猫のできものの種類や特徴、動物病院での治療方法などを詳しく解説!

猫のできものの種類や特徴、動物病院での治療方法などを詳しく解説!

猫の身体にできものを見つけたとき、見た目だけで良性か悪性かを判断できません。小さなしこりでも硬かったり、増大が速いもの、出血・潰瘍、痛みや食欲低下があれば注意します。動物病院では問診と触診に加え、細胞診や病理検査、レントゲン・エコーで性質と広がりを評価します。猫は犬より悪性割合が高いとされるため、早期発見と治療計画の相談を早めに進めましょう。見つけた日付や大きさを記録し、写真や動画、過去の治療歴と併せて持参すると診断が進みます。

猫にできるできものの種類

猫にできるできものの種類

猫にできるできものの代表例を知り、見た目で決めつけず、適切な受診と検査の準備を進めましょう。

猫の体にできるできものにはどのようなものがありますか?
猫のできものには、炎症性の膿瘍や肉芽腫、嚢胞(皮脂腺・表皮嚢胞)などの良性病変、いぼ様の乳頭腫、皮脂腺腫、脂肪腫(猫では少なめ)が含まれます。
腫瘍では、肥満細胞腫、線維肉腫(注射部位関連を含む)、扁平上皮癌、基底細胞腫・癌、リンパ腫、乳腺腫瘍、口腔腫瘍などが挙げられます。
見た目だけで区別できないため、細胞診や病理検査、画像検査で性質と広がりを評価します。
白猫では耳介の扁平上皮癌が日光で進みやすく、早期相談が有効です。
できものができやすい猫の年齢や品種はありますか?
腫瘍やできものは総じて中高齢で増えます。特に未避妊の雌は乳腺腫瘍のリスクが高く、早期の避妊で低下します。
品種では白色の被毛・耳介の薄い猫は日光で耳や鼻の扁平上皮癌が生じやすく、シャムは皮膚の肥満細胞腫や乳腺腫瘍が報告されます。
若齢でも好酸球性肉芽腫症候群や膿瘍が起こり、注射部位肉腫は年齢や品種を問わず発生します。高齢では口腔腫瘍の頻度が上がる傾向があり、慢性の歯肉口内炎と見分けにくいことがあります。注射部位肉腫は頸部背側、肩甲骨間、腰部、臀部、大腿部外側に固いしこりとして見つかることがあり、診断と早期治療が重要です。
良性のできものと悪性のできものの違いを教えてください
良性は増殖がゆっくりで周囲へ深く侵入しにくく、境界が明瞭で、触ると動きやすく、痛みや潰瘍が出にくい傾向があります。
悪性は短期間で大きくなり、周囲組織に浸潤し、血管やリンパから転移しやすく、再発しやすい特徴があります。
外見だけでは区別できないため、細胞診や病理検査、画像検査で性質と広がりを評価します。
部位により良性でも擦れて出血や感染を起こすため、放置せず相談します。悪性では潰瘍や悪臭、体重減少や元気低下が加わりやすく、早期対応が重要になります。

注意すべきできものの特徴と症状

危険度の高い特徴と全身の変化を押さえ、見逃さず早めの受診判断と記録に結び付けましょう。

どのようなできものがある場合注意すべきですか?
注意が必要なのは、次のような場合です。
・短期間で急に大きくなる
・硬くて皮膚や筋に固定して動きにくい
・潰瘍や出血・悪臭を伴う
・触ると痛がる
・体重減少や食欲低下・元気消失が続く

また、次のような変化に気付いた際は早めの受診が必要です。
・口腔内のしこりで流涎や口臭、出血がある
・白猫の耳や鼻の潰瘍が治らない
・頸部背側、肩甲骨間、腰部、臀部、大腿部外側など注射部位付近のしこりが1ヶ月以上残る
・2cm超まで増大する
・近くのリンパ節が腫れる
・できもののサイズが2週間で明らかに大きくなる
できものの大きさや色、硬さで危険度を判断できますか?
良し悪しを大きさや色、硬さだけで断定はできません。小さくても悪性が含まれ、大きくても良性のことがあります。
危険度が上がるのは、短期間で明らかに増大する、硬くて皮膚や筋に固定して動かない、潰瘍や出血・悪臭がある、色が不均一で黒く濃い部位が広がる、触ると痛がる、近くのリンパ節が腫れる、口腔内で流涎や口臭を伴う、といった場合です。
毎週同じ向きで計測・撮影し、二週間で増大や変化が続くなら受診を急ぎます。
できものに伴って現れる全身症状があれば教えてください
身体のできものに伴って、食欲低下や体重減少、元気消失、発熱や低体温、脱水、痛みで触るのを嫌がる、といった全身症状が現れることがあります。
部位ごとの所見として、口腔内なら流涎・口臭・出血・食べづらさ、胸部なら咳や速かったり苦しそうな呼吸、消化管なら吐き気・下痢・黒色便、四肢なら跛行や腫れが目立ちます。
貧血で歯茎が白い、黄疸で粘膜が黄色い、飲水や排尿が増える、発作がみられる、リンパ節が腫れる場合も受診を急ぎます。

