犬の夜泣きはどうすればいい?夜泣きの原因から対処法まで解説!

犬の夜泣きはどうすればいい?夜泣きの原因から対処法まで解説!

犬を新しく家族に迎えたとき、はたまた愛犬が年齢を重ねたときに、夜泣きに悩まされる飼い主も多いでしょう。

「何を訴えているんだろう」「病気かな」と不安になったり、その不安から寝付けなくなってしまったり、ご近所トラブルになったりすると、せっかくの愛犬との生活が苦しいものになってしまいます。そこで本記事では、夜泣きの代表的な原因やその対処法などについてまとめています。

犬の夜泣きとは

犬の夜泣きとは

犬の夜泣きは、年齢によって理由が異なります。きちんとしたしつけや対策をしなければ、飼い主の心身の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、近隣住民とのトラブルにもなりかねません。正しい原因を見つけるため、まずは夜泣きとはどんなものなのかをご紹介します。

犬の夜泣きとはどんなものですか?
その名の通り、犬が夜になると泣く(鳴く)ことを指します。

初めは「クーンクーン」「ピーピー」と甘えるように泣くことが多く、次第に「ワンワン」「キャンキャン」と吠えるようになります。
犬の無駄吠えとはどんなものですか?
飼い主や隣人が耐えられないほどのボリュームで犬が吠えてしまうことを無駄吠えと言います。

無駄吠えをする原因としては、生まれ持った気質や生まれてから成長期までに過ごした環境、現在の飼育状況が関連しています。

例えば、ダックスフントやビーグル、シェットランドシープドッグ、ミニチュアシュナウザーなどは使役犬として吠えることを強化されてきました。その気質から、比較的吠えやすい犬種と言われています。

また、生まれてから5カ月頃までの社会化期に他人や犬との触れ合いが少ない場合、成長してから他人や犬、物音などに敏感に反応し、吠えやすくなります。ただ、この「吠える」という行動は犬にとっては正常で、全く吠えさせないようにしつけることは困難ですし、動物福祉の観点からも望ましくありません。

犬の夜泣きの原因

犬の夜泣きの原因

犬が泣くこと・吠えることは意思表示の一つですので、きつく叱っても治ることはありません。かえって叱られたことがトラウマになり夜泣きがひどくなるケースもあるため、何が原因となっているかを見極め、それに適した対応をすることが重要です。

犬が夜泣きしています。考えられる原因は何でしょうか。
夜泣きの原因は「自宅で対処できるケース」と「病院を受診するべきケース」の2つに大別できます。

自宅で対処できるケースで代表的なのが、空腹や尿意などの生理的欲求が満たされていない場合です。夜ご飯の時間が早すぎたり、寝る前にトイレを済ませたりできていないことが夜泣きに繋がっているかもしれません。

また、運動不足や寝床の居心地が悪い、さみしい、甘えたい、高齢化による不安などが原因となっている可能性もあります。

一方で、飼い主への執着が強すぎて、不安になると問題行動を起こしてしまう「分離不安」や体調不良、認知症、高齢化による体の痛みが原因で夜泣きをしている場合もあります。これらは飼い主の方だけでは解決できないことがほとんどですので、動物病院を受診してみてください。
夜泣きが多い犬種や年齢はありますか?
犬は老犬になるほど夜泣きが増えるようになります。

小型・中型犬で7歳、大型犬で5歳頃からがシニア期と呼ばれ、これまでできていたことができなくなっていきます。

そんなときに、飼い主に「助けて」と訴えているのが夜泣きをしている理由です。ただ、夜泣きの裏には病気や怪我といった体の不調を訴えている可能性もあるため、叱らずに理由を見極めることが大切です。

犬の夜泣きへの対処法

犬の夜泣きへの対処法

飼い主・犬の双方にとってストレスとなる夜泣きには、どのように対応すれば良いのでしょうか。ここからは夜泣きへの一般的な対処法をご紹介します。

犬の夜泣きを放置してもいいのでしょうか?
夜泣きを放置して良いのは、子犬がかまって欲しくて夜泣きをしている場合のみです。

甘えているときに飼い主がかまってしまうと「泣けばかまってくれる」と学習して吠え癖がついてしまうかもしれません。

「かまいすぎているな」と思ったら、夜泣きが始まっても愛犬の側に行くのを我慢して無視しましょう。泣きやんだら褒めてあげることも効果的ですので、意識してみてください。

ただ、その夜泣きが体調不良や何かを訴えている可能性もあるので、しっかりと見極めるようにしましょう。餌をきちんと食べているか、水をキチンと飲んでいるか、排泄の量や様子はどうか、そのほか変わったことはないかなど、気を配りましょう。

