猫も認知症になるって本当?猫の認知症の症状やケアについて徹底解説!

猫 認知症

猫は人間と同じように、年をとると認知機能が低下することがあります。しかし、猫の認知症は人間のものとは異なり、原因や症状、治療法も違います。猫の健康と幸せを守るために、何ができるのでしょうか。

本記事では、猫の認知症について以下の点を中心にご紹介します!

  • 猫の認知症の原因
  • 猫の認知症の治療法
  • 認知症になった猫に対するケア

猫の認知症について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

猫と認知症

猫の認知症の原因は何ですか?
猫が認知症になる主な原因は、加齢による脳の変化と極度のストレスです。猫も人間と同じく、年を取ると脳が委縮し、認知症を発症することがあります。アルツハイマー病のような脳の病変や、脳血管障害、脳腫瘍、脳炎などの脳疾患、さらには全身性疾患や脳以外の部位の疾患に伴う場合もあります。猫でも人と同様に、脳に老廃物が蓄積して神経細胞を傷害し、脳全体が萎縮していくことで認知機能の低下を引き起こすことが報告されています。
また、日々の小さなストレスが積み重なることで、脳内に酸化物質が蓄積し、認知症を引き起こす可能性があります。例えば、大きな音、空腹、トイレの汚れ、体の痛みなどが、猫にとってのストレスとなり得ます。

脳細胞が死滅し、年々減少していくことで、脳の機能が低下します。この結果、猫は認知症になりやすくなり、一度死滅した脳細胞は再生されないため、症状は徐々に進行します。
猫が認知症になるとどのような症状がでますか?
猫が認知症になると、さまざまな症状が現れます。これらの症状は、猫の日常生活に大きな変化をもたらし、飼い主にとっても認識しやすい兆候となり得ます。

まず、食欲の変化が挙げられます。認知症の猫は、食べたことを忘れてしまい、常に食べ物を欲しがるようになることがあります。これは、食欲が異常に増すケースとして現れることがありますが、逆に食欲が低下することもあります。

次に、無目的な鳴き声が特徴的です。認知症が進行すると、猫は何の目的もなく、所かまわず鳴き続けるようになります。これは、猫が不安や混乱を感じている表れと考えられます。

また、認知症の猫は、飼い主の呼びかけに反応しなくなることがあります。これまで親しみやすく反応していたはずの猫が、名前を呼んでも無反応になることがあります。これは、猫が飼い主やそのほかの環境を認識できなくなっている証拠です。

さらに、動きの変化も見られます。認知症になると、猫は毛づくろいをしなくなる、活動量が減少する、または逆に興奮して攻撃的になるなど、動きに異常が現れることがあります。

これらの症状は、認知症以外の病気と間違えやすいため、愛猫に異変を感じたら、早めに獣医師に相談することが重要です。
猫は何歳から認知症になりますか?
猫が認知症になる年齢は、一般的には10歳を過ぎた頃から認知機能の低下が見られ始めるとされています。特に15歳以上の高齢猫では、約半数に何らかの認知症の症状が見られるといわれています。これは、猫の平均寿命が延び、高齢化が進んでいることが背景にあります。昔は7歳から8歳が平均寿命とされていましたが、現在では15歳以上生きる猫も珍しくありません。

猫の認知症の治療法

猫の認知症にはどのような治療法がありますか?
猫の認知症治療には、特効薬は存在しませんが、いくつかのアプローチがあります。

薬物療法:
薬物療法では、脳内のドーパミン生成量を増やすことで認知症の症状を軽減することが期待されます。例えば、アニプリール(Anipryl)という薬があります。これは人間のアルツハイマーにも使用されることがありますが、猫に対しても一定の効果が見込まれる場合があります。ただし、すべての猫に効果があるわけではなく、個体差があります。

食餌療法:
抗酸化物質を含む食餌を与えることで、アルツハイマー型認知症の予防や症状の緩和が期待されます。特定の栄養素が認知機能の維持に役立つとされていますが、具体的な食事内容については獣医師の指導のもとで行うことが重要です。

ストレスの軽減:
ストレスは認知症の症状を悪化させる可能性があるため、ストレスフリーな環境を整えることが大切です。猫がリラックスできる生活空間の提供、粗相しても叱らない、無理に触れないなど、猫の心身の状態に配慮した接し方が求められます。

猫に合わせた生活スタイルの変更:
猫の認知症は加齢に伴うものが少なくないため、猫の年齢や体力に合わせた生活スタイルへの変更が必要です。例えば、トイレの位置を変える、環境を整える、適度な運動を促すなど、猫が快適に過ごせるよう工夫します。

サプリメント:
猫の認知症予防や症状緩和には、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸や、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールといった抗酸化物質が有効である可能性があります。これらの成分は、活性酸素による細胞のダメージを減少させ、老化や認知症のリスクを低減することが期待されています。比較的効果があるのではないかと論文が出ているサプリメントもあります。ただし、これらの成分が猫の認知症に対して医薬品として確立された効果を持つわけではないため、全ての猫に効くとは限りませんが、猫が受け入れやすい場合には試す価値があるでしょう。

