ペットの爪切りは、健康管理として大切なケアです。しかし、自宅での爪切りが難しい場合や、ペットが嫌がるためにうまくできないこともあります。そんなときは、動物病院での爪切りサービスの利用がおすすめです。
本記事では動物病院の爪切りについて以下の点を中心にご紹介します。
- 動物病院で犬や猫の爪切りができるのか
- 動物病院で行う爪切りの流れや必要な持ち物とは
- 動物病院で爪切りをする頻度やかかる費用
動物病院の爪切りについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
動物病院での爪切りについて
- 動物病院で犬や猫の爪切りはできますか?
- 「体調に問題がないのに、爪切りだけのために動物病院へ行ってもいいのかな?」と心配する必要はありません。動物病院では、爪切りだけを目的に訪れる飼い主さんも少なくありません。さまざまな病院で爪切りの依頼が日常的に行われているようです。
例えば、1日に20〜30組が受診する動物病院では、そのうち2〜3組が爪切りのためだけに訪れることもあるといいます。地域のかかりつけ動物病院ではこのような利用は珍しくありません。
爪切りや耳掃除などの日常的なケアはトリミングサロンのイメージが強いですが、動物病院でも問題なく対応してもらえることが多いとされています。獣医師や動物看護師は動物の扱いに慣れており、適切に爪切りを行う技術を持っています。そのため、自宅で爪切りを試して失敗した経験やトリミングサロンが苦手なペットを飼っている方にもおすすめです。
爪を切りすぎて出血するリスクが心配される場合、動物病院には専門的な知識を持つスタッフがいるため、万が一出血した場合でも迅速に対応してもらえます。
- 犬や猫の爪を切らないとどうなるのか教えてくだい
- 犬や猫にとって爪は重要な役割を果たしていますが、正しく手入れされていないと健康や生活に悪影響を及ぼす可能性があります。
爪を切らないとどうなるのか、犬と猫に分けて解説します。
【犬の場合】
犬の爪は放置するとカーブ状に伸び、肉球に刺さる可能性があります。この傷が原因で炎症や感染が起こり、痛みを伴うことがあります。
また爪が長い状態では、物に引っかかって折れるリスクも高くなります。犬の爪には血管や神経が通っているため、爪が折れると強い痛みや出血を引き起こします。
さらに、爪が過度に伸びると肉球が地面にしっかり接触できなくなり、歩行が不安定になって転倒しやすくなることもあります。また、伸びた爪で耳を掻く際に傷をつけてしまい、外耳炎などを引き起こす場合もあります。
【猫の場合】
猫は通常、爪とぎをして古い爪を剥がし、爪の長さを適切に保っています。しかし高齢の猫や爪とぎをしなくなった猫では、爪がどんどん太く長くなり、巻き爪が起こりやすくなります。よって、爪が物に引っかかって折れたり、猫自身が怪我をするリスクが高まります。室内飼育の猫では、尖った部分を定期的に切り揃えることがおすすめです。
- 動物病院で爪切りをするメリットを教えてください
- 動物病院で爪切りをするメリットは以下のとおりです。
・迅速な対応
動物病院では、動物の扱いに慣れた獣医師や看護師が対応してくれます。ペットをしっかりと保定し、素早く爪を切るため、ペットが感じるストレスを抑えられるとされています。自宅で苦労しながら長時間かけるより、病院で数分で終わる方が、ペットにとっても飼い主にとっても負担が少なくなるでしょう。
・健康チェックや耳掃除が一緒にできる
爪切りをしてもらう際、健康状態の簡単なチェックや耳掃除を同時に行うことも可能とされています。気になる症状がある場合、その場で相談できるのもよいところです。
・爪切りのコツを学べる
動画サイトなどで爪切りの方法を調べても、実際にやってみると難しい場合があります。動物病院では、獣医師や看護師が目の前で爪切りを行う様子を観察できたり、直接アドバイスをもらったりできる場合があります。
・時間の節約になる
動物病院でなら爪切りを数分で済ませられます。散歩のついでに病院に寄るだけで済むため、ペットにも飼い主にも負担が少なくなります。
- 動物病院で爪切りをするデメリットを教えてください
- 動物病院で爪切りをするデメリットは以下のとおりです。
・移動時間や交通費がかかる場合がある
動物病院が自宅から遠い場合、通院に時間がかかり、交通費が必要になることもあります。しかし自宅であれば、爪切りの道具が揃っているだけで、空いた時間に手軽に爪切りが行えます。
・費用が発生する
動物病院で爪を切るには処置代が必要です。自宅で道具を使えば無料で済みますが、動物病院で爪切りを頼むと費用が発生します。
・混雑による待ち時間が発生することも
病院の状況や訪れる時間帯、曜日によっては、待ち時間がかかる場合があります。なかでも予防接種が集中する春は混雑しがちです。この場合、予防接種や定期健診の際に爪切りを一緒に依頼するなど、計画的にスケジュールを組むことで効率的に時間を使えるでしょう。
