猫が虫刺されになったら?症状の見分け方や刺されやすい場所、動物病院での治療などを解説

猫が虫刺されになったら?症状の見分け方や刺されやすい場所、動物病院での治療などを解説

猫の皮膚トラブルのなかでも、ノミ・ダニ・蚊など吸血昆虫による虫刺されは見落としやすく、強いかゆみや脱毛、掻き壊しによる感染、貧血を引き起こすことがあります。屋内飼育でも、人や物を通じて持ち込まれるため、季節を問わず注意が必要です。ノミが媒介する条虫や、蚊によるフィラリア症などの感染症も軽視できません。この記事では、原因虫の特徴と見分け方、受診の目安、治療法、そして予防のポイントまでを実践的に整理してご紹介します。

猫の虫刺されで見られる症状

猫の虫刺されで見られる症状

皮膚や全身に現れるサインを見逃さず、早めの受診と適切なケアにつなげましょう。

猫が虫に刺されるとどのような症状が現れますか?
猫が虫に刺されると、刺咬部の赤みや膨らみ、丘疹・膨疹、強いかゆみが現れ、掻き壊して出血や痂皮、脱毛、二次感染を起こすことがあります。ノミアレルギー性皮膚炎では腰背〜尾根部を中心に粒状の痂皮が散在し、激しい掻痒が続きます。蚊では耳介や鼻梁に赤い斑と腫れ、ダニでは局所の硬結やしこりが目立ちます。重症では顔の腫れ、蕁麻疹、嘔吐、ぐったりなど全身症状が出ることがあり、早めの受診が必要です。舐め壊しでホットスポット様に湿潤し、悪臭を伴うこともあります。貧血や発熱、元気低下が加わる場合は緊急性に注意します。
虫刺されが重症化するとどのような症状が出ますか?
重症化すると、顔の腫れや蕁麻疹、激しいかゆみが全身に拡がり、嘔吐・下痢、よだれ、ぐったりが出ます。呼吸が速い・苦しい、ぜいぜい音、口の色が白い・紫のときはアナフィラキシーを疑います。
そのほかの主な症状は次のとおりです。至急受診することが望ましいです。
・掻き壊しから化膿して発熱や悪臭が出る
・ノミ大量寄生では貧血や可視粘膜の蒼白が進む
・蚊やダニ媒介の病原体で咳や発作、虚脱が生じる
・開口呼吸や失神、けいれんが見られる
・刺口に硬いしこりが残り、リンパ節が腫れる
虫刺されの跡はどのように見分ければよいか教えてください
刺された跡は原因となる虫の種類によって手がかりが異なります。ノミは腰背〜尾根部に小さな赤い丘疹と粒状の痂皮が散り、線状に並ぶこともあり、激しい掻痒と脱毛を伴います。
蚊は耳介や鼻梁など毛の薄い部位に地図状の紅斑と軽い腫れ、中央の刺点が見えることがあります。
マダニは硬いしこり様の膨らみや黒い口器の残存が目印です。
疥癬など一部ダニは耳縁の厚いフケ・痂皮と強いかゆみが続きます。二週間で拡大や化膿があれば早めに受診します。

猫を刺す虫の種類と刺されやすい場所

では次に、刺す虫の種類と好発部位を理解し、家庭での予防と早期受診に必ず結び付けましょう。

猫を刺す代表的な虫は何ですか?
代表はノミ、マダニ、蚊です。
ノミは激しいかゆみや脱毛を起こし、条虫を媒介することがあります。
マダニは硬い身体で吸血し、刺口にしこりを残し、細菌やウイルスや原虫を運ぶことがあります。
蚊は耳や鼻の薄毛部を好んで刺し、猫ヘモプラズマやを地域によって媒介する可能性があります。
ブユ(ブヨ)やアブ、ヌカカも吸血し、強い腫れや痛みを起こすことがあります。
イエダニやツメダニは室内でも発生し、群発的なかゆみを生じることがあります。
猫の体のどの部分が虫に刺されやすいか教えてください
猫が刺されやすいのは、毛が薄く血管が豊富で届きやすい部位です。
蚊は耳介の縁や内側、鼻梁、まぶた、、肉球、口周り、腹部を好みます。ノミは腰背〜尾根部、内股、下腹、首まわりに集まりやすく、掻き壊しで脱毛が目立ちます。
マダニは頭頸部や耳の付け根、顎下に寄生しやすいです。
毎日、撫でながら指先とコームで触診し、黒い砂粒様のフンや小さな膨らみを見つけたら早めに受診します。
室内飼いの猫でも虫刺されのリスクはありますか?
室内飼いでもリスクはあります。人や犬の被毛・衣類に付いたノミやダニが持ち込まれ、玄関や網戸の隙間から蚊が侵入します。共有廊下やベランダの植木、来客の荷物や中古家具、段ボールに卵やサナギが潜むこともあります。室内でも幼虫が環境に残り季節外でも発生します。予防は通年の寄生虫対策薬、網戸や隙間の整備、掃除機と熱洗濯、寝具の定期洗浄、来客時の注意、外出後のコーミングでの確認です。掻く・赤い丘疹・脱毛が出たら早めに受診します。

