ペットホテルを利用した後、ペットが下痢を起こすことがよく見られます。飼い主さんは心配ですよね。
本記事ではペットホテル利用後にペットが下痢をする原因について以下の点を中心にご紹介します。
- ペットホテル利用後にペットが下痢をする原因
- ペットが下痢をしたときの対応
- ペットの下痢を防ぐためのペットホテル選びのポイント
ペットホテル利用後にペットが下痢をする原因について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
ペットホテル利用後にペットが下痢をする原因
- ペットホテル宿泊によるストレスは下痢の原因になりますか？
- ペットは環境の変化にとても敏感で、慣れ親しんだ自宅から離れてペットホテルに預けられると、大きなストレスを感じることがあります。普段とは違う場所、見知らぬスタッフやほかのペットとの接触は、ペットにとって精神的な負担となりやすいです。飼い主さんへの依存が強い子や神経質な性格のペットは、より一層ストレスを受けやすい傾向があります。
このストレスが自律神経のバランスを乱し、消化機能に影響を及ぼすことで下痢を引き起こすケースが少なくありません。ペットホテルに滞在中は問題がなくても、帰宅して安心感が出ると同時に、体調を崩して下痢になることもあります。
- ペットホテル利用後の下痢の原因として、ストレス以外に何が考えられますか？
- ペットホテル利用後に下痢が見られる場合、ストレス以外にもさまざまな原因が考えられます。以下で解説します。
1.食事の変化による影響
普段とは異なるフードに切り替わったり、食べ過ぎや消化不良から下痢が起こることがあります。食事の見直しを行い、症状が数日続く場合や嘔吐が伴う場合は、速やかに動物病院で診察を受けましょう。
2.誤って異物を飲み込んでしまうケース
人間用の薬やサプリメント、ゴミなどを誤食すると、消化器に異常をきたし、下痢や嘔吐が起こることがあります。内容によっては緊急処置が必要になる場合もあるため、異物誤飲が疑われる際はすぐに動物病院へ相談してください。
3.ウイルス感染
“パルボウイルス”や“犬ジステンパーウイルス”などは、免疫力の弱い子犬や高齢犬に深刻な症状をもたらし、下痢の原因となります。これらの病気はワクチン接種によって予防が期待できます。
4.寄生虫感染
回虫や鞭虫（べんちゅう）、ジアルジアなどの寄生虫は、便に混じっていることがあり、感染すると下痢を引き起こします。診察の際には便を持参して診断しましょう。
5.細菌感染による下痢
“クロストリジウム”や“サルモネラ”などの細菌が腸内で異常増殖すると、血便や発熱、脱水など重篤な症状を引き起こすこともあるため、早期の治療が必要です。
- どのような子が下痢をしやすい傾向にありますか？
- 飼い主さんに強く依存しているペットや、神経質で繊細な性格のペットは、環境の変化によるストレスを強く感じやすく、下痢を起こしやすい傾向にあります。また、ペットホテルでの滞在中は問題がなくても、帰宅して安心した途端に体調を崩すケースも珍しくありません。
ペットが下痢をしたときの対応
- ペットが帰宅後に下痢をしたら、自宅で様子を見てもいいですか？
- ペットが帰宅後に下痢をしても、頻度が少なく血便や嘔吐、食欲の低下などの症状がなければ、1〜2日間、自宅で安静にして様子を見ましょう。例えば、フードの変更や食べ過ぎ、ストレスなどが原因で一時的に下痢が起こることがよくあります。
ただし、下痢の回数が増えたり、便の状態が悪化したり、嘔吐や元気がない様子が見られる場合は、速やかに動物病院を受診してください。
また、自宅で様子を見る際には、飼い主さんが下痢の頻度や便の色・形状、ペットの食欲や元気の具合を注意深く観察し、記録しておくことが重要です。
- 様子を見る場合、自宅でできる処置はありますか？
- ペットの様子がよくない場合、まずは自宅で様子を見ることが大切です。また、胃腸を休ませるためにも、半日〜1日程度絶食をさせるのがおすすめです。ただし、水分補給は欠かさずに行い、冷たすぎる水や一度に大量に飲ませることは避けましょう。嘔吐が見られる場合は、水分の摂取も控え、早めに動物病院を受診してください。
絶食後は、消化しやすいようにドライフードをふやかしたものを少量ずつ与え、食欲があっても症状が落ち着くまでは普段の食事以外のものは控えましょう。特におやつや人間の食べ物は避け、胃腸への負担を軽減することが大切です。
もし、市販の下痢止め薬を使いたい場合でも、感染症などの原因で下痢をしている場合、体内の有害な細菌やウイルスの排出を妨げてしまうことがあります。獣医師の指示なしで使用するのは避けましょう。
