犬が歯ぎしりをしているのを見て不安に思った方は多いのではないでしょうか。犬も人間と同様に歯ぎしりをすることは珍しくありません。
犬の歯ぎしりは、ストレスや体調の変化・口腔内の不快感・脳神経の疾患などが原因です。本記事では、歯ぎしりの原因や対処法・予防法を詳しく解説します。
歯ぎしりの原因を知っておくことは、愛犬の健康を守るためにとても大切です。愛犬の歯ぎしりが気になる方は、本記事を参考にしてみてください。
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犬の歯ぎしりは何が原因?
- 犬が歯ぎしりをするのは何か原因があるのでしょうか?
- 犬の歯ぎしりの原因は、ストレス・口腔内の不快感・脳神経の疾患などです。
犬は、環境の変化や家族との関係性などによって精神的なストレスや不安を感じると歯ぎしりをすることがあります。また、口腔内の不快感も歯ぎしりの原因のひとつです。
例えば、むし歯や歯周病があり歯茎が腫れていて痛みがある・歯に食べ物がはさまっている・噛み合わせが悪い・外傷によって顎がずれてしまったなどが挙げられます。子犬の場合は、乳歯から永久歯に生え変わるときに口腔内に違和感を生じ歯ぎしりをすることがあります。
- 歯ぎしりにも種類はあるのでしょうか?
- 歯ぎしりの種類は、一般的に以下の3つです。
- タッピング
- グライディング
- クレンチング
タッピングとは、上下の歯を噛むようにカチカチと音が鳴る歯ぎしりのことです。ストレスや寒さなどが原因で起こり、歯や顎への衝撃は少ないとされています。
グライディングとは、上下の歯をこすり合わせギリギリといった音が鳴る歯ぎしりです。歯や顎への負担は、少し大きくなります。
クレンチングは、歯を食いしばるような歯ぎしりです。音は聞こえませんが、食いしばるため歯や顎への負担が大きく、歯が折れたり歯周病が悪化したりするので注意が必要です。
- 病気が歯ぎしりの要因になっていることはありますか?
- 脳神経の疾患や口腔内の疾患により歯ぎしりをしている可能性があります。脳神経の疾患が疑われるものとして、てんかんの発作が挙げられます。特にクレンチングをしている場合は、注意が必要です。
口腔内の疾患が疑われるものでは、歯周病やむし歯、歯肉炎が挙げられます。歯周病やむし歯、歯肉炎により歯茎が腫れていると口腔内に不快感があり歯ぎしりにつながります。また、外傷によって顎がずれてしまった場合も歯ぎしりをすることがあるでしょう。
犬の歯ぎしりの対処法
- 犬が歯ぎしりをしている場合の対処法を教えてください。
- 犬が歯ぎしりをしている場合の対処法は、歯ぎしりの原因によって異なります。精神的ストレスや不安による歯ぎしりは、犬のストレスを軽減させてあげることが重要です。
例えば、飼い主さんとの触れ合いやコミュニケーションを増やしたり、散歩やドッグランなどに連れていき遊ばせてあげたりするとストレス解消につながるでしょう。
子犬の場合の乳歯から生え変わるときの歯ぎしりは、おもちゃを与えることで歯の不快感を軽減させてあげられます。
歯周病やむし歯などの口腔内の疾患が原因の場合は、獣医師に診察してもらい適切な治療と対処をしてもらうことが必要です。噛みしめるような歯ぎしりをしている場合は、病気が関連している可能性があるので早めに受診しましょう。
- 歯ぎしりが出てきたときの受診目安を教えてください。
- 歯ぎしりをする原因にもよりますが、歯ぎしりをしていることに気付いたらなるべく早く受診しましょう。歯の生え変わりによる歯ぎしりに関しては、緊急性が低いため歯並びをチェックしながら様子を見て受診することをおすすめします。
口腔内の疾患により痛みがあったり腫れていたりする場合の歯ぎしりは、愛犬のためにも早めに受診しましょう。口腔内の不快感は、犬の精神的な負担も大きく、食事への影響もあります。また、歯を食いしばるような歯ぎしりの場合も、歯や顎への負担も大きく病気の可能性があるので気付いたら早めに受診しましょう。
- 放置しておくとどうなりますか?