動物病院での診察と治療方法

動物病院での診察と治療方法

ここでは、受診の目安を具体的に示していき、迷わず適切に対処できるようにご案内します。

猫が虫に刺された場合、すぐに動物病院を受診すべきですか?
虫に刺された直後は落ち着いて観察し、強い腫れやじんましん、嘔吐・下痢、ぐったり、呼吸が速い・苦しい、口の色が白や紫色であればただちに受診します。
顔の腫れ、目や口・喉の周囲の腫れは気道狭窄のおそれがあり緊急です。
掻き壊して出血や膿が出る、発熱がある、子猫・高齢・基礎疾患がある場合も早めに相談します。
ダニは無理に外さず病院で除去し、人用医薬品は避けます。24〜48時間は腫れや元気、呼吸の変化を記録し、悪化すればすぐ受診します。
動物病院ではどのような治療を行いますか?
動物病院では、まず刺された経緯と症状を確認し、皮膚を診て二次感染や全身反応の有無を評価します。
ダニは専用器具で口器ごと抜去し、刺口は洗浄・消毒します。かゆみや腫れには抗ヒスタミン薬や短期のステロイドを用い、疼痛には鎮痛薬を併用します。化膿には抗菌薬を投与し、ノミ・マダニ予防薬を適切に処方します。アナフィラキシーではアドレナリン、酸素、点滴で全身管理を行い、必要に応じて入院とエリザベスカラーで掻き壊しを防ぎます。
虫刺されの治療にかかる費用の目安を教えてください
費用は病院や地域、症状の重さ、時間外かで変わります。目安は次のとおりです。
・初診+皮膚検査(視診・鏡検)で5,000~10,000円
・抗ヒスタミン薬や短期ステロイドの内服・注射で5,000~10,000円
・化膿があれば抗菌薬追加で2,000~5,000円
・マダニ除去は1,000~5,000円
・ノミ・マダニ予防薬は1回1,500~3,000円
・重度のアレルギー反応やアナフィラキシーでは救急対応(アドレナリン・酸素・点滴)で20,000~80,000円
・入院は1日2,000〜5,000円

可能なら事前に見積もりを取るとよいでしょう。

自宅でできる応急処置と予防対策

誤った応急処置を避けるためにも、自宅での対応と予防の工夫を身につけましょう。

動物病院に行く前に自宅でできる応急処置はありますか?
まず冷静に観察し、顔や喉の強い腫れ、呼吸の苦しさ、嘔吐・ぐったりがあれば直ちに受診します。患部は清潔な水でやさしく洗い、清潔な布で軽く冷やしてかゆみと腫れを抑えます。掻き壊し防止にエリザベスカラーを装着します。人用医薬品や市販のかゆみ止め、ステロイドの自己投与は避けます。
マダニは無理に抜かず、そのまま受診します。刺した虫や時刻、写真、使用薬を記録し、電話で指示を仰ぎます。アルコールや温湿布で擦らず、屋内で安静に保ちます。排尿・呼吸・元気の変化もメモします。
虫刺されを予防するために飼い主ができる対策を教えてください
通年のノミ・マダニ・フィラリア予防薬を獣医師の指示どおりに継続します。網戸や隙間を整備し、玄関やベランダの忌避製品を併用します。寝具やラグは熱洗濯と乾燥を徹底し、掃除機で卵や幼虫を除去します。
外出後はコームで被毛を点検し、段ボールや中古家具は早めに処分・清拭します。
庭木の茂みを刈り、水たまりを作らないよう管理します。
室内でも発生するため、家族で月次チェック表を共有します。来客の荷物は床に置かず、ゴミは密閉して早めに廃棄します。
市販の虫よけ製品は猫に使用してもよいですか?
基本的に人用や犬用の虫よけを猫に使うべきではありません。特にピレトリン・ピレスロイド(ペルメトリンなど)、DEET、シトロネラやティーツリーなど精油成分は中毒や神経症状を起こすおそれがあります。
犬用の首輪型製品(ペルメトリン含有)は猫で禁忌です。必ず獣医師が推奨する猫用の予防薬や忌避製品のみを用い、月齢や妊娠の有無、持病に合わせて用量を守ります。誤使用や舐め取りがあれば、すぐに洗い流し、速やかに受診します。アロマの拡散器も避けます。

編集部まとめ

猫の虫刺されは、軽度の赤みやかゆみから、顔の腫れや呼吸困難を伴う重症反応まで幅があります。治療は症状に応じて抗ヒスタミン薬やステロイド、感染があれば抗菌薬が使われます。自宅では冷却や掻き壊し防止に努め、市販薬は使わず、獣医師の処方を守りましょう。通年の予防薬と清潔な住環境の維持が重要です。室内飼いでも油断せず2、外出後の被毛チェックや、網戸・寝具の整備を習慣化しましょう。マダニは無理に取らず、病院で処置を受けてください。

【参考文献】