ペットしつけ教室はストレスになる?ストレスになる理由やしつけ教室の選び方を解説

ペットしつけ教室はストレスになる?ストレスになる理由やしつけ教室の選び方を解説

ペットのしつけ教室やトレーニング・訓練などと耳にすると、犬にとってストレスになるのではないかと心配する飼い主さんもいらっしゃいます。しかし、しつけは犬の快適な生活や健康のために大切なものです。多少のストレスがあっても、大切な愛犬だからこそルールやマナーを教えてあげなければなりません。犬のストレスを少なくするためにもペットのしつけ教室選びは重要です。ここでは、犬のストレスになる理由や、しつけ教室の選び方を紹介していきましょう。

ペットにとってしつけ教室がストレスになる理由

ペットにとってしつけ教室がストレスになる理由

しつけは犬とその家庭によって必要なことですが、やり方を間違えるとストレスになってしまいます。では、どのようなペットのしつけ教室がストレスの原因になるのでしょうか。

いつもと違う環境

ペットのしつけ教室では、いつも接している飼い主さん以外のトレーナーや、ほかの人や犬がいることもあります。場所も家やいつもの散歩コースなどとはまったく違う状況になります。一般的な犬の特徴として、いつもよりも少しストレスのかかった環境の方が、精神的にも学習の面でも成長する場合もあるので有効的な方法です。

しかし、なかにはいつもと違った環境で、場所が変わると大きなストレスを感じてしまうこともあります。臆病な犬や環境が変わると集中できない犬など、性格は個体差があり向き不向きもさまざまです。

ペットのしつけ教室を選ぶ際には、どのようなしつけ教室ならば、環境の変化でストレスを感じないか、犬の性格と向き合って考えることも大切でしょう。臆病でシャイな性格なら、出張タイプやマンツーマン指導ができるペットのしつけ教室、家や慣れた環境でしつけができるしつけ教室を検討してみるのもおすすめです。

飼い主さん以外の人との接触

ペットのしつけ教室では、普段接している飼い主さんやその家族など、毎日の生活のなかで接している人以外と接触が増えます。通いのペットのしつけ教室では、飼い主さんが家に帰ってしまうこともあります。預けタイプのしつけ教室でも、飼い主さん以外のトレーナーと一緒の時間がほとんどです。

犬のしつけには人との信頼関係が必要不可欠になります。飼い主さんとの信頼関係が築けていても、トレーナーははじめて見る人なので、1からの信頼関係の構築が必要です。臆病や人見知りなどの性格がある犬なら、トレーナーさんとの相性がストレスの原因になってしまう可能性も出てくるでしょう。

ペットのしつけ教室では、さまざまな犬に適応できるトレーナーがいます。しかし、犬が飼い主さん以外の人との接触をストレスと感じているのであれば、犬に合ったトレーナーなど、ほかのしつけ教室を探すなどの対策を取ることも必要でしょう。

飼い主さんと離れたことによる不安

ペットのしつけ教室では通いでは数時間、預ける場合は数日間、飼い主さんと離れ離れになってしまいます。飼い主さんがいなくなって、まったく知らない人からトレーニングを受けることは、犬にとっても大変なストレスになるでしょう。

適度なストレスをかけることは日々にメリハリをつけるためにも必要ですが、過度なストレスは犬のとっても嫌なものです。不安を感じてしまい、しつけを覚えてくれないようでは犬の社会化期の教育にも影響するでしょう。

普段一緒にいる飼い主さんから離れることで、ストレスを感じやすい犬には、出張タイプのしつけ教室がおすすめです。慣れた環境と飼い主さんもそばにいてくれることで、リラックスしてしつけのトレーニングを受けることができるでしょう。

ストレスがしつけのトレーニングに与える影響

ストレスがしつけのトレーニングに与える影響

前提として、犬にしつけをするためには多少のストレスは必要です。また、ストレスを感じているからといってしつけをやめてしまうと、社会のルールや生活習慣のマナーを学ぶことができません。では、ストレスがしつけのトレーニングに与える影響とはどのようなものなのでしょうか。

ペットが萎縮し正しいしつけができなくなる

犬がストレスを感じ萎縮するのには原因があります。まだ信頼関係がないうちにただ叱るだけや、指示が伝わりにくいしつけは、犬が萎縮して正しいしつけができない場合があります。

