犬の白内障をご存じですか?
本記事では、犬の白内障について以下の点を中心にご紹介します!
- 犬の白内障の症状
- 犬が白内障になる原因
- 犬の白内障の治療法
犬の白内障について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
犬の白内障とは?
犬の白内障とは、目の中にあるレンズの役割をする水晶体が白く濁ってしまう病気です。この病気は、視力の低下や失明などの重大な影響を及ぼす可能性があります。犬の白内障の原因や症状、治療法について、以下のように説明できます。
犬の白内障の原因はさまざまですが、遺伝や加齢が多いです。他にも、糖尿病や外傷、薬剤、他の眼疾患などが原因になることがあります。白内障の症状は、混濁の範囲によって初発白内障から過熟白内障まで4つのステージに分けられます。初期の段階では、目が白くなっていることに気づかないこともありますが、進行すると視力が低下し、目が真っ白になります。また、白内障によって他の眼疾患を合併することもあり、目が赤くなったり、痛みを感じたりすることもあります。
白内障は逆転不可能な変化を引き起こすため、目の混濁を取り除くには手術が必要です。手術では、混濁した水晶体を吸引し、人工レンズを挿入する処置をします。手術を望まない場合や手術の適応がない場合は、点眼やサプリメントの使用により、混濁の進行遅延が期待できます。
白内障になりやすい犬種
白内障は遺伝的な要因が強い病気で、特定の犬種に多く見られます。遺伝的な傾向があるため、親犬が白内障を持っている場合、子犬にも発症するリスクが高まります。白内障にかかりやすい犬種としては、トイ・プードル、コッカースパニエル、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、ボストン・テリア、柴犬などが知られています。これらの犬種は、遺伝的な要因や体質的な理由で白内障を発症しやすいと認識されています。
白内障の症状
病気の進行度別に白内障の症状を解説します。
初発白内障
白内障の最初の段階です。水晶体の一部が白く濁り始めますが、まだ視力に大きな影響はありません。目の奥にある黒い部分(瞳孔)が青白く見えることがあります。この段階では、犬自身も気づかないことが多いです。
未熟白内障
白内障が進行すると、水晶体の濁りが広がります。視力が低下し、物がぼやけて見えるようになります。目の奥が白く見えることが多くなります。この段階では、犬は明るい場所や暗い場所での視力の差を感じるようになります。
成熟白内障
白内障がさらに進行すると、水晶体全体が白く濁ります。視力が大幅に低下し、物の形や色がほとんど分からなくなります。目の奥が真っ白に見えるようになります。この段階では、犬は目の前の障害物にぶつかったり、方向感覚を失ったりすることがあります。
過熟白内障
白内障が最終段階になると、水晶体が硬化し、縮小します。視力はほぼ失われ、ほぼ何も視認できなくなります。目の奥が灰色に見えることがあります。この段階では、犬は完全に失明する危険があります。また、白内障によって他の眼疾患を合併する可能性も高くなります。
白内障になる原因
犬の白内障になる原因については、上述の遺伝的要因に加えて以下の通りです。
加齢は白内障の発症に大きく関わります。年を取るにつれて、犬の目の水晶体は自然と濁りやすくなります。水晶体はタンパク質でできており、タンパク質が酸化すると混濁するという仕組みです。加齢によって酸化が進むと、水晶体が白く濁ってしまいます。
また、糖尿病は白内障の発症にも影響を与えます。糖尿病の犬は、血糖値が高くなることで、水晶体にも糖が蓄積されます。糖が水晶体のタンパク質と結合すると、水晶体が濁るという現象が起こります。糖尿病による白内障は、急速に進行することが多いです。
外傷は白内障の発症にも影響を与えます。犬が目に何かをぶつけたり、傷つけたりすると、水晶体にもダメージが及びます。水晶体が傷つくと、水晶体のタンパク質が変性したり、水分が失われたりします。これによって、水晶体が濁ることがあります。
薬剤は白内障の発症にも影響を与えます。犬が長期間にわたってステロイドや抗がん剤などの薬を服用すると、水晶体にも副作用が現れます。水晶体のタンパク質が変性したり、水分が失われたりします。これによって、水晶体が濁ることがあります。
他の眼疾患は白内障の発症にも影響を与えます。犬が緑内障や角膜炎などの眼疾患を持っている場合、水晶体にも炎症や圧力がかかります。水晶体が炎症を起こしたり、圧迫されたりすると、水晶体が濁ることがあります。
白内障の治療法
白内障は水晶体の不可逆的な変化を伴う病気であるため、目の混濁を取り除くには手術が必要です。病気の進行を遅らせる内科治療と、視力の回復が見込める外科治療についてそれぞれ解説します。
内科治療
内科治療は、白内障の進行を遅らせるための方法です。手術を望まない場合や、手術の適応がない場合に選択されます。内科治療には、点眼薬やサプリメントなどがあります。点眼薬は、水晶体のタンパク質の酸化を防いだり、炎症を抑えたりします。サプリメントは、水晶体の栄養を補い、酸化を抑えることに役立ちます。内科治療は、白内障を完全に治せませんが、視力の低下を緩和できます。
外科治療
外科治療は、白内障を根本的に治すための方法です。水晶体の混濁を取り除き、人工レンズを挿入する手術をします。手術には、超音波を使って水晶体を吸引する超音波乳化吸引術と、水晶体を一塊で取り出す抜摘術の2種類があります。手術は、視力を回復できますが、リスクや費用もかかります。手術を受ける前には、網膜に異常がないかを確認する検査や、獣医師とよく相談する必要があります。
白内障は予防できる?
白内障の原因の中には、予防できるものもあります。例えば、糖尿病や外傷、薬剤などは、適切な管理や注意によって白内障のリスクを減らします。糖尿病の場合は、血糖値をコントロールすることが重要です。外傷の場合は、犬が目に何かをぶつけないように気を付けることが重要です。薬剤の場合は、獣医師の指示に従って服用することが重要です。
白内障の原因の中には、予防できないものもあります。例えば、遺伝や加齢などは、どうしようもないものです。遺伝的な要因がある犬種は、白内障を発症する可能性が高いです。加齢によっても、水晶体は自然に濁りやすくなります。
白内障の予防には、定期的な眼科検診を受けることが重要です。早期発見すれば、治療の影響力も高まります。また、適切な栄養管理や、紫外線から目を守ることも予防に役立ちます。栄養管理では、ビタミンやミネラルなどの抗酸化物質を含む食事を与えることが望ましいです。紫外線から目を守るには、犬用のサングラスや帽子を使いましょう。
まとめ
ここまで犬の白内障についてお伝えしてきました。
犬の白内障の要点をまとめると以下の通りです。
- 犬の白内障の初期段階では、目が白くなっていることに気づかないこともあるが、進行すると視力が低下し、目が真っ白になる
- 犬が白内障になる原因は、遺伝的要因、加齢、糖尿病、外傷、薬剤、他の眼疾患などがある
- 犬の白内障の治療は基本的には外科治療による人工レンズの挿入が行われるが、手術を望まない場合や手術の適応がない場合には内科治療によって病気の進行を遅らせる選択を取ることが多い
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。