ペットとして人気の高いハムスターですが、健康管理はどのように行えばよいのか、よくわからないという方も少なくないでしょう。今回はハムスターが体調不良になった場合の対処方法や動物病院を受診する際に押さえておきたいポイントについて、解説しました。身体が小さいハムスターならではの注意点もあるため不測の事態が起きたときも冷静に対応できるよう、ぜひ参考にしてください。
ハムスターの健康管理について

ここでは、ハムスターの体調不良のサインやどのような病気にかかりやすいのかなどを解説していきます。
- ハムスターは体調不良になることがありますか?
- ハムスターも犬や猫などのペットと同じように、体調不良になることがあります。体が小さい分、些細なことで怪我をしてしまう可能性も高いため、十分に注意しなければなりません。
- ハムスターの体調不良のサインを教えてください。
- 怪我による出血といった分かりやすい症状のほかにも、ハムスターの体調不良時に見られるサインはあります。例えば、ハムスターが急に餌を食べなくなった場合、歯の疾患が原因かもしれません。血尿が出ていれば、内臓の病気にかかっている可能性があるでしょう。また、皮膚が荒れているときは、床材や食品によるアレルギー症状が出ていると考えられます。このように、普段とは違う様子が見られたら、体調不良を疑ってください。
- ハムスターによくある病気を教えてください。
- ハムスターがかかりやすい病気の一つが腫瘍です。もし、腫瘍が見つかった場合は、見た目だけでは良性か悪性かの判断がつきづらいため、動物病院にて病理検査を行う必要があります。また、幼若なハムスターの場合、ウェットテイルという急性の下痢になることもよくあります。加えて、上下の歯がきちんと咬み合わない不正咬合も、ハムスターを飼うに当たって警戒したい病気です。
ハムスターを動物病院へ連れて行くべき症状
ハムスターの様子が普段と違うと感じた場合、飼い主は不安を感じますよね。ではどのような症状がみられた場合ハムスターを病院に連れて行けばよいのでしょうか。この章では、ハムスターを病院に連れて行くべき症状や定期検診の重要性についてお伝えします。
- 病気の症状が軽い場合、自宅で様子を見てもよいですか?
- ハムスターの病気はとても進行が速く、ほかのペットと比較しても一刻を争うケースが少なくありません。症状が軽いように見えても、重篤化の恐れがあることを念頭に置いて、不安に感じる点があれば自己判断せず、早めに動物病院の受診を検討しましょう。また、ハムスターを診察している動物病院はそれほど多くないため、予約が取りづらく、いざというときにすぐ診察してもらえない可能性もあります。病気が進行する前に、なるべく早めに動物病院に連絡を取り、ハムスターを一度診てもらいましょう。
- どのような症状が見られたら、動物病院での診療を受けるべきですか?
- 重い水下痢の症状や、被毛が濡れて汚れている様子が見られたら、危険な状態のため、速やかに動物病院での診療を受けましょう。脱水症状と衰弱が進み、亡くなってしまう可能性もあります。
- 定期的に動物病院で検診を受けるべきか教えてください。
- 犬や猫に比べて寿命が短いハムスターは、病気の進行が早く、異常があれば早期発見することがとても大切です。そのため、飼い主による日々の健康チェックのみならず、動物病院の検診プランも定期的に受けるようにすると、より安心して過ごせるでしょう。検診プランでは、問診や触診による身体検査に加え、便検査や被毛検査、レントゲン検査などが行われます。どの検査も家庭では実施することが難しいかつどのような検査を受けたらよいのかわからないこともあると思うので、まずは動物病院にどの検査を受けるべきなのか相談することをおすすめします。
ハムスターの動物病院受診

ハムスターを動物病院に連れて行こうと思うけれど、はじめて動物病院に行く場合などはどのような準備が必要かよくわからないものですよね。ここでは、動物病院にハムスターを連れて行く際には、どのような準備が必要なのかをお伝えします。動物病院の探し方に関してもお伝えしているのでぜひ参考にしてみてください。
- ハムスターはどこの動物病院でも診察してもらえますか?
- ハムスターはどこの動物病院でも診察してもらえるわけではありません。犬や猫に比べて飼育数が少なく、体が小さい分、手術のリスクも高いため、対応する病院が少ないという実情があります。ハムスターをペットとして迎えたら、万が一の際に慌てないためにも、あらかじめハムスターの診察を得意とする病院を見つけておきましょう。
- ハムスターの動物病院が見つからない場合はどうすればよいか教えてください。
- ハムスターの動物病院をうまく見つけられない場合には、エキゾチック診療科を設けている病院を探しましょう。動物病院の公式ホームページやブログにおいて関連の情報が案内されているケースも少なくないので、参考にしてみてください。なお、ハムスターの病気や怪我については早期の対応がポイントになることから、できる限り自宅近くのエリアにかかりつけ医を持つと安心です。
- ハムスターを動物病院へ連れて行く前に何を準備すればよいですか?
- ハムスターを動物尿院へ連れていく際には、検査で必要になるケースがあるため、便を持参しましょう。可能であれば、排便後1~2時間以内のものがベストです。特に下痢の症状やお尻付近の出血がある場合、持参した便は病気の原因を知る大きな手がかりになります。併せて、動物病院の診察を受けるにあたっては、体調の変化を詳しく説明できるようにしておきましょう。いつから体調が悪くなったのか、どのような症状が出ているのかなどの情報があると、原因を探ったり、治療方針を決めたりするときに、大いに役立ちます。慌てることなく正確な情報を伝えるために、メモを準備しておくのも一案です。加えて、気になる症状が出たときに、動画を撮影しておくのもよいでしょう。
- ハムスターを動物病院へ行く際の移動時に、気を付けるべきことはありますか?
- 動物病院までの移動時には、環境の変化によるストレスを軽減するため、いつも使っているケージを活用しましょう。サイズが大きすぎるなどの理由でケージごと運ぶことが難しい場合には、持ち運び用のケースにハムスターの臭いが付いた床材などを入れてください。自分の臭いがする環境は、ハムスターの安心につながります。また、水がこぼれるのを防ぐため、給水器は外しておくとよいでしょう。こぼれた水がかかると、急激な温度変化に弱いハムスターの体が冷えてしまい、更なる体調悪化を引き起こしかねません。また、移動時のケージには布を被せてください。動物病院に到着して犬や猫などのペットがハムスターを見ると、興奮してしまう恐れがあるためです。ハムスター自身はもちろん、周囲の動物に配慮するという意味でも、ケージは布や段ボールなどで覆い隠し、双方のストレス軽減に努めましょう。
編集部まとめ
ペットのハムスターに元気で長生きしてもらうためには、飼い主が責任を持って健康管理に務めることが欠かせません。日ごろからハムスターの様子に気を配り、定期的に検診なども受けて、病気や怪我に備えるとよいでしょう。いつもと違う様子があれば、重篤な症状が出る前に、信頼できる動物病院を受診してください。これからハムスターを飼いたいと考えている方も、事前に動物病院の情報などを調べておくと、緊急時にも適切に対処できるでしょう。