犬が寝すぎてしまう原因は?病気が疑われる場合や犬が安眠できる環境について解説します!

犬が寝すぎてしまう原因は?病気が疑われる場合や犬が安眠できる環境について解説します!

犬が1日の大半を寝て過ごしていると、「寝すぎでは?」と心配になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。実は、犬の睡眠時間には年齢や体格、環境が大きく関わっています。しかし、寝すぎの裏に病気が潜んでいる可能性もあるため、注意が必要です。

本記事では犬が寝すぎてしまう原因について以下の点を中心にご紹介します。

  • 犬の睡眠時間
  • 犬が寝すぎてしまう原因
  • 犬の安眠のためにできること

犬が寝すぎてしまう原因について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

犬の平均睡眠時間

犬が寝すぎているのですが問題ないでしょうか?
犬の平均睡眠時間は成犬で1日約12~15時間とされ、体が大きい犬種ほど長くなる傾向があります。また、子犬や老犬は成犬よりもさらに長く、18~20時間以上眠ることも珍しくありません。
そのため、愛犬が寝すぎていると感じることがあっても、年齢や体格、生活リズムを考慮すると、あまり問題がない場合が多いようです。

犬が長時間寝る理由の一つに、眠りが浅く、細かく分けて眠る特性が挙げられます。これは、野生で敵に備えるための名残といえるでしょう。ただし、急に睡眠時間が増加したり、体調不良の兆候が見られる場合には注意が必要です。
体調の変化やストレスが原因の可能性もあるため、異常を感じたら獣医師に相談することをおすすめします。
犬の年齢によって睡眠時間は異なりますか?
犬の睡眠時間は年齢によって大きく異なります。
子犬の時期には、心身の成長に多くのエネルギーを使うため、1日18~20時間以上の睡眠が必要とされています。この時期に睡眠不足になると、成長に悪影響を及ぼす可能性があるため、十分に休める環境を整えてあげることが重要です。
一方、成犬の睡眠時間は平均して12~15時間程度で、個体差や生活環境によっても変わります。

老犬になると体力が衰えやすく、疲労回復に時間がかかるため、睡眠時間が再び長くなる傾向があります。食事やトイレ以外の時間をほとんど寝て過ごすこともあるでしょう。
ただし、老犬は体を動かさないことで筋力低下や老化を加速させることがあるため、無理のない範囲で軽い運動や外気浴を取り入れるとよいでしょう。
犬種によって睡眠時間は異なりますか?
犬種によって睡眠時間には違いがありますが、大型犬は睡眠時間が長い傾向があります。
例えば、ゴールデン・レトリバーの睡眠時間は約18~20時間と長く、体の大きさやエネルギー消費量に起因すると考えられます。
一方、同じ大型犬でも作業犬のシベリアン・ハスキーは12時間程度と、短めの睡眠で活動できる特性があります。

中型犬では、柴犬の平均睡眠時間は約10時間と短めですが、フレンチ・ブルドッグは13時間程度とやや長めです。これは、犬種ごとのエネルギー消費量や生活スタイルに影響されます。
小型犬では、チワワの睡眠時間が約10時間と短い一方、活発な狩猟犬のミニチュア・ダックスフンドは11~15時間程度必要とします。犬種の特性を理解し、それぞれに応じた睡眠環境を整えてあげましょう。

犬が寝すぎる原因

犬 頻尿
犬が寝すぎる理由は何ですか?
犬がよく寝る理由には、いくつかの要因が考えられます。まず、本能的な要因が挙げられます。野生時代の名残として、犬は眠りが浅く、危険に素早く対応できるよう短時間の睡眠を繰り返していました。このため、深い眠りを補うために長時間寝ることが必要となった可能性があります。

また、子犬や老犬は特に寝る時間が長い傾向があります。子犬は成長のためにエネルギーを大量に消費し、老犬は体力の回復が必要なため、18時間以上眠ることも珍しくありません。
さらに、環境の変化やストレスも寝すぎる原因の一つです。新しい環境に慣れないと疲れやすくなり、睡眠時間が増えることがあります。

