動物病院での猫のシャンプーについて|費用相場や自宅で行う場合の注意点を解説

動物病院での猫のシャンプーについて|費用相場や自宅で行う場合の注意点を解説

猫は一般的にシャンプーをする必要がないといわれています。猫はきれい好きで自分で毛づくろいをするためです。

猫は水が苦手で大きな音や知らない人も苦手なため、 シャンプーをしようとすると暴れる可能性もあります。

しかし、皮膚病に罹ったり外出して汚れてしまったりしたときなどにシャンプーをする必要が出てくることもあるでしょう。

そんなときに頼りになるのが動物病院です。

ここでは動物病院での猫のシャンプーについて紹介します。自宅で猫のシャンプーをする際の注意点も解説いたしますので参考にしてもらえると幸いです。

動物病院での猫のシャンプーについて

獣医師と猫

猫にシャンプーは必要ですか?
完全に室内飼いの場合は猫のシャンプーはほとんど必要ありません。基本的に猫はきれい好きで1日の多くの時間を自分の毛づくろいに費やすからです。しかし、猫にもシャンプーが必要になる場合があります。
1つ目は外に出て汚れたとき、2つ目は皮膚病で皮膚の状態を清潔に保つ必要があるとき、3つ目は猫が病気やけがを負ったときなどです。ただし、猫にとってシャンプーがストレスになることもあります。洗いすぎはよくありません。飼い主自身が猫のシャンプーをすることは困難な場合もあるでしょう。年齢や健康状態を考慮して獣医師の指示を仰ぐことも大切です。
動物病院では猫のシャンプーをしてもらえますか?
すべての動物病院でシャンプーをしてもらえるわけではありませんが、多くの場合してもらえます。動物病院では専門的な知識と技術を持つスタッフによる施術を受けることができます。猫はシャンプーにストレスを感じやすい生き物ですが、動物病院でなら不安を軽減してもらいながら洗ってもらうことができるでしょう。また、動物病院では健康管理の1つとしてシャンプーを行っています。シャンプーをしながら、皮膚の状態をチェックすることで、皮膚トラブルの予防や早期発見につながることもあるためです。さらに、動物病院では皮膚病の治療としてシャンプーを行うこともあります。
いずれも獣医師の管理下で行われるため、皮膚トラブルに対して適切なアドバイスを受けることもでき、安心感もあるでしょう。ただし、人員と時間を要するので、事前に問い合わせることをおすすめします。
治療の一環としてシャンプーをする場合はどのようなときですか?
猫の皮膚病の場合、抗菌作用のあるシャンプーを使用することで、増殖した細菌や真菌を減らすことができます。獣医師に薬や薬用シャンプーを処方されることもあります。皮膚病は繰り返しやすいものが多いため、獣医師の指導の下で正しい薬の種類や用量、用法を守ることが大切です。
シャンプーをするときに麻酔は使用しますか?
猫はシャンプーや水を苦手としていて、どうしても大暴れしてしまうときなどに麻酔が使われることがあります。獣医師の管理の下で適切に麻酔を使用することで、シャンプー中の不安感や恐怖を取り除くことが可能です。ただしデメリットもあります。副作用のリスクがゼロではないということです。
麻酔の副作用としてはアナフィラキシーや呼吸障害、不整脈や心不全、低酸素症などが挙げられます。獣医師もこれらの副作用を抑えるために予防措置を講じています。麻酔を使用する際は、飼い主も獣医師の指示に従い、猫の血液検査や絶食などの準備が必要です。

動物病院での猫のシャンプーの費用相場

猫の診察をする女性獣医師

トリミングで行う猫のシャンプーの費用相場を教えてください。
猫のシャンプーの料金は短毛種の場合は大体7,000〜10,000円(税込)で、長毛種は8,000〜12,000円(税込)ほどが相場とされています。なかには5,000円台からのところもあります。トリミングやブラシがけなどのアフターケアが含まれる場合は料金がさらに上がる可能性もあるでしょう。
また、長毛種の場合は短毛種の猫よりも手間がかかり、追加料金が発生することもあります。サービス内容は料金表だけでは把握しきれないこともありますので、動物病院に確認することが必要です。
皮膚疾患の治療で行う猫のシャンプーの費用相場を教えてください。
治療としてのシャンプーの場合は特殊なシャンプー剤や特別なスキンケアを用いることが多いため、料金は高めに設定されています。猫の皮膚病の治療費の相場は5,000〜30,000円(税込)とされています。また、シャンプーをする際に麻酔を用いる場合は麻酔料金が別途上乗せされる場合もあります。

