎を引き起こすことがあります。具体的には、ネコヘルペスウイルス-1による好酸球性核内封入体を伴う多中心性・壊死性胃炎の症例や、ピロリ菌によるリンパ球集合体と肥大リンパ節を伴う多中心性胃炎の症例が報告されています。また、人医学においては「ピロリ菌」という俗称で呼ばれる「Helicobacter pylori」(H. pylori)が慢性・急性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの胃腸障害に関わっているのではないかと強く疑われています。どうやらこの関係性は猫においてもあるようです。

誤飲誤食

猫の急性胃炎は、胃の粘膜に突然炎症が生じた状態を指します。この病状は通常1週間以内に治まります。急性胃炎の主な症状は、突然の反復性嘔吐、脱水症状、吐しゃ物の中に血が見られることなどです。

急性胃炎の一般的な原因は、食べてはいけないものを食べてしまう誤飲や誤食です。具体的には、猫が食べてはいけない食物、毒物、植物などを摂取した可能性が考えられます。また、寄生虫や感染症、ある種の薬が胃炎を引き起こすこともあります。

急性胃炎の治療法としては、誤飲への対処、絶食・絶水、輸液、基礎疾患の治療などがあります。ただし、これらの情報は病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い猫の症状を説明するときの参考としてお読みください。具体的な治療法は獣医師の指導に従ってください。

寄生虫

猫の慢性胃炎は、胃の粘膜に繰り返し炎症が起こる状態で、急性胃炎が治まらず、1週間以上持続したときにこのように呼ばれます。主な症状としては、数週間にわたる断続的な嘔吐、食欲不振、体重減少、水を大量に飲む、腹痛(触ると痛がる)などがあります。

慢性胃炎の原因としては、基礎疾患(急性胃炎、胃潰瘍、胃の腫瘍など)、寄生虫、薬剤、胃の運動異常、アレルギーなどが考えられます。寄生虫については、大小さまざまな寄生虫が胃炎を引き起こすことがあります。具体的には、回虫、フィサロプテラ(胃虫)、Ollulanus tricuspis(猫胃虫)、Aonchotheca putorii(毛細線虫)などが挙げられます。

治療法としては、基礎疾患の治療や対症療法があります。別の疾病によって慢性胃炎が引き起こされている場合は、まずそれらの基礎疾患への治療が施されます。対症療法では、症状の軽減を目的とした治療が施されます。たとえば胃酸の分泌を抑える薬を投与したり、食事を高繊維・低脂肪食に切り替えるなどです。また嘔吐によって失った体液を補うため、輸液が行われることもあります。

ただし、これらの情報はあくまでも一般的なものであり、具体的な症状や治療法は獣医師の診断に基づくべきです。猫が異常な症状を示した場合は、すぐに獣医師に連絡してください。また、定期的な健康診断を受けることで、早期に問題を発見し、適切な治療を受けることが可能となります。これにより、猫の健康と快適な生活を維持できます。

猫の急性胃炎の主な症状

猫の急性胃炎の主な症状について詳しく解説します。

嘔吐

猫の急性胃炎は、胃の粘膜に突然炎症が生じた状態を指します。この病状は通常1週間以内に治まります。急性胃炎の主な症状は、突然の反復性嘔吐、脱水症状、吐しゃ物の中に血が見られることなどです。

嘔吐は、急性胃炎でよく見られる症状です。繰り返し嘔吐することもあります。また嘔吐の後などに、よだれを流すこともあります。透明の胃液や、黄色い胃液を吐くこともあります。血の混じった胃液を吐くこともあります。

嘔吐と似ている症状に「吐出」というのがあります。「嘔吐」は、胃の中のものが口から吐き出されることを指します。嘔吐するときには、お腹を大きく動かしながらゲーゲーと下を向き吐き出します。吐いたものは、消化が始まっている状態です。「吐出」は、食べたものが胃の中に入る前に吐き出されることを指します。吐出するときには、顔を下げず前に飛ばすように吐き出します。吐いたものは、消化されていません。吐出はフードを一気に食べる猫によく見られる症状で、多くの場合は吐いた後も元気で普通にしています。吐出の場合は胃炎である可能性が低いといわれています。

嘔吐か吐出かは、猫の吐く様子や吐いたもので判断してみましょう。

食欲不振や脱水症状

猫の急性胃炎は、胃の粘膜に突然炎症が生じた状態を指します。この病状は通常1週間以内に治まります。急性胃炎の主な症状は、突然の反復性嘔吐、脱水症状、吐しゃ物の中に血が見られることなどです。

