犬の息が荒くなるのはどうしてか知っていますか?
本記事では犬の息が荒い原因や対処法について以下の点を中心にご紹介します。
- 犬の呼吸について
- 犬の呼吸が荒い原因
- 犬の息が荒い時の対応
犬の息が荒い原因や対処法について理解するためにご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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犬の呼吸について
- 平常時の犬の呼吸数を教えてください。
- 犬の呼吸数は、通常、1分間に10〜35回とされています。安静時には鼻呼吸で、活動時は口呼吸といわれています。小型犬は肺が小さいため、大型犬よりも呼吸数が多い傾向があります。特に、フレンチ・ブルドッグやパグ、チワワなどの短頭種は、鼻孔や気管が狭いため、呼吸数や口呼吸が多くなります。また、加齢により体力が落ちると、呼吸が乱れる状況が生じるといわれています。
犬種や体の大きさによって呼吸数は変わるため、愛犬の休息時の呼吸数を知っておくことは、健康状態を理解する上で非常に重要です。
- 犬のパンディングとは何ですか?
- 犬が「ハアハア」と呼吸する行動は、パンティングといい、体温調節の一環です。人間は全身から汗をかいて体温を下げますが、犬はサラサラした汗をかく汗腺であるエクリン腺が体表に少なく、汗をかいて気化熱で体温を下げることが困難です。そのため、犬は口を開けて舌を出し、体内の熱を逃がし、涼しい空気を吸い込むことで体温を調節します。また、口腔内の水分が蒸発する際の気化熱を利用して、体温を下げます。
パンティングは、生理的な反応による正常な状態と、病気や他の要因による異常なものの2種類があります。そのため、愛犬の健康を守るためには、正常なパンティングと異常なパンティングを見分けることが重要です。
- パンディングになりやすい犬種や犬の特徴はありますか?
- すべての犬が体温調節のためパンティングしますが、特定の犬種や特徴を持つ犬はパンティングになりやすい傾向があります。
短頭種の犬は、鼻孔や気道が狭いため、呼吸音が大きくなり、パンティングが多くなります。短頭種の犬種にはフレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストン・テリア、シーズーといった犬種に加えて、チワワ、ペキニーズ、ボクサーやスパニエル系などが含まれます。
犬の呼吸が荒い原因
- 日常生活の中で犬の息が荒くなる時はどんな時ですか?
- 犬の呼吸が荒くなるのは、以下のような状況が考えられます。
運動後:犬は運動後、酸素をなるべく早く補給するために、呼吸が速く荒くなるといわれています。
体温調節:犬は汗をかけず、呼吸を通して体温調節を行います。これは運動後や体温が上昇した時の自然な反応で、安静にしていると、パンティングがおさまります。
ストレス:興奮、恐怖、緊張、不安などの精神的要因により、一時的に呼吸が荒くなるとされています。
ケガ:ケガによる痛みで呼吸が速くなることもあります。
犬が暑いときや嬉しいときにパンティングをするのは自然なことです。お散歩の後やドッグランで遊んだとき、気温が高いとき、嬉しいことがあったときなどに行うパンティングは心配する必要はありません。ただし、激しく「ハアハア」と呼吸を繰り返している場合は、注意が必要です。
- 犬の息が荒い原因に、何かの病気が関係していることがありますか?
- 犬の息が荒くなる原因として、以下の病気が関連している可能性があります。
呼吸器の疾患:気管支炎、気管虚脱、肺炎などがあります。呼吸器の疾患は、ウイルスや寄生虫、化学物質の接触や誤って何かを飲み込む等が原因で、咳や食欲不振、元気消失、呼吸困難を引き起こす可能性があります。
心臓の疾患:肺水腫、僧帽弁閉鎖不全症、心筋症などがあります。心臓の疾患は、心臓の働きが悪くなると、酸素を含んだ血液が体内を適切に循環できなくなると、呼吸数が増えたり、息が荒くなったりするパンティングの症状が出ます。
熱中症:体温の上昇によって循環不全や、体温が上昇すると循環不全や脳、体内組織の酸欠を引き起こします。犬が熱中症になると、苦しんでいるようにパンティングします。
異物誤飲:異物が喉や食道に詰まると、犬が不快感を覚え、パンティングや努力性呼吸を見せるといわれています。
異常なパンティングの原因は、呼吸器系や循環器系に何らかの問題が存在する場合もあり、早急に対応すべき緊急度の高い状態の可能性があります。
犬の息が荒い時の対応
- 犬の呼吸が荒い時にすぐできる対応はありますか?
- 犬の呼吸が荒い時に、飼い主がすぐにできる対応としては以下のようなものがあります。
楽な姿勢をとらせる:犬をうつ伏せにして呼吸を楽にしてあげましょう。顎の下にタオルや枕を置くと呼吸が楽になるといわれています。横向き、仰向けの姿勢は肺が圧迫される場合があるため、避けるべきですが、胸部の下部に不快感がある場合、横向きに寝させるのがおすすめです。
室温を調整する:エアコンを使用して、室温を一定に保ちましょう。特に熱中症の疑いがある場合は、涼しい場所に移動させ、首や脇にタオルで包んだ保冷剤を当てて冷却してください。可能であれば、水を飲ませましょう。
呼吸が荒い場合は酸素欠乏が起こり命にかかわる事態になることもありますので、たとえいったん症状が軽減しても必ず動物病院を受診してください。
- 犬の熱中症で息が荒くなりますか?その時はどのように対処すればいいでしょうか?
- 犬が熱中症になると、体温が上がり、パンティングをして体温を下げようとします。しかし、周囲が暑いと、パンティングをしても体温を下げられなくなります。
犬が熱中症になった場合の対処法は以下の通りです。
涼しい場所に移動させる:犬を涼しい場所や風通しのよい日陰に移動させてください。
水分補給をさせる:自ら水を飲んでくれないときには、口の周りを水で濡らすなどしてください。
体温を下げる:布にくるんだ氷や保冷剤を、首、脇、足の付け根など、動脈が流れている部分に使用することで、体温を調節でき体温が下げられます。
対処法は、犬の体温を下げ、熱中症の症状を和らげるためのものです。しかし、症状が続く場合や、犬がぐったりしている、ふらつく場合は、すぐに動物病院に連絡し、獣医師の判断を仰ぎましょう。
- 犬の息が荒い時に、どのタイミングで動物病院を受診した方がいいでしょうか?
- 運動後や興奮時など、原因が明らかで症状が落ち着く場合は、自宅で様子を見ても問題ありません。しかし、安静にしても5分以上経っても息が落ち着かない、またはパンティングが悪化する場合は、すぐに病院を受診してください。
また、呼吸が悪化する原因がわからない場合や、以下の症状がある場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
上を向いて呼吸
努力呼吸
伏せができない
咳が続く
舌の色が青や紫色
粘膜が白っぽい
受診の際は、愛犬の呼吸パターンをビデオで記録し、飲んでいる薬があれば病院に持参してください。
編集者まとめ
ここまで犬の息が荒い原因や対処法についてお伝えしてきました。犬の息が荒い原因や対処法の要点をまとめると以下の通りです。
- 犬の呼吸数は、通常、1分間に10〜35回とされている
- 犬の呼吸が荒くなる原因は、「運動後」「体温調節」「ストレス」「異物誤飲」「ケガ」などがある
- 犬の息が荒い時には、「楽な姿勢をとらせる」「室温を調整する」などの対応を心がけよう
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。