自宅で猫のシャンプーをする方法や注意点

お風呂場でシャンプーされる猫

自宅で猫のシャンプーをする場合に用意するものを教えてください。
自宅で猫のシャンプーをする場合には猫用のシャンプーのほかに猫用のブラシやコーム、爪切りやタオル、ドライヤーなどを用意する必要があります。シャンプーには低刺激のものや、乾燥やかゆみ対策になるものなどさまざまな種類があります。猫の状態に合ったものを選ぶようにしましょう。人間用のシャンプーは厳禁です。猫の嗅覚は敏感なため、無香料のシャンプーがおすすめです。
また、猫の多くはシャンプーやドライヤーに怯えてしまうことがあります。そのときのためにごはんやおやつを用意しておくのもよいでしょう。猫が「シャンプーやドライヤーをするとよいことがある」と記憶し、シャンプーやドライヤーに対する悪いイメージの払拭につながります。
目の粗い洗濯ネットから顔を出して洗う方法やシャンプー用のネットも市販されています。ただし、猫の性格によっては鎮静が必要なこともあるため、自宅で猫のシャンプーをするときは猫の様子を見ながら行うことも大事です。
自宅で猫のシャンプーをする場合の下準備を教えてください。
まずは猫の健康状態を確認します。もし何か普段と違う様子が見られた場合は、シャンプーは止めておきましょう。猫の状態が普段どおりで元気そうならいよいよシャンプーの下準備です。
  • ブラッシング・コーミング
  • 耳掃除
  • 爪切り

ブラッシングでほこりを落として毛玉や毛のほつれをほぐすことでシャンプーの時間を短くし、猫の負担を軽減することにつながります。このとき、コームを用いてコーミングするのもよいです。
また、耳掃除もしておきましょう。もし耳垢がある状態でシャンプーをすると、耳垢がふやけて内耳で炎症を起こす可能性もあります。最後に猫の爪切りをします。こうすることで、シャンプーで猫が暴れた際に飼い主と猫が怪我をするリスクを抑えることが可能です。

自宅で猫のシャンプーをする方法を教えてください。
猫のシャンプーの手順は大きく分けて4つに分けられます。
  • 濡らす
  • 泡を付けて洗う
  • しっかりすすぐ
  • 乾かす

まずは30〜35度に温めたお湯で猫の全身を濡らします。猫がシャワーに怯える場合は、水流を弱めに設定してシャワーヘッドを猫の身体に添わせるようにすることで負担の軽減ができます。それでも嫌がるそぶりを見せるときは洗面器からお湯をゆっくりかけてあげたり、濡らしたタオルやスポンジを用いたりなどの工夫が必要です。次にシャンプーを泡立てて猫を洗います。お尻や後ろ足の方から前へ前へと洗うことで、猫を怖がらせることを防げます。猫の皮膚はデリケートなので、爪を立ててゴシゴシと洗ってはいけません。頭や顔回りは洗われるのを嫌がる猫も多いうえに眼やお口にシャンプーが入ってしまう可能性もあります。ガーゼを用いて洗うのがおすすめです。
泡を付けてしっかり洗うことができたら、お湯で流していきます。顔回りからお尻へとすすいでいきましょう。このときに石鹸が残っていると皮膚トラブルの原因になってしまいます。最後に猫をよく乾かすことが必要です。猫は濡れると乾きにくいため、そのままにすると体温が下がってしまいます。まずはタオルドライをしましょう。顔回りから拭いていき、余計な水分を取ります。ある程度水気が取れたら、ドライヤーの弱風で乾かします。毛の根元から乾かすためにブラシを使うことがおすすめです。

自宅でシャンプーする場合の注意点を教えてください。
シャンプーは猫にとって負担になりやすいです。お湯やシャンプーの泡立てなどの準備はあらかじめ済ませておき、できるだけ猫の拘束時間が短く済むようにしましょう。どうしても全身を洗うのが難しい場合は、汚れの溜まりやすいお尻周りや足先や指のあいだだけにするのがおすすめです。
また、生後わずかな子猫は体温調整がうまくなく免疫力が低いためシャンプーをするのは危険です。子猫をシャンプーするのは、少なくとも生後3ヶ月以上が経ってワクチンが済んでからにしましょう。

編集部まとめ

体を洗われて恨めしそうな顔をしている猫

猫は原則シャンプーをする必要はありません。しかし、汚れてしまったり皮膚炎になってしまったりした際にはシャンプーが必要になる場合もあります。

濡れるのが嫌いで難易度が高いとされる猫のシャンプーは動物病院でしてもらえることがあります。

専門的な知識や技術を持つスタッフなら不安なく任せられるという方も多いでしょう。また、獣医師の下で病気の早期発見につながる可能性もあります。

また、猫のシャンプーは自宅で行うことも可能です。その際は入念に下準備をして猫の負担を減らすように心がけましょう。

参考文献