しつけ教室は1歳の犬でも効果がある?通う期間や1歳を過ぎた場合のしつけ内容も解説

ワンコの顔(トイプードル)

犬のしつけは、幼い頃にしなければいけないと考えていませんか。実は、犬は何歳からでもしつけが可能です。

犬が幼い頃であればあるほど順応性が高く、しつけがスムーズにできるメリットがありますが、1歳からしつけ教室に通っても十分に効果を期待できます。

では、しつけ教室に通う時期やタイミングはいつがベストなのか、1歳を過ぎたときのしつけ内容にはどのようなものがあるのか詳しく解説していきます。

しつけ教室は1歳の犬でも効果がある?

上を見る柴犬

犬の1歳は、人間での12〜15歳に該当するといわれており、まだまだ好奇心旺盛で遊びたい盛りの子どもです。そのため、1歳でもしつけ教室に通う効果は十分あります。

ただ、6ヶ月〜1歳前後になると自我が芽生えてきて、子犬の頃よりもしつけが難しくなります。

しつけ教室では、基本的なお手や伏せ、おすわりから散歩や吠え癖防止などの応用的なコマンドまで教えてもらえるので、しつけがうまくいかない方におすすめです。

犬が覚えても飼い主の指示を聞いてくれないと意味がないので、愛犬だけでなく飼い主も一緒にしつけ方法を身に付けることが重要になります。

犬のしつけ教室に通うタイミング

窓際にいる笑顔の老犬

犬のしつけ教室は、基本的に自我が芽生える前の子犬の頃がおすすめです。

子犬の頃は外部に対しての恐怖心や不安を感じにくいため、どのような状況でもスムーズに受け入れられ、人間社会に順応しやすくなります。

では、犬のしつけ教室に通うタイミングはいつがよいのか、詳しくみていきましょう。

社会化が始まる前が適切

しつけ教室に通う年齢は、一般的に生後3〜4ヶ月が適切だといわれています。生後3〜4ヶ月の子犬は、外の世界に強い興味を持ち好奇心旺盛で柔軟に吸収できる時期のため、社会化を学ぶのに適切な時期です。

外でいろんな犬と触れ合ったりじゃれ合ったりすることで犬同士の距離感や噛む力加減、遊び方などを学び、人間社会に順応できる力を養います。

また、積極的に外に出て車の音や工事の音、知らない人や犬と触れ合う機会を設けておくことも重要です。

日常生活で耳や目に入るものに慣れさせておくことで、過剰反応することなく、大きくなってからも落ち着いて生活できるようになります。

順応性が高く、物怖じしない子犬の頃にいろいろな物や音に慣れさせておきましょう。

1歳程度でも改善しやすい

生後3〜4ヶ月を過ぎてしまっても、6ヶ月〜1歳程度であれば、まだ改善できる年齢です。1歳はまだ子犬の時期なので、物覚えが早く柔軟性もあるため、比較的早い段階で社会性を身につけられます。

ただ、生後3〜4ヶ月の頃よりも知らない人や物、音などに反応しやすいため、しつけに時間がかかることを理解しておきましょう。

早い段階でしつけ教室に通うことで、問題行動の予防や愛犬へかかるストレスも軽減できます。

成犬になったら要相談

成犬になってもしつけ教室に通うことはできますが、教室によっては年齢制限を設けているケースもあります。

成犬になると子犬の頃よりも覚えるスピードが遅くなったり、これまでの生活で身についた習慣が抜けなかったりして、なかなかトレーニングの成果が得られないことも少なくありません。

特に、保護したときや拾った場合には、過去に人間に嫌なことをされた経験や記憶をもっているケースもあります。

人間を信頼できないと、知らない人間に吠えてしまったり噛み癖があったりと重度な問題行動を抱えていることも少なくありません。成犬でしつけ教室に通う際には相談をしましょう。

犬のしつけ教室に通う時期

公園で犬と遊ぶ女性

犬のしつけ教室には、教室に通う通学型と自宅でトレーニングをしてもらえる出張トレーニング、一定期間犬を預けてトレーニングをする預かり訓練の3種類に分けられます。

どれもドッグトレーナーがしつけをしてくれるものですが、それぞれに特徴や違いがあります。

では、それぞれの特徴や教室に通う時期はいつがよいのか、おすすめの年齢についてみていきましょう。

教室に通う場合

通学型は、ペットをトレーニング施設に連れていき、1日5〜8時間ほど預けてドッグトレーナーから指導を受ける方法です。

人間の保育園や幼稚園のように、ほかの犬がいる環境でトレーニングを受けられるため、ほかの犬と交流をしながらトレーニングできる点がメリットといえるでしょう。

しつけ教室に通う年齢は、生後3〜4ヶ月が適切です。基本的なしつけをメインにしており、トイレトレーニングや軽い吠えクセがある場合でも対応が可能です。

また、しつけ教室によってはグループレッスンのほかに個人レッスンも行っている場合もあるため、体験の際に愛犬に合う方法を選びましょう。

出張で教えてもらう場合

ドッグトレーナーに出張してもらい、教えてもらう方法もあります。ドッグトレーナーが自宅を訪問し、自宅や近くの公園などでトレーニングを行います。個人レッスンとなるので、特に年齢制限なく、しつけをしてもらうことが可能です。

