犬の目が赤い原因とは?どんな病気が考えられる?目が赤くなりやすい犬種や対処法についても併せて解説!

犬 目が赤い

犬の目が赤くなる原因には、アレルギー、感染症、眼内の圧力上昇などさまざまな病気が考えられます。なかでも目の周りの毛が長い犬種や、目が大きい犬種は注意が必要です。正確な診断と適切な対処法を知ることが、愛犬の健康を守る鍵となります。
本記事では、犬の目が赤い原因について以下の点を中心にご紹介します!

  • 犬の目が赤い原因
  • 犬の目が赤くなる病気
  • 犬の目が赤くなりやすい犬種
  • 犬の目が赤いときの対処法

犬の目が赤い原因について理解するためにもご参考いただけると幸いです。ぜひ最後までお読みください。

犬の目が赤い原因

犬の目が充血すると、目が赤く見えますか?
犬の目が充血すると、目の血管が拡張し血流が増えて赤く見えます。目の充血は、炎症、アレルギー反応、外部刺激などが原因で起こります。生理的な反応、例えば興奮や疲労によっても一時的に充血することがあります。犬の目の赤みはさまざまな原因が考えられるため、適切な診断と治療が重要となります。
犬の目の出血によって、目が赤く見えますか?
犬の目の出血は、血管が破裂し血液が流出する状態を指し、これにより目が赤く見えることがあります。出血の原因は多岐にわたり、外傷や病気、衝撃によるものなどが挙げられます。出血は目に深刻なダメージを与える可能性があるため、速やかに獣医師による診断と治療が必要です。
犬の目が赤くなるのは、皮膚の病気が原因ですか?
犬の目が赤くなるのは、皮膚の病気が関係することもあります。まぶたの赤みは外傷、腫瘍、感染、アレルギー性皮膚炎が原因の場合があります。涙やけは、目の周りの毛に涙が付着し色素沈着を起こす状態で、小型犬によく見られます。アレルギー反応も目の周りの赤みの一因で、ハウスダストなどの症状を引き起こすことがあります。また、怪我や湿疹、ウイルス感染が原因で目の周囲が赤くなることもあり、炎症や赤みを伴う病気、結膜炎や角膜炎などの眼疾患も目の周りを赤くする原因です。いずれの場合も、早期の適切な治療が重要です。

犬の目が赤くなる病気

犬の白目の部分が赤い場合、何の疾患が考えられますか?
犬の白目が赤くなる場合、結膜炎、角膜炎、緑内障などが考えられます。なかでも結膜炎は犬に多く見られ、犬の白目(強膜)の表面とまぶたの裏側を覆う結膜に炎症が起きる病気です。症状としては、白目が赤く見えることや、涙が出ること、目やにが増えることなどがあります。角膜炎は角膜(黒目の表面を覆っている部分)に炎症が起こる状態を指し、ドライアイや細菌、ウイルスなどの感染、目に異物が侵入する、アレルギー反応、腫瘍の発生などが要因となります。症状としては、目やにや涙の増加、痛みを伴うことがあります。重度の場合は、角膜に穴が開き、眼球破裂を引き起こす可能性もあります。緑内障は、眼球の前部(角膜と水晶体の間)にある「房水」という液体の流れがうまくいかないことで、眼圧が上昇し、さまざまな障害を引き起こす重大な病気です。症状としては、白目の充血、瞳孔が開いている、瞳孔の奥が緑色に見えるなどがあります。
犬の黒目の中の部分が赤く見える場合、どのような疾患が考えられますか?
犬の黒目の中が赤く見える場合、網膜剥離、眼内腫瘍、ぶどう膜炎などが考えられます。網膜剥離は視力に重大な影響を与える可能性があり、眼内腫瘍は目の中に腫瘍が形成される病気で、視力低下や眼の変形を引き起こすことがあります。ぶどう膜炎は目の中の炎症で、視力障害や瞳孔の変化を伴うことがあります。これらの病状は、出血を伴うことがあり、黒目の赤みとして現れる場合があります。早期発見と治療が視力を守る鍵となるため、異変を感じたら速やかに獣医師に相談することが重要です。
犬の黒目の表面(角膜)の部分が赤いときは、何の病気ですか?
犬の黒目の表面(角膜)が赤く見える場合、角膜に血管が新生したり出血したりすることが原因であることが少なくないとされています。角膜は透明で血管がないため、通常は赤くならない組織ですが、外傷、異所性睫毛(逆さまつ毛)、角膜障害などによって血管が侵入すると赤く見えるようになります。なかでも、異所性睫毛は目に刺激を与え、角膜炎やドライアイなどの角膜障害を引き起こすことがあり、角膜に炎症を起こしたり、血管新生を促進したりする原因になります。
犬の目頭から赤いものが出ているのは、どのような病気ですか?
犬の目頭から赤いものが出ている状態は、瞬膜(第三眼瞼)の異常、「チェリーアイ」と呼ばれる瞬膜腺の脱出が原因であることが少なくないとされています。瞬膜は目の保護と潤滑の役割がありますが、その腺が腫れて飛び出ると赤く見えます。ほかにもホルネル症候群や中耳炎による神経障害、または結膜の腫瘍などが原因で赤く見える場合があります。これらの状態は、犬の視力に影響を及ぼす可能性があるため、発見次第、速やかに獣医師に相談することが重要です。

