旅行や出張などで家を空ける際、猫を預けられるペットホテルはとても便利な施設です。しかし、猫は環境の変化に敏感なため、慣れない場所でストレスを感じることがあります。
この記事では、ペットホテルで猫が感じるストレスの要因や生じる変化、ストレスを軽減する方法を詳しく解説します。
猫に負担をかけずにペットホテルを利用するためのポイントを知って、猫がペットホテルで快適に過ごせるようにしましょう。
ペットホテルとは
ペットホテルは、飼い主が不在の間に猫を預かり、食事・トイレの世話・健康管理などを行う施設です。しかし、猫は環境の変化に敏感なため、ペットホテルの滞在がストレスとなることもあります。
猫がペットホテルでなるべくストレスを感じず過ごせるように、施設を選ぶ際に次のようなことを確認しましょう。
- 猫専用のエリアがあるか
- 個室タイプかケージタイプか
- ほかの動物との接触があるか
- 食事の持ち込みや特別なケアができるか
- スタッフの質や設備が充実しているか
ペットホテルは施設によって環境やサービスが異なるため、滞在前に施設を見学させてもらいましょう。猫専用のエリアがあるかどうかや、個室とケージのどちらで預けることになるのかを把握しておくと安心感を得られます。
また、猫は警戒心が強いため、ほかの動物との接触がない方がストレスが少なくなります。食事の持ち込みが可能な施設を選ぶと、猫の食生活を維持しやすくなるでしょう。
スタッフの対応や設備の清潔さも、ペットホテルの快適さに影響を与えます。猫の性格や健康状態を考慮しながら、適切な施設を選びましょう。
ペットホテルで猫がストレスを感じる原因
猫は、環境の変化に敏感な動物です。ペットホテルに預けられることでストレスを感じる原因は、以下の3つが考えられます。
- ケージの中で過ごすストレス
- ほかの動物によるストレス
- 慣れない環境でのストレス
それぞれのストレス要因を詳しく解説します。
ケージの中で過ごすストレス
ペットホテルでは、安全管理のためにケージ内での滞在が一般的です。自由に動き回ることができない環境は、猫にとってストレスの要因になります。
猫は本来、狭い場所を好む習性がありますが、それはあくまで自分の意思で移動できる場合です。ケージの中で自由が制限されるとストレスを感じやすく、落ち着かない様子を見せることがあります。場合によっては、鳴き続けることもあります。
特に活動的な猫や、普段から広い空間で過ごしている猫にとっては、ケージ内での生活は大きな負担です。猫が少しでも快適に過ごせるか、事前にホテルの設備や環境を確認しておきましょう。
ほかの動物によるストレス
ペットホテルでは、犬やほかの猫と同じ空間にいることが一般的です。猫は単独行動を好む動物なため、見知らぬ動物の存在や鳴き声はストレスの原因になります。
猫は、犬の鳴き声やほかの猫との接触によって恐怖を感じることがあり、落ち着かなくなることがあります。
また、攻撃的な性格の猫や神経質な猫にとっては周囲の動物の気配が大きな不安要素となり、食欲の低下や体調不良につながることもあるので注意しましょう。
こうしたリスクを避けるため、猫専用の個室があるペットホテルを選ぶことが望ましいです。
慣れない環境でのストレス
猫は環境の変化に弱く、新しい場所に適応するまでに時間がかかることがあります。ペットホテルのような慣れない環境では、普段と異なる匂いや音に囲まれるため、猫が強く警戒することがあるので注意しましょう。
普段あまり外出しない猫にとっては、ホテルの空間やスタッフとの接触そのものがストレスとなって、食欲が落ちたりトイレを我慢したりすることがあります。
また、飼い主と離れること自体が不安につながるため、ホテルの環境に慣れるまで時間が必要です。ペットホテルでのストレスを軽減するためには、猫が安心できるアイテム(おもちゃや毛布など)を持参するのもおすすめです。
猫を預ける前に、ホテルの環境を確認しておくことも忘れずに行いましょう。
ペットホテルのストレスで生じる猫の変化
ペットホテルに預けられた猫は、環境の変化によるストレスから、さまざまな行動や体調の変化を示すことがあります。以下の3つがよく見られる変化です。
- 食欲不振
- トイレに行かない
- 性格が変わる
ペットホテルのストレスで生じる猫の変化を詳しく解説します。
食欲不振