これらの治療法は、猫の認知症の進行を完全に止めるものではありませんが、症状の緩和や生活の質の向上に寄与することが期待されます。猫の状態や個体差に応じて、獣医師と相談しながら治療計画を立てることが大切です。
猫の認知症の検査を教えてください。
猫の認知症の検査については、現在、特定の検査方法や診断基準が確立されているわけではありません。しかし、猫が認知症である可能性が疑われる場合、獣医師はさまざまな検査を通じてほかの疾患を除外し、認知症の診断に近づける試みをします。

基本的な健康検査:
血液検査、尿検査、血圧測定などの基本的な健康検査をして、認知症と似た症状を引き起こす可能性のあるほかの健康問題(例えば、腎臓病や甲状腺機能亢進症など)を除外します。

詳細な診断検査:
認知症の可能性が高いと判断された場合、獣医師は脳の状態を詳しく調べるために、CTスキャンやMRIなどの画像診断検査を推奨することがあります。これらの検査は、脳の萎縮や脳血管障害など、認知症に関連する脳内の変化を明らかにするのに役立ちます。

ただし、これらの検査は高額であり、全身麻酔が必要な場合もあるため、リスクとメリットを検討する必要があります。

認知症になった猫に対するケア

認知症の症状を緩和できる食事はありますか?
猫の認知症の症状を緩和するためには、バランスの良い食事が非常に重要です。特に、脳の健康をサポートする栄養素を含む食事が推奨されます。具体的には、オメガ3脂肪酸、ビタミンE、ビタミンCなどの抗酸化物質が豊富な食品を取り入れることが推奨されます。これらの栄養素は、脳細胞の保護や神経伝達の改善に役立ち、認知症の進行を遅らせる可能性があります。

また、市販されているペットフードの中には、認知症の猫向けに特別に開発されたものもあります。これらのフードは、脳の健康や認知機能のサポートを目的としており、適切な栄養バランスが考慮されています。
無駄鳴き、夜鳴きにはどんな対処ができますか?
認知症になった猫が無駄鳴きや夜鳴きをする場合、その背景には不安や混乱があることが少なくないとされています。これらの行動は、猫が自身の置かれた状況を理解できず、または何らかの不快感を感じている可能性があります。以下に、無駄鳴きや夜鳴きに対する対処法をいくつか紹介します。

落ち着かせる:
猫が不安を感じている場合、飼い主がそばにいて話しかけたり、優しく撫でたりしてみてください。猫が飼い主の存在を感じることで、落ち着きを取り戻すことがあります。

環境の整備:
猫がリラックスして過ごせるよう、寝床を暖かく保つ、静かな環境を確保するなど、居心地の良い環境を整えてあげましょう。また、夜間に猫がリラックスできるように、ラジオをつけておくなど、背景音を提供するのも一つの方法です。

ルーチンの確立:
猫は日常のルーチンを大切にします。できるだけ毎日同じ時間に食事や遊び、就寝時間を設けることで、猫の不安を軽減できる可能性があります。

獣医師による診断:
無駄鳴きや夜鳴きの原因が認知症だけでなく、ほかの疾患による可能性もあります。甲状腺機能亢進症や糖尿病など、代謝性疾患が原因の場合もありますので、獣医師による正確な診断が重要です。

認知症になった猫へのケアは、猫の不安を軽減し、快適な生活を送るために非常に重要です。
日光浴は認知症対策になりますか?
日光浴によって得られる自然光は、猫の体内時計を正常に保つのに役立ち、認知症の症状を緩和する可能性があります。特に、高齢になった猫は室内で過ごす時間が長くなりがちですが、適度に日光を浴びることで、その生活リズムが整い、精神的な安定にもつながります。

日光は、ビタミンDの生成を促進することでも知られています。ビタミンDは、骨の健康維持に必要な栄養素であり、全体的な健康状態を向上させます。また、日光浴は猫の気分をリフレッシュさせ、活動的にする可能性も期待できます。これは、認知症の猫が示す無気力や興味の喪失といった症状に対して、積極的に働きかけるため、認知症対策として推奨されます。

しかし、日光浴を行う際にはいくつかの注意点があります。直射日光の下での長時間の日光浴は、熱中症や皮膚の問題を引き起こす可能性があるため、適度な時間と環境で行うことが重要です。

編集部まとめ

ここまで猫の認知症についてお伝えしてきました。
猫の認知症の要点をまとめると以下の通りです。

  • 猫が認知症になる主な原因は、加齢による脳の変化と極度のストレス
  • 猫の認知症に対する特効薬は存在しないが、薬物療法、食餌療法、ストレスの軽減、猫に合わせた生活スタイルの変更などが役立つとされる
  • 認知症になった猫に対して、リラックスさせるための環境の整備やルーチンの確立、獣医師による診断と処置が重要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献