ほかの犬との交流は少ないですが、その分、愛犬の様子やトレーニングの結果がわかりやすい点がメリットに挙げられます。

ドッグトレーナーとも相談しやすく、困ったことや悩んでいることを伝えると、トレーニングに反映してもらうこともできます。柔軟な対応ができるのも出張トレーニングのメリットです。

また、飼い主にも正しい指示の仕方や犬との接し方を教えてもらえるので、愛犬だけでなく飼い主もレベルアップを目指せます。

預かりで教えてもらう場合

しつけ教室に一定期間、ペットを預けて専門的にトレーニングをしてもらう預かり訓練という方法もあります。生後2ヶ月から成犬まで、ほぼ年齢制限なく利用可能です。

ドッグトレーナーがスケジュール管理を行い毎日トレーニングを実施するため、基本的なしつけから問題行動まで、しっかりと改善できるトレーニングをしてくれます。

愛犬の性格や年齢に合わせたレッスンを作成してくれるため、短期間で目標達成できることでしょう。

ただ、愛犬の年齢や問題行動のレベルなどによって預ける期間が大きく変わるため、事前に預ける期間を相談しておくのがおすすめです。

1歳を過ぎた場合のしつけ内容

犬の散歩

1歳を過ぎた場合でも、しつけの内容は子犬の頃とほとんど変わりません。

子犬の頃はスムーズにできたことでも、1歳を過ぎると時間がかかってしまうので、諦めずに何度も同じことを繰り返すことが重要です。

では、1歳を過ぎた場合のしつけ内容についてみていきましょう。

社会化への慣れ

人間社会で暮らしていくためには、いろいろな音や物、人間や犬などに過剰に反応することなく落ち着いて暮らすことが重要です。

犬は兄弟や姉妹でじゃれ合うことで、犬同士の関係や距離感、噛む力の加減などを勉強します。しかし、子犬の頃にじゃれ合う機会がないと社会性が養われず、人間社会で暮らすことが大きなストレスになります。

愛犬がストレスなく快適に暮らすためにも、外部と積極的に関わり多くの経験を積みましょう。

無駄吠えや噛み癖対策

犬が無駄吠えをしたり噛んだりするのは、ストレスやなにか意思を示したいときです。

1歳の犬は、人間でいうと12〜15歳ほどと、まだまだ落ち着きがなく好奇心や恐怖心など複雑な感情を抱いています。そのため、なにかに過剰反応して吠えていたり、運動不足でストレスが溜まっていたりして噛み癖につながっているケースがほとんどです。

愛犬が、いつどのようなタイミングで吠えたり噛んだりしているのか原因を見つけて把握することで、吠えたり噛まなくてよい状況を作ります。

もし、ストレスを感じている場合は思いっきり運動をしたりスキンシップを増やしたり、噛んでもいいおもちゃを与えたりしてストレスを解消しましょう。

身体のどこに触れても平気にする

体のどこに触れても平気にするのは、犬や人に怪我を負わせないために必要なことです。

触られることに慣れていない犬の場合、知らない人の手が近づいてくるだけで恐怖を感じ、自分を守るために吠えたり噛んだりしてトラブルの原因になります。

まずは、飼い主が愛犬とのスキンシップを大切にして、触られることは気持ちよいことだと学ばせましょう。

顎下や首のあたりから、口周り足元、お腹、耳や尻尾など、徐々に犬が嫌がる部分にもチャレンジして慣れさせます。ゆっくりと声をかけながら優しく撫でてあげることが大切です。

また、友人や知人に協力してもらい、飼い主以外の人間にも慣れさせます。友人や知人からご飯やおやつをあげることができたら、撫でる範囲を広くして人慣れさせていきましょう。

散歩や留守番ができるようにする

1歳になる犬には、飼い主に合わせて散歩ができるようにしたり、一人でも留守番ができるように訓練しましょう。

散歩のときに飼い主よりも前に出てリードをピンと引っ張ってしまうと、犬が好きなように散歩ができると勘違いしたり、人や自転車とぶつかったりしてしまう可能性があります。