また、飼い主さんはペットの様子をよく観察し、いつから下痢が始まったか、回数や便の状態、元気や食欲の有無などを記録しておくと、診察時に役立ちます。
- 下痢で動物病院を受診した方がいいケースを教えてください
- ペットが下痢をしている場合、特に以下のような症状が見られたら、動物病院の受診が推奨されます。
・水のような下痢が頻繁に続く
・嘔吐がある
・便に血が混ざる
・黒っぽい便が出る
また、食欲が著しく落ちていたり、体重が減少していたり、3日以上下痢が続いていたりする場合も、深刻な病気の可能性があります。
ペットホテル利用後のペットの下痢を防ぐ方法
- ペットの下痢を防ぐためのペットホテル選びのポイントを教えてください
- ペットホテルを選ぶ際は、ペットが安心して過ごせる環境かどうかを見極めることが大切です。まず、施設が清潔で静かな場所にあるかを確認しましょう。清潔な環境は感染症予防につながり、静かな環境はペットのストレス軽減に役立ちます。
さらに、運動や散歩の時間が十分に確保されているかどうかも重要なポイントです。適度な運動は精神的な安定と健康維持に欠かせず、ストレスによる下痢を防ぐ効果が期待できます。
また、スタッフの資格や経験、ペットに対する対応の丁寧さも見逃せません。信頼できるスタッフがいることで、ペットが安心して過ごせるだけでなく、急な体調変化にも対応してもらえます。また、獣医師と連携している施設なら、緊急時のサポート体制が整っているため安心です。
最後に、保険の加入状況や施設の管理体制も確認しておきましょう。
- ペットの下痢を予防する方法はありますか？
- ペットの下痢を予防するためには、普段から飼い主さんと適度な距離感を保ち、ペットが精神的に自立できるようサポートすることが大切です。急な長時間のお留守番に慣れさせるため、少しずつペットだけで過ごす時間を延ばしていくといいでしょう。
また、動物病院で分離不安に効果が期待できる薬や整腸剤、粘膜保護剤を処方してもらい、必要に応じてホテルで与えてもらうことも一つの方法です。さらに、ホテルに預ける際や迎えに行く際、自宅に戻った時も過度にかまい過ぎず、落ち着いた愛情表現を心がけることが大切です。
- ペットホテルから帰宅後の過ごし方のポイントを教えてください
- ペットホテルから戻ったペットは、新しい環境や慣れない生活によるストレスで体調を崩しやすくなっています。帰宅後は、まずリラックスできる落ち着いた空間を整えてあげることが大切です。静かな場所にお気に入りのベッドやおもちゃを置いたり、穏やかな音楽を流すなど、視覚や聴覚の刺激を抑えて心身の安定を促しましょう。
ストレス解消には軽い遊びやトレーニングもおすすめです。激しい運動は避け、フェッチなどの簡単な遊びや呼び戻し練習を取り入れて、ペットが楽しみながら気分転換できる時間を作ってあげてください。また、コミュニケーションを深めるトレーニングは心のケアにも役立ちます。
帰宅直後は、いつもと違う行動を示すことがありますが、無理に制限せず、安心して過ごせるよう見守ることが重要です。食事や散歩の時間を一定に保ち、日常のリズムを取り戻すこともポイントです。もし不安定な様子や異常な行動が続く場合は、早めに動物病院に相談しましょう。
また、帰宅後はペットが我慢していたことをしっかり褒めてあげることで、精神的な安定を促すことができます。疲れているペットには優しくスキンシップを取り、マッサージなどでリラックスさせてあげるのもよいでしょう。
編集部まとめ
ここまでペットホテル利用後にペットが下痢をする原因についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。
- 慣れ親しんだ自宅から離れてペットホテルに預けられると、大きなストレスを感じる場合がある。このストレスが自律神経のバランスを乱し、消化機能に影響を及ぼすことで下痢を引き起こす可能性がある
- ペットが下痢をしたときは、血便や嘔吐、食欲の低下などの症状がなければ、1〜2日間自宅で様子を見る。下痢の回数が増えたり、便の状態が悪化したり、嘔吐や元気がない様子が見られる場合は、速やかに動物病院を受診する
- ペットの下痢を防ぐためのペットホテル選びのポイントは、ペットが安心して過ごせる環境であるか、施設が清潔で静かな場所であるか、運動や散歩の時間が十分に確保されているかなどがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