- 歯ぎしりを放置しておくと、顎や歯に負担がかかり歯が折れたり顎関節症になったりしてしまいます。また、歯周病や歯肉炎などがある場合は悪化して痛みも強くなります。
ストレスや精神的な不安が原因の場合は、これらを放置すると症状が悪化する可能性があるでしょう。脳神経の病気が原因の場合は、症状が進行してしまいます。
歯ぎしりを放置しておくことは、愛犬の健康に深刻な負担を与える原因になります。大切な愛犬の健康を守るために、歯ぎしりを放置せず早めに受診しましょう。
- 歯ぎしりをしながら震えている場合は受診すべきですか?
- 歯ぎしりをしながら震えている場合は、てんかんが疑われるので早めに受診しましょう。
てんかんとは、脳の神経に異常があり発作が繰り返し起こる病気です。特に老犬が歯ぎしりをしながら震えている場合は、てんかんの発作が起きている可能性があります。
歯ぎしりのほかにもよだれが垂れていたり、手足が痙攣していたりなどさまざまな症状が見られます。一般的には、数秒から5分程度で治まりますが5分以上続く場合は、すぐに動物病院へ受診しましょう。
- 原因を探るため動画を残しておくことは有効ですか?
- 原因を探るために動画を撮っておくことは、とても重要です。歯ぎしりにも、問題ない歯ぎしりと重篤な病気のサインである歯ぎしりがあります。
受診するときに、獣医師に歯ぎしりの様子を言葉で伝えるだけでなく、動画を見せて症状を伝えるととてもスムーズです。獣医師も、歯ぎしりの様子を動画で確認すると診断もスムーズに行えるでしょう。
犬の歯ぎしりの予防法
- 犬の歯ぎしりの予防法について教えてください。
- 犬の歯ぎしりの予防法はストレスを与えない・定期的に健康診断を受ける・口腔ケアをする・睡眠の質をよくするなどが挙げられます。
歯ぎしりを予防するためには、歯ぎしりの原因を作らないことがとても大切です。歯ぎしりの原因は、ストレス・口腔内の不快感・病気のサインなどさまざまですが、原因を取り除くことで大切な愛犬が健康に過ごせます。
犬は、話すことができないので日頃から触れ合い、コミュニケーションをとって愛犬の変化に気付いてあげることが重要です。愛犬にとって快適な環境を作ってあげましょう。
- 歯ぎしりでの治療費はどのくらいかかりますか?
- 歯ぎしりの治療費は、数千円から50,000円程度となりますが原因や治療内容などによって大きく変動します。歯ぎしりの原因が、口腔内の疾患の場合はレントゲン検査や全身麻酔などを行うので高額になる傾向です。
歯ぎしりの原因がてんかんの場合は、血液検査や尿検査、抗てんかん薬の服用が必要になるので数千円から約20,000円になります。しかし、てんかんはずっと付き合っていかなければならないため、総額でみるとさらに高額になるでしょう。なかには、保険適用となることもあるので事前に保険内容を確認することをおすすめします。
- ケア方法はありますか?
- 歯ぎしりのケア方法は、原因によって異なります。日常的に実践できるケア方法は以下のとおりです。
- 定期的に歯科検診を受ける
- ストレスや不安を軽減する
- 定期的に健康診断を受ける
- 快適な環境づくりを徹底する
- 観察や記録を行う
定期的に歯科検診や健康診断を受けることで、早期に病気を発見できます。愛犬と長く一緒に過ごすためには、健康管理はとても大切です。
原因がストレスや精神的な不安が疑われる場合は、ストレスや不安の軽減に努めましょう。環境の変化や飼い主さんとの関係性によってストレスとなる場合があります。また、睡眠の質を上げることも有効的です。
ゆっくり静かに寝られるよう快適な温度を保つことが重要になります。日頃から愛犬を観察し、快適な環境づくりを徹底しましょう。
編集部まとめ
犬の歯ぎしりの原因は、ストレスや精神的な不安・口腔内の不快感・脳神経の疾患などさまざまです。歯ぎしりの種類によって、緊急性の低いものとそうでないものがあります。
日頃から愛犬を観察し変化に気付いてあげることが重要です。歯ぎしりを放置しておくとさらに症状が悪化する可能性があるので、歯ぎしりをしていることに気付いたら早めの受診をおすすめします。
日常的に触れ合う・快適な環境を作る・歯科検診や健康診断を受けるなどの対策を行い、愛犬の健康を守りましょう。
参考文献