飼い主よりも前に出ると危ないため、リードを短く持ち、飼い主より前に出たらストップする行動を繰り返して前に出ないように指導しましょう。

また、長時間の留守番も一人でできるようにしつけておきましょう。飼い主がいきなりいなくなると不安な気持ちから吠え癖がついてしまったり、分離不安症を発症したりするケースがあるので、留守番ができるように教えます。

まずは、犬を一人にして数秒たったら戻るを繰り返し、少しずつ飼い主がいない環境に慣れさせます。このとき、「行ってきます」と言わずに出かけることがポイントです。

また、お気に入りのおもちゃや飼い主の匂いがするブランケットなどを用意しておくと安心感を得られるので、用意しておきましょう。

犬のしつけ教室を選ぶポイント

くっついて並ぶミニチュアダックスフンド

犬のしつけ教室を選ぶポイントは以下のとおりです。

  • 教室の雰囲気や方針が合っているか
  • 訓練内容の充実さ
  • 料金体系の明確さ
  • トレーナーの指導力

しつけ教室に入る前に、教室の方針や訓練内容の充実さを把握して、愛犬に合った教室か見極めることが大切です。実際に体験入学をし、指導しているところを見学してトレーナーがどのような接し方をしているのか確認しましょう。

では、犬のしつけ教室を選ぶポイントを詳しくみていきます。

教室の雰囲気や方針が合っているか

しつけ教室やドッグトレーナーによって、トレーニングのやり方や考え方はさまざまです。どのような指導を行っているのか把握し、その方法が愛犬に合っているか確認しましょう。
まずは、体験をして愛犬の性格に合った指導方法やトレーニング方法なのか、飼い主自身も愛犬ために頑張れる環境であるかをしっかりと見極めることが重要です。

訓練内容の充実さ

しつけ教室を選ぶには、訓練内容を理解することが重要です。一般的に、基本的なコマンドから実生活で使える応用コマンドまで、順を追って学べるようプログラムされています。

また、問題行動改善のプログラムや社会化トレーニングなど豊富な訓練内容を用意しているしつけ教室もあるので、どのような訓練内容を行っているのか確認しましょう。

料金体系の明確さ

料金体系の明確さも重要なポイントです。料金に含まれる訓練内容が明確か、追加オプションや複雑な料金体系ではないことを確認しましょう。

複雑な料金体系の場合、追加オプションで最初に聞いていた金額とは異なる額になっていた、というようなトラブルに発展しかねません。

料金体系が明瞭でわかりやすい、しつけ教室を選びましょう。

トレーナーの指導力

ドッグトレーナーの経験や実績を確認し、指導力をチェックしましょう。

多くの犬を指導してきた経験を持つ場合でも、具体的にどのようなトレーニングをしているのか、相性のいいトレーナーであるかを見極める必要があります。

過去の利用者さんの話を聞き、最終的にどのような成果を得られたのかを参考にすることで、よいトレーナーを見つけられるでしょう。

また、トレーナーの得意分野や専門分野を調べておくことで、愛犬が目指すゴールが明確になり、トレーニングの成果を得やすくなります。大事な愛犬を預けるためにも、信頼できるトレーナーを見つけましょう。

自宅でも1歳を過ぎた犬のしつけはできる?

ポーツウェアで犬の散歩をする女性

自宅でも1歳を過ぎた犬のしつけはできます。ただ、1歳を過ぎると自我が芽生えているためスムーズにしつけを受け入れることが難しく、多くの時間を必要とします。

1歳のしつけには愛犬だけでなく、飼い主も根気が求められることを覚えておきましょう。

そもそも犬のしつけは、犬の行動を制限するものではなく、飼い主も愛犬もストレスなく日常生活を送るために必要なものです。

飼い主が一貫性を持って指導すること、その場ですぐに対応することで犬も少しずつ理解し、しつけは辛いものではないと覚えてくれます。しつけができれば、お互いが落ち着いて生活できるので、快適な日常生活を送れます。

1歳以上のしつけには時間がかかるものなので、焦ることなく愛犬のペースに合わせて楽しみながら根気強く続けましょう。

まとめ

飼い主と散歩する犬

1歳からでもしつけ教室に通う効果は十分にあります。ただ、生後3〜4ヶ月の子犬の頃よりも、指導やトレーニングが難しくマスターするまでに多くの時間と根気が求められます。

しかし、しつけが完了すれば飼い主だけでなく愛犬もストレスなく快適に過ごせるため、できれば早めにするとよいでしょう。

しつけは辛いものではなく、人間社会で暮らすために必要なスキルです。愛犬を叱りたくない、しつけのやり方がわからない方はぜひ、プロの力を頼ってみてはいかがでしょうか。

参考文献