ペットの体調が悪いとき、動物病院に行くタイミングはいつ?受診を検討したい症状や準備を解説

ペットの体調が悪いとき、動物病院に行くタイミングはいつ?受診を検討したい症状や準備を解説

ペットの元気がないとき、しばらく様子をみるべきか迷う飼い主さんは少なくありません。動物は不調を隠す性質があり、気づいたときには進んでいることもあります。判断の目安を知っておくと、迷わず動けます。この記事では、受診を検討したい症状や緊急性の高い状態、症状がなくても通いたいタイミング、受診の準備について解説します。

動物病院の受診を検討したい症状と緊急性の高い症状

動物病院の受診を検討したい症状と緊急性の高い症状

受診を判断する際には、いくつかの目安があります。ここでは、気をつけたい症状について解説します。

食欲や元気がないときはどのくらい様子をみればよいですか?
犬の場合、まる1日食べない状態が続くなら受診を考えたいところです。猫では、より短い時間でも注意が必要になります。猫は12〜24時間の食欲不振でも受診を考えたいところです。とくに肥満猫では48時間の絶食で肝リピドーシスの危険が高まるため、早めの相談が重要です。 
子犬や子猫、高齢の子、持病のある子は、体力の余裕が少ないものです。半日ほど食べない、水も飲まないといった場合は、早めに相談してください。ぐったりして呼びかけへの反応が鈍いときは、時間を置かず連絡することがすすめられます。いつもと違うと感じた直感は、大切な手がかりになります。毎日そばで見ている飼い主さんだからこそ気づける変化です。
嘔吐や下痢が続く場合の対応を教えてください
1回だけ吐いてそのあとは元気で、食欲もあるなら、しばらく様子をみることもできます。ただし、1日に何度もくり返す場合や、24時間以上続く場合は受診が求められます。水を飲んでも吐いてしまうときは、脱水が進みやすくなります。
下痢についても、続くようなら相談したいところです。血が混じっている、黒っぽい便が出る、強い臭いがあるといった場合は、時間を置かず受診してください。嘔吐や下痢に加えて、元気がない、発熱があるといった症状が重なるときも同じです。異物を飲み込んだ心当たりがあるなら、急いで連絡しましょう。おもちゃや紐、拾い食いなどが原因になることもあります。
歩き方や排泄の様子に異変があるときはどうすればよいですか?
足を引きずる、片足を上げたまま歩く、立ち上がりにくいといった変化は、痛みのサインです。ケガや関節の病気、椎間板の問題などが考えられます。安静にしても改善しないなら、受診を検討してください。
排泄については、とくに注意したい点があります。トイレに何度も行くのに尿が出ない状態は、緊急性が高いものです。とりわけ雄猫では、尿道がつまると命に関わることもあります。雄猫で排尿がまったく出てない場合は、数時間の段階で相談し、半日以上なら緊急受診が必要です。便が出ない状態が続く場合も、相談の目安になります。トイレでの様子は、日ごろから見ておきたいところです。
すぐに受診が必要な緊急性の高い症状を教えてください
呼吸が苦しそう、舌や歯茎が白っぽい、あるいは紫がかっているといった状態は、ただちに受診が必要です。けいれんが続く、意識がもうろうとしている場合も同じです。大量の出血や、交通事故などのケガも急を要します。
このほか、お腹が急に張って苦しがる、何度も吐こうとするのに何も出ないといった状態も危険なサインです。中毒を起こすものを口にした場合や、熱中症が疑われる場合も、時間との勝負になります。夜間や休日でも、救急に対応する動物病院へ連絡してください。判断に迷う程度でも、電話で相談してかまいません。近隣の救急対応の病院を、あらかじめ調べておくと安心につながります。

