猫のフケとは?猫のフケの原因やフケが気になる場合の対処法などを解説!

猫 フケ

猫のフケは、皮膚の新陳代謝の結果として出るものです。しかし、病気やストレス、乾燥などの原因でフケが増えることがあります。
本記事では、猫のフケについて以下の点を中心にご紹介します!

  • 猫のフケの原因
  • 猫のフケと関係のある病気
  • 猫のフケの予防や対策

猫の皮膚の健康と美しさのためにもご参考いただけると幸いです。ぜひ最後までお読みください。

猫のフケについて

猫のフケとはどのようなものですか?
猫のフケは、皮膚から古くなって剥がれ落ちた角質のことで、皮膚の新陳代謝の一部です。猫は毛づくろいによってフケを取り除いていますが、フケが目立つ場合は何らかの原因が考えられます。フケが多くなる病気としては、アレルギー性皮膚炎、寄生虫による皮膚炎、真菌による皮膚炎などがあります。この病気は、フケのほかにかゆみや皮膚の赤みなどの症状を伴います。猫のフケが目立つ場合は、病気の可能性もあるため、異変を感じたら獣医師に相談することが重要です。
猫のフケの原因は何ですか?
猫のフケの原因にはいくつかの要因があります。フケは、古くなった皮膚の角質が取れる現象ですが、過剰に発生する場合は注意が必要です。

毛づくろい不足:猫は毛づくろいによって自然にフケを取り除きます。しかし、肥満、加齢、関節痛、口の中の痛みなどにより毛づくろいが減少すると、フケが目立つようになります。

乾燥:乾燥した空気は猫の皮膚を乾燥させ、フケを増やします。特に冬やエアコンを使用する夏場は、フケが増えやすいとされています。加湿器の使用や保湿剤の活用が役立ちます。

ストレス:極度のストレスや恐怖を感じると、猫は一時的にフケを多く発生させることがあります。ストレスは毛づくろいの過剰な行動を引き起こし、皮膚炎を起こしてフケが出ることもあります。

加齢:高齢になると皮脂の分泌や皮膚の水分量が減少し、フケが出やすくなります。また、関節痛や歯周病による痛みで毛づくろいが減少することもあります。
正常なフケと異常なフケの見分け方を教えてください。
正常なフケは、皮膚の新陳代謝の一環として自然に発生します。猫の皮膚のターンオーバーは約3週間で、古くなった角質が自然に剥がれ落ちてフケになります。少量のフケは健康な猫にも見られるため、特に問題はありません。

異常なフケは、普段よりも量が増えた、または質が異なる場合に考えられます。歩くだけでフケが落ちる、毛を掻き分けると毛の付け根に大量のフケが溜まっている場合は異常と考えられます。皮膚に異常(かさぶたや赤みなど)が見られる、執拗に掻いている、体調に変化がある場合も異常なフケの可能性が高いとされています。急にベタベタとしたフケに変化した場合も注意が必要です。

異常なフケが見られる場合は、何らかの皮膚病や内科的な疾患が隠れている可能性があります。猫のフケに異常を感じた際は、獣医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。また、フケの量が急に増えたり、フケの質が変わったりした場合は、病気のサインである可能性が高いため、早めに獣医師に相談することが推奨されます。

猫のフケの原因と、関係のある病気

アレルギー性の皮膚炎は猫のフケの原因になりますか?
猫のフケの原因として、アレルギー性皮膚炎は重要な要因の一つです。アレルギー性皮膚炎は、猫の体がアレルゲンとして認識する物質に対して免疫機構が過剰に反応することで生じる皮膚の炎症です。この炎症は、猫の皮膚にかゆみや赤み、そしてフケの増加を引き起こすことがあります。

アレルギー性皮膚炎の原因となるアレルゲンには、ノミやハウスダスト、花粉、食物などがあります。これらのアレルゲンに対する反応により、猫は皮膚を頻繁に掻くことでフケが多くなることがあります。特に、食物や環境中のハウスダストなどのアレルゲンに対するアレルギー反応によって、皮膚に痒みが生じ、猫が皮膚を掻いたり舐めて壊したりすることによって皮膚に赤みやフケが生じることがあります。

アレルギー性皮膚炎の治療には、過剰な体の反応を抑える治療があります。しかし、猫では根本的なアレルゲンの特定が難しい場合もあるため、症状の管理と緩和が主な治療法となります。
寄生虫や真菌が原因の皮膚炎でフケが出ることもありますか?
猫のフケの原因として、寄生虫や真菌による皮膚炎があります。これらの皮膚炎は、猫の皮膚に炎症を引き起こし、フケの増加をもたらすことがあります。

寄生虫による皮膚炎:ダニやノミ、シラミなどの寄生虫が猫に付着すると、皮膚炎を引き起こすことがあります。ネコショウセンコウヒゼンダニ、イヌノミ、ネコノミ、ツメダニ、ネコハジラミなどが皮膚トラブルを起こす寄生虫として知られています。ネコセンコウヒゼンダニが引き起こす疥癬は、猫において不快な症状をもたらします。この寄生虫は皮膚に侵入し、激しい痒みを引き起こします。寄生虫による皮膚炎は、駆虫薬で治療可能ですが、ほかのペットや人への感染のリスクもあるため、注意が必要です。

