犬の脱毛症の原因は?対処法や予防法を詳しく解説!

犬 脱毛症

犬の脱毛症の原因を知っていますか?本記事では、犬の脱毛症の原因について、以下の点を中心に徹底解説します!

  • 犬の脱毛症とは
  • 犬の脱毛症の原因について
  • 犬の脱毛症の治療と対処法について

犬の脱毛症の原因について理解するためにも参考にしてください。ぜひ最後までお読みください。

犬の脱毛症について

脱毛症になりやすい犬種を教えてください。
脱毛症になりやすい犬種についての情報を共有します。以下の犬種は、脱毛症になりやすいといわれています。

・ヨークシャ・テリア
・イタリアン・グレーハウンド
・トイ・プードル
・ボストン・テリア
・チワワ
・ポメラニアン
・ミニチュア・ピンシャー
・ミニチュア・ダックスフンド
・パピヨン
・シェットランド・シープドッグ
・柴犬

特に小型犬は神経質な気質の犬が多く、ストレスによる自傷や食欲不振を起こしやすい傾向があります。また、ペットとして改良を重ねられてきた歴史の中で、遺伝性の疾患の発症リスクも上がっている可能性があります。

柴犬については、生まれつきアレルギー体質の犬が多く、さまざまな皮膚疾患にかかりやすいといわれています。皮膚のバリア機能が体質的に弱いため、規則正しい生活を心がけることが重要です。
換毛期と脱毛症の違いを教えてください。
犬の換毛期と脱毛症の違いについて説明します。

まず、換毛期とは、犬が年に2回(春と秋)体を気候に対応させるために自然に毛が抜ける時期のことを指します。特に春の換毛期には抜け毛の量が多くなることがありますが、これは生理的な現象であり、心配する必要はありません。

一方、脱毛症とは、何らかの原因により病的に毛が抜ける状態を指します。これは治療が必要な状態であり、その原因にはさまざまなものがあります。

換毛期の抜け毛と脱毛症の抜け毛の違いを見分けるポイントは以下の通りです。

換毛期には、体全体から均等に毛が抜けます。部分的に大量に抜けることや 左右で抜け毛の量が異なることはほとんどありません。皮膚が露出するほどの抜け毛や、 毛の質が悪くなることもほぼありません。毛をかき分けて皮膚を観察したときも、基本的には健康的な肌色をしています。
これらとは異なる脱毛が見られる場合は、換毛ではなく脱毛症である可能性が高くなります。例えば、皮膚が見えるほどの抜け毛がある場合、 抜け毛のパターンが左右で異なる、
皮膚に赤みや発疹の異常が見られる場合は、病的な脱毛症の可能性が高いといえます。
脱毛と合わせて起こる症状はありますか?
犬に脱毛の症状があるとき、以下のような症状が一緒に起こることがあります。

・皮膚の赤み:皮膚が赤くなっている。
・フケ:古くなった皮膚の細胞がはがれ落ちた状態。抜け毛が過度に多い、または皮膚に固着している場合は、皮膚の新陳代謝がうまくいっていないことが原因かもしれません。
・湿疹:犬の皮膚が赤くなり、場合によってはぽつぽつとした凸凹が皮膚にできる状態。
・じゅくじゅくしている:症状がひどくなると、皮膚が化膿したり、血液や体液が滲み出たりする場合、出血することがある。
・痂疲(かさぶた):血液がかたまった状態のこと。

皮膚の病気が原因でない場合でも、次のような症状がおきることがあります。

・元気がない、犬がぐったりしている
・パンティングしている、犬が苦しそうにしている
・尿の量が増える/減る
・尿の色が薄くなる/濃くなる

これらの症状が見られる場合は、早めに獣医師に相談することをおすすめします。

犬の脱毛症の原因

犬の抜け毛の原因を教えてください。
犬の抜け毛については、さまざまな要因が関与しています。以下で挙げてみます。

・換毛期による抜け毛:犬も毎日毛が生え替わりますが、春と秋の換毛期には特に毛が抜けます。
・栄養不足による抜け毛:毛の成長には、亜鉛、ビタミン、アミノ酸、必須脂肪酸といった栄養素が求められます。これらの栄養素が欠乏すると脱毛が起こる場合があります。
・ストレスによる抜け毛:犬はストレスを感じると自身の体を過度に舐めたり、毛を噛んで引き抜いたりすることがあります。
・老化による抜け毛:加齢により毛包や皮膚の機能が低下し、毛が細くなり、薄毛になる現象は、一定の状態が低下した場合に見られます。

病気によっても、犬の抜け毛(脱毛)が見られることがありますが、これは特定の病気に特有の現象です。具体的な症状や問題がある場合は、相談しましょう。それぞれの犬種や個々の犬が持つ特性や健康状態は、多くの要素によって異なるためです。
犬の抜け毛に伴う病気はありますか?
犬の抜け毛に伴う可能性のある病気には以下のようなものがあります。

