猫の毛が抜ける理由は?原因から対策まで解説します!

猫 毛が抜ける

猫の毛が抜けると心配になる飼い主さんもいらっしゃると思います。猫の毛が抜ける主な原因は、季節の変化、健康状態、ストレス、栄養不足によるものです。
毛の抜け方や量は猫によって異なりますが、定期的なブラッシングやバランスの取れた食事、ストレス軽減などの対策が推奨されます。
本記事では、猫の毛が抜ける理由について、以下の点を中心にご紹介します。

  • 猫の抜け毛とは
  • 猫の抜け毛が多くなる理由
  • 猫の抜け毛対策

猫の毛が抜ける理由について理解するためにも、ご参考いただけると幸いです。ぜひ最後までお読みください。

猫の抜け毛とは

換毛期に猫の毛が抜けるのは自然の現象ですが、その量が増えたり、過度の抜け毛や一部の皮膚が露出したりする状態は皮膚トラブルの兆候かもしれません。

例えば、皮膚炎や内分泌の病気などが原因で脱毛が起こることもあります。したがって、異常な抜け毛は何らかの病気のサインの可能性があるため、早めの獣医師の診断が重要です。

猫の抜け毛が多くなる理由

猫の抜け毛が増える理由は多岐にわたります。
ここからは、猫の抜け毛が多くなる理由について詳しく解説します。

ダブルコート

猫にはシングルコートとダブルコートの2つのタイプがあります。シングルコートは被毛が一重構造で、抜け毛が少ない傾向にあります。短毛種のシングルコートにはシャムやベンガル、長毛種にはターキッシュアンゴラやターキッシュバンなどが挙げられます。

一方、ダブルコートの猫は被毛が二重構造で、アンダーコートがしっかりしているため抜け毛が多いとされています。代表的なダブルコートの短毛種にはアメリカンショートヘアやロシアンブルー、長毛種にはノルウェージャンフォレストキャットやペルシャが挙げられます。

換毛期

猫の抜け毛は、体温調節と季節の変化により増えます。

ダブルコートの猫は、冬の寒さを防ぐためのふわふわした被毛が春になると抜け落ち、夏用の被毛に生え変わります。また、秋には冬の寒さに耐えられるように暖かい毛に生え変わります。このため、春と秋の換毛期には抜け毛が増え、普段の10倍以上の抜け毛になることもあります。

一方、シングルコートの猫は毛が徐々に生え変わるため、抜け毛は少ないとされています。また、室内飼いの猫はエアコンにより温度が一定に保たれるため、換毛期がないこともあります。

したがって、換毛期は、気温の変化に対応するために猫の毛が生え変わる時期で、通常は春と秋の年2回ですが、完全室内飼いの猫では、換毛期がなく、年間を通じて毛が生え変わることもあります。

ストレス

猫は、環境の変化などによるストレスに弱いとされています。そのため、ストレスによって過剰な毛づくろいが引き起こされ、抜け毛が増えることがあります。
緊張や恐怖、不安などのストレス要因が猫の心身に影響を与え、毛の生育周期に変化をもたらし、過度なグルーミングによる血行不良や炎症を引き起こす可能性があります。

特にダブルコートの猫種はストレスに敏感であり、状況に応じて毛づくろいを行うことがあります。異常な毛づくろいや抜け毛が見られる場合は、早めに動物病院で診察を受けることが重要です。

食事

猫が健康的な皮膚や被毛を保つには、栄養バランスの取れた食事が不可欠です。
なかでも、高品質なタンパク質とビタミンA、Eが重要です。食事から栄養素を摂取できないと、毛が細くもろくなり、抜け毛が増える傾向があります。

特にダブルコートの猫種はタンパク質が必要で、不足すると被毛の質が悪化する恐れもあります。食事が不十分な場合は、毛質の変化や抜け毛の増加につながる可能性が高いため、愛猫の健康を考えたバランスの良い食事を与えることが重要です。

抜け毛が原因で引き起こされる病気

猫の抜け毛が原因で病気にかかることはあるのでしょうか?
以下で引き起こされる病気について解説します。

毛球症

毛球症は、猫が毛づくろいをして毛を飲み込むことで起こる消化器の病気です。
猫は毎日のように毛づくろいを行い、その際に自身の被毛を飲み込み、飲み込んだ毛が胃や腸で絡み合い、大きな毛球を形成することがあります。この毛球が消化器官に詰まると、胃腸の刺激や閉塞を引き起こし、病気の原因となり得ます。

短毛種でも長毛種でも起こり得る病気ですが、長毛種や毛づくろいが頻繁な猫によく見られます。したがって、毛球症は猫の健康を脅かす可能性があるため、適切な対処が必要です。

