猫の眼瞼内反症とは?治療法や予防法について解説!

猫 眼瞼内反症

猫のまぶたが内側に巻き込まれて、目に痛みや炎症を引き起こす病気が「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」です。
特定の品種の猫がなりやすいといわれていますが、体質や感染症なども眼瞼内反症の原因となることがあります。

本記事では、猫の眼瞼内反症について以下の点を中心にご紹介します!

  • 猫の眼瞼内反症について
  • 猫の眼瞼内反症の治療法
  • 猫の眼瞼内反症の予防法

猫の目の健康と幸せのためにもご参考いただけると幸いです。

ぜひ最後までお読みください。

猫の眼瞼内反症について

猫が片目だけ涙を流す際の原因は?流涙症や目のチェックポイントについても解説!
猫の眼瞼内反症とはどのような病気ですか?
猫の眼瞼内反症は、まぶたの縁が内側に反転し、眼球に接触する状態を指します。この状態は、猫のまぶたの外側にある毛が眼球に触れ、角膜などに刺激を与えることで、涙が止まらなくなるなどの症状を引き起こします。

原因はさまざまで、発育異常や特定の構造を持つ猫、目の病気に続いて起こることもあります。特にペルシャやヒマラヤンなどの品種で発生頻度が高いとされています。
軽度の場合は過剰な涙や不快感が主な症状ですが、刺激が強いと持続的な痛みや結膜炎、角膜炎などが起こります。そして、角膜にびらんや潰瘍が生じると、強い痛みを伴います。
眼瞼内反症の主な症状を教えてください
眼瞼内反症は眼球やその周辺の組織に刺激を与え続け、さまざまな症状を引き起こします。
具体的な症状を以下に解説します。

・涙が出る:
 まぶたやまつ毛が眼球に接触することで、涙が過剰に分泌されます。

・まぶしそうにする:
 眼球への刺激により、猫がまぶしそうにする行動を示すことがあります。

・まぶたのけいれん:
 痛みや不快感により、まぶたがけいれんすることがあります。

・角膜に白っぽい部分がある:
 角膜に傷がつくことで、白っぽい変化が見られることがあります。

・角膜に血管が伸びる:
 慢性的な刺激により、角膜に血管が新生することがあります。

・結膜充血:
 眼の炎症により、結膜が充血することがあります。

・角膜潰瘍:
 上記の症状がある場合は、角膜潰瘍になっている場合があります。
 角膜に傷が入り、その傷が修復できないまま潰瘍になっている状態です。

これらの症状は、猫にとって不快であり、時には痛みを伴うこともあります。
眼瞼内反症は早期発見と適切な治療が重要で、症状が見られた場合は速やかに獣医師の診察を受けることが推奨されます。
眼瞼内反症は何が原因でなりますか?
猫の眼瞼内反症の原因は、いくつかの要因によって引き起こされます。主な原因は以下の通りです。

・眼瞼の構造の異常:
 生まれつきまぶたの構造に異常がある場合や、鼻の低い短頭種(例えばペルシャ猫やヒマラヤン猫など)、子猫などに発生する傾向にあります。

・目の痛みによるけいれん:
 角膜潰瘍やブドウ膜炎など、目の痛みを伴う疾患が原因で、眼瞼がけいれんし、内反することがあります。

・外傷治癒後のまぶたの構造変化:
 目に外傷を負った後の傷が治っていく過程で、まぶたの構造が変化し、内反することがあります。

・眼球のサイズや位置の問題:
 眼球が小さい、または落ちくぼんでいる場合、まぶたが眼球に向かって内反しやすくなります。

・感染症による合併症:
 猫風邪などの感染症が慢性化し、結膜炎や角膜炎が続いている場合、眼瞼内反症が合併症として見られることがあります。

猫の眼瞼内反症の治療法

猫の眼瞼内反症は手術が必要ですか?
猫の眼瞼内反症における手術の必要性は、その原因や重症度によって判断されます。
以下に、手術が必要となる場合とそのほかの治療方法について説明します。

手術が必要な場合:
眼瞼内反症が慢性化し、角膜炎や角膜びらん、潰瘍などの角膜損傷が繰り返し起こる場合、外科手術が必要になることがあります。手術では、伸びてしまった皮膚を切除します。
手術は、猫の苦痛を取り除き、生活の質を改善し、さらなる角膜損傷を防ぐ目的で行われます。

手術が不要な場合:
軽度の眼瞼内反症の場合、手術を行わずに目薬を使用し、症状の軽減を図ります。
目薬の治療については、次の質問にて詳しく紹介します。
また、脱水や貧血などの眼以外の疾患が要因となっている場合は、それらの症状に対する処置も行われます。