真菌による皮膚炎:皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌というカビが活発化すると、皮膚に影響を及ぼします。円形脱毛や湿疹が生じることがあります。この病気は感染性があり、ほかのペットや人に伝播する可能性があるため、注意が必要です。抗真菌薬を用いた治療が行われます。
フケが多くなる病気を教えてください。
猫のフケが多くなる原因として、いくつかの病気が関連しています。上述で解説した寄生虫による皮膚炎や真菌による皮膚炎、アレルギー性皮膚炎のほかに脂漏症が挙げられます。脂漏症は皮膚の角化の異常で、ぱさぱさした鱗屑(フケ)が多くなります。乾いた感じの脂漏症が多く、外部寄生虫や真菌感染、腸内寄生虫、栄養障害、環境、全身疾患に二次的に起こることがあります。

脂漏症は猫の皮膚の健康に影響を及ぼし、フケの増加を引き起こす可能性があります。猫のフケが目立つ場合は、病気の可能性を考慮し、動物病院での診察を受けることが重要です。フケのほかにもかゆみや皮膚の赤み、脱毛などの症状が見られる場合は、特に早めの診察が推奨されます。
栄養不良や内科疾患はフケの原因になりますか?
猫のフケの原因として、栄養不良や内科疾患が関連していることがあります。これらの状態は、猫の皮膚の健康に影響を与え、フケの増加を引き起こすことがあります。

栄養不良:栄養不良は、皮膚の健康に必要な栄養素が不足することで、フケの増加を引き起こすことがあります。良質なタンパク質や必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどが不足すると、皮膚の代謝サイクルに乱れが生じ、フケが増えることがあります。偏った食事や手作り食のみに頼ることで栄養バランスが崩れると、皮膚の健康が損なわれる可能性があります。

内科疾患:慢性腎臓病、慢性腸炎、糖尿病、副腎皮質機能亢進症などの内科疾患は、皮膚の健康に影響を及ぼすことがあります。これらの疾患は、多飲多尿の症状だけでなく、艶が悪くなったり、フケが増えたりすることがあります。内臓疾患は、皮膚の健康に間接的に影響を与え、フケの増加を引き起こすことがあります。

もし、フケが増える場合、猫の全体的な健康状態の異常の可能性があります。フケが目立つ場合は、これらの病気の可能性を考慮し、動物病院での診察を受けることが重要です。

猫のフケの予防や対策

猫のフケが多い場合の対処法や予防方法を教えてください。
猫のフケが気になる場合の対処法や予防方法は、以下の通りです。

シャンプー:猫は頻繁なシャンプーが必要ではありませんが、フケが気になる場合は部分的にシャンプーが役立ちます。猫用のシャンプーを使用し、皮膚を優しく洗います。シャンプー後はしっかりと洗い流し、乾かしてください。
病気の早期発見:フケが急に増えたり、ほかの症状(かゆみ、赤み、脱毛)が見られたりする場合は、皮膚病などの可能性があります。そのため、異常を感じたら動物病院で診察を受けましょう。
加齢によるケア:高齢の猫は皮膚の代謝が落ち、乾燥しやすくなります。シニア猫用の食事や、グルーミングが困難な場合のサポートが必要です。
シャンプーが苦手な猫の予防方法はありますか?
シャンプーが苦手な猫の予防方法は、以下の通りです。

ブラッシング:高齢猫や体重がある猫の場合、自分で手が届かない箇所のお手入れが特に重要です。シャンプーが苦手な猫には、適切なブラッシングで死毛や余分なフケを取りましょう。
皮膚の乾燥対策:乾燥した環境は猫のフケを増やします。特に冬場やエアコンの使用するときに注意が必要です。加湿器の使用や保湿スプレーを活用して皮膚の乾燥を防ぎます。保湿力のある猫用シャンプーや柔らかい布にクリーナーを少量含み、猫の全身を優しく拭く方法もおすすめです。
ストレス軽減:緊張やストレスは猫の皮膚に影響を与え、フケを増やすことがあります。猫がくつろげるような環境の提供が大切です。
栄養補給:サプリメントを利用して、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルを適切に摂取することがおすすめです。

編集部まとめ

ここまで猫のフケについてお伝えしてきました。猫のフケの要点をまとめると以下の通りです。

  • 猫のフケの原因には、毛づくろい不足、乾燥、ストレス、加齢、栄養不足などが挙げられる
  • 猫のフケと関係のある病気には、寄生虫による皮膚炎、真菌による皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、脂漏症、慢性腎臓病、慢性腸炎、糖尿病、副腎皮質機能亢進症などの内科疾患が挙げられる
  • 猫のフケの予防にはシャンプーやブラッシング、皮膚の乾燥対策、ストレス軽減、栄養補給などが役に立つ

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献