胃炎・食道炎

猫の胃炎は、胃の粘膜が毛玉によって刺激されることでも発症します。毛球が胃の中に留まり続けると、胃の粘膜が荒れてしまい、胃炎の症状が現れます。この状態では、食欲不振や下痢、嘔吐などの症状が見られることがあります。

一方、食道炎は胃の中の毛玉を吐き出そうとする際に胃酸が逆流し、食道を刺激することで引き起こされます。毛玉を吐き出せない場合に繰り返される胃酸の逆流により、食道の粘膜が荒れてしまいます。食道炎は、頻繁な嘔吐や食欲の低下などの症状が見られます。

これらの病気は猫の健康に影響を与えるため、早期の治療が重要です。

感染性皮膚炎

感染性皮膚炎には、寄生虫や真菌によるものがあります。
まず、ツメダニ症や疥癬などの寄生虫によるものでは、猫の皮膚や被毛が影響を受けます。ツメダニ症では、「歩くフケ」と呼ばれるほど大量のフケが見られ、疥癬では強いかゆみが特徴です。これらの症状により、猫は体をかきむしったり、舐めたりして毛が抜けたり、皮膚が赤くなることがあります。

次に、皮膚糸状菌症と呼ばれる真菌感染による感染性皮膚炎です。この病気は円形に脱毛する症状が特徴的であり、猫から人へ感染することもあります。高齢猫や子猫、長毛種の猫によく見られます。治療には外用薬や内服薬を使用し、数ヶ月かかることもあります。

これらの感染症は、猫の健康に影響を与えるだけでなく、人にも感染するリスクがあるため、注意が必要です。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎には、食物アレルギーやノミアレルギー性皮膚炎などがあります。
ノミアレルギー性皮膚炎は、ネコノミによるアレルギー反応が引き金となり、猫がかゆみを感じて体を噛んだり引っかくことで、毛が大量に抜け落ちることがあります。

また、食物アレルギーでは、アレルゲンを含む食べ物を摂取することで、発疹やかゆみが生じることがあります。
さらに、植物由来やハウスダストに起因するアレルギーも考えられます。

アレルギー性皮膚炎は猫の年齢や性別に関係なく発症し、顔や首などが影響を受けるため、対策などが必要です。

内分泌疾患

内分泌疾患による抜け毛は、ホルモン異常が原因で発症します。
副腎皮質ホルモンの異常分泌が見られる「クッシング症候群」では、猫のお腹が膨らみ、皮膚が薄くなり、左右対称の抜け毛症状がみられます。

また、老猫のてかてかしたお腹が脱毛する場合は、膵臓の癌が疑われます。抜け毛がかゆみを伴わない場合もあり、このような症状は見過ごされることも少なくありません。

そのため、定期的なブラッシングと日々の注意深い観察が重要であり、症状がみられたら速やかに動物病院を受診することが大切です。

猫の抜け毛対策

ここまで、猫の抜け毛の原因や引き起こされる病気について解説してきましたが、ここからは、対策法について解説します。

ブラッシング

猫の抜け毛対策として、定期的にブラッシングすることがおすすめです。猫の抜け毛対策のためのブラッシング手順は、以下の通りです。

用具の準備
短毛種用:ラバーブラシ、コーム
長毛種用:スリッカーブラシ、ピンブラシ、コーム

短毛種のブラッシング手順

  1. ラバーブラシを使って、首からお尻に向かって背中をブラッシングします。
  2. コームを使って脇からお腹にかけて、毛を取り除きます。
  3. 首回りやしっぽの付け根、耳の周りなど、抜け毛が溜まりやすい部位を注意深くブラッシングします。

長毛種のブラッシング手順

  1. スリッカーブラシを使って、毛をとかします。脇や耳の後ろなど毛玉ができやすい部分に注意します。
  2. ピンブラシで毛の絡まりをほぐし、コームで細かな毛玉やもつれを取り除きます。
  3. 首回りや脇の下、お腹の内側など、念入りにブラッシングして、抜け毛を取り除きます。

ブラッシングは猫のストレス解消やスキンシップにもつながりますが、長すぎると逆効果になる可能性があるため、3〜5分程度で終了させましょう。また、猫がブラッシングを嫌がる場合は、徐々に慣らしていくことが大切です。