・感染症:「膿皮症(のうひしょう)」、「マラセチア皮膚炎」や「皮膚糸状菌症」または「ニキビダニ症」などが考慮に入れるべき病気として挙げられます。これらは細菌や真菌、ダニなどに感染することで発症します。
・アレルギー性疾患:「食物アレルギー」は、犬種に関係なく一般的に見られる現象です。「アトピー性皮膚炎」もまた、脱毛や皮膚の赤みなどの症状を引き起こす可能性があります。
・内分泌疾患:ホルモンを分泌する臓器の「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」や「甲状腺機能低下症」は、異常が原因で皮膚症状を引き起こす可能性があります。この2つの病気は「左右対称性の脱毛」が認められる点と「中高齢の犬」に好発する点が共通しています。
・遺伝性疾患:「パターン脱毛症」や「黒色被毛形成異常症」、「淡色被毛脱毛症」は、よく知られている病気の1つです。遺伝的な因子が関与している脱毛症は、これらの病気は、かゆみや皮膚の赤みを伴わないという特徴があります。

具体的な症状や問題がある場合は、必ず相談してください。
脱毛症で病院を受診するべきケースを教えてください。
以下のような症状が見られる場合は、動物病院を受診するようにしましょう。

・尻尾の毛が抜けている
・犬が強いかゆみを訴えている
・皮膚に赤みがある
・フケがたくさん出ている
・皮膚がベタついて臭い
・手足がむくんでいる
・以前よりも息切れをするようになった
・急に太った、あるいは痩せた

これらの症状が脱毛とともに見られる場合は、皮膚病が考えられるため、早期診断と適切な治療は重要です。ただし、その量が少なかったり、かゆみや赤みなどの症状が見られなかったりする場合もあります。

犬の脱毛症の治療と対処法

犬の脱毛症はどのように治療しますか?
治療方法は、その原因や症状によりますが、以下のような方法が一般的に考えられます。

・薬による治療:ホルモンのバランスを調整するための薬が存在します。この病気の治療には、特定の方法が効果が期待できます。甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンといった要素が、女性ホルモンなどに働きかける薬が使用されます。ただし、副作用の危険性があるので、注意が必要です。
・サプリメントによる治療:毛を生やす効果が期待できるサプリメントが存在します。これらのサプリメントは、副作用がほとんどないという特性があります。
・マイクロニードルによる治療:細い針で皮膚に刺激を与えることで細胞を増やすこれは、活性化プロセスを通じて毛髪の成長を刺激する治療法です。人間の皮膚、特に火傷後の瘢痕化した部分に対しておすすめです。この治療は美容器具を使用しますが、若干の痛みが伴うため、局所麻酔または全身麻酔が必要となります。
・去勢・避妊手術による治療:アロペシアXは、ホルモンの異常によって発症する可能性があると考えられているため、場合によっては、去勢手術や避妊手術を実施することがあります。

具体的な治療法は、症状や犬種、個々の犬の健康状態などによりますので、必ず相談してください。
犬が脱毛症のときの対処法を教えてください。
犬の脱毛症に対する対処法は、その原因や症状によりますが、以下のような一般的な対処法が考えられます。

・観察:脱毛が見られた場合、まずはその状態を観察します。脱毛の範囲や進行具合、他の症状(かゆみや皮膚の赤みなど)があるかどうかを確認します。
・食事の見直し:食事が原因で脱毛が起こることもあります。バランスの取れた食事を維持することが重要です。なお食事の見直しは、脱毛の原因が食物アレルギーであった場合に効果が期待できますが、自己判断で変更することでかえって悪化させる可能性もあるため、獣医師に相談することが重要です。
・ストレスの軽減:ストレスが脱毛の原因となることもあります。犬がストレスを感じているかどうかを確認することが重要です。
・獣医師の診断:脱毛が進行する場合や、他の症状がある場合は、早めに獣医師に診てもらうことが重要です。

これらの対策は、一般的なガイドラインに基づいていますが、具体的な対策は、症状や健康状態によって異なります。
散歩中に気をつけることはありますか?
散歩中には以下のことに注意してください。

・犬の体調を確認する:犬が元気であることを確認し、体調が悪そうな場合は無理に散歩に連れ出さないようにします。
・適切なリードを使用する:犬の大きさや性格に合ったリードを使用するようにします。
・犬の行動を観察する:犬が何かを食べようとしたり、他の犬と争おうとしたりする場合があります。そのような行動を早めに止めるために、犬の行動を常に観察します。
・犬の排せつ物を処理する:犬の排泄物は放置せず、必ず処理します。
・天候と気温を確認する:高温や低温、悪天候の日は犬の健康に影響を及ぼす可能性があります。そのような日は、散歩の時間を調整したり、散歩自体を控えたりします。

編集部まとめ

ここまで犬の脱毛症の原因についてお伝えしてきました。犬の脱毛症の原因をまとめると以下の通りです。

  • 小型犬は神経質な気質の犬が多く、ストレスによる自傷や食欲不振を起こしやすい傾向があり脱毛症になりやすい
  • 脱毛の原因として、換毛期、栄養不足、ストレス、老化、特定の病気が関与している
  • 犬の脱毛が見られた場合、まずはその状態を観察し食事の見直しやストレスの軽減をはかり、必要であれば動物病院を受診する

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献