猫は環境の変化に敏感で、ペットホテルのような慣れない場所では食欲が低下することがあります。普段と異なる匂いや食器、フードに警戒し、食べることを避けるケースも少なくありません。
食事を摂らない状態が続くと、体調に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、普段から食が細い猫や神経質な猫は、より強いストレスを感じやすいため注意が必要です。
ペットホテルへ預ける際は普段と同じフードや食器を持参し、できるだけ環境を変えない工夫をしましょう。
トイレに行かない
猫はトイレの環境が変わることに対して敏感です。ペットホテルでは、トイレの匂いや猫砂の種類が異なるため、排泄できずに我慢してしまうことがあります。
排泄を長時間我慢すると、膀胱炎や便秘などの病気につながる可能性があります。排尿をしない状態が続くと尿路結石のリスクが高まるため、特にトイレが変わることを気にする猫には事前の対処が必要です。
ペットホテルに預ける際は、普段使用している猫砂やトイレシートを持ち込むと、猫が安心感を持ちやすくなるでしょう。
性格が変わる
ストレスの影響で、猫の性格が一時的に変化することがあります。普段は穏やかな猫が攻撃的になったり、逆に活発な猫がおとなしくなったりするケースも見られます。
これは、環境の変化による緊張や不安からくるストレスが原因となっている可能性が高いです。長期間ペットホテルに滞在した猫ほど、帰宅後に性格の変化が見られやすくなります。
性格の変化を小さく抑えるためには、帰宅後は無理に構わず、猫が落ち着くまで静かに見守ってあげましょう。また、早くいつもの生活リズムを取り戻せるよう、帰宅前に清潔なトイレやいつもの寝床など安心できる環境を整えてあげるとよいです。
ストレス軽減のための対策
猫をペットホテルに預ける前には、できるだけストレスを軽減する工夫が必要です。以下の5つの対策を行って、猫が快適に過ごせるようにしましょう。
- お気に入りのおもちゃを持たせる
- 普段の猫の様子を伝えておく
- お気に入りの食事やおやつを預けておく
- スタッフに慣れさせる
- 預ける前に動物病院で健康チェックを行う
詳しく解説します。
お気に入りのおもちゃを持たせる
猫は環境の変化に敏感なため、慣れない場所では不安を感じやすいです。そのため、普段から使い慣れているおもちゃやブランケットなどを持参すると、安心感を得られやすくなります。長時間の滞在が予想される場合は、猫の快適な環境を整えてあげましょう。
お気に入りのアイテムがあることで、猫は自宅の匂いを感じながら過ごすことができて精神的に安定し、暇を持て余すことを防ぎます。遊びを通じてストレスを発散できるため、ホテルでの時間がいくらかでも快適なものになるでしょう。
猫が好んで遊ぶものを選び、できるだけ普段の生活に近づける工夫をしましょう。
普段の猫の様子を伝えておく
猫をペットホテルに預ける際には、ペットホテルのスタッフに猫の性格や生活習慣を伝えておくのがおすすめです。人見知りの猫であれば、無理に接触せずに静かに過ごせる環境を用意してもらえます。
普段の食事の時間や好きな遊び方、トイレの癖なども伝えておきましょう。ペットホテル滞在中の猫の負担を軽減できます。
健康状態や既往歴も伝えておきましょう。アレルギーや特定の食べ物に対する反応などを伝えておくと、猫にとってより快適な環境が整うでしょう。
お気に入りの食事やおやつを預けておく
猫は食べ慣れたフード以外を警戒して、環境の変化によって食欲が低下することがあります。そのため、普段食べている食事やおやつを預けると、食事のストレスを減らせます。
食事の時間が決まっている場合は、そのスケジュールに沿って食事を提供してもらうよう依頼するとよいでしょう。できるだけ普段と同じ食事環境を整えることが大切です。
食事の温度や食器の種類など、細かな点も可能であれば伝えておくとよいでしょう。猫は嗜好がはっきりしているため、小さな変化でも食欲が低下することがあります。
スタッフに慣れさせる
猫をペットホテルのスタッフに慣れさせると、不安感を軽減できます。預ける前に短時間の訪問を行い、スタッフと顔を合わせる機会を作って、猫に少しずつ慣れさせましょう。
スタッフに猫の扱い方を知ってもらうと、適切な対応を受けやすくなります。滞在中に猫が安心感を得られるよう、スタッフがどのように接するかを相談しておくのも有効です。
