猫の耳垢が黒いときに考えられる病気とは?治療方法や日常的なケア方法などを解説

猫の耳垢が黒いときに考えられる病気とは?治療方法や日常的なケア方法などを解説

「いつもより耳の中が黒っぽくベタついているな」「拭いてもすぐ汚れている」。

そんな黒い耳垢は、ただの汚れに見えても、猫にとっては強いかゆみや痛みのサインかもしれません。無理な耳掃除は悪化の原因にも。この記事では、見極めのポイントと受診の目安、家庭でのケアの考え方をやさしく整理します。放置で炎症が広がる前に、まず何を確認しどう動くかを一緒に押さえましょう。早めの対応が耳の健康を守ります。

猫の耳垢が黒くなる原因

猫の耳垢が黒くなる原因

耳の汚れと病気の兆しを見分ける視点を示し、主な原因と手がかりをやさしく順に整理していきます。

猫の耳垢が黒いのはどのような原因が考えられますか?
黒い耳垢は、耳ダニ(ミミヒゼンダニ)やマラセチアなどの真菌、細菌性の外耳炎で起こりやすく、乾いた墨のような汚れや独特のにおい、強いかゆみと頭を振る仕草が手がかりになります。古い出血やかさぶた、砂埃の混入のほか、耳道にできたポリープや腫瘍、異物、使用した薬剤の刺激などでも、耳垢が黒く見えることがあります。においが強い、湿ってベタつくときは悪化のサインです。痛がる、赤く腫れる、触ると嫌がる、傾く・ふらつく、眼振があるときは早めに受診し、自己流の綿棒掃除は避けましょう。
正常な耳垢と異常な耳垢の見分け方を教えてください
正常な耳垢は少量で、薄い茶色〜黄褐色をしており、においが弱く、耳の皮膚も赤くならず、触っても強いかゆみや痛みは出ません。
異常な耳垢は、黒〜濃茶色で量が多く、湿ってベタつく、悪臭がするのが特徴です。乾いたコーヒーかすのような形状や血が混じることもあります。
耳をしきりに掻く、頭を振る、傾く、触ると怒る、耳道が赤く腫れる、発熱や元気がなくなる様子があれば、早めの受診を考えましょう。
綿棒を奥に入れる掃除は逆効果なので避け、耳垢の色や量が左右で大きく違う場合も注意が必要です。
耳垢の色や状態から何がわかりますか?
耳垢の色や質感は、健康状態の手がかりになります。少量の薄い茶〜黄褐色でにおいが弱ければ、多くは正常です。黒色で乾いたコーヒーかす状の耳垢は耳ダニ、黒色で脂っぽくべたつき、異臭がする耳垢はマラセチアの疑い、黄緑で湿って悪臭が強い場合は細菌性外耳炎が考えられます。赤褐色の耳垢は出血や外傷が疑われ、白っぽい粉状は乾燥や角化が関係していることがあります。片側だけ急に増える、痛がる、頭を振る、傾く、眼振などが見られる場合は受診が必要です。綿棒で奥をこする掃除は避け、早めに動物病院へ相談しましょう。耳垢の左右差も重要な手がかりになります。

黒い耳垢から考えられる病気

黒い耳垢に隠れやすい代表的疾患のタイプと見分け方、受診の目安と注意点、対処の考え方もここで整理します。

猫の耳垢が黒い場合、どのような病気が疑われますか?
黒い耳垢は、耳ダニ(ミミヒゼンダニ)、マラセチア性外耳炎、細菌性外耳炎が代表です。強いかゆみ、悪臭、頭を振る、耳を触ると痛がる、赤く腫れるなどが手がかりになります。片側だけ急に悪化する場合は、異物の混入や耳道のポリープ・腫瘍、外傷、古い出血などが関係している可能性があります。傾く・眼振・ふらつきがあるときは中耳炎や内耳炎を疑い、早めに受診します。自己流の綿棒掃除は炎症を悪化させるため避けましょう。耳介のふちに黒いかさぶたが繰り返しできる場合も、病気のサインかもしれません。早めに受診を検討しましょう。
耳ダニと外耳炎はどのように見分けられますか?
耳ダニは、コーヒーかす状の黒い耳垢、強いかゆみ、左右同時の悪化、家庭内でうつることが特徴です。耳鏡や顕微鏡を使って、耳垢の中のダニや卵を確認し診断します。
一方、外耳炎はマラセチアや細菌が原因で、マラセチアは黒色でべたっとした耳垢、細菌は黄緑で湿った耳垢で強い悪臭、耳道の赤みや腫れ、触れると痛がる様子などが見られます。症状が片側だけに出ることも多く、これも見分けのポイントです。診断には耳鏡と細胞診を使い、治療薬も異なります。綿棒で奥をこする掃除は悪化の原因になるため避けましょう。
黒い耳垢以外にどのような症状があれば病気を疑うべきか教えてください
強いかゆみや頭を振る動作、耳を執拗に掻く様子、掻き壊しや出血、耳道の赤みや腫れ、触ると痛がる場合は注意が必要です。
傾く姿勢、ふらつき、眼が揺れる(眼振)、首が傾く(斜頸)、片側だけの悪化、顔のけいれんや表情の左右差、発熱や元気・食欲の低下も見逃せないサインです。
耳介や耳道にしこりがある、黒いかさぶたが何度もできる、首や顔をこすりつける行動が続く場合は早めに受診し、経過のメモや写真を持参すると診断に役立ちます。

