犬が吐いたらどうすればいい?考えられる原因や危険性を徹底解説!

犬 吐いた

大切な愛犬が嘔吐してしまったら心配になりますよね。嘔吐をしてしまった際に飼い主が気をつけるべきポイントは何なのでしょうか。

本記事では犬が吐いたときについて、以下の点を中心にご紹介します。

  • 犬の嘔吐について
  • 犬が嘔吐した場合考えられる原因
  • 犬が嘔吐した場合の対処法

犬が吐いたときについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

犬の嘔吐について

犬がしゃっくりをする原因は?
犬が吐く原因を教えてください
犬が吐く原因は多岐にわたり、その背後には病的なものから自然現象まで存在します。
犬が吐く原因は、主に生理的および行動的特性にあります。

生理的特性としては、犬の消化器官は人間と比べて吐きやすい構造をしていることが挙げられます。このため犬は頻繁に嘔吐することがあります。

行動的特性としては、犬の食事の仕方が挙げられます。
犬は食事の際に食べ物を細かく噛み砕くよりも、大きな塊をそのまま飲み込む習慣があります。そのため、異物を感知した際には迅速に吐き出せる体の構造を持っています。
異物誤飲による嘔吐は、中毒を引き起こす食べ物や、胃や腸管に詰まるおもちゃなどが原因のことがあります。
嘔吐を何度も繰り返したり、吐くものがなくなっても吐いたり、ぐったりしている場合は中毒が疑われます。

そのほか犬が嘔吐する原因は、食べ過ぎや急な食事の変更、ストレスや不安などもあります。

また、胃腸の先天性疾患など、病的な理由が原因の可能性もあります。
腎臓病や糖尿病、急性膵炎、胃腸炎、腸閉塞や内臓疾患なども嘔吐の原因になり得ます。これらの病気は時に命に関わることもあるため、早期の発見と適切な治療が重要です。
さらに、食物アレルギーやパルボウイルスなどの感染症、胃拡張・胃捻転症候群も犬の嘔吐に関連しています。

愛犬が吐いた場合、その原因を把握し、必要に応じて迅速な対応をとることが肝心です。
病的な原因が疑われる場合は、すぐに獣医師の診察を受けるべきでしょう。
子犬は成犬に比べて吐きやすいですか?
子犬は成犬よりも吐きやすいといえ、健康な子犬でも吐くことがあります。
子犬の体は成長段階にあり、消化器官が未発達の状態です。そのため、消化不良を起こしたり、誤って物を飲み込むことによって吐いたりします。
さらに、子犬は好奇心旺盛であるため、色々な物をかじったり、誤って飲み込んだりすることがよくあるため、成犬よりも吐く頻度が高くなります。
犬が吐かないように気をつけることはありますか?
犬の嘔吐を予防するためには、一日に3〜4回くらいに分割された食事スケジュールを採用し、空腹期間を短くすることが重要です。
また、犬の年齢、体質、成長段階に適したフードを選び、栄養バランスの考慮が必要です。
ご飯の早食いや、水の一気飲みにも注意を払いましょう。
犬が高齢の場合は、滑らかで消化の良いものなどを与えましょう。

そして拾い食いを防ぐために、散歩中はダブルリードを使用し、家の中では食べ物や誤食の危険がある物を子犬の手の届かない場所に置くなどして、常に整理整頓を心掛けることが重要です。
これらの方法を実施して、犬が不適切な物を食べるリスクを減らし、健康を守りましょう。

犬の嘔吐と病気

犬が吐いたときに、病院に連れていくべき症状を教えてください
犬が吐いた際に動物病院へ行くべきか否かの判断基準は、嘔吐物の性質や犬の全体的な健康状態によります。
以下は、病院の診察が必要とされる状況です。
これらの指標は、犬が嘔吐した際に病院へ行くべきかどうかを判断する際の重要な基準となります。

【嘔吐物の特徴】
茶色くドロドロしており、フードのにおいがする場合は消化不良の可能性がありますが、通常は心配ありません。
しかし、茶色く液状で、「古い血液」が混ざっているような場合は、急性胃腸炎や胃潰瘍などの重い症状を示している可能性があり、すぐに病院へ行くべきです。
鮮血が含まれている場合も、重大な出血の可能性があり、至急の診察が必要です。

