「トリミング中にペットが怪我をすることはある?原因と対処法、トラブルを防ぐポイントを解説」

「トリミング中にペットが怪我をすることはある?原因と対処法、トラブルを防ぐポイントを解説」

トリミングはペットの見た目を整えるだけでなく、身体の定期的なメンテナンスや健康状態のチェックという意味でも欠かせないものです。しかし、トリミング中の怪我が心配、トラブルが起こったときの対処法がわからないと、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。今回はトリミング中の怪我に焦点を当てて、万が一の際の対処法や、トラブルを避けるためにできることについて情報をまとめました。大切なペットを危険から守るためにも、ぜひ参考にしてください。

トリミング中のペットの怪我について

まずは、トリミング中にどのような怪我が起こるのか、具体的に確認しましょう。怪我の主な原因についても解説を加えるので、不要なトラブルを回避するための一助としてください。

トリミング中に、どのような怪我が起こる可能性がありますか?
毛玉などをカットするトリミング中には、誤って皮膚まで切ってしまうことによる切り傷ができる可能性があります。その他にも、シャンプーやコンディショナーなどが合わないために、皮膚の炎症が起こりうるでしょう。施術台から落下してしまい、骨折するケースも見られます。また、慣れない場所で知らない人に長時間触れられることは、ペットにストレスを与えます。
怪我の主な原因を教えてください
原因の一つとして挙げられるのは、担当するトリマーの技術不足です。トリマーの技術や経験が十分ではなく、本来の手順が守られていなかったり、ペットの個体差を考慮しないまま施術が進められたりすると、予期せぬ怪我につながります。加えて、機器の故障や不適切な使用もトラブルを引き起こします。その他には、ストレスを感じたペットがトリミング中に暴れるケースがあることも、安全性の確保が難しい一因です。
トリミング中の怪我について、特に注意すべき点を教えてください
トリミング中に怪我が発生した場合は、まず怪我の程度を適切に判断することが重要です。軽微な出血であれば、トリマーが止血剤などで応急処置を行うことができますが、深い傷や出血が止まらない場合は迅速な対応が必要です。トリミングサロンでは、大きな怪我の場合、トリマーが直接動物病院へ連れて行くか、飼い主に緊急連絡を入れて状況を報告し、飼い主がお迎えに来てから一緒に動物病院を受診するという対応が一般的です。どちらの場合でも、怪我の状況や応急処置の内容を詳しく獣医師に伝えることで、適切な治療を受けることができます。トリミング後は傷の経過を観察し、化膿や悪化の兆候がないか注意深く見守ることも大切です。

トリミング中にペットが怪我をしたときの対処法

トリミング中にペットが怪我をしたときの対処法

どれだけ対策を講じていても、トリミング中にペットが怪我を負うリスクをゼロにすることはできません。ここでは、ペットが怪我をしてしまったときの対処法について、理解を深めていきましょう。