猫が好む触れ合い方や、落ち着く環境の作り方を伝えておくと、ストレスを軽減できます。猫にとって、スタッフとの相性は重要なポイントとなるため、事前に打ち合わせを行いましょう。
預ける前に動物病院で健康チェックを行う
猫をペットホテルに預ける前に、動物病院で健康状態を確認しておくことも重要です。体調が優れない状態で預けると、環境の変化によるストレスが重なり、体調を崩すことがあります。
持病の有無やワクチン接種の有無を確認すると、ペットホテル滞在中のトラブルを防ぐことができます。健康状態を事前にチェックし、安全性が高く過ごせるよう準備を整えましょう。
感染症対策としてワクチン接種を済ませておくことや、ノミ・ダニ予防を行っておくことで、ペットホテルでの滞在がより安全性を高くできます。健康面の管理を徹底し、猫が快適に過ごせる環境を整えましょう。
ペットホテル選びのポイント
猫をペットホテルに預ける際、施設の選び方によって猫のストレスを大きく軽減できます。以下の2つのポイントを確認しましょう。
- 猫専用エリアがあるかチェックする
- ほかの利用者のレビューをチェックする
順に解説します。
猫専用エリアがあるかチェックする
ペットホテルを選ぶなら、猫専用エリアがあるか確認しましょう。猫は環境の変化やほかの動物との接触に敏感であり、特に犬の鳴き声や匂いがストレスの原因となることがあります。
ペットホテルのなかには、猫専用のフロアや防音設備を備えた施設もあるのでチェックしましょう。個室タイプの部屋は、猫が自分だけの空間でリラックスできるため、ストレス軽減に効果的です。
共同スペースでは、ほかの動物の存在や人の出入りによって緊張する可能性があるため、猫が静かに過ごせるスペースが整っているか事前に確認しましょう。
また、猫にとっては小さなケージよりも大きめのケージの方がいくぶんストレスが緩和されるという研究結果もありますので、気になる方は参考にしてみましょう。
ほかの利用者のレビューをチェックする
ペットホテルを選ぶ際は、ほかの利用者のレビューも参考になります。実際に利用した飼い主の意見は、施設の雰囲気・スタッフの対応・猫がどのように過ごせるかなどを把握しやすいです。
清潔さや安全性、スタッフの対応の評価が高いホテルは、安心感があります。猫が落ち着いて過ごせたとか、スタッフの対応が丁寧などのレビューがある施設は、信頼性が高いです。
ホテルの公式サイトだけでなく、SNSやペット関連のレビューサイトも活用できます。よい評価だけでなく、マイナスの意見もチェックし、猫にとって適切な環境が整っているかを見極めましょう。
帰宅後の猫のケア
ペットホテルから帰宅した猫は、長時間慣れない場所で過ごした影響で、落ち着かない様子を見せたり食欲が低下したりすることもあります。猫の状態を注意深く観察し、適切なケアを行いましょう。
帰宅後のケアのポイントは以下のとおりです。
- 静かな環境でゆっくり休ませる
- 食事の管理に気をつける
- トイレの様子を確認する
- 生活リズムを崩さないようにする
帰宅直後は無理に構わず、猫のペースに合わせて静かに過ごさせましょう。普段の行動パターンや様子がもとに戻り、猫がリラックスしてくればストレスから回復できています。
普段のフードを与え、食事の様子を確認しましょう。トイレの使用状況にも注意し、排泄を我慢していないか観察するのも大切です。異常があれば早めに獣医師に相談しましょう。
生活リズムをできるだけ崩さず、遊びやスキンシップは猫の様子を見ながら無理のない範囲で行います。焦らずに、様子を見守りながらケアを行いましょう。
まとめ
ペットホテルは飼い主が不在の間、猫を預けることができる便利な施設ですが、環境の変化がストレスとなることがあります。猫が快適に過ごせるようにするためには、事前の準備やホテル選びに注意しましょう。
ペットホテルのケージでの生活・ほかの動物の存在・慣れない環境で、猫はストレスを感じます。ストレスを軽減するためには、普段使い慣れたおもちゃや食事を持参し、スタッフに猫の性格や習慣を伝えておくと効果的です。
猫専用エリアのあるホテルを選ぶのもおすすめです。ペットホテルの利用後は、無理に構わず落ち着ける環境を整えます。生活リズムを崩さず、健康状態を注意深く観察し、異常があれば早めに獣医師に相談しましょう。
安心感のある環境を整え、猫の負担を小さく抑えて、猫が快適にペットホテルを利用できるようにしましょう。
参考文献