猫の眼瞼内反症は、適切な診断のもと、個々にあった治療を受けるためにも定期的な診察が必要です。
軽度であれば目薬で症状を軽減できますか?
軽度の眼瞼内反症の場合、手術を行わずに目薬や眼軟膏による治療で症状を管理することが多いようです。しかし、症状が慢性化する場合や重症化する可能性もあるため、獣医師の指示に従い適切な治療を行うことが重要です。
以下に、軽度の眼瞼内反症の治療方法について詳しく説明します。

軽度の眼瞼内反症では、まつ毛や被毛が眼球に接触し、刺激を与えることで涙目や不快感が生じます。そのため、抗炎症剤や角膜保護を目的とした目薬や眼軟膏を使用し、症状の軽減を図ります。眼球や眼の周辺組織に感染が存在する場合は、抗生物質の目薬を併用することもあります。

目薬や眼軟膏による治療は、角膜への刺激を和らげ、炎症を軽減します。これにより、眼の違和感を減少させ、涙目や目やにの増加を抑えます。

あくまで目薬や眼軟膏による治療は症状に対する対症療法であり、根治には至りません。症状が再発しないように、定期的なケアや獣医師によるフォローアップが必要です。
まつ毛を抜くこともありますか?
猫の眼瞼内反症の治療において、まつ毛を抜く処置が行われることがあります。
以下に、その詳細を説明します。

眼瞼内反症では、まぶたが内側に巻き込まれ、まつ毛や眼瞼周辺の被毛が眼球に接触し、刺激を与え続けます。この刺激により、角膜に傷がついたり、炎症が生じたりすることがあります。
まつ毛を抜くことで、眼球への直接的な刺激を減らし、症状の軽減を図ります。

まつ毛抜きは一時的な症状の緩和を期待するための処置であり、毛が再び生えてくるため、定期的な処置が必要になります。あくまで症状に対する治療であり、根治には至りません。
まつ毛抜きは、症状が軽度の場合や外科手術を行わない場合の対症療法として行われることが多いようです。
重度の場合や慢性化している場合は、外科手術による根本的な矯正が必要となります。

猫の眼瞼内反症の予防法

猫 痙攣
予防のために日常生活で注意すべきことは何ですか?
先天的な眼瞼内反症を予防することはなかなか難しいですが、それ以外が原因となる場合は日常生活の中で予防できることもあります。
以下に、予防のために心掛けるポイントを説明します。

・定期的な眼のチェック:
猫の眼の健康状態を定期的にチェックし、異常が見られた場合は早めに獣医師に相談することが重要です。
涙目や目やにの増加、眼の充血などの症状が見られた場合は、特に注意が必要です。
先天的な眼瞼内反症の場合でも、悪化させる前の段階で発見し治療を受けさせることが大切です。

・室内飼育:
外部との接触を減らすことで、感染症や外傷のリスクを低減できます。
野良猫とのけんかによる外傷を避けるためにも、室内飼育をおすすめします。

・適切な栄養管理:
猫の全体的な健康状態を保つために、バランスの取れた栄養を与えることが重要です。
栄養不足や急激な体重減少は、眼瞼内反症のリスクを高めることがあります。

・ワクチン接種:
感染症によって眼瞼内反症になることがあるため、ワクチンを定期的に接種することも予防のひとつとなり得ます。ワクチン接種については、次の質問で詳しく解説します。

これらの予防策は、眼瞼内反症の発生を完全に防ぐものではありませんが、眼疾患の早期発見や発生リスクを減らすために、毎日のケアの中で猫の眼の様子も観察してみましょう。
予防には定期的なワクチン接種が必要ですか?
猫の眼瞼内反症の予防において、定期的なワクチン接種は一定の効果が期待できます。
猫の眼瞼内反症は、感染症による眼の炎症が原因で発生することがあります。特に猫ヘルペスウイルス感染症やクラミジア感染症などが、眼瞼内反症を引き起こすことが知られています。
これらの感染症はワクチンによって予防が可能とされているため、ワクチン接種は感染症による眼瞼内反症のリスクを減らします。

一方で、先天的な眼瞼内反症は、遺伝的な要因や品種特有の顔の構造によって発生するため、ワクチン接種による予防は期待できません。

編集部まとめ

ここまで猫の眼瞼内反症についてお伝えしてきました。

猫の眼瞼内反症の要点をまとめると以下の通りです。

  • 猫の眼瞼内反症とはまぶたの縁が内側に反転し、眼球に接触する状態を指し、猫のまぶたの外側にある毛が眼球に触れ、角膜などに刺激を与える
  • 猫の眼瞼内反症の治療法は、原因や重症度によって異なり、手術や目薬、まつ毛抜きなどが行われる
  • 猫の眼瞼内反症の予防には、定期的な眼のチェックや感染症の予防目的のワクチン接種、室内飼育、適切な栄養管理などが重要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献