  • 何で叱られているのかわからない
  • 何をしても叱られる
  • 正しい行動がわからない

以上のように、犬もわからないことが増えてパニックになってしまうことで、大きなストレスを感じてしまうのです。このストレスの中、しつけを繰り返しても犬は萎縮してしまうだけでしょう。

犬のしつけでは、犬にわかりやすい指示を与えて成功させてを積み重ねて自信をつけることや、好ましくない行動を叱った後には何をすればいいのか、適切な行動に導いてあげるということが大切です。

しつけ教室に行くことを嫌がるようになる

ペットのしつけ教室で犬がストレスを感じている場合、しつけ教室に行くことを嫌がるようになります。しつけ教室の時間が近づくと物影に隠れたり、ふせの状態から動いてくれないなど、明らかに嫌がる行動をします。

子どもの教育に正解がないように、しつけ教室がその犬に合っているのか正解がありません。気の強い犬には叱るトレーニングが合いますが、臆病な犬にはしかるトレーニングはただのストレスとしか感じません。

しつけ教室のやり方が愛犬に合ったものであれば、トレーニングを楽しみにして、しつけ教室に行く際にしっぽを振るなど楽しそうにするはずです。ペットのしつけ教室へ行く際には、犬の反応を見て嫌がっていないかチェックしましょう。

問題行動が増える可能性がある

ペットのしつけ教室へ行く際に、隠れたり動かないといった嫌がる行動をしていても無理やりしつけ教室へ連れて行っていると、今度は吠える・噛むなどの問題行動を起こす可能性が高くなります。

はじめは、嫌だから吠えてしまっていることを深く考えず、引っ張ってでもしつけ教室へ連れて行かなければと思っていると、リードを引っ張ったりリードを噛んだりと問題行動が増えるのです。

吠える・噛むという行動が増えるということは、しつけ教室でのトレーニングがしっかりできていない可能性もあります。また、しつけ教室へ行くことを嫌がっていることが明らかなら、しつけ教室が犬の性格に合っていない可能性が高いです。ペットのしつけ教室へ行く前と後で、問題行動が増えていないか確認をするようにしましょう。

ペットのストレスに対して飼い主さんができること

ペットのストレスに対して飼い主さんができること

愛犬のストレスに気付いたら、飼い主さんも対処法を考えましょう。ペットのしつけ教室は、犬の社会化やルールを守ることが目的で、ストレスを抱えているのであれば飼い主さんにできることがあるはずです。

ストレスの原因を確かめる

まずは、犬が今ペットのしつけ教室で感じているストレスの原因が何なのかを確かめましょう。

  • 通っているしつけ教室のトレーナーとの相性が合わない
  • 通っている教室で出会う犬が苦手
  • 帰って来てからの飼い主さんの復習の仕方が理解できない

など、犬によって原因はさまざまです。いずれにしても、しつけ教室が関係しているのであれば、ストレスの根本的な原因を探す必要があるでしょう。

原因はひとつとは限りません。いくつかが複合的に絡んでいる可能性もあるので、原因解明の際、見誤らないように注意が必要です。

普段どおりに接する

犬は飼い主さんの表情や感情にとても敏感です。飼い主さんが犬のストレスに対して不安になると、さらに犬も不安になってしまい、ストレスを溜め込んでしまうかもしれません。

犬が不安にならないためにも、飼い主さんは普段どおり犬に接してあげましょう。

イライラしたり、むやみに叱りつける行動はもちろんいけませんが、普段以上に優しくするような行動も逆効果になるので注意しましょう。

スキンシップを増やす

犬にとって飼い主さんとのスキンシップはとても癒される時間です。優しくゆっくりと毛並みに合わせてなでることで、犬はリラックスできストレスの軽減が期待できます。毛を逆立てるようになでると、興奮しやすくなるため遊びの時間に向いています。リラックスさせるときには不向きなので覚えておきましょう。

一緒に遊んであげる際のスキンシップも大切です。おもちゃや散歩などの際、褒めてあげるときにスキンシップを多めに取り入れるとよいでしょう。飼い主さんの愛情いっぱいにスキンシップをしてあげると犬もリラックスします。