シャンプー

猫の抜け毛対策には、必要以上にシャンプーを行う必要はありませんが、換毛期や抜け毛がひどいときには推奨されます。
シャンプーする際の手順は、以下の通りです。

短毛種の場合

  1. 短毛種は猫用シャンプーを選びましょう。
  2. 猫をお湯で濡らしますが、耳や目を避けてください。猫が水を嫌がる場合は、シャンプーシートや湿ったタオルで拭き取る方法もあります。
  3. 適量のシャンプーを手に取り、泡立ててから猫の体に優しく馴染ませます。抜け毛の部分にはしっかりと泡を乗せます。
  4. シャンプーが残ったままにすると皮膚トラブルの原因になるため、丁寧にすすぎ、残ったシャンプーを十分に洗い流します。
  5. タオルで優しく水気を取り除き、風通しの良い場所で自然乾燥させます。ドライヤーの使用は猫が嫌がる場合があるので、避けることが望ましいとされています。

長毛種の場合

  1. シャンプーは、長毛種に適したものを選びます。毛の長い部分に残りやすいため、よく泡立つシャンプーがおすすめです。
  2. 猫をしっかりと濡らしますが、耳や目を避けてください。シャンプーが耳や目に入らないように気をつけましょう。
  3. 適量のシャンプーを手に取り、毛の根元から泡立ててから全体に馴染ませます。毛が絡まりやすい部分や毛玉ができやすい場所にも十分に泡を乗せます。
  4. 残ったシャンプーを十分に洗い流しましょう。
  5. タオルで優しく水気を取り除き、ブローで乾かす場合は低温で、猫が嫌がる場合は自然乾燥させます。

猫の抜け毛対策には、シャンプーがおすすめですが、嫌がる場合はストレスとなるので注意が必要です。

毛玉除去剤

猫の抜け毛対策には、毛玉除去剤の使用も考慮されます。
毛玉除去剤は、猫の体内に溜まった毛玉を排泄し、毛玉の形成を防ぐ役割を果たします。頻繁に毛玉を吐く猫におすすめで、食道や胃の病気を予防するのに役立ちます。毛玉除去剤を使用したい場合には、動物病院で相談し、適切なものを選ぶことが重要です。

部屋の掃除

猫の抜け毛対策のために部屋の掃除を怠らないようにしましょう。
まず、じゅうたんやカーペットの場合は毛足を起こすように掃除機をかけ、フローリングは板目に沿って丁寧に掃除します。畳の場合は、溝で数秒間止まりながら毛を吸い取ります。

猫の抜け毛は床だけでなく、カーテンレールや家具にもつきやすいので、はたきや粘着ローラーを使って毛を取り除いた後に掃除機をかけましょう。また、細かい場所や猫用のタワーなどについた抜け毛は、ゴム手袋を使ってこするだけで簡単に取り除けます。

さらに、掃除機をかける前に霧吹きをして部屋全体に水分をまき、毛を重くしてから掃除機をかける方法もあります。空気清浄機を併用することで、空気中の抜け毛も吸い取って部屋を清潔に保てるでしょう。

動物病院を受診する目安

猫の抜け毛や皮膚の異常など、以下のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

  • 皮膚が赤くなっている
  • ブツブツができている
  • 毛をむしったり、引っかいたりしている
  • ひっかき傷がひどい
  • 血が出ている
  • 円形脱毛がある
  • ハゲている部位がある

これらの症状が見られる場合は、細菌や糸状菌の感染、疥癬、アレルギー、アトピーなどの可能性があります。重症化する前に獣医師の診察を受けることで、適切な治療を受けられます。特に、疥癬や糸状菌は人にも感染する可能性があるため、早めの対処が重要です。

受診するときは、症状の始まりや経過、現在の食事内容などを獣医師に伝えることで診断しやすくなります。また、セカンドオピニオンを受ける場合は、処方薬や処方食の名前、検査結果、ノミ・ダニ予防薬の情報を持参すると役立ちます。

まとめ

ここまで、猫の毛が抜ける理由についてお伝えしてきました。
猫の毛が抜ける理由の要点をまとめると、以下の通りです。

  • 換毛期に猫の毛が抜けるのは自然の現象である。しかし、抜け毛の量が増えたり、過度の抜け毛や一部の皮膚が露出したりする状態は、皮膚トラブルの兆候の恐れがあるため注意が必要。
  • 猫の抜け毛が増える理由は、ダブルコートの猫種や換毛期、ストレス、食事の影響など多岐にわたる。
  • 猫の抜け毛対策には、ブラッシングやシャンプー、毛玉除去剤の使用がおすすめ。また、部屋の掃除や空気清浄機を使うことも検討しよう。

皆様が抱える愛猫に対する疑問や不安を、この情報で少しでも軽減できれば幸いです。日頃から、スキンシップの中で、猫の毛や皮膚の状態変化を観察してみましょう。

参考文献