怪我をした場合は、軽度と感じても動物病院に連れていくべきですか?
一見しただけでは軽度と感じられる切り傷であっても、傷の深さや部位によっては重症になりえます。安易な自己判断で放置するようなことはせず、少しでも気にかかる点があれば、早めに獣医師の判断を仰ぐよう心がけてください。なお、トリミング中に骨折や脱臼といった重傷を負うケースも見られます。不測の事態が起きたときには速やかに対処して、ペットを守ることが飼い主の務めです。
自宅でトリミング中に怪我を負わせてしまった場合どうすればよいですか?
血が出ている場合は、ティッシュやガーゼで数分間押さえて止血してあげましょう。バリカンによる怪我であれば大量に出血する可能性は低いため、それで治まることも考えられます。一方、ハサミで切ってしまった場合には、出血が酷くなるケースもあります。ひとまず止血してみても治まらないようであれば、止血を続けながら動物病院へ連絡を入れてください。出血が止まったら、傷口を流水できれいに洗い流します。もし、翌日以降に傷口が腫れている、化膿している、赤く盛り上がっているなどの症状が見られたら、感染が起きている恐れもあるので、動物病院を受診しましょう。ペットが傷口を気にして舐め回しているようなときも要注意です。
トリミングサロンで怪我をした場合の対処法を教えてください
突然怪我の報告を受けると冷静さを欠いてしまいそうになりますが、まずは落ち着いて、トリマーから状況の説明を受けましょう。その内容とペットの様子をメモするとともに、患部の状態を撮影しておきます。これらの記録は補償や慰謝料の問題が発生したときに必要となるため、怪我をした直後に対応してください。そのうえで治療が必要な状態であれば、速やかに動物病院へ行って事情を説明し、獣医師の判断を仰ぎます。念のために、診断書も作成してもらった方がよいでしょう。
トリミング中の怪我はペット保険で補償されますか?
ペット保険に加入しているようであれば補償の対象になりえますが、明らかにトリミングサロン側の過失といえる場合、トリミングサロンが加入している保険で対応してもらえるケースもあります。とはいえ、怪我をしてしまった場合の対応はトリミングサロンによって異なるため、注意が必要です。

トリミングによるトラブルを避けるためにできること

トリミングによるトラブルを避けるためにできること

トリミング中にペットが怪我をしたときの対処法についてお伝えしましたが、そもそもトラブルが起きなければ、それに越したことはありません。終わりに、可能な限りトリミング時のトラブルを防ぐために飼い主は何ができるのか、具体的な情報をまとめます。

怪我やトラブルを避けるためには、どのようなトリミングサロンを選べばよいですか?
トリミングサロンを選ぶ際には、所属するトリマーの技術や資格をチェックして、信頼できる施設であるか検討しましょう。併せて、ほとんどの施設ではトリミングの様子を窓越しに見学できるため、ペットを丁寧に扱っているか、適切なコミュニケーションを取っているかなど、直に確認してみてください。トリマーの経験が十分であるとともに、施設の環境が整っていることも、優れたトリミングサロンを選ぶためのポイントです。清掃や整理整頓が行き届いているか、安全性を高めるための設備や十分な道具が揃っているかなどをチェックして、怪我やトラブルのリスクが低いであろう施設を見極めましょう。なお、ペットのストレスを軽減するには、自宅からの移動時間が短い施設を選ぶのも有効です。
動物病院とトリミングサロンのどちらを選ぶべきですか?
病気を患っているペットや高齢のペットを飼っている場合には、万が一の際にも獣医師による医学的なケアが受けられる、動物病院を選ぶのがおすすめです。一方、よりデザイン性の高いカットなどを希望する場合には、トリミングサロンを選ぶとよいでしょう。ニーズに応じてうまく使い分けてください。
トリマーに伝えておくべき情報があれば教えてください
不要なトラブルを防ぐために、トリマーと適切なコミュニケーションを取ることはとても重要です。トリミングを受ける際にはペットの性格や持病、落ち着ける体勢といった情報を詳しく共有することで、トリマーがペットに合わせた対応を取りやすいよう気を配りましょう。
トラブルを防ぐために、飼い主が心がけるべきことは何ですか?
トリミングはペットに少なからずストレスを与えます。そのため、トリミングの前には普段以上に体調管理を徹底し、体調が優れない状態でトリミングを受けることがないよう注意してください。

編集部まとめ

ペットが健やかな日々を送るために欠かせないトリミングですが、準備や配慮を怠ると、重大なトラブルにつながりかねません。信頼できるトリミングサロンを選ぶ、トリマーに施術に役立つ情報を提供するなど、飼い主にできることはたくさんあるので、ペットを怪我から守るための行動を意識しましょう。それでも怪我を負ってしまったときは、適宜獣医師の判断を仰ぐことも重要です。トリミングやその後のケアを自ら行うのに限界を感じたら、専門家のサポートを受けてください。

【参考文献】