しかし、スキンシップをむやみやたらに取り入れることはしつけの妨げになることもあります。メリハリのあるスキルアップで犬のストレス軽減を心がけましょう。

散歩や遊びの時間を増やす

犬にとって散歩や遊びの時間はストレス発散の大切な時間です。散歩中に新しい匂いを嗅ぐことや、広場でのボール遊びなど、犬の本能を刺激できるため心身の健康によい影響を与えます。

散歩のコースを変えることで日常の変化が出て新しい経験ができます。家のなかでフードやおやつを隠して探すノーズワークやおもちゃでの運動もストレス発散におすすめです。犬にとって噛む行動はストレス解消になります。デンタルアイテムやガムを与えるのもよいでしょう。

新しい散歩コースや家のなかで、ストレス解消の手段がいくつもあれば犬もストレスを溜め込んで問題行動を起こしたりすることも少なくなります。

ペットの居場所(スペース)を確保する

怒られたときやストレスを感じたときに、犬が避難できるスペースを作っておくことも大切です。犬が自由に動けるスペースに、サークルで囲いを作って、なかにケージやベッドを置いてあげるなど、自分だけの場所を確保してあげるとよいでしょう。

犬は甘えたいと感じるときには家族の隣に寄り添い、自分の時間がほしいときには自分だけのスペースでリラックスすることもあります。家族の日常をそこから観察することで犬も安心して過ごせるとともに、ストレスレスな環境があることで楽しく毎日が過ごせるでしょう。

一緒にトレーニングに参加する

犬のストレスの原因がペットのしつけ教室にあるのなら、安心できる飼い主さんが一緒にトレーニングに参加することで犬のストレスが解消されるかもしれません。また、何がストレスなのか原因もわかりやすくなります。

また、犬と一緒にトレーニングを受けることで、ストレスから楽しいという感情に変わることもあります。飼い主さんとのトレーニングは、犬にとって安心感のあるものになるでしょう。参加可能なペットのしつけ教室なら、積極的に参加するとよいですね。

ペットにストレスをかけないしつけ教室の選び方

ペットにストレスをかけないしつけ教室の選び方

ペットのしつけ教室を選ぶ際に、どのようなしつけ教室が愛犬に合っているかわからないこともあるでしょう。ここでは、ペットにストレスをかけないしつけ教室の選び方を解説していきます。

子犬、成犬など年齢に合わせた教室を選ぶ

犬のしつけでストレスをかけないために、子犬・成犬など年齢に合わせた教室を選ぶことも大切です。

犬を飼うのが初めての人は、早めにしつけ教室に通うことをおすすめします。飼うのが初めての人に少なくないのが子犬を甘やかしてしまうか、逆に厳しくしてしまうタイプです。甘やかしてしまった場合はコントロールが難しい犬、厳しい場合には犬がストレスを抱えることもあります。

子犬をしつけ教室は、生後3ヵ月までに通わせるのが理想的です。生後3ヵ月前後を過ぎると反抗期に入る犬もいるので、しつけにくくなる傾向にあります。ただし、3ヵ月を過ぎてしまったからといって諦めることはありません。

成犬になってもトイレの失敗がある、吠え癖や噛み癖が治らないといった問題行動のある犬をしつけ直すことも可能です。成犬の方が根気が必要ですが、問題行動に特化したしつけ教室もあるので、ストレスなく通える教室を探すようにしましょう。

ペットの性格に合った教室を選ぶ

ペットしつけ教室が愛犬に合うかどうかは、犬の年齢や性格、飼い主さんの状況などによって異なります。

犬のしつけに関しては、早期からはじめていくことが大切です。社会化期に合わせてしつけをしやすいといった条件もありますが、成犬になってからのしつけ時間確保が難しい場合は、もう遅いのかと不安になってしまいますよね。

愛犬のしつけ教室は社会化期のみばかりではなく、成犬になってからでも利用が可能な教室・プランが多数展開されています。犬のタイプに合わせたしつけ教室があれば、飼い主さんが必要に感じたタイミングで利用できます。

