犬は虫歯になる?見分ける方法や症状、治療法について解説

犬は虫歯になる?見分ける方法や症状、治療法について解説

犬も人間と同じように虫歯や歯周病になることをご存じでしょうか。犬の歯周病は見つけにくく、気づかないうちに進行していることがあります。放置すると歯を失ったり、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため、早期発見と適切な治療が大切です。本記事では犬の虫歯や歯周病について、その原因や症状、治療法、予防法などを詳しく解説します。愛犬の歯の健康管理に役立てていただければ幸いです。

犬の歯の健康管理の重要性

犬にとって、歯はどのような役割がありますか?
人間と同様に、犬にとっても歯は、食事をするために欠かせない大切な器官です。歯は食べ物を噛み砕き、消化しやすい大きさに分解する役割を担っています。また、歯は犬が物をくわえたり、自己防衛をしたりする際にも使われます。さらに、歯は顎の骨を支え、顔の形を保つ働きもあります。このように、歯は犬の日常生活や健康を維持するうえで、非常に重要な役割を果たしています。
犬は虫歯になりますか?
犬も虫歯になりますが、下記の理由から非常に少ないです。

・唾液がアルカリ性である
虫歯は口腔内が酸性である場合に繁殖しやすい特徴があります。人の唾液のpHが6〜7と弱酸性なのに対して、犬の唾液のpHは8〜9とアルカリ性です。そのため、人と比較して犬は虫歯になりにくいといえます。一方で、アルカリ性の唾液は歯垢と反応して歯石を作りやすくするため、犬は歯石ができやすく、歯周病になりやすいです。

・アミラーゼが少ない
犬は唾液中に含まれるアミラーゼが少ないため、食事のデンプンが糖に変わることが少なく、糖を餌にしている虫歯菌によって、歯を溶かす酸が作られることも少ないため、虫歯になりやすいです。

・歯の形が尖っている
虫歯菌は歯のくぼみで繁殖しやすいですが、犬の歯は尖っているためくぼみがなく、虫歯菌が繁殖しにくいです。
犬が歯周病になると、どのような健康被害を引き起こしますか?
犬が歯周病になると、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。歯周病は歯を支える組織を損傷し、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまいます。さらに、口腔内の慢性的な炎症や感染は、全身の健康にも影響を及ぼします。細菌が血流に乗って体中に広がり、心臓、肝臓、腎臓などの重要な臓器に悪影響を与える可能性があります。

犬の虫歯の原因と症状

犬が虫歯になる原因は何ですか?
犬が虫歯になる主な原因は、人間用の食べ物や甘いおやつの与えすぎです。不適切な食事管理や口腔ケアの不足により、虫歯菌が増殖しやすい環境が作られてしまいます。また、年齢とともに歯が弱くなることによっても虫歯のリスクが高まります。愛犬の歯の健康を守るには、適切な食事管理と口腔ケア、そして定期的な獣医師によるチェックが大切です。
犬の歯周病の症状はどのようなものですか?
犬の歯周病の初期段階では、目に見える症状がないことが多いため、発見が難しいことがあります。しかし、歯周病が進行してくると、口臭が強くなったり、食欲不振になったりします。歯の痛みから、食べることを避けるようになるのです。また、痛みや不快感から、いつもよりよだれが多くなることもあります。歯周病がさらに進行すると、歯が欠けたり、割れたりすることがあります。歯茎の腫れや出血もみられるようになります。さらに、痛みが原因でいつもと違う行動をとるようになることもあります。
犬の歯周病を放置するとどうなりますか?
犬の歯周病を放置すると、愛犬の様子が徐々に変化していきます。初期段階では、口臭が強くなったり、食欲が落ちたりすることがあります。歯周病が進行し、歯の神経に達すると、激しい痛みから食事を避けるようになり、ごはんを食べなくなることもあります。また、痛みや不快感から、いつもよりよだれが多くなったり、元気がなくなったりします。

さらに歯周病が悪化すると、歯が欠けたり、抜け落ちたりすることがあります。歯が欠けると、食べ物が食べづらくなり、栄養不足になる恐れがあります。また、歯が抜けると、ほかの歯に負担がかかり、さらに歯周病が悪化することもあります。加えて、細菌が歯茎に感染すると、歯茎が腫れたり、出血もすることもあるので、症状が悪化する前に適切な治療を施しましょう。