目が赤くなりやすい犬種

シーズーやパグなどの目が赤くなりやすいのはなぜですか?
シーズーやパグなどの短頭種犬は、目が大きく露出しているため、角膜に対する外部からの刺激や乾燥、異物の侵入などによる影響を受けやすく、結果として目が赤くなりやすい傾向にあります。犬の目の赤みを防ぐには、定期的な目のチェックと適切なケアが重要です。
緑内障によって目が充血しやすいとされているのはどんな犬種ですか?
緑内障による目の充血は、柴犬、アメリカンコッカースパニエル、シベリアンハスキー、シーズーなどで起こりやすいとされています。これらの犬種は緑内障のリスクが高いため、定期的な眼科検診が推奨されます。緑内障は進行性で治療が必要な疾患であり、未治療の場合は失明に至る恐れがあるため、早期発見と適切な治療が重要です。
チェリーアイになりやすいのはどんな犬種ですか?
チェリーアイになりやすいのは、シーズー、パグ、ペキニーズなど、目が大きく飛び出している犬種です。これらの犬種は乾燥や傷害によりチェリーアイを発症しやすい傾向にあります。また、ブルドッグやピットブルのように目の周りの構造が特殊で、目の周りが垂れ下がっている犬種もチェリーアイを生じやすいとされています。
チェリーアイは2歳以下の若い犬に多く見られ、性別ではオスがなりやすい傾向があるとされます。アメリカン・コッカー・スパニエル、ビーグル、チワワなどもチェリーアイにかかりやすいとされていますが、実際にはどの犬種でも発症する可能性があります。

犬の目が赤いときの対処法

犬の目が赤いときは、すぐに病院を受診した方がいいのでしょうか?
犬の目が赤くなった場合、病気の可能性も考えられます。状況によっては失明や命に関わる病気の兆候の可能性もあるため、人用の点眼液で様子を見るのではなく、速やかに動物病院を受診することが重要です。
目の病気には、目薬のみならず飲み薬や点滴、場合によっては手術が必要になることもあります。緊急を要する場合は、深夜や24時間対応の病院への受診を検討し、可能な限り早く獣医師による診断と治療を受けましょう。そして落ち着いて治療に専念できるよう、愛犬の目の健康状態には常に注意を払いましょう。
犬の目が赤いときは、人間用の目薬などを使用していいですか?
犬の目が赤いときに人間用の目薬は使用しないでください。人間用の目薬には、犬にとって刺激となる成分が含まれており、目の状態を悪化させる可能性があります。また、人用の洗眼薬も犬には適していないため使用を避けるべきです。
犬の目の問題には、その原因や病状に応じた適切な治療が必要です。ペット用の目薬を使用する場合でも、事前に獣医師の診断を受け、指示に従って使用することが重要です。目の病気は早期発見と適切な対応が必要なため、異常を感じたら速やかに動物病院を受診しましょう。

編集部まとめ

ここまで犬の目が赤くなる原因についてお伝えしてきました。犬の目が赤くなる原因の要点をまとめると以下の通りです。

  • 犬の目の赤みは、充血や出血、皮膚病など多様な原因によって起こり、充血は炎症やアレルギー、外傷により血管が拡張することで起こり、出血は血管破裂が原因となる。
  • 犬の目が赤くなる原因には結膜炎、角膜炎、緑内障、網膜剥離、眼内腫瘍、ぶどう膜炎、角膜の血管新生、チェリーアイなどがある。視力に大きな影響を及ぼす疾患の可能性があるため、獣医師の診察を受けることが推奨される。
  • シーズーやパグなどの短頭種は、目が露出しやすく外部刺激に敏感なため、目が赤くなりやすい。柴犬やシベリアンハスキーは緑内障による充血が多く、シーズー、パグ、ペキニーズはチェリーアイになりやすい犬種である。これらの犬種には定期的な眼科検診が推奨される。
  • 犬の目が赤いときは、自己判断せず速やかに動物病院を受診することが重要。ただし、人間用の目薬は避け、獣医師の診断に従い適切な治療を受けよう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献