食欲不振と脱水症状については、急性胃炎の一部の症状として見られます。

食欲不振: 吐いてばかりいると逆流性食道炎にもなる可能性があります。逆流性食道炎はフードと一緒に吐き出した胃酸で食道が傷つき、炎症を起こしてしまう病気です。そのため食道に違和感を感じ、食べ物を飲み込みづらくなります。また痛みから食欲が落ちてしまったり、食欲が無くなってしまうこともあります。

脱水症状: 食欲がなくなったことで、水も飲まなくなり、その結果脱水になる場合もあります。

これらの症状が見られた場合は、すぐに獣医師に連絡してください。また、定期的な健康診断を受けることで、早期に問題を発見し、適切な治療を受けることが可能となります。これにより、猫の健康と快適な生活を維持できます。

猫の急性胃炎の治療

猫の急性胃腸炎はどのように治療するのでしょうか。詳しく解説します。

投薬

猫の嘔吐の治療には、原因によりさまざまな薬が使用されます。以下に、動物病院で処方される代表的な薬を紹介します。

  • 制吐剤(吐き気止め):嘔吐そのものを抑制する薬です。嘔吐中枢に作用して、嘔吐を抑制します。代表的な制吐剤としては、メトクロプラミド(製品名:ボミットバスター)があります。
  • 胃酸分泌抑制薬(胃酸の分泌を抑える薬):胃酸の分泌を抑えることで、胃痛や胃もたれなどの症状を緩和したり、胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎などの消化管の不調を改善する効果があります。代表的な胃酸分泌抑制薬としては、ファモチジンやオメプラゾールがあります。
  • 消化管粘膜保護薬:胃や十二指腸の潰瘍・びらんや、食道炎がある場合に処方されます。消化管の粘膜に薬の膜のようなものをつくることで、消化液(胃酸・ペプシン・胆汁酸)から荒れた粘膜を保護するはたらきをもちます。代表的な消化管粘膜保護薬としては、スクラルファート(製品名:アルサルミン)があります。

これらの薬はすべて獣医師による処方が必要であり、自己判断で使用することは避けてください。また、薬が処方されたら、嘔吐が改善しても、すぐに薬を中断させるのはやめましょう。自己判断せず、獣医師に指示された用法・用量を守ることが重要です。

食餌療法

急性胃炎を患った猫の食餌療法については、以下のようなアプローチが推奨されています:

  • 食欲を刺激する:食欲が無い状態が続くと、体が弱ってしまいます。まずは何でも良いので「食べたい」と興味を持ったものを与えてみます。また、「食べたい」気持ちを持たせるようにすることも必要です。食べることで、病状の回復を早められます。
  • 胃に負担をかけない食事:胃に負担をかけないように、フードを少量から与え始め、徐々に食べさせる量を増やしていきます。消化の良いフードを与えることが推奨されています。

これらのアプローチは、猫の急性胃炎の治療において重要な役割を果たします。ただし、具体的な食餌療法は猫の症状や健康状態により異なるため、必ず獣医師の指導のもとで行ってください。

輸液

猫の急性胃炎の治療において、輸液は重要な役割を果たします。嘔吐によって失われた体液を補うために行われます。これは、脱水症状を防ぎ、体の正常な機能を維持するために必要です。重症の場合、点滴による輸液が行われることもあります。

ただし、具体的な治療法は猫の症状や健康状態により異なるため、必ず獣医師の指導のもとで行ってください。また、輸液治療は専門的な技術を必要とするため、自己判断で行うべきではありません。適切な治療を受けるためには、必ず獣医師に相談してください。

手術

猫の急性胃炎の治療において、手術は一部の特定の状況で必要となることがあります。具体的には、誤飲や誤食が原因で異物が胃に残っている場合、その異物を取り出すために内視鏡や手術が必要となることがあります。このような手術は全身麻酔を必要とします。

ただし、手術はリスクも伴うため、必ず獣医師と十分に話し合い、適切な治療法を選択してください。また、手術は専門的な技術を必要とするため、自己判断で行うべきではありません。適切な治療を受けるためには、必ず獣医師に相談してください。

まとめ

ここまで猫の胃炎の症状や治療法についてお伝えしてきました。

猫の胃炎の症状や治療法についてまとめると以下の通りです。

  • 感染症は、ウイルスや細菌の感染が胃炎を引き起こすことがある。
  • 急性胃炎は突然の反復性嘔吐、脱水症状がある。
  • 急性胃炎の治療方法は手術や食餌療法がある。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献