猫の耳が熱い?熱いと考えられる基準や病気、受診の目安を解説

猫の耳が熱い?熱いと考えられる基準や病気、受診の目安を解説

いつもより猫の耳が熱いとき、もしかして熱?体調不良?と心配になりますね。体温調節のために猫の耳が熱くなることはよくありますが、それ以外にも症状がある場合、感染症による発熱や熱中症による体温上昇、怪我などの可能性が考えられます。猫は自分で体調不良を訴えられないため、飼い主が異変に気が付いて適切に対処することが大切です。今回は、猫の耳が熱いときに考えられる病気や、受診の目安について解説していきます。

猫の耳が熱いと感じるとき

猫の耳を触ったときに、いつもより熱いと感じたことはありませんか?猫は人間と同じ恒温動物で、暑いときも寒いときも体温を一定に維持することができます。人間は暑いときには汗をかいて体温を調節しますが、猫の場合は汗腺がほとんどないため、毛細血管が集まっている耳で体温調節をします。そのため、身体の温度を下げようと放熱しているときに耳が熱くなることがあるのです。

猫は、運動をしたときや、慣れない場所や人と接して興奮しているとき、眠いときにも耳が熱くなりますが、この場合は数分から数十分でおさまることがほとんどです。一時的ではなく、ずっと耳が熱いまま温度が下がらないときには、病気や怪我などの可能性があるかもしれません。

猫の耳はどのくらいで熱いと判断できますか?
成猫の平熱は38~39℃です。人間よりも体温が高いため、猫を触ったときには少し熱いと感じるのが普通です。ただし、興奮時や眠いわけでもないのに耳が異常に熱いときには病気による発熱や、耳に怪我をして熱を持っている可能性があります。耳の熱さだけでなく、鼻水やくしゃみ、目やになどいつもと違った症状がないかについてもチェックしてみてください。また、猫も人間と同じように体温には個体差があります。普段からコミュニケーションの中で耳を触ってみて、通常の体温や耳のあたたかさを知っておくと良いでしょう。
猫の耳が熱いときの猫の体温の測り方を教えてください。
猫の体温を測るには、ペット専用の体温計を使用する方法が一般的です。最も正確に測定できるのは、肛門に体温計を入れて直腸温を測る方法です。体温計の先にワセリンなどを塗って滑りを良くし、肛門に2cm程度体温計を挿入します。しかし、猫によっては嫌がって激しく暴れることもあり、測定が難しい場合もあるでしょう。そのような場合には、非接触の体温計を使って猫の目や耳で体温を測定します。短時間で誰でも簡単に測定でき、猫にストレスを与えないため、じっとできない猫の場合は非接触の体温計がおすすめです。猫を飼っている場合、体温計をひとつは常備しておくと便利です。なお、体温計を選ぶ場合は、水銀タイプのものは割れると危ないため使用しないようにしてください。
猫の耳が熱いと感じるときに気をつけるべき症状はありますか?
耳が熱いだけでは病気とは限りませんが、体調不良や痛み、かゆみなどの症状が見られる場合は病気の可能性があります。嘔吐や下痢、ぐったりしているなど、いつもと違う症状がないか注意しましょう。

猫の耳が熱いときに考えられる病気

猫の耳が熱いときに考えられる病気

猫の耳が熱いと何かの病気なのではと心配になりますね。猫にとって耳は体温調節を行う器官であり、耳が熱くなるのはよくあることです。そのため、耳が熱いからといって必ずしも何か問題があるわけではありません。しかし、なかには病気が原因になっていることもあります。耳が熱いときに考えられる病気について知っておきましょう。

猫の耳が熱いときに考えられる病気を教えてください。
猫の耳が熱い場合、感染症や熱中症、耳ダニの可能性が考えられます。猫の感染症は、猫カリシウイルス感染症、猫クラミジア、ヘルペスなどたくさんあります。感染症による発熱の場合、耳だけでなく、頭や首筋、足の付け根や肉球などを触っても熱くなっています。また、鼻水やくしゃみ、目やに、食欲不振などの症状が現れることも多いため、注意して観察しましょう。