動物病院での検査治療

動物病院での検査治療

診断の進み方と治療選択の流れを理解し、受診時に伝えるべき情報も事前に整理しておきましょう。

できものの診断はどのように行いますか?
診断は、問診で発生時期や変化、痛みや出血、過去治療を確認し、視診・触診で大きさと質感、固定性、潰瘍の有無を評価します。次に細針吸引による細胞診を行い、必要に応じてスタンプ細胞診や生検で病理検査を実施します。広がりはX線や超音波、CT・MRIで評価し、血液検査で全身状態を把握します。結果を総合して良悪性やステージを判断し、切除・化学療法・経過観察などの方針を獣医師と相談します。近隣リンパ節の腫れや転移の有無も確認します。
できものが悪性かどうかを判断するための検査を教えてください
悪性かどうかは一つの検査だけで断定せず、複数の情報を組み合わせて評価します。
まず細針吸引で細胞診を行い、判定が不明瞭な場合は局所麻酔下で生検を行い、病理検査で確定を目指します。広がりはX線・超音波・CT・MRIで確認し、近隣リンパ節の細胞診と胸部画像で転移を調べ、血液検査で全身状態も評価します。腫瘍のタイプによっては免疫染色や遺伝子検査を追加し、治療選択や予後の見通しをより具体化します。
猫のできものはどのように治療しますか?
治療は腫瘍の種類・大きさ・部位・広がりで選択します。
良性で小さく無症状なら経過観察を選ぶことがあります。
悪性や増大例は外科切除を優先し、注射部位肉腫などは広い切除縁を確保します。切除不能や再発リスクが高い場合は放射線治療や化学療法、分子標的薬を併用します。乳腺腫瘍は早期の広範切除を検討し、口腔腫瘍では顎骨切除を併用することがあります。
痛みや炎症には鎮痛・抗炎症、感染には抗菌薬を併用し、栄養管理と再発監視を続けます。
外科手術が必要になるのはどのようなケースですか?
外科手術が選ばれるのは、次のようなケースです
①細胞診や生検で悪性が示唆・確定された場合
②急速な増大・潰瘍・出血・痛みがある場合
③咀嚼・歩行・排泄・呼吸などに支障が出る部位に及ぶ場合

注射部位関連肉腫、口腔の扁平上皮癌、乳腺腫瘍の多発例、大型の肥満細胞腫では、十分な切除縁を確保した手術が求められます。手術後は病理検査で切除縁の確認を行い、必要に応じて放射線や化学療法を併用します。転移が疑われるリンパ節は同時に処置します。
できものの治療にかかる費用の目安を教えてください
費用は病院や地域、体格、病変の部位・広がり、時間外かで大きく変わりますが費用目安は次のとおりです。

・初診+血液+X線・エコーで20,000〜30,000円
・細胞診5千~1.5万円
・生検+病理1.5~4万円
・手術は小さな良性で30,000〜50,000円
・広範切除や口腔・乳腺などで200,000~400,000円
・入院1日5,000~10,000円
・放射線は1コース200,000~700,000円
・薬物療法は1回20,000~30,000円
・CTやMRIは30,000~100,000円

夜間加算や合併症で上振れします。保険の補償条件で自己負担が変わります。
治療後の経過観察や再発予防で気をつけることはありますか?
治療後は病理結果で腫瘍の種類・ステージ・切除縁を確認し、再発リスクに応じて通院間隔と画像検査を計画します。傷は清潔に保ち、エリザベスカラーや術後服を外さず、薬は用量用法を守ります。手術部位を毎週同じ向きで計測と撮影を行い、腫れ・赤み・滲出、疼痛、しこりの再出現、食欲や元気の低下を見つけたら受診します。注射部位はローテーションし、体重管理と口腔・皮膚の定期チェックを続けます。再発高リスクでは補助療法の継続や転移検索を定期的に相談します。

編集部まとめ

猫のできものは、良性・悪性を問わず見た目では判別が難しく、短期間での増大、潰瘍、出血、痛みや口臭がある場合は特に注意が必要です。診断には細胞診や病理、画像検査が用いられ、性質や広がりを見極めて治療方針を決めます。外科手術のほか、放射線や薬物療法が選択されることもあり、治療後は病理結果に応じた再発監視が欠かせません。記録と定期検診の積み重ねが、早期発見と対応につながります。特に白猫の耳や鼻にできた潰瘍は放置せず、早期受診で悪化を防ぎましょう。

【参考文献】