猫もやけどをするって本当?やけどの原因や症状、対処法などを徹底解説!

猫 やけど

猫もやけどをする可能性があります。やけどの原因や症状、対処法について理解することは、飼い主にとって重要です。やけどの症状には赤みや水ぶくれ、皮膚の損傷などがあります。
本記事では、猫のやけどについて以下の点を中心にご紹介します!

  • 猫のやけどについて
  • 猫のやけどの症状と対処法
  • 猫のやけどの予防法

猫のやけどについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

猫のやけどについて

猫がやけどとは、どのようなものですか?
猫がやけどを負うと、皮膚が熱や化学物質によって損傷を受けます。生活の中では、猫がやけどを負うことはまれですが、火災現場や高温の家電製品に触れたり、ヒーターマットに触れてしまったりすることで発生することがあります。
犬や猫の皮膚は人間のものよりも薄く、被毛に覆われているため直接熱源に触れることは少ないとされています。しかし、被毛の下に隠れた熱傷は見逃されがちで、深刻な場合は命にかかわることもあるため、飼い主は猫の身体を常に注意深く観察しましょう。
猫のやけどの原因には何がありますか?
猫がやけどを負う原因はさまざまです。冬季には電気コタツやカイロ、電気毛布、ホットカーペットなどの暖房器具が猫にとって危険な要因となります。これらの暖房器具に近づいてしまうことで、熱源に接触することでやけどを負う可能性があります。また、キッチンで調理する際に用いるガスコンロや熱い鍋などが原因となることもあります。

猫がやけどを負った瞬間を飼い主が目撃することはまれであり、猫は自らのやけどを伝えられません。さらに、猫の被毛に覆われているため、やけどの症状が目に見えにくいこともあります。飼い主は猫がやけどを負ったかどうかを判断するために、やけどの症状をよく理解し、猫の身体を定期的にチェックすることが重要です。

猫のやけどの症状

猫がやけどをすると、どのような症状があらわれますか?
猫がやけどを負った場合、その症状はさまざまですが、具体的な症状は以下の通りです。

・患部をなめるようなしぐさが見られる
・患部を触ると痛がる
・毛が焦げ臭く、皮膚に赤みが見られる(I度熱傷)
・水泡(みずぶくれ)ができている(II度熱傷)
・皮膚がむけている(II~III度熱傷)
・皮がむけて皮下の筋肉が露出している(IV度熱傷)

猫の皮膚を定期的にチェックし、異変に気付いた場合は早めに動物病院で診察を受けることが重要です。
猫のやけどにおける重症度について教えてください。
猫のやけどにおける重症度にはⅠ度からⅣ度までがあります。これは損傷を受けた組織の深さによるもので、それぞれの症状や治療法が異なります。

Ⅰ度:表皮にのみ影響が及ぶ熱傷で、赤みや痛みが見られます。
Ⅱ度:真皮までが被害を受け、水ぶくれや強い痛みが現れます。深達性Ⅱ度はさらに深い組織までが影響を受けます。
Ⅲ度:皮下組織までが被害を受け、痛みがなくなることがあります。皮膚の変色や脱落がみられます。
Ⅳ度:皮膚の下の組織が被害を受け、痛覚が消失します。広範囲にわたる場合は命に関わることがあります。

やけどの程度は熱源の温度や接触時間、被害面積によって決定されます。適切な治療法と早期の対応が重要です。

猫のやけどの対処法

猫がやけどをしたら、どのような応急処置をすればよいですか?
猫がやけどをした場合の応急処置は以下の通りです。

・部分的なやけど
やけどをしている部分に冷水でぬらしたガーゼや氷のうを当ててすぐに冷やします。ただし、猫は水の勢いを嫌がることがあるため、水を直接かけるのではなく、タオルやガーゼで患部を冷やしましょう。流水の洗浄と冷却を30分以上行い、その後動物病院へ連れて行きます。

・全身にやけどの症状がある場合
ぬれタオルで全身を覆い、なるべく動かさないようにして病院に連れて行きます。

・化学薬品によるやけど(化学やけど)
薬品を多量の水で洗い流します。その後、冷却やぬれタオルで覆い、動物病院へ連れて行きます。

やけどの程度や範囲によって処置が異なるため、病院での診断と治療が必要です。
猫のやけどの治療法にはどのようなものがありますか?
猫のやけどの治療法は以下のようになります。

局所的な受傷部位の治療:部分的なやけどでは、まず受傷後2時間以内に流水の洗浄と冷却をします。その後、創傷被覆剤による傷の保護や湿潤の維持、壊死組織の除去、感染症があれば抗菌薬軟膏の塗布、疼痛があれば鎮痛薬の投与などの外科的治療をします。