症状がなくても動物病院に行くタイミング

不調がなくても、通っておきたい機会があります。ここでは、健康診断や予防のタイミングをみていきます。

健康診断はどのくらいの頻度で受けるとよいですか?
若く健康な子であれば、年に1回が目安になります。動物は人より速く年を重ねるため、1年は人間の数年分にあたります。1年に1度でも、変化を見つける機会として意味を持ちます。
7歳を過ぎたあたりからは、年に2回がすすめられます。この時期になると、腎臓や心臓、腫瘍、ホルモン性の病気などの病気が増えてきます。半年ごとに確認しておくことで、早い段階で気づける可能性が高まります。持病がある子は、指示された間隔で通うことになります。定期的に数値を追うことで、変化にも早く気づけます。
健康診断ではどのような検査を行うのか教えてください
まず、体重の測定や体温、聴診による全身の確認が行われます。目や耳、お口の中、皮膚の状態も診てもらえます。触診によって、しこりの有無なども確かめられます。
あわせて、血液検査が行われることが一般的です。内臓のはたらきや貧血の有無を調べられます。尿検査や便検査によって、腎臓の状態や寄生虫を確認することもあります。年齢や必要に応じて、レントゲンや超音波検査が加わります。どこまで受けるかは、相談して決めていきましょう。費用や所要時間についても、事前に確かめておくと予定が立てやすくなります。
ワクチン接種や予防薬はいつ受ければよいですか?
子犬や子猫では、生後2か月ごろから数回に分けて混合ワクチンを接種します。その後は、年に1回または数年ごとの追加接種が一般的です。犬の狂犬病予防注射は、法律で年1回と定められています。
フィラリアの予防薬は、蚊が出る時期に合わせて投与します。地域によって幅がありますが、おおよそ春から冬にかけての期間です。開始前には、血液検査で感染の有無を確かめます。ノミやダニの予防は、通年で続けることがすすめられます。時期については、かかりつけの動物病院で確認してみてください。案内のはがきや連絡が届く病院もあります。

動物病院を受診するときの準備

動物病院を受診するときの準備

準備をしておくと、診察もスムーズに進みます。ここでは、受診前に整えておきたい点について解説します。

動物病院を受診する前に準備しておくべきものはありますか?
まず、キャリーバッグやケージを用意してください。院内にはほかの動物もいるため、安全のために欠かせません。犬の場合も、リードやハーネスをしっかり装着しておきます。
あわせて、過去の記録があると役立ちます。ワクチンの証明書や、これまでの検査結果、服用中の薬などです。下痢や嘔吐がある場合は、その現物を持参すると診断の助けになります。難しいときは、写真を撮っておくだけでも十分です。初めての病院なら、事前に電話で予約や持ち物を確かめておきましょう。混雑する時間帯を聞いておくと、待ち時間も減らせます。
症状をどのように記録して獣医師に伝えるとよいか教えてください
いつから、どのような症状が、どのくらいの頻度で出ているかをメモしておきます。食欲や飲水の量、便や尿の回数と状態も、あわせて記録したい項目です。体重の変化があれば、それも伝えてください。
動画や写真は、とくに役立ちます。けいれんや歩き方の異変、咳の様子などは、診察室では再現されないことも多いためです。スマートフォンで撮っておけば、そのまま見てもらえます。食べているフードの種類や、環境の変化があったかどうかも共有しておくと判断の材料になります。伝えたいことをメモにまとめておけば、慌てずに済みます。
病院を怖がっている場合はどうしたらよいですか?
日ごろからキャリーバッグに慣れさせておくことが、大きな助けになります。ふだんは部屋に置いておき、中でおやつをあげたり、寝床として使ったりすると抵抗が減っていきます。病院に行くときだけ出すと、警戒されやすくなります。
また、健康なうちに病院へ立ち寄ってみる方法もあります。診察を受けずに、スタッフから声をかけてもらうだけでも印象は変わります。移動中は、キャリーにタオルをかけて視界を遮ると落ち着きやすくなります。飼い主さんが不安そうにしていると伝わるため、落ち着いて接することも大切です。診察後には、褒めてあげる時間を持ちたいところです。
移動中や待ち時間はどのように過ごすとよいですか?
移動中は、キャリーを安定した場所に置き、揺れを抑えるようにします。車では、急ブレーキや急カーブがある道を避けたいところです。夏場は車内が高温になりやすいため、短時間でも置き去りにしないでください。
待ち時間は、ほかの動物と距離を保つよう心がけます。猫は、キャリーを床に直接置かず、膝の上や台の上に置くと落ち着きやすくなります。犬の場合は、リードを短く持ってそばに座らせます。混雑が気になるときは、車の中で待たせてもらえるか尋ねてみる方法もあります。順番が近づいたら呼んでもらえる病院もみられます。

編集部まとめ

ペットの受診を判断するときは、食欲や元気の有無、嘔吐や下痢の続き方、歩き方や排泄の様子が目安になります。呼吸の苦しさやけいれん、尿が出ない状態は緊急性が高く、時間を置かず連絡することが求められます。症状がなくても、年1回から2回の健康診断や予防で通う機会を持ちたいところです。日ごろの記録と準備を整えながら、受診を検討する際の参考にしてみてください。

【参考文献】