ほかにも、病気やケガが原因で寝すぎる場合もあります。犬の睡眠時間が急に増えたり、起きている間の元気がないと感じたら、獣医師に相談することをおすすめします。
犬が寝すぎてしまう病気はありますか?
犬が平均睡眠時間より長く眠る場合、いくつかの病気が関係している可能性があります。その一つが甲状腺機能低下症です。この病気では、甲状腺ホルモンの不足により代謝が低下し、活動量が減少します。主にゴールデンレトリバー、ドーベルマン、シェルティ、柴犬などの中型〜大型犬に見られやすい症状です。

また、クッシング症候群も寝すぎの原因になります。副腎皮質ホルモンの過剰分泌により、食欲や飲水量が増え、筋力の低下が見られることがあります。この病気は老犬に多く、早期治療が重要です。

さらに、認知症やナルコレプシーも考えられます。認知症では認知機能の低下により眠る時間が増え、ナルコレプシーでは興奮による突然の眠気が特徴です。これらは特定の犬種で見られやすい傾向があります。

犬の睡眠時間が異常に長く、ほかにも異変が見られる場合は、早めに獣医師に相談することが大切です。

犬が快適に寝るために

犬 ご飯食べない
犬の睡眠時間が短すぎる理由は何ですか?
犬の睡眠時間が短い理由として、まず環境要因が挙げられます。例えば、近所の工事の音や家族構成の変化、ベッドの位置変更など、犬にとってストレスや不安を与える環境ではリラックスして眠ることが難しくなります。
犬が安心して眠れる環境を整えてあげることが重要です。狭くて暗い場所を好む犬の特性を考慮し、静かで落ち着ける寝床を提供しましょう。

また、体調の問題も睡眠時間が短くなる原因です。かゆみや痛み、消化不良による下痢や嘔吐がある場合、犬は頻繁に目を覚ましがちです。なかでも高齢犬では認知症の症状として夜鳴きや昼夜逆転が見られることもあります。こうした体調不良や疾患が原因の場合は、適切な治療を受けることが必要です。

十分な睡眠は犬の健康に不可欠です。環境の改善や体調のチェックを通じて、愛犬が快適に休めるようサポートしましょう。
犬が安眠できる環境について教えてください
犬が安眠するためには、快適な環境づくりが欠かせません。まず、寝床は狭くて暗い場所がよいとされています。犬は巣穴で過ごしていた名残から、囲まれた空間で安心感を覚えるからです。クレートや布で覆ったゲージを利用するとよいでしょう。

静かな場所を選ぶことも重要です。玄関や廊下など人通りが多い場所ではなく、家のなかで落ち着けるエリアに寝床を設置してください。さらに、室温管理も大切です。
夏場はクールマットや冷房、冬場は毛布やホットカーペットを使って快適な温度を保ちましょう。ただし、過度な暖房や低温やけどには注意が必要です。

また、寝床とトイレは分けて設置してください。犬は清潔な環境を好むため、これが安眠につながります。さらに、日中に適度な運動を取り入れることで、夜にぐっすり眠れるようになります。愛犬がリラックスして眠れる環境を整えて、健康的な生活をサポートしましょう。

編集部まとめ

ここまで犬が寝すぎてしまう原因についてお伝えしてきました。犬が寝すぎてしまう原因の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 犬の睡眠時間は成犬で1日約12~15時間、子犬や老犬は18~20時間以上、また犬種によっても睡眠時間は異なり、大型犬は睡眠時間が長い傾向があるなど、年齢とともに違いが見られる
  • 犬が寝すぎてしまう原因は野生時代の名残のほか、子犬は成長のためにエネルギーを大量に消費し、老犬は体力の回復が必要なため、18時間以上眠ることもあり、環境の変化やストレス、病気やケガなども原因として挙げられる
  • 犬の安眠のためには快適な環境づくりが欠かせず、寝床は狭くて暗い場所であり、玄関や廊下など人通りが多い場所ではなく、家のなかで落ち着けるエリアに寝床を設置し、夏場はクールマットや冷房、冬場は毛布やホットカーペットを使って快適な温度を保つことが重要で、寝床とトイレは分けて設置することが推奨される

愛犬が寝すぎていると心配になってしまいますが、原因はさまざまです。おかしいと思った場合は獣医師に相談し、日頃からペットの睡眠環境を整えるようにしましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。