全身性反応の治療:広範囲なやけどに対しては、低体温症や血管収縮に注意しながら冷却をします。ショックによる循環障害が疑われる場合は補液による支持療法をして、細菌感染を疑う場合は抗菌薬の全身投与、疼痛を伴う場合は鎮痛薬の投与をします。

軽症の局所的な治療:やけどの範囲が狭く、深部にまで及んでいない軽症の場合には、まず冷却をして、その後湿潤状態を保つために外用薬を塗布します。皮膚がめくれて漿液がにじみ出ている場合には感染を防ぐために清潔なガーゼで保護し、治療します。

全身性の治療:広範囲なやけどの場合には点滴等の治療が必要です。体液のバランスを保ち、全身の血液循環を維持するために積極的な治療が行われます。

外科的な処置:やけどによる皮膚の欠損が大きい場合には、皮膚移植や形成手術が必要になることがあります。手術後は感染症からの予防や患部の管理が重要です。

猫のやけどの予防法

猫がやけどをしないようにするには、何に気をつければよいですか?
猫がやけどをしないようにするためには、以下のポイントに気をつける必要があります。

火気や高温に注意する: キッチンでの調理中やストーブを使用する際には、猫が近づけないように柵を設けるなどの対策をとりましょう。また、電気製品の周りでも同様に注意が必要です。

電気コタツやカイロ、ホットカーペットの使用に配慮する: 電気コタツやカイロ、ホットカーペットなどを使用するときには、猫が直接触れないように配慮しましょう。タイマーを使用して一定時間経過後に自動的に電源が切れるようにすることも大切です。

暖房器具の温度を確認する: ストーブやこたつなどの暖房器具の柵や表面の温度を定期的に確認し、猫がやけどをしないように注意しましょう。温度が高すぎる場合は、調整するか使用を控えることが重要です。

高齢や体が不自由な猫に注意する:体が不自由な猫はやけどしやすいので、特に注意が必要です。適切な暖房器具の選定や定期的なチェックが必要です。

ヒーターマットや湯たんぽの使用に注意する: ヒーターマットや湯たんぽを使用する場合は、直接肌に触れないようにするために厚手の敷物やタオルを敷くなどの配慮が必要です。特に寝たきりの猫には注意が必要です。

幼齢の猫にも配慮する: 幼齢の猫は熱さを感じても適切な行動が取れない場合があるため、暖房器具の周りに近づかせないようにしましょう。

これらの対策を講じることで、猫のやけどを防ぎましょう。常に猫のことを考えて行動することが大切です。
猫のやけどを防ぐための、ストーブガードの選び方のポイントを教えてください。
猫がやけどしないようにするには、適切なストーブガードの選択が重要です。選び方のポイントは以下の通りです。

ストーブの大きさに合わせて選ぶ: ストーブガードは、ストーブの大きさに合わせて選ぶことが必要です。小さすぎると猫が隙間からストーブに触れる可能性があり、大きすぎると部屋を圧迫する可能性があるため、猫の手が届かない程度の隙間を残して設置しましょう。

四方式(屋根付き)ストーブガードを選ぶ: 四方式(屋根付き)のストーブガードは、隙間に入り込んだりすることを防ぐのに適しています。価格は高めですが、猫のことを考えると価値があります。

網目の細かいものを選ぶ: 猫の手が入らないような網目の細かいストーブガードを選びましょう。網目が荒いと猫が手を入れてストーブに触れる可能性があります。

ストーブガードの素材に注意:金属製のものは熱を伝えやすく、猫が触れるとやけどの危険があるため、熱を伝えにくい素材のストーブガードを選ぶことが重要です。

操作しやすい扉付きを選ぶ: 扉付きのストーブガードは、ストーブの操作がしやすいとされています。操作後は扉を閉めておくことを忘れないようにしましょう。

これらのポイントを考慮して、愛猫のやけどを防げるストーブガードを選びましょう。

編集部まとめ

ここまで猫のやけどについてお伝えしてきました。
猫のやけどの要点をまとめると以下の通りです。

  • 猫がやけどを負うとは、熱や化学物質によって皮膚が損傷すること。暖房器具や調理中の熱源などが原因であり、猫は被毛により症状が見逃されることが少なくないため、飼い主は猫の身体を注意深く観察しよう。
  • 猫のやけど症状には、患部をなめる、痛がる、毛の焦げ臭さ、赤み、水泡、皮膚のむけ、筋肉の露出があり、Ⅰ度からⅣ度までの重症度がある。重症度により、治療法が異なるため、異変に気付いたら早急に動物病院での診察が必要になる。
  • 猫のやけど予防には、火気や高温のものから遠ざける、電気コタツやホットカーペットの使用に配慮し、暖房器具の温度を定期的に確認することが大切。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献