また、事前に混雑状況を確認して予約を入れるのもおすすめです。
動物病院で行う爪切りの流れや必要な持ち物
- 動物病院ではどのような流れで爪切りを行いますか
- 動物病院では、以下のような流れで行われます。
1. 予約を取る
事前に予約ができる場合は、予約を入れるのがおすすめです。予約なしで向かうと、混雑時には長時間待つことになる場合があります。
2. 受診と受付
病院に到着したら受付を済ませ、待合室で順番を待ちます。
3. 診察室やトリミングルームへ移動
案内にしたがって指定された場所へ移動し、獣医師やスタッフに対応してもらいます。
4. 爪切りの実施
専門の獣医師やトリマーが、ペットの状態に合わせて爪切りを行います。
5. 料金の支払い
爪切りが終わったら、受付で料金を支払い終了です。
爪切りの流れを事前に理解して予約を入れておくことで、当日スムーズに爪切りをしてもらえます。
- 動物病院での爪切り当日に必要な持ち物を教えてください
- 動物病院へ急に行くことになった場合でも慌てずに済むよう、必要な持ち物を日頃からまとめておくのがおすすめです。以下に必要な持ち物をご紹介します。
1. 診察券
動物病院での受付をスムーズに進めるために、診察券を忘れずに持参しましょう。
2. ペット保険証
ペット保険に加入している場合は保険証を持参するのがおすすめです。基本的に、お手入れである爪切りは保険の対象にはなりませんが、動物病院が保険対応しているかどうかは事前に確認しておくのがよいでしょう。
3. 現在服用中の薬
現在投与中の薬があれば必ず持参しましょう。治療方針を決める際に役立ちます。
4. 直近の検査結果
かかりつけ病院やこれまでに行った病院での検査結果があれば、一緒に持って行くと診察がスムーズです。
5. ワクチン証明書
初診の場合や、特定の病気の診察ではワクチン証明書が必要なことがあります。念のため持参するとよいでしょう。
6. 首輪やリード
動物病院はペットにとって慣れない環境であるため、緊張から予期しない行動をすることがあります。脱走や事故を防ぐために、首輪やリードをしっかり装着しておきましょう。
7. 現金
診察内容によっては予想以上の費用がかかる場合もあります。また、一部の動物病院ではクレジットカードや電子マネーが使えないこともあるため、現金を用意しておくのがおすすめです。支払い方法については、事前に病院のホームページなどで確認しておくとよいでしょう。
事前に持ち物をあらかじめまとめておくことで、突然の受診にも落ち着いて対応できます。
動物病院で爪切りをする頻度やかかる費用について
- 動物病院で爪切りをする頻度を教えてください
- 犬や猫の爪切りの頻度は、個体差や生活環境により異なりますが、目安を知っておくと便利です。
【犬の場合】
運動量が多い犬は、散歩の際に地面と爪が擦れるため、自然に爪が削れます。そのため、爪切りは月に1回程度が適切とされています。一方、室内で過ごす時間が長い犬では自然に削れることが少ないため、月に2回ほどのケアが必要です。
切るタイミングは、爪の先が床に触れたり、歩行中に爪が擦れる音が聞こえる場合が目安となります。
【猫の場合】
猫の爪は犬よりも早く伸びるため、ケアの頻度がやや高くなります。生後1年未満の子猫は、爪が速く成長するため、10日に1回のケアがおすすめです。成猫になると伸びる速度が少し遅くなり、2〜3週間に1回のペースで爪をチェックし、必要に応じてカットするとよいでしょう。
適切な頻度で爪切りを行うことで、ペットの健康を守り、快適な生活をサポートすることができます。爪の状態を日常的に確認し、長くなりすぎる前にケアをするよう心がけましょう。
- 動物病院での爪切りにかかる費用を教えてください
- 動物病院での爪切りの費用は500円〜1000円ほどです。ただし、診察料が別途必要な場合もあるため、最終的な費用は2000円以内に収まることが多いようです。
編集部まとめ
ここまで動物病院の爪切りについてお伝えしてきました。動物病院の爪切りの要点をまとめると以下のとおりです。
- 動物病院での爪切りは可能とされている。動物病院では爪切りだけを目的に訪れる飼い主さんも少なくない。さまざまな病院で爪切りの依頼が日常的に行われている
- 犬や猫の爪は正しく手入れされていないと、健康や生活に悪影響を及ぼす可能性がある。犬の場合は伸びた爪を放置するとカーブ状に伸び、肉球に刺ささり、炎症や感染が起こり痛みを伴うこともある。猫は爪が伸びすぎて、爪が物に引っかかり折れたり、猫自身が怪我をしたりする可能性がある
- 動物病院で爪切りをするメリットは、迅速な対応や健康チェック、耳掃除が一緒にできる可能性があること。デメリットは移動時間や交通費がかかる場合があること、費用が発生することなどが挙げられる
動物病院での爪切りは健康チェックも兼ねているため、ペットの健康管理においてとても大切です。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。