衰えている老犬が夜に泣き続けることは体力の消耗に繋がってしまうので、できるだけ放置せず寄り添ってあげることが大切です。
犬の夜泣きをやめさせたいです。どうすればいいですか?
夜泣きの原因に応じた対応をしてあげましょう。

「おなかがすいた」「外に連れて行って」という仕草が見られるなら、生理的欲求を満たすために夜ご飯の時間を遅くしてトイレを済ませてから寝るようにしたり、就寝スペースが汚れている・寒い・暑いなどで居心地が悪そうな場合は敷物交換や温度調節をしてあげたりしましょう。

飼い始めたばかりの子犬はさみしくて泣いている場合もあるので、そんなときは一緒に寝たりケージごと飼い主の部屋に移動させたりするのがおすすめです。飼い主のにおいのするアイテムをケージに入れてあげてみても良いかもしれませんね。
老犬の場合の夜泣き対策について教えてください。
老犬の夜泣き対策には下記のようなものが挙げられます。
・叱らない
老犬が夜泣きしても叱らないようにしましょう。叱ることで信頼関係が悪化したり、かまってもらえると思ってさらに吠えてしてしまう可能性があります。

・昼間に活動させる
昼間に寝てしまう老犬は、昼夜逆転している可能性があるため、なるべく昼間に活動させるようにしましょう。日光に当てることで、夜眠れるようになるホルモンが分泌されます。起きている間は、声をかけたり、簡単なおすわりやお手を繰り返してみたりしてみるのも効果的です。

・動画で撮影しておく
夜泣きしていたり、徘徊していたりする様子を動画で撮影しておきましょう。認知症の症状かどうか、獣医師が診断するときに役に立ちます。

・排泄の確認
寝る前に排泄の確認をしましょう。頻繁に漏らしてしまう場合、おむつなどを着けてあげましょう。

犬のストレスの解消方法

犬のストレスの解消方法

犬は飼い主のささいな感情の変化を感じ取ったり、優れた嗅覚や聴覚を持っていたりするため、人が想像する以上に繊細な生き物です。そのため、不安や緊張、気温、環境、空腹、睡眠不足などさまざまな要因がストレスになります。言葉を話せるわけでないため、飼い主がそのストレスに気付いてあげることが大切です。

犬の夜泣きや無駄吠えが治りません。対策を教えてください。
対処法を試したからと言って夜泣きや無駄吠えがすぐに治るとは限りません

飼い主自身が夜泣きによるストレスを抱えないようにするには、防音対策に取り組むことをおすすめします。ケージに防音カバーをかける、窓に隙間テープや防音カーテンを設置する、壁に防音パネルや遮音シートを貼るといった方法が有効的です。

また、若い犬の場合はドッグスクールに通うことも検討してみるのも良いでしょう。最近では犬の社会化を学ぶスクールが増えてきており、飼い主参加型のものもあるためおすすめです。
犬がストレスをためているときの見分け方はありますか?
犬はストレスの度合いによってさまざまなサインを出します。

例えば、比較的低いストレスを感じている場合は、まばたきをする、視線をそらす、あくびをする、地面のにおいをかぐ、体をブルブルと震わせる、体をかくといったカーミングシグナルを出します。

これらの行為をうれしい感情のときに出すことはないため、何らかのストレスがかかっているんだなと理解しておきましょう。

カーミングシグナルで飼い主に気持ちが伝わらない場合、中程度のストレスがかかっている場合は、うなる、歯を見せる、かみつく、鼻にしわを寄せるといった攻撃的な行動をしたり、吠えたりします。

さらに、体調不良や病気などで高いストレスを感じている場合は食欲の低下や下痢・嘔吐などの消化管トラブル、発作、脱毛、無気力状態が見られるようになります。このように異変がある際は、すぐにかかりつけの動物病院に連れて行きましょう。
犬のストレスを解消するためにはどうすれば良いですか?
まずはスキンシップを増やしてあげましょう。

飼い主とのコミュニケーションやスキンシップが減ると、さみしさからいたずらが増えたりトイレを失敗したりするようになります。短い時間でも良いのでおもちゃを投げたり体をなでてあげたりしてください。ただ、過度なスキンシップがストレスになる犬もいますので、反応をよく見ながら接してあげるようにしましょう。

散歩の時間を増やして運動不足を解消するのも一つの方法です。散歩の最中ににおいをかいだり公園でボール投げをしたりすることは犬の本能を最大限に活用できるため、ストレス解消になります。また、犬は噛む動作でストレスを発散するので、犬用のガムや噛むおもちゃを与えてみても良いかもしれません。

編集部まとめ

編集部まとめ

誤った対策をしてしまうと、改善しないどころか飼い主と愛犬との信頼関係が崩れてしまうため、注意しましょう。夜泣きがひどいと思ったら、まずは病気の症状がないかを確認し、その次に尿意・便意がないか、おなかがすいていないかといった順で確認することをおすすめします。

参考文献