真夏で耳が熱く、ぐったりしている場合は、熱中症の可能性が考えられます。猫は汗腺がほとんどないため、体温調節がうまくできず体温が上がりすぎてしまうことがあるのです。特に、湿度が高く蒸し暑い部屋に長くいると熱中症になりやすいため、温度管理と適度な換気をするように気を付けましょう。また、新鮮な水を切らさず、いつでも飲めるように用意しておくことも大切です。

また、耳ダニがいると耳が熱くなることがあります。耳ダニとは「ミミヒゼンダニ」という動物の耳に感染するダニで、感染すると強いかゆみを伴います。耳を足でひっかき、床や壁に耳をこすりつけることもあるので、耳が赤くなったり熱を持ったりすることがあります。耳をかゆがる仕草が見られたら、耳に掻き傷や出血がないか確認しましょう。耳ダニがいると耳垢(あか)が黒っぽくなったり、耳から悪臭がしたりします。耳ダニが疑われる症状があるときには動物病院を受診するようにしてください。
怪我が原因で猫の耳が熱くなることはありますか?
耳の一部だけが熱い、片方の耳だけが熱いという場合には怪我をしているかもしれません。耳周囲の打撲などの怪我や、かゆみによる掻(か)き傷が原因で耳が熱くなることがあります。左右の耳を確認し、熱くなっている方の耳に傷や出血、腫れなどの異常がないかチェックしましょう。

猫の耳が熱いときの対処法

猫の耳が熱いときの対処法

興奮しているときや眠たいときに一時的に猫の耳が熱くなっている場合は、特に対策をする必要はありません。しかし、感染症による発熱や、室温が高すぎて体温が上がっている場合には熱を下げるための対処を行いましょう。ここからは、猫の耳が熱いときに、自宅でできる対処法についてご紹介します。

猫の耳が熱いときに自宅で試すことができる対処法はありますか?
感染症による発熱の場合は、嫌がらない範囲でクールマットや保冷剤で身体を冷やすようにしましょう。また、水分補給を促すことも大切です。スープやゼリータイプの食事や、水分を含んだウェットタイプのキャットフードを与えるのもおすすめです。

室温が高すぎて体温が上がっているときには熱中症を防ぐために早急に対処が必要です。換気や、エアコンを稼働して室温を適正に保つようにしましょう。また、保冷剤で猫の首や脇、足の付け根などを冷やして体温を下げる対応が必要です。脱水を引き起こさないように水分補給も忘れずに行ってください。ぐったりしているような場合には命に関わる可能性があるため、すぐに動物病院につれていきましょう。

熱中症は、真夏はもちろん、梅雨の湿度が高くジメジメしている時期にも注意が必要です。湿度が高いと実際の室温よりも体感温度が高くなり、熱中症になるリスクが上がるからです。意外に冬でもストーブやこたつ、電気カーペットなどを長時間使用していると身体の中の熱がこもり、体温が上がることがあります。猫にとって暑すぎる環境になっていないか、時々耳を触って確認してあげましょう。
猫の耳が熱いときに動物病院を受診すべき目安を教えてください。
耳だけでなく全身が熱い、熱が40~40.5℃を超えている、[u1] 熱のほかにも嘔吐や下痢、食欲がなくつらそうにしているなど、体調不良の症状がある場合には動物病院の受診を検討しましょう。また、耳をかゆがる、傷や腫れがあるという場合にも耳ダニや怪我の可能性があるため、早めの受診がおすすめです。
普段から健康な状態で熱を測ったり、耳を触ったりして、猫の平熱を把握しておくと発熱時の受診の目安に役立ちます。

編集部まとめ

編集部まとめ

猫の耳が熱くなる理由は、感染症による発熱や熱中症による体温上昇、耳ダニによるかゆみなどがあります。体温が高く、猫が身体を冷やしたがっているときには、クールマットで身体を冷やすなどで対処することができます。猫の体温は、興奮したときや眠たいときにも上昇します。
なお、正常時でも、睡眠前や睡眠時にも暖かくなることがあるため、自分の猫がどういうときに耳が熱くなるか把握し、異変に気が付けるようにしておくことが大切です。耳が熱いときには、体調不良や怪我など、ほかの原因がないかをチェックし、いつもと違う様子が見られるときには、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

参考文献