犬のしつけ教室選びを悩んでいる方は、問題行動が起こる前に予防の観点で通いはじめることも視野に入れましょう。また、成犬でもしつけ教室へ通わせることが遅いわけではないので、犬に合ったしつけ教室を探すことも考慮しましょう。

一緒にトレーニングを受けられる教室を選ぶ

犬だけではなく、飼い主さんも一緒にトレーニングを受けられるしつけ教室を選ぶことで、ストレスの原因がわかるだけではなく、以下のようなメリットも出てきます。

  • 正しいしつけが学べる
  • 飼い主さんの心得が学べる
  • 犬への理解が深くなる
  • 犬との信頼関係を築くことができる
  • ほかの犬の飼い主さんとのコミュニティが広がる
  • 悩みや不安を共有できる

しつけ教室では、犬のしつけはもちろんほかの犬との接し方や癖の矯正など、さまざまなことを学ぶことができます。預けるだけでは気付かなかったことに気付くチャンスもあります。

また、一緒にトレーニングを受けることで、トレーナーから犬の性格や傾向を伝えられるため、接し方についてのアドバイスを受けることも可能です。

犬のしつけは飼い主さんの責任として不可欠で、犬の習性として群れで生活をするなかで上下関係が徹底されています。一緒にトレーニングを受けることで、何にストレスを感じているのかさまざまな方面でトラブルや迷惑行為を未然に防ぐことができます。

ペットのしつけ教室に通う前に確認すべきこと

ペットのしつけ教室に通う前に確認すべきこと

犬がストレスを感じてしまう前に、ペットのしつけ教室に通う前に確認するべきことを紹介しましょう。ポイントをおさえておけば、犬のストレスを未然に防ぐことができます。

しつけ教室の方針や雰囲気

 一概に犬のしつけ教室といっても方針はさまざまです。例えば、ペット犬のしつけ教室であれば、トイレトレーニングや散歩時の歩き方などの日常生活でのしつけを基本としている教室が多く、訓練を目的としているしつけ教室であれば、ニオイの嗅ぎ分けなどの専門的なしつけを得意としています。

そのため、犬のしつけの方針を明確にしておきましょう。人によっては治すしつけよりも、ドッグスポーツにトライしてみたい方もいます。何を学びたいかを考えることで、犬のしつけ教室も選びやすくなるので、そこから考えてみるとよいでしょう。

また、しつけ教室の雰囲気も大切です。犬をなるべく叱らずに褒めてしつけをするところもあれば、厳しく徹底的にしつけをする方法をとる教室もあります。

そのため、犬のしつけ教室に通う前に、しつけ教室の様子を見学させてもらうとよいでしょう。どちらの方が犬に向いているのか、しつけ教室以外で飼い主さんがしつけを行なうことも考慮し、犬に向いてるしつけ教室を選ぶのもおすすめです。

ドッグトレーナーと愛犬の相性

犬にも相性の合う人・合わない人がいます。トレーナーとは長く付き合っていかなければならないため、一緒にいて疲れないトレーナーを選ぶことが必要になるでしょう。相性がよいトレーナーの場合、長丁場のレッスンになったとしても付き合えるはずです。

犬や飼い主さん、トレーナーとの顔合わせのときに、話し合いをリードして、飼い主さんの悩んでいる問題を適切に聞き出せるトレーナーもいます。

なかには、犬を観察するだけで説明もなく、いきなり実地訓練が始まるトレーナーさんも少なくありません。トレーナーがやってできることを、飼い主さんもできるようにならなければ、しつけがうまくできません。そういった意味でもトレーナーと犬だけではなく、飼い主さんとの相性も大切ですね。

まとめ

ペットのしつけ教室は、さまざまなタイプのトレーニングやほかの人、犬との接触も増えます。そのなかで、好奇心を持ち楽しくトレーニングできる犬もいれば、環境が合わずストレスに感じてしまう犬もいるでしょう。犬のストレスをいち早く察知できるのは、ほかの誰でもなく飼い主さんです。ぜひ、普段の行動と違うところや、しつけ教室へ行く際に何か嫌がるような仕草など、日頃から観察するようにしましょう。本記事を読んで、犬と飼い主さんとトレーナーの三者が息の合うペットのしつけ教室を選ぶ参考にしてくださいね。

参考文献