【異物の存在】
嘔吐物におもちゃの破片やフード以外の異物が混入している場合、誤飲の可能性が高く、即座に獣医師の診察を受けるべきです。まだ胃の中に異物が残っている可能性があります。

【嘔吐の頻度と継続性】
一日に3回以上、または複数日にわたって続く嘔吐は、胃や食道への負担が大きく、深刻な健康問題のサインであるため、病院での診察が必要です。
また、吐いたものが胃液かフードにかかわらず、大量である場合は注意が必要です。

【全体的な健康状態の変化】
食欲不振、元気のなさ、軟便や下痢、震え、発熱、けいれんや倒れる、よだれが多い、呼吸が荒いなどの症状が見られる場合も、速やかに獣医師の診察を受けるべきです。

【特異な嘔吐物の色】
黒っぽい嘔吐物や、血が混じってピンク色や赤黒い色をしている場合は、吐く回数に関わらず動物病院へ行くことが推奨されます。

緑色の液体や泡の場合は、胆汁が混じった色です。空腹で十二指腸から胃液が逆流しています。これは、ストレスや極端な空腹が原因の「逆流性胃炎(胆汁嘔吐症候群)」と考えられます。
また、誤って異物を飲み込んだ際も、胆汁が大量に分泌されることがあるため、病院へ連れて行きましょう。

下記の色の場合は、吐いた後犬に元気があれば様子を見ても良いでしょう。
嘔吐物が透明な場合や、泡が混ざっていて無臭のときは、胃液や唾液が逆流している状態です。
少しだけおやつなどを与えて、空腹を解消してあげましょう。

次の食事のタイミングの手前で黄色い液を吐いた場合は、空腹による生理的な嘔吐の可能性があります。
食事のトータル量は変えずに、回数を増やすことで、空腹時の嘔吐を防げる可能性があります。
犬が吐いた場合に考えられる病気はありますか?
犬が嘔吐する原因として考えられる病気は多岐にわたります。
以下は、犬の嘔吐に関連する主要な病気の一部です。

【消化器系の疾患】
・急性や慢性の胃腸炎:胃腸の炎症が起こると、激しい嘔吐が何度も起こることがあります
・膵炎:膵臓の炎症も嘔吐の一因となり得ます
・胃腸の腫瘍:これは画像診断によってのみ確認されます
・異物誤飲:おもちゃなどを飲み込むことによる消化器の閉塞があります
・腸重積や麻痺による閉塞:腸管が重なってしまうか、動きが停止することによる閉塞です

【その他の病気】
・腎疾患:尿素窒素の上昇により嘔吐を引き起こすことがあります
・肝疾患:アンモニアの上昇が原因で嘔吐が起こることもあります
・糖尿病性ケトアシドーシス:糖尿病による体の酸性度の上昇が嘔吐の原因になることがあります

【感染症】
・犬パルボウイルス感染症
・犬コロナウイルス感染症
・犬伝染性肝炎
・犬レプトスピラ病

これらの病気は犬において嘔吐の原因となり、体力の減退や脱水を引き起こす可能性もあります。
特に子犬は、これらの症状が重篤化しやすいため、早期の受診が重要です。

犬が吐いた場合の対処法

犬 ワクチン
犬が吐いてしまったときの対処法を教えてください
犬が吐いた際の適切な対処方法にはいくつかの重要なポイントがあります。
まず、犬が吐いた直後は、胃や腸にさらなる負担をかけないために、一時的に食事や飲水を控えることで胃腸運動が落ち着くのを待ちます。

軽症の場合、犬が元気で食欲があり、嘔吐が一時的であれば、少し時間を置いてから水やフードを少量から与え始めましょう。食べた後に再び吐かなければ、徐々に通常の食事量に戻していきます。
しかし、犬の元気がない、または嘔吐を繰り返す場合は、病気が原因の可能性があります。体力の消耗を防ぐためにも早めに動物病院への受診が大切です。

