猫を観察していると、一日に何度も毛づくろいする様子が見られます。それだけに、愛猫が毛づくろいしていないことに気付いたら、飼い主の方はかなり不安を覚えるのではないでしょうか。今回は毛づくろいしない猫をテーマに、なぜそのような事態が起きるのか、結果としてどのようなリスクが発生するのかといった、気になる情報をまとめました。適切な対処法もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
猫が毛づくろいしない原因

私たちは普段から猫が毛づくろいする様子を当然のように目にしていますが、その頻度はどのくらいなのかなど、あらためて考えることはほとんどありません。初めに、毛づくろいの概要を押さえたうえで、猫が毛づくろいしない原因を考えましょう。
- 猫は基本的に毛づくろいする動物ですか?
- 猫の毛づくろいとは、猫が自分自身を舌で舐める行動のことを指します。その様子は何気ないもののように見えますが、実のところ、毛づくろいはさまざまな役割を担っているのです。まず、猫は突起で覆われたざらざらの舌で舐めることにより、その身体を清潔に保っています。加えて体温調節も、毛づくろいの重要な役割です。ゆったりと毛づくろいすることは、猫にリラックス効果ももたらします。このように、毛づくろいはなくてはならない行動であり、猫は基本的に毛づくろいする動物であるといえます
- 猫は通常、どのくらいの頻度で毛づくろいしますか?
- 猫は一日に何度も毛づくろいしています。一日の30%を毛づくろいに費やしているともいわれており、そのタイミングはご飯の後やリラックスしているとき、逆にストレスを感じているときなど、さまざまです。具体的な頻度については個人差が見られますが、ストレスを感じている猫はより頻繁に毛づくろいを行うケースもあります。また、長毛の猫種も、よく毛づくろいします。季節によっても、毛づくろいの頻度は変わります。毛が厚くなってこまめなお手入れが求められる冬や、換毛期に入って脱毛が増える夏は、頻度が高くなる時期です。さまざまな要因によって頻度が変わることを考えると、毛づくろいは猫の健康状態や心理状態を表すバロメーターであるともいえるでしょう。
- 猫が毛づくろいしないときに考えられる原因を教えてください
- 猫が毛づくろいしないときに考えられる原因は一つではありません。まず考えられるのは、老化です。加齢によって体力が低下すると、毛づくろいの頻度も低くなってしまいます。身体を動かしづらくなる肥満も、毛づくろいの頻度が低くなる一因といえます。口腔内に痛みを伴う病気が原因の場合もあるでしょう。その他には、ストレスが理由である可能性も否定できません。ストレスによって過剰に毛づくろいする猫がいる一方、元気がなくなり、毛づくろいしない猫も見られます。
猫が毛づくろいしないことによるリスク
猫が毛づくろいしないときにやはり気になるのは、どのようなリスクがあるのかという点です。愛猫が毛づくろいを止めてしまったら、とりあえずそのまま放っておき、様子を見ていてはいけないのでしょうか。
- 猫が毛づくろいしないと、身体にどのような影響が出るのか教えてください
- 前述のとおり、猫の毛づくろいはさまざまな役割を担っています。猫が毛づくろいしなくなると、身体の汚れが落ちず、皮膚炎につながるかもしれません。毛艶が失われ、見た目も悪くなります。体温の調整が難しく、体調不良に陥る可能性も否定できないでしょう。毛づくろいしないことによってリラックスの機会が失われるというのも、深刻な影響の一つです。さまざまなリスクが発生すると考えれば、毛づくろいしない状況を放置することはできません。
- 毛づくろいしないことは猫のストレスにつながりますか?
- 猫は毛づくろいしなくなると、気持ちを安定させることが難しくなり、結果としてストレスを溜めてしまう危険性があります。毛づくろいは爪とぎと同じように、猫にリラックス効果をもたらすため、それがなくなるというのは深刻な事態です。
- 毛づくろいの頻度が高すぎても注意が必要ですか?
- 毛づくろいの頻度が高すぎるというのも、猫が大きなストレスを溜め込んでいる可能性を示唆することから、注意すべき状況です。過剰なまでに毛づくろいするのは、何とかリラックスしたい、落ち着きたいというサインかもしれません。
猫が毛づくろいしないときの対処法

猫が毛づくろいしない状況を放置すべきではないとお伝えしましたが、飼い主に何かできることはあるのでしょうか。終わりに、猫が毛づくろいしないときの対処法についても、詳しく解説します。
- 猫が毛づくろいしない場合、食事や生活環境を見直すべきですか?
- 毛づくろいしない原因が肥満と思われる場合には、食事を見直して、ダイエットに励んだ方がよいでしょう。低カロリーのキャットフードなどを、うまく取り入れてみてください。あわせて、無理のない程度に猫じゃらしなどで遊ぶ機会を増やすと、より高い効果が期待できます。毛づくろいの件は抜きにしても、肥満はさまざまな病気の原因となりえるため、対応を考えなければいけません。毛づくろいしない原因が老化と思われる場合には、生活環境を整えてやることが大切です。キャットタワーを低めなものにしたり、食べやすい食器を使用したりと工夫を凝らし、シニア猫も快適に過ごせる生活環境をめざしてください。
- 飼い主によるブラッシングは猫の負担軽減になるのか教えてください
- 猫が自分で毛づくろいしないようであれば、飼い主が代わりにブラッシングしてあげましょう。ブラッシングによって被毛の清潔さが保たれ、猫の負担軽減につながります。なお、老化によって毛づくろいしなくなった猫などに対しては、自分で毛づくろいするよう、飼い主が誘導してみるというのも一案です。無理強いするようなことは避けるべきですが、温かい濡れタオルでそっと身体を拭いてみると、猫は濡れたことを気にして、毛づくろいを始めるかもしれません。いずれにしても、さまざまなアプローチにより、毛づくろいしない猫をサポートしてあげることが大切です。
- 毛づくろいの問題が解決しない場合は動物病院を受診すべきですか?
- 毛づくろいの問題が解決しない場合は、早めに動物病院の受診を検討してみてください。特に、猫が過剰に毛づくろいをしている場合には、ストレスや病気が原因になっている可能性が高いため、注意が必要です。猫はストレスを感じると、何とか不安を和らげようとして、毛づくろいを繰り返すことがあります。また、皮膚に炎症やアレルギーがある場合も、過剰に毛づくろいします。状況が悪化すれば、皮膚が赤くなったり、毛が抜け落ちたりすることも考えられます。猫の負担を軽減するためにも、動物病院を受診して獣医師の判断を仰ぎ、適切な対策を講じてあげましょう。
編集部まとめ
何気ない行動のようにも見える猫の毛づくろいですが、実は猫の心身の健康を保つうえで、とても重要な役割を果たしています。毛づくろいしないことによるリスクも多岐にわたるため、原因に目を向けて、適切な対策を講じることが欠かせません。飼い主によるブラッシングなども有効ですが、状況がよくならず、猫の健康に影響がおよびそうな場合には、動物病院を受診することも検討してみてください。
【参考文献】
