愛犬は大切な家族の一員です。日々の健康管理や些細な変化にも敏感になるのは、愛犬を思う気持ちからくる当然の行動です。
そのような中で、愛犬の目やにが普段と違い黄色くなるのを見つけると、不安な気持ちを抱く方も少なくありません。
目やには体調の変化を示すサインの一つです。単なる汚れや疲れの場合もありますが、感染症やアレルギーの可能性もあるため注意が必要です。
この記事では、犬の目やにが黄色くなる原因を詳しく解説し、適切なケアの仕方と日常生活で気を付けるべきポイントについてお伝えします。
犬の目やにが黄色くなる原因
- 犬の目やにが黄色になる原因は何でしょうか？
- 目やにが黄色くなる場合、体調不良のサインである可能性があります。単なる汚れや疲労だけでなく、感染症やアレルギーなどが原因であるケースも少なくありません。前提として、目やには大きく分けて2種類あります。一つ目は新陳代謝によるもので、古い角膜上皮が涙の成分であるムチンに絡め取られて体外へ排出される自然現象です。少量であれば、健康的ですが、高齢犬では涙の分泌量の低下や代謝の減少で目やにが増加する可能性が高いです。二つ目は、感染症や炎症によるものです。細菌やウイルス、アレルギー反応が原因で発生します。この場合、目やには黄色くネバネバし、臭いを伴うこともあり早期治療が必要です。
- 目やにがでた場合に注意したい病気はありますか？
- 目やにが増える原因として、以下の病気が考えられます。
- 結膜炎
- 角膜炎・角膜潰瘍
- 眼瞼内反症・外反症
- 乾性角結膜炎（ドライアイ）
- アレルギー
- ウィルスなどによる感染症
- まつ毛の異常（睫毛乱生、異所性睫毛など）
結膜炎は、アレルギーや異物が原因で結膜に炎症が起き赤みや腫れ・目やにが増加します。角膜炎や角膜潰瘍は、外傷や感染症で角膜が傷つき、充血や目やにが増える病気です。眼瞼内反症・外反症では、まぶたの異常で角膜や結膜が刺激され、炎症や目やにを引き起こします。乾性角結膜炎（ドライアイ）は涙の不足により眼が乾燥し、目やにが溜まりやすくなります。また、アレルギーによる免疫反応に目やにを伴う症状の特徴です。これらの症状が見られた場合、早期の治療が必要です。
- 目やにの好発年齢や犬種はありますか？
- 目やにが出やすい犬種を紹介します。
- トイプードル
- ヨークシャーテリア
- マルチーズ
- シーズー
- ペキニーズ
犬種のほかに、高齢になると涙の分泌量が減るため、目やにが出やすくなります。犬の場合、身体の大きさによって高齢期となる年齢が異なりますが、7歳以上になると高齢期とされることが多いです。目やにが出やすい犬種や年齢の犬の場合、定期的に眼の回りをチェックするようにしましょう。
犬の目やにが黄色だった場合の正しいケア方法
- 犬の目やにが黄色だった場合の正しいケア方法を教えてください。
- 犬の目やにが黄色い場合、まず自宅で適切にケアしましょう。
- 目やにを湿らせる
- 固まった被毛のケア
- コットンの扱いに注意
- 無理な引っ張りはNG
目やにに対して、衛生面を考慮して素手ではなく、コットンやガーゼを巻いた指先を水で湿らせてから軽く押さえます。目やにをふやかしてから取り除きます。水分でやわらかくしておくとスムーズに取れるでしょう。次に眼の周りの被毛が固まっている場合は、濡らしたコットンで優しく押さえ、しっかりふやかしてから拭き取ります。無理に引っ張ると痛みを伴うため注意しましょう。コットンやウェットシートを使う際は、眼に直接触れないように慎重に作業する必要があります。触れると眼球を傷つけるおそれがあるため、固まった目やには絶対に引っ張らず、ふやかしてから優しく取り除きます。目やには健康状態を示す重要なサインで、放置すると症状が悪化することもあります。適切なケアを行うことで、早期にトラブルを防ぐことが可能です。
- 目やにが生じたときの治療法を教えてください。
- 犬の目やには、原因によって治療法が異なります。例えば、抗生剤や消炎剤の目薬を使い、場合によっては内服薬や注射の併用が可能です。眼瞼内反症では、外科手術が必要なこともありますが、軽度なら内科治療で改善するケースもあります。自宅ケアも重要で、目薬や眼軟膏を獣医師の指示通りに投与し、ウェットシートやコットンで目やにをこまめに拭き取りましょう。ただし、眼の状態が改善しても自己判断で断薬せず、再発を防ぐために継続した治療を行います。目薬は必ず、動物病院で処方されたものを使用することをおすすめします。
- 治療期間はどのくらいになりますか？
- 犬の目やにの治療期間は症状の重さや原因によって異なります。軽度の結膜炎で早期に治療を開始した場合、適切な目薬の使用で1週間前後で改善することが多いです。しかし、症状が重い場合や根本原因が解消されない場合、治療は数週間から数ヶ月に及ぶこともあります。目やにの原因が細菌感染やアレルギー、外的要因などによって治療方法が異なるため、動物病院で正確な診断を受けて原因に合った治療を行うことが大切です。早期治療ほど回復が早まる傾向にあるため、愛犬の眼の異常を見つけたら早めに獣医師に相談し、適切なケアを続けましょう。
- 目やには食事で改善できますか？
- 犬の目やには、食事の改善によって改善することがあります。ただし、黄色い目やにに関しては食事で改善させることは難しいです。黄色い目やにの原因は感染症や炎症によるものであるため、点眼薬や飲み薬を使用する必要があります。黄色い目やにの根本的な原因を突き止めるために、獣医師に相談することが大切です。
犬の注意したい目やにとは
- 注意した方がよい犬の目やにについて教えてください。
- 愛犬の目やには健康状態を知る重要な手がかりです。普段と異
なる色や量、粘り気のある目やには、体調の変化や病気のサインである可能性があります。特に黄色や緑色、悪臭を伴う場合は注意が必要です。犬の目やにには、病気の兆候が現れている可能性があるので、日々のチェックが重要です。黄色い膿のような目やにや悪臭を伴う目やにが見られる場合には、感染症や炎症などが進行している可能性があります。また、目やにの量が多く、サラサラしていても放置すると症状が悪化する可能性があります。いずれの場合も、早期の受診が重要です。
- 黄色い目やにが生じたときの受診目安はありますか？
- 眼の病気を疑ったら早めに動物病院を受診しましょう。黄色い目やになどを放置すると悪化してしまう可能性もあるため、早期に動物病院を受診することをおすすめします。
- 目やにが生じる前にできる予防方法はありますか？
- 目やにが多くなるのを防ぐためには、眼のトラブルを引き起こすリスクを減らすことが重要です。まず、お顔周りの清潔を保つことが重要です。長く伸びた毛が眼に入らないように定期的にトリミングし、グルーミングで衛生状態を維持しましょう。次に、外的な刺激にも注意が必要です。草むらや枝で眼を傷つけないように気を付け、感染性の結膜炎を防ぐためにほかの犬との密接な接触は避けましょう。これらの対策を講じることで、目やにが増えるリスクを軽減できます。
- 心配のない目やにの特徴を教えてください。
- 黒色・灰色・茶色い目やには汚れや老廃物が固まったもので、過度に心配する必要はありません。目頭についている白い目やには、分泌液や眼の粘液が固まったもので、通常は問題ありません。ただし、これらが連日続く場合は動物病院に相談した方がよいでしょう。また、シニア犬の場合、加齢により涙の量が減り目やにが多くなることがあります。寝起きに眼に付いている程度であれば、加齢が原因の可能性が高いです。
編集部まとめ
愛犬の目やにが黄色くなると、不安に感じる飼い主の方は少なくありません。目やには健康状態を示す重要なサインです。
目やには新陳代謝によるもので、古い角膜上皮が涙の成分に絡め取られ、体外に排出される現象です。
この場合、少量であれば健康ですが、高齢犬では涙の分泌量が減少するため目やにが増えることがあります。
黄色い目やにが気になった場合には、早期の治療が必要です。
また、定期的なグルーミングや外的刺激の予防も大切です。目やにの増加を防ぐために、日常的なケアと早期の受診が重要です。
参考文献
