人に懐き、おしゃべりもする小鳥は、近年人気が高まっているペットです。一方で、犬や猫に比べると飼っている人が少ないこともあり、体調不良に陥ってしまったときに、どう対処すべきかよくわらかないという飼い主さんもいるのではないでしょうか。今回は小鳥の体調不良や動物病院へ連れて行く際の注意点について、具体的に情報をまとめました。繊細な小鳥と長くともに暮らすためには健康管理が重要になるため、参考にしてください。
小鳥の体調不良について

大切な小鳥の体調不良にいち早く気付き、適切に対処することは、飼い主さんの役目です。ここでは、小鳥の体調をチェックする方法や、動物病院との関わり方について、ポイントを押さえましょう。
- 小鳥のチェック方法を教えてください
- 普段から小鳥の様子に気を配り、見た目の異常を察知することが大切です。気持ち悪そうにしていないかという点はもちろん、しっかりと餌を食べているか、羽のつやは失われていないかなど、細かいところまでチェックして、体調不良のサインを見逃さないようにしましょう。小鳥は病気になっても、なかなか具合の悪そうな様子を見せません。何らかの異常が見て取れた場合、かなり症状が進んでいる恐れもあるため、日頃の観察を怠らないように意識してください。
- 小鳥が体調不良になると、どのような症状がでますか?
- 小鳥が体調不良になると、小鳥自身の見た目の変化に加えて、動きや行動、便や尿のどこかに異常が現れることが多くあります。出血といったわかりやすい症状が見られない場合も、何らかの病気を抱えているケースはあるため、小さな異変も見落とさないようにしましょう。
- 小鳥が体調不良の場合、動物病院で診察してもらえますか?
- 犬と猫を専門にしている病院では、小鳥を診察してもらえないことが少なくありません。そのため、まずは小動物に対応している動物病院を探し、小鳥の診察も行なっているか、事前に確認しておくとよいでしょう。すべての動物病院が小鳥を診察するわけではないことを念頭に置いて、早めに信頼できる病院を見つけておくことも重要です。
小鳥を動物病院に連れて行くべきタイミング
小鳥の様子に違和感を覚えても、すぐに動物病院へ連れて行くべきか、判断に迷うケースもあるでしょう。ここでは、動物病院を受診する適切なタイミングについて、解説を加えます。万が一のときの目安にしてください。
- 小鳥の体調が悪いと感じたとき、どのような症状が受診の目安になりますか?
- 苦しそうに体全体で呼吸していたり、出血していたりする場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。お尻から赤いものが出ているときや、排便そのものがない状況も、命の危険が考えられるため、速やかに獣医師の判断を仰いでください。
- 小鳥の病気は進行が早いのですか?
- 小鳥は人の4倍ものスピードで年齢を重ねていくため、少しの放置が命取りになることも考えられます。明らかな異常が見られる場合はもちろん、少しでも不安に感じることがあれば、早めに動物病院を受診しましょう。
- 小鳥も定期的に健康診断を受けた方がよいのか教えてください
- まずは、小鳥を飼い始めた時点で、一度健康診断を受けることをおすすめします。すでに病気になっている可能性があるだけでなく、初めに動物病院を受診しておくと、通院の要領を理解することができ、万が一の際も慌てずに済むためです。病気の早期発見、早期治療が可能になることから、定期的な健康診断も受けた方がよいでしょう。動物病院では爪切りなども実施されているため、折に触れて通院し、日頃から小鳥のケアに注力しておくことが理想的です。
動物病院に行く前に準備すべきこと

いざ動物病院へ行くことが決まったら、何を準備すればよいのでしょうか。動物病院で慌てることなく、冷静に対応するためにも、事前準備を整えておくことは重要です。持参品などについても、具体的な情報を押さえましょう。
- どのようなキャリーケースを用意すればよいですか?
- 動物病院を受診する際には、無理なく持ち運べるサイズのキャリーケースを用意してください。小さな簡易ケージを活用するとよいですが、普段の飼育ケージでも問題ないようであれば、そのまま連れて行っても構いません。移動に便利なキャリーケースは、ネットショップやホームセンターなどで買い求めることができます。できるだけ、通気性に優れたものを選ぶとよいでしょう。
- 動物病院に行く前に、自宅で行うべきチェックや準備はありますか?
- 気になる症状があれば確認のうえ、具体的な情報をメモを取っておくと、獣医師とのやり取りがスムーズになります。また、糞便検査が体調不良の原因を探る手がかりとなるため、新鮮な便を持参してください。飼育ケージにキッチンペーパーなどを敷いておけば、便を採取することができます。
- 獣医師に伝えるべき情報について教えてください
- 小鳥に限ったことではありませんが、情報が多ければ多い程、適切な診断や治療を受けやすくなります。どのような症状がいつから出ているのか、原因に心あたりはあるかなど、しっかりと獣医師に伝えましょう。併せて、年齢や普段の生活状況といった、小鳥の基礎情報も、共有できるように準備してください。口頭での説明だけでなく、動画や写真を活用すれば、より正確な情報の伝達が可能です。
小鳥を病院に連れて行く際の注意点
小鳥はとてもデリケートな生き物のため、体調不良時に動物病院へ連れて行く際には、細心の注意を払う必要があります。うっかり逃がしてしまわないことは当然ですが、その他にも事前に押さえておきたい注意点をまとめたので、参考にしてください。
- 移動中に小鳥のストレスを抑えるための工夫を教えてください
- 小鳥が移動中にパニックを起こすことを防ぐため、キャリーケースにカバーをかけて視界を遮り、暗くしてやるとよいでしょう。そのままにすると怖がってしまい、羽を傷めたり、脚を挟んだりして、さらに体調が悪化しかねません。移動時に自転車などを利用する場合には、可能な限り小鳥に配慮して、激しい揺れが起こらないように注意しましょう。移動時間が長くなるときは、餌や水も用意してやり、普段と近い環境が保たれるよう心がけてください。
- 動物病院の待合室で、ほかの動物との接触を避けるべきですか?
- ほかの動物との接触は小鳥のストレスにつながるため、できることなら避けるべきです。犬や猫の待合室とは別に、小鳥に合わせて室温を高めに設定した、エキゾチックアニマル用の特別待合室を備えている動物病院もあるため、事前に確認するとよいでしょう。
また、ほかの動物と顔を合わせると小鳥が落ち着かなくなってしまう場合、車内や別室での待機を許可してもらえるケースもあります。不安に感じるようなら、スタッフに相談してみてください。
- 気温や天候による影響を考慮して、小鳥を安全に病院へ運ぶ方法を教えてください
- 小鳥は暑さや寒さに敏感です。急激な温度変化にも弱いため、温度管理には細心の注意を払う必要があります。移動中の車内温度は変わりやすいため、事前にエアコンを使い、適切な温度に調整しておくとよいでしょう。なお、通気性を確保することも大事ですが、特に冬場は保温にも気を配ってください。
編集部まとめ
小鳥の健康を維持するためには、飼い主さんによる日頃の体調チェックが欠かせません。その一方で、安易な自己判断によって異常を放置してしまうと、あっという間に病気が進行する恐れもあるため、早めの動物病院受診を意識してください。診療が終わった後も、普段とは違う行動を取ったストレスにより、食欲が減少するケースなどがあることから、気になる変化はないか、注意深く経過を観察しましょう。