また、早食いや一気飲みを防ぐために食器や給水器を工夫することや、空腹時間を短くするために食事の回数を調整することも重要です。
特に明け方に黄色い液体を吐く場合は、就寝前に少量のフードやおやつを与えるなどの対策が効果的とされています。

最後に、毛の飲み込みによる毛玉の形成を防ぐために定期的なブラッシングが必要です。特に換毛期には室内の清潔さを保ち、毛が落ちていない状態を心がけましょう。
犬が吐くリスクを減らし、快適な環境を提供してあげましょう。
病院へ連れて行くときに注意することはありますか?
犬が吐いた際に注意すべき点は以下の通りです。状況を把握しておきましょう。

嘔吐の頻度と持続性:
子犬が一日に何度も吐いてしまう場合は、異物の誤飲、感染症、胃腸炎などの深刻な病気が原因の可能性があります。
脱水症状のリスクも考慮し、速やかに動物病院に連れて行く必要があります。

全体的な健康状態:
吐いた後の子犬の状態を確認します。
元気がなく、ぐったりしている場合、膵炎やほかの重篤な疾患の可能性があり、速やかに獣医師の診察が必要です。

症状の観察:
嘔吐以外の症状も重要です。震えている、食欲が落ちている、下痢をしているなどの症状がある場合、さらに深刻な病気の可能性があります。

食後の嘔吐:
食後すぐに吐く場合、食道の病気や異物の誤飲が原因の可能性があります。
食べたものが未消化である場合は、特に注意が必要です。

便の状態:
下痢や血便がある場合は、胃腸炎、大腸炎、膵炎などの内臓系の病気やウイルス性疾患、寄生虫症などが考えられます。
特にワクチン未接種の子犬は、犬パルボウイルス感染症などの重篤な感染症に注意が必要です。
犬が吐いたときに飼い主が確認すべきことはありますか?
犬が吐いた際に飼い主が行うべき確認事項はいくつかあります。
これらは獣医師が正確な診断を下すのに役立ちます。

嘔吐物の持参:
子犬が吐いたものを捨てずに持って行くことが重要です。嘔吐物の内容物は、子犬が何を吐いたか、どの程度の量を吐いたかという重要な情報を提供します。

吐き方の観察と記録:
子犬が吐く様子を動画で撮影すると、獣医師にとって役立つ情報になります。特に吐く動作の程度、頻度、腹痛の有無などは診断の重要な手がかりです。
ただし、撮影が困難な場合は、子犬の状態を観察し、口頭で説明できるようにしましょう。

食事の記録:
最近子犬が食べたもの(主食、おやつ含む)の記録を取ることも重要です。
食べたものが新しいものか、普段から食べ慣れているものかを含めて獣医師に伝えることが大切です。

環境変化の確認:
子犬の最近の活動や環境の変化も記録しておくことを推奨します。
外出先、散歩時間、その日の気候条件などは、子犬が受けたストレスや健康状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらの情報を準備し、獣医師に提供することで、子犬の状態をより正確に理解し、適切な治療を受けることにつながります。

編集部まとめ

ここまで犬が吐いた場合についてお伝えしてきました。

犬が吐いたときの要点をまとめると、以下の通りです。

  • 犬の消化器官は人間と比べて吐きやすい構造をしている。また、犬は食事の際に食べ物を細かく噛み砕くよりも、大きな塊をそのまま飲み込む習慣があるため、異物を感知した際には迅速に吐き出せる体の構造を持っている
  • 犬の嘔吐の原因には、食べ過ぎ、急激な食事の変更、消化器系の感染症、腸閉塞や異物の摂取、内臓疾患、ストレスや不安などがある。また、異物誤飲による嘔吐も見られ、特に中毒を引き起こす食べ物や、胃や腸管に詰まるおもちゃなどが原因のことがある
  • 犬が嘔吐した場合は、一時的に食事や飲水を控えることで胃腸運動が落ち着くのを待つ。また、嘔吐物や嘔吐の頻度、状況などを確認し、場合によっては動物病院へ連れて行く

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考文献