動物病院での診療と治療の流れ

動物病院での診療と治療の流れ

診断の第一歩から検査の流れを整理し、家庭で準備すべき伝え方と持ち物も確認します。

猫の耳垢が黒い場合、動物病院ではどのような検査を行いますか?
まず問診と視診で、左右差やかゆみの程度、耳掃除の有無や使った薬を確認し、耳鏡で耳道と鼓膜の様子を観察します。
耳垢はスライドに塗って顕微鏡で観察し(細胞診)、耳ダニやマラセチア、細菌の有無や量を調べます。必要に応じて培養検査を行い、外傷やポリープが疑われるときはCTなどの画像検査も活用します。
鼓膜に穴がないか、耳道が狭くないかを確認し、皮膚の状態やこれまでの病歴も聞き取ったうえで、再診の計画を立てます。
耳垢が黒い場合の治療方法を教えてください
耳垢が黒い場合の治療は、原因によって異なります。耳ダニが原因なら駆虫薬を投与し、マラセチアや細菌による外耳炎には抗真菌薬や抗菌薬(外用・内服)を使います。痛みや炎症には消炎薬を使用し、必要に応じて培養検査で薬を選びます。鼓膜の状態を確認したうえで適切な洗浄液で耳洗浄を行い、汚れがひどいときは鎮静下で処置します。綿棒で奥までこすらないようにし、再診で細胞診を見直して薬の種類と期間を調整します。点耳薬は指示とおりに続け、基礎疾患もあわせて治療します。
治療期間や完治までの目安はどのくらいですか?
軽症の外耳炎は、点耳薬による治療で1〜2週間が目安です。中等度〜慢性の場合は3〜12週間かかることもあります。耳ダニ治療は1カ月以上の治療と再診が必要です。中耳炎や内耳炎を伴うと、数週間から数カ月に及ぶこともあります。途中で症状が軽くなっても自己判断で治療を中止せず、再診で細胞診を行い薬の内容と期間を調整します。慢性化やポリープを併発する場合は、完治まで数ヶ月かかる例もあります。点耳薬は耳道に届くよう、指示された量と回数、マッサージ方法を守って使用しましょう。

猫の耳の日常的なケア方法

日常ケアの基本と頻度の目安を示し、やり過ぎを防ぐコツと、受診へ切り替える判断基準も一緒に確認します。

猫の耳掃除はどのくらいの頻度で行うべきですか?
耳掃除は、汚れやにおい、かゆみが目立ちにくい猫なら月1回程度が目安です。耳垢が少量で薄茶色なら、拭き取りも不要で、見える範囲をコットンに洗浄液を含ませて軽く拭く程度にとどめます。毎週のような頻繁な清掃は刺激となり、かえって炎症を引き起こします。耳垢が黒く湿って悪臭がある、触ると痛がる、頭を振る、左右で大きな差がある場合は掃除ではなく受診に切り替えましょう。子猫や治療中は頻度が変わるため、再診時に洗浄液の種類とともに相談します。
自宅での正しい耳掃除方法を教えてください
用意するのはペット用洗浄液、コットンまたはガーゼ、タオルです。液は人肌に温め、猫を落ち着かせて耳の入口に数滴入れ、耳根を10〜20秒やさしくマッサージします。頭を振らせた後、出てきた汚れを見える範囲だけコットンで拭き取ります。綿棒で奥をこすらないでください。痛みや悪臭、出血、黒い湿った汚れがひどいときは自宅で続けず受診します。鼓膜の状態が未確認の猫は耳道内へ注入する前に獣医師に必ず相談してください。
黒い耳垢の再発を防ぐための予防策はありますか?
耳掃除の際に用意するのは、ペット用洗浄液、コットンまたはガーゼ、タオルです。洗浄液は人肌に温め、猫を落ち着かせてから耳の入口に数滴入れ、耳のつけ根を10〜20秒やさしくマッサージします。猫が頭を振った後、出てきた汚れを見える範囲だけコットンでやさしく拭き取ります。綿棒を使って奥までこするのは避けましょう。痛みや悪臭、出血、黒く湿った汚れが著しいときは無理に続けず、動物病院を受診してください。鼓膜の状態が未確認の場合は、耳道内に注入する前に獣医師へ相談します。

編集部まとめ

黒い耳垢は、ただの汚れに見えても、痛みやかゆみのサインであることがあります。綿棒で奥をこする掃除は悪化の原因となるため避け、色や量、におい、左右差を日々観察しましょう。耳垢が黒く湿って悪臭が強い、触れると痛がる、傾く様子がある場合は、早めの受診をおすすめします。

家庭では月1回の優しい拭き取りに加え、清潔な寝具と適度な湿度を保ちましょう。入浴後は耳の水分を軽く拭き取り、異変に早く気付ける環境を整えることが大切です。

【参考文献】