犬の歯周病の診断と治療

犬の歯周病の診断と治療
 犬の歯周病を見つける方法はありますか?
愛犬の歯周病を早期発見するには、日頃から口内の状態をチェックすることが大切です。具体的には、定期的に口臭や歯茎の腫れ、歯の変色などがないか確認しましょう。また、食欲不振や食べ方の変化、よだれが増えるなどの異変にも注意が必要です。普段と違う行動やしぐさがみられた場合は、歯周病の可能性を疑ってみてください。ただし、飼い主が見落としがちな部分もあるため、年に1〜2回は獣医師による口腔内の検査を受けることをおすすめします。
犬の虫歯の診断にはどのような検査を行いますか?
獣医師が犬の虫歯を診断する際は、まず口腔内を目視で確認し、歯や歯茎の状態をチェックします。虫歯が疑われる場合は歯科用の探針を用いて歯の表面を触診し、虫歯の有無や進行度を調べます。さらに詳しく調べるために、レントゲン撮影を行うこともあります。レントゲン画像では、肉眼では見えない歯の内部の状態まで確認することができます。また、歯周ポケットの深さを測定したり、歯垢や歯石の付着度を評価したりすることで、虫歯だけでなく歯周病の有無も診断します。
犬の歯周病はどのように治療しますか?
犬の歯周病の治療方法は、歯周病の進行度合いによって異なります。軽度の歯周病であれば、歯石除去と歯面研磨を行い、歯の表面を滑らかにすることで治療します。感染が神経まで達している場合は、根管治療が必要になります。根管治療では、汚染されている部分を削り取り、神経を除去した後、特殊な材料を歯に詰めます。重度の歯周病で歯が保存できない場合は、抜歯を行います。抜歯後は縫合し、抗生物質を投与して感染を予防します。
犬の歯周病の治療費はいくらくらいですか?
犬の歯周病の治療費は、歯周病の状態や治療内容によって大きく異なります。軽度の歯周病であれば、歯石除去と歯面研磨で2〜3万円程度で済むこともありますが、根管治療や抜歯が必要な場合は、10万円以上かかることもあります。麻酔代や検査代、投薬代なども加わるため、総額では5万円〜15万円程度が相場といえます。ただし、これはあくまで目安であり、動物病院によって料金設定は異なります。事前に費用の目安を確認しておくことをおすすめします。
犬の歯周病の治療にペット保険は適用されますか?
ペット保険の補償内容は、保険会社や契約プランによって異なります。多くのペット保険では、歯科治療も補償対象に含まれていますが、適用範囲や条件は保険ごとに違いがあります。例えば、歯石除去などの予防的な処置は対象外とする保険もあれば、歯周病治療に伴う歯石除去については補償するという保険もあります。また、待機期間や上限額、自己負担割合なども保険によって設定が異なるため、加入前によく確認しておく必要があります。

犬の歯周病の予防法

犬の歯周病の診断と治療
犬の歯周病を自宅で予防する方法を教えてください。
犬の歯周病を予防するためには、日々の歯磨きが最も効果的です。歯ブラシを使って歯垢や歯石を取り除くことで、歯周病のリスクを下げることができます。ただし、犬が歯磨きに慣れるまでには時間がかかるため、無理のない範囲で徐々に習慣づけていくことが大切です。

もし、歯ブラシを使用することに不安がある場合は、まずは指に巻いて使う歯磨きシートから始めても良いでしょう。飼い主さんの指で直接歯を触りながら汚れを取り除くことで、歯ブラシと比べて犬が怖がることなく歯を磨くことができます。

歯磨き以外にも、デンタルケアグッズを活用することで歯周病予防の効果を高められます。飲み水に混ぜるマウスクリーナーや、噛むことで歯垢を除去するデンタルガムやトリーツなどは取り入れやすいアイテムです。ご飯にふりかけるサプリメントも、口臭や歯石の付着を軽減する効果が期待できます。
犬が虫歯や歯周病にならないために、食事管理の注意点を教えてください。
まず、糖分の多いおやつやドッグフードは避けることが大切です。甘いものは虫歯のリスクを高めるだけでなく、肥満の原因にもなります。また、やわらかすぎる食事も歯垢がたまりやすくなるため、適度な硬さのあるフードを選ぶことをおすすめします。

歯の健康によいとされる食材としては、鶏肉やレバーなどの筋肉質の肉や、ニンジン、ブロッコリーなどの野菜が挙げられます。これらの食材は歯を鍛える効果があり、歯垢の蓄積を防ぐ働きがあります。

食事の与え方も工夫しましょう。一度にたくさんの量を与えるのではなく、1日2〜3回に分けて与えることで、歯に食べカスが残りにくくなります。食後は水を飲ませて口内を洗浄することも大切です。

編集部まとめ

犬が虫歯になるケースは非常に少なく、一方で歯周病にはなりやすいです。犬の歯周病は気づかないうちに進行していることがあります。初期段階では目立った症状がないことが多いですが、進行すると食欲不振や歯の欠損、口臭などさまざまな症状が現れます。放置すると歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、予防と早期発見・早期治療が大切です。少しでも異変を感じたら、早めに獣医師に相談することが重要です。愛犬の歯の健康を守ることは、愛犬